復讐の序曲 私刑されるデンジピンク/ペースケ・著

イラスト:桃月堂
デンジマンとベーダー一族の長く辛い戦いが終わってすでに数週間が過ぎた。 人々の記憶からもそろそろ消えようとしていた。しかしデンジマンの5人にはまだ戦いは終わっていない。 ベーダー一族を率いていたヘドリアン女王はいまだ行方はわかっていない。 また、残党がいまだに残っているため、5人は交代で偵察を行っていた。残党といっても ベーダー怪物は表れず、もっぱらダストラーが数匹でてくる程度ではあった。  今日はあきらの当番である。いつものように街をぬけ、郊外に向かって走っていた。 ここしばらくは特に変わったこともなく、退屈な日々であった。 「あーあ、ベーダーもここのところさっぱりね。体がなまっちゃうわ」 普段のトレーニングを欠かすことはない。しかし敵に会うことも少ないと、どうしても緊張感の持続ができない。 「たまには刺激も欲しいわね」 郊外のバイパスをただ一人、車を走らせていく。 しばらくすると前方に黒い影がみえた。 あきらはそれを認めると、車を止めた。不吉な予感があきらを襲う。あきらはしばらく 観察していたが、それがダストラー達であることを認めた。 「よし、久しぶりにデンジピンクの出番だわ」 あきらは車を降り、変身した。 「デンジスパーク!」 淡いピンクのコスチュームにあきらは包まれた。デンジピンクの登場である。 ダストラー達もどうやらデンジピンクに気がついたらしくこちらに向かってくる。 「待っていたぞ、デンジピンク。今日がおまえの最期だ」 「バカじゃない、たかが雑魚になんか負けないわよ」 デンジピンクはダストラーの群れに飛びこんだ。 「えい、や、とぅ」 ダストラーも必死に抵抗しようとしたが、所詮相手になるはずもなかった。 「たぁ」 デンジスティックを抜き、ダストラーをばさばさと切り捨てていった。 戦いは10分ほどで終わった。そこには5つの倒されたダストラーがころがっていた。 「うう、デンジピンク、これで我々の勝利だ.......」 1匹のダストラーがデンジピンクを睨みつけながら喘ぎ声をあげた。 「何言っているの、やられているのはどっちよ」 ダストラーはやがて灰になり、風に流されあとかたもなくなった。 「まったく弱い連中だわ」 デンジピンクは変身を解いて、デンジランドへ戻ろうとしたその時だった。  雲の中からガロガの恐獣ミサイルが現れた。それは空中で大きく爆発した。 (何、あれは) 爆発の中からパラシュートをつけた7匹のガロガ戦闘員が表れ、やがて地上に降り立った。 その様子を見ていたデンジピンクは身構えた。 (新たな敵ね) ガロガ達はデンジピンクを見つけると、そのまま駆け寄ってきた。 7匹の中で一匹だけ体の色がグレーのガロガが口を開いた。 「おまえがデンジピンクだな」 「えっ、どうして私の名前を」 「われわれガロガバラン星人は、はるか昔にデンジ星に侵略しようとしたことがあるのだ」 「なんですって」 「しかしその時は、デンジ星の科学力の前に対抗することはできなかった」 「いい気味ね」 「われわれはその子孫にあたる。デンジ星はベーダーが破壊したが、地球でお前達デンジマンに滅ぼされた」 「そうよ、正義はいつも負けないわ」 「我々はそのベーダー一族生き残りのヘドリアン女王から、お前達デンジマンを倒すことを請け負った。 私はリーダーのグレーガロガだ」 「ヘドリアン女王ですって。でもデンジマンは無敵よ。あんた達には負けないわ」 「そうかなデンジピンク。あの戦いから数百年たった。われわれガロガバラン星人は数々の戦いを乗り越え、 着実にその力を強くしていったのだ」 「なによ。今度もまたこてんぱんに倒してあげるわよ」 「これが罠だとまだ気づかないのか、お嬢ちゃん」 「罠?この位で罠もなにもないじゃない」 「ガロガバラン星人を甘くみるんじゃない。我々の進化をおまえにじっくり教えてやろう」 「望むところよ」 デンジピンクはガロガの1匹に目標を定めると、デンジスティックで切りつけた。 「たぁ」 グレーガロガの脳天に振り下ろされた。ところがその剣をガロガは両手で挟み込んだ。 「うっ」 デンジピンクは力まかせに下ろそうとしたが、まるで動かない。逆に抜こうとしたが、それもかなわない。 「どうしたデンジピンク」 残りの4匹がデンジピンクを狙ってとり囲んだ。銃を構えているのに気がついたデンジピンクは、 デンジスティックを握る手を放すと、その輪を抜け出すべくジャンプした。 「デンジジャンプ!」 それを見ていたガロガ達は宙に向け銃を放った。銃弾が何発もデンジピンクの脇をかすめていく。 そのうちの一発がデンジピンクの左足の太ももに当たり、デンジピンクはバランスをくずした。 「うっ」 デンジピンクは頭から地上に激突した。 「うう」 そこをガロガが取り囲んだ。2匹のガロガが両脇からデンジピンクに向かった。デンジピンクは脚を押さえながらたちあがった。 「いくわよ、デンジサンダー!」 2匹のガロガはその技に巻き込まれ、飛ばされていく。 「どう、これがデンジピンクの力よ」 「ほう、それがデンジサンダーか。たいしたことはないな」 「なによ。あなたも試してみたら」 「それはよしておこう」 「ふーん、案外、意気地なしなのね」 「ガキの遊びに付き合うほど暇ではないのでね」 「いってくれるわね」 デンジピンクはグレーガロガにキック・パンチを浴びせた。しかしどれも片手で簡単にかわされてしまった。 「オイオイ、もっと早く打ちこまないと意味がないぞ」 「うるさい。少しはそっちからもかかってきなさいよ」 「そんなことを言って後で後悔するなよ」 グレーガロガは息をゆっくり整えだした。デンジピンクは固唾を飲んでそれを見つめた。 「はー」 グレーガロガがジャンプし、デンジピンクに向かって蹴りをいれようとした。 デンジピンクは前転してそれをかわした。グレーガロガは着地と同時にバックにジャンプした。 デンジピンクが振り返ると、目の前にグレーガロガのブーツの底が一瞬見えた。 グレーガロガはデンジピンクに蹴りを決めると、いったん着地し続いてデンジピンクに駆け寄った。 デンジピンクは蹴りの反動で後頭部から地面に落ちた。 頭が少しクラクラしているが、片膝をついて起きあがろうとした。 グレーガロガはうずくまっているデンジピンクの腹にめがけて蹴りをくわえた。 デンジピンクはまた数メートル飛ばされた。 (なんてすばやいやつなの、とても防ぎきれない) デンジピンクは恐怖を覚えた。 (私ではあいつは倒せないかも) 「ハハハ、どうしたデンジピンク、これで終わりとはもの足りないぞ」 地面に横たわりながら、遠くでグレーガロガが笑っているのが見えた。 (どうしよう、このままではやられるわ) グレーガロガはゆっくりとデンジピンクに向かって歩いてくる。 「立て、勝負はこれからだ」 デンジピンクはなんとかたちあがった。体全体が震えているのがわかった。 (がんばるのよ、あきら) デンジピンクは自分に言い聞かせた。 「どうした、かかってこないのか」 「くッ、いくわよ」 デンジピンクは右回し蹴りでグレーガロガの頭を狙った。それが決まるかと思えた 瞬間、踵を手で押さえられた。そしてそのまま投げ込まれ、一回転して地面を打った。 「きゃあー」 デンジピンクは尻を地面に強く打った。 「押さえろ」 デンジピンクは両手、両足を4匹のガロガに取り押さえられてしまった。グレーガロガはデンジピンクに近寄った。 (く、しまった、動けない) 「いいざまだぞ、デンジピンク」 「うう、放しなさい」 「フフフ、バカを言うな。これから楽しいショーの始まりだというのに」 グレーガロガは右手に小さい箱らしきものを持つとデンジピンクに近寄った。 「なによ、その箱は」 「デンジマンのことはよく調べ上げてある」 「だからどうだっていうのよ」 「デンジピンク、これからおまえの弱点を攻めてやる」 「なによ、私に弱点なんかないわ」 「フフフ、それでは俺が教えてやろう」 「うそよ、あんたなんかにそんなことがわかるはずがないわ」 「ではこれはどうかな」 「な、なによ、なにをする気」 「まずスペースストーンをいただく」 「そ、それは」 「そしてその跡からパワーの源であるデンジエネルギーを一気に放出させてやるのさ」 「なんですって」 「このプラズマ放電を受ければ、おまえの強化スーツのデンジ回路はひとたまりもあるまい」 「う、うそよ」 「うそではないさ、ガロガ研究所で実験済さ」 「や、やめなさい」 「フフフ、だめだ」 グレーガロガはデンジピンクのヘッドの透明パネルをパンチで壊した。 「ああ、そこは.......」 そしてスペースストーンに指で掴むと一気に抜いた。 「きゃぁ、回路が止まっていく.......」 次にプラズマ放電器をスペースストーンの無くなった剥き出しのヘッド部分に押し当てた。 「ではいくぞ、デンジピンク」 「やめてぇ」 グレーガロガはスイッチをいれた。青白い火花が飛び、放電が始まった。 パチパチと放電器から火花が散る。 「きゃぁ.......」 (体中に電気が流れていく.......) ”バリバリバリバリ” 過電流に耐えきれず、回路がプスプスと音をたてて焼けていく。 (ああ、回路がショートしていく) デンジピンクの全身は痙攣し始めた。 (うう、デンジエナジーが放電しているわ) デンジピンクのヘッドの回路はじょじょに黒い焦げが広がっていく。 (通信回路が.......も、もうみんなに連絡もできない.......) 突然、デンジピンクの胸につけたDのエンブレムが点滅しはじめた。 (ああ、これは.......エ、エナジーがなくなるわ.......) そのエンブレムに気がついたガロガはそこに手をかけた。 「なんだ、これは」 「だ、だめ、それはデンジマンのエナジーコントロールメーターなの」 「ほう、それは知らなかった」 「お願い、その手を放して」 「では、こうしてやろう」 「ああ、だめぇ.......」 ガロガはエンブレムを胸から引き千切った。 「きゃあ」 胸のエンブレムのあったところは、デンジスーツが裂け、ひときわ青い光が輝いていた。 (うう、エンジーがコントロールできない.......) デンジピンクのエナジーは胸からどんどん放出されていた。 (このままでは、私のエナジーが.......) 胸の光の輝きはだんだん衰えていく。 (体の自由が利かない.......) 光はやがて消えた。と同時に、デンジピンクは動かなくなった。 (ああ、もうエナジーがまったくない.......) (う、動けない) 「ははは、デンジピンクもこれで最後というわけだ」 (く、悔しい) 「次はその素顔を拝んでやろう」 「えっ、や、やめてよ」 「ハハハ、そんなにいやか」 「それだけは、いやーーー」 「そうか、それではこうしてやろう」 「え、なに、なんなの」 「おい、あれをとれ」 1匹のガロガがグレーガロガにデンジスティックを手渡した。 「それは私のデンジスティック.......」 「そうだ。これでおまえのマスクを壊してやる」 ガロガはデンジスティックをデンジピンクのマスクにむけ振り下ろした。 「ああ、いや、そんなことしないで」 「だめだ。おまえのデンジスティックがどれほどのものか、自分で味わって見ろ」 「いやーーーやめて、はなして」 「いくぞ」 「きゃぁぁーーー」 ”バキッ” 「うう、うう」 「はは、どうだおまえの武器の味は」 デンジスティックが黒焦げになった回路の中に食い込んだ。マスクにわずかに亀裂が生じている。 「ああ、いやいやーーー」 グレーガロガはいったんデンジスティックを抜いた。デンジピンクは頭を左右に振り ガロガ達から逃げようともがいた。 「ええーい、騒ぐな」 ”ドスッ” 「うッ」 グレーガロガが蹴りを一発デンジピンクの腹に決めた。 「おいこいつの頭を動かんように押さえろ」 一匹のガロガがデンジピンクのマスクを両手で押さえつけた。デンジピンクは グレーガロガと真正面で向き合う形になった。 「うう、やめて.......お願い」 「俺は中途半端は嫌いだ」 「きゃぁぁァァ」 グレーガロガは今度はデンジピンクの壊れたヘッド回路の中にデンジスティックを刺しこみ、えぐりだした。 ひび割れの亀裂が2本、3本、4本とじょじょに広がっていく。 「だめーーー、壊れちゃう、やめてーーー」 グレーガロガは、次にデンジスティックの柄の部分でガツガツと亀裂の部分を叩きだした。 「ああ、本当に壊れちゃう.......」 「フフフ、いいざまだぞ、デンジピンク」 マスク全体に亀裂が渡ったのを確認すると、デンジピンクを押さえつけているガロガ達に言った。 「おい、こいつを腹ばい状態で地面に寝かせろ」 デンジピンクが地面に押し付けられた。顔に地面が当たっている。 「とどめだ、デンジピンク」 グレーガロガはデンジピンクの前方に回った。そして右足をデンジピンクのマスクに乗せ、体重をかけた。 「ほらほらどうだ」 「ああ、マスクが」 マスクがピキパキと割れる音を立てている。しかし動こうにも上から押さえられては微動だにもできない。 「それもうすこしだ」 「ああ」 最期にバキバキという破壊音とともにマスクがばらばらに割れた。 髪が乱れ、あきらの素顔が晒された。あきらの目から涙が頬に流れていた。 (こんなやつに私が負けるなんて.......) グレーガロガは片膝をつき、あきらの髪を鷲掴みにし、素顔を覗きこんだ。 「ほう、地球の女にしてはなかなかかわいいな」 「うう、」 「さて、次はどうして欲しい、デンジピンクよ」 「も、もうはなして.......私を自由にして」 「フフフ、そうはいかんな」 あきらの体が仰向けにされた。手と脚は押さえられ身動きはできない。 「つぎはここを攻めてやろう」 「えっ」 グレーガロガは強化スーツのスカートをまくりあげ、下半身部分を破り始めた。 ガロガの爪があきらの腰から秘部をまたぎ、腿へと傷をつけていく。 強化スーツもただの高分子ポリマー繊維の布に過ぎなかった。 グレーガロガは人差し指の爪だけで1本づつゆっくりと跡を残していく。 その間隔は正確に2センチづつ取られている。裂けた強化スーツの隙間にパンティが見えていた。 「なんだこれは、正義の戦士が黒い下着なんかしているのか」 「ああ、見ないで」 「おまえ、夜な夜な男を漁っているのか」 「ちがう、そんなことしてないわ」 「正義の戦士デンジピンクもしょせんただの女というわけだ」 「ち、ちがうっていっているでしょ」 「では俺が女の喜びを教えてやろう」 グレーガロガは自分の角を右手でとり、先端をあきらの股間のパンティにあてた。 「や、やめて.......」 「地球人でこれを味わうのは、おまえが最初だぞ。感謝するんだ」 「いや、そんなの知りたくもないわ」 「フフ、おれも地球の女がどう悶えるか、それだけが楽しみだ」 グレーガロガはあきらのパンティの上から角を挿入した。 「ぎゃァーーーー」 「ハハハ、悶えろ、悶えろ、デンジピンクよ」 グレーガロガはゆっくりと奥へ角を進めていった。 「痛い、痛いッ、抜いて、お願い.......」 それはすさまじい感触だった。かつてあきらはこれほどの経験はしたことがなかった。 「ああッ、ああ、」 (こ、こんなことって) 「どうだ、これほどのものを食わえたことはないだろう」 「抜いて、お願い、ダメ、ダメ、そんな、お、奥まで.......」 グレーガロガは角が終点に達したところでいったん手の動きを止めた。 「どうだ。いいだろう、芯から感じてくるだろう」 「うう、感じてなんかこないわ」 「そうか、まだ足りんとみえる」 グレーガロガはいきなり角を回し始めた。 「ああ、ああ、そんな.......」 「これもまた違った味だろう」 (か、体が、奥から熱くなる.......) 「おらおらおらーーー」 「あん、あん、きつい.......」 「いいぞ、その顔だ。もっともっとよがるんだ」 「うう、感じてなんか.......いな.......い」 「がまんしてもつまらんぞ」 「ああ、ううう.......」 グレーガロガは回す手を速めていく。 「うう、うう、」 あきらは歯を固くかみ締め、それに耐えようとした。しかし体がだんだん反応することを止められない。 「そろそろ限界だな」 「そ、そんなことない.......」 あきらは応えるが、その声に力はない。 「あそびもこれくらいにするか」 グレーガロガは回していた手を、今度は前後に動くピストン運動に代えた。 「ダメ、ダメ、アアァァーー」 あきらは首を左右に激しく振り抵抗した。 「ひっ、ひいいっ。あっ、ああんっ。い、いやんっ……ひっ、イ、イクッ。イッちゃうっ」 「フフフ、デンジピンクの悶える姿もなかなかのもんだ」 「ああっ……」 あきらのひときわ高い声がこだました。あきらの中でかつてない激痛が、下腹部から背筋に一気に駆け抜けていき、 後頭部で爆発した。髪を振り乱し、流れる涙をどうしようもできないまま、獣の叫びを発していた。 グレーガロガは角を抜きとった。 「では、これからおまえをベーダーに引き渡すぞ」 「えっ.......」 その声を聞きながら、あきらの意識は空に溶けていった。 ***完***