激走戦隊カーレンジャー外伝・姉妹戦士は縦列駐車が苦手?・上

 ボーゾックとの戦いが終わり、地球に平和が戻ってすでに5年がたっていた。 カーレンジャーの5人はいまだに極小自動車会社に働く普通の社会人であった。 給料も人並みにあがっていったが、昨今の不況で会社の景気もすこぶる悪く、 ここ2回ばかりボーナスが半分に減らされていた。まあ本人たちはその性格から ひたすら脳天気ではあり、夢見る若者であることに変わりはなかった。変わった といえば、ここでいっておかなければならないことがある。あの辛い戦いが終わ ったあと、ゾンネットことファンベル星の王女バニティミラーファンベルトは、 レッドレーサーを求めて地球に降りてきたのだった。そして、そのお気楽ギャル である姉を連れ戻すべく、ラジエッタファンベルトも地球に来たのだった。もと もとカーレイサーのファンでもあったラジエッタは地球の生活が特に気に入り、 いまは大日本帝国女子大に通う女子大生であった。そしてゾンネットは、親元か らの仕送りが打ち切られ、しかたなくバイトをはじめた会社にそのまま就職した というお気楽なOLになっていた。  わがままな姉を監視するには同居が一番ということで2人は最初はアパートに 住んでいたが(それが親からの仕送りの条件であった)、ラジエッタが大学にい くころからゾンネットは朝帰りの回数が多くなった。ラジエッタが不信に思って ゾンネットの携帯の履歴を盗んで見たら、どうやら恭介と夜な夜な会話している ようであった。そしてある夜、また午前もすぎても姉が帰って来ないので、携帯 に連絡したところ、なんと姉ではなく恭介が応えたのだった。 「お、おまえラジエッタか!」 「なんであなたがこの携帯にでるのよ」 「うッ、それはまあ、なんというか、まあ、あれだよ」 「あれってなんなのよ」 「あれだよ、あれ」 「あれねえ.......いいわ。このことはファンベル星のお父様に知らせるわ」 「ちょ、ちょっと待ってくれ。それだけは、かんべんしてくれーーーー」 「私のお父様は怒らせると怖いわよ。ボーゾックのガイナモなんて赤ん坊みたい に見えるくらい怖いわ」 「だから、それだけはやめてくれーーーー」 「そう、そんなにいうのなら、いわないでもいいけど」 「おう、けっこうものわかりがいいな、ラジエッタ」 「その代わりに、ねえ」 「その代わり?」 「そう、このことを言わない代わりに私のお願い、きいてくれる?」 「なんだよ、そのお願いってのは」 「簡単なことよ。私用のアクセルチェンジャーを頂戴」 「えーーーー、そんなことできるわけねえだろ」 「じゃいいわ、お父様にすべてを話すわ」 「待て待て、それだけはだめだ」 「じゃ、私のいうことを聞くことね」 「まったく姉妹そろってわがままだからしかたねえな」 「いやなの」 「いえそうではありません、ラジエッタ様」 「じゃさっそく頂戴」 「わかったわかった。さっそくダップに相談するよ」 そして1週間後。 ヤマト宇宙宅急便にて、小包がラジエッタのところとゾンネットのところに届いた。 ラジエッタは自分宛てのものがダップからであることを確かめた。なかを開けると そこにはアクセルチェンジャーが入っていた。 「わーーーい、わたしのアクセルチェンジャーだ」 そして、さっそくアクセル変身キーを差し込む。 「激走アクセルチェンジャー!」 そして、ラジエッタはホワイトレイサーに変身した。 「やりーーー。これで本当のホワイトレイサーじゃん」 その時、奥の部屋からゾンネットが現れた。 「へえ、すごいじゃん、ラジエッタ」 「いいでしょ、お姉ちゃん。うらやましいでしょ。でも貸してあげないよ」 「いいわよ、貸してなんかくれなくても」 ゾンネットは自分宛ての荷物を開けると、その中からアクセルチェンジャーを取り だした。ゾンネットはパープルレイサーに変身した。 「お姉ちゃん、それって」 「そう、私だって持ってるのよ」 「なんでお姉ちゃんまで」 「たいしたことないわ。恭介が他の女とモーテルに入ろうした現場を押さえたのよ」 「いやはや、やはりお姉ちゃんだけのことはあるわ」 そうして第6と第7のカーレンジャーはこうして誕生したのだった。しかしこんなこと でいいのだろうか。本当に地球の平和は守られるのだろうか。 ここで場面は宇宙に変わる。  地球で新しい戦士が誕生していたころ、宇宙暴走族ボーゾックの中では内輪もめが 発生し、新たな暴走族グループが誕生していた。その一群は「ネオボーゾック」と 名乗り、またもや惑星侵略を始めた。ネオボーゾックの首領はガイナモの従兄弟で、 ゴダールといい、ガイナモより3歳年下でまだ独身であった。ゴダールとガイナモの 間には浅からぬ因縁があった。ゾンネットがまだボーゾックにいたころ、ゴダールが ガイナモといういわば公然と決まっていたのがいるにもかかわらず無謀にもゾンネットに アタックしてものの見事に振られた経験がある。ガイナモはそれを知るとゴダールを 幹部からはずし、永遠の便所掃除当番を言いつけた。以来ゾンネットには深く恨みを 持っており、いつか自分のものにしてやろうと狙っていたのだった。そして、ゾンネット がいなくなったあとのボーゾックにはなんの未練もなく、自分がガイナモよりも強いこと を宇宙に知らしめることを企み、手を切った。そして日々精進を重ね、暴走族たる力も つけ、数々の惑星を侵略していったのだった。 「ダップ、あの2人がカーレンジャーにして本当に大丈夫かなあ」 「まあ、だらしない恭介よりはいいかもしれないじゃん」 「う、それを言われるときつい」 「それより、しっかり訓練するんだよ」 「えっ俺があの2人をか」 「あたりまえでしょ。戦士が訓練もしないでどうするの」 「あの2人が俺のいうこときくかなあ」 「うだうだ言ってないで、ほら、行くんだよ」 一方ここはネオボーゾックの前線基地。 「おい、ゾンネットの行方はわかったか」 ゴダールが手下に尋ねた。 「わかりやしたぜ総長。ゾンネットさまはチーキュウにいるようです」 「なに、あのカーレンジャーがいるチーキュウか」 「それもどうやらレッドレーサーと同棲しているみたいです」 「なんだと!?」 「どうします?」 「決まっているだろ、チーキュウに殴りこみだ」 「わかりやした」 「いやよ」 「私もいや」 「そんなこといわないでさあ、一応2人とも戦士なんだから強くなんないとだめでしょ」 「ダイエットでスポーツするならいいけど、筋肉をつけたくなんかないもの」 「そうよ、この華麗なプロポーションをこわしたらどうすんのよ」 「まあお姉ちゃんは年だからいいけど、私は体育会系の女子大生なんかに興味ないの」 「いまなんていった、ラジエッタ」 「聞こえなかったの。お姉ちゃんはオバンだからいまさらプロポーションもないってい ったのよ」 「おいおい喧嘩はやめてくれーー」 「なによ、もとはといえばあんたが変なこというからでしょ」 「そうよそうよ」 そして恭介は2人にボコボコにされてしまった。 場面がかわって、ここはごく平凡な街のはずれ。ネオボーゾックカーからゴダールと その手下であるモンスターが降りた。 「つきましたぜ、総長」 「うむ。さてどこから探すか」 「そうですね、まずカーレンジャーを見つけるのが一番かと」 「どこにいけばカーレンジャーに会えるんだ」 「やっぱり誰かに聞くのが早いかと」 「そうだな。オーイ、そこのお嬢さん」 ゴダールはたまたま大学の帰りで道を歩いていたラジエッタに声をかけた。 「はい?私のこと呼んだ?」 「そうです、そうです、あなたです」 「で、なにか用?」 「はい、私たちはネオボーゾックといいまして、このチーキュウにいるという カーレンジャーを探しております」 「あなたたち、カーレンジャーのファンなの」 「ファンといいますかなんといいますか、どちらかといえばアンチ派ですけど」 「ふーーん、そうなの」 ラジエッタは適当に相槌を打ちながら、別のことを考えていた。 (こいつら、あのボーゾックの仲間ね。私が懲らしめてやろう) 「で、お嬢さん。カーレンジャーはどこにいけば会えますか」 (どこでやっつけたらいいかな。そうだわあそこがいい) 「えーとですね。そこの角を左に曲がって通りをずーと行くと高校があります」 「はいはい」 「今の時間だと、あと10分もしたらカーレンジャーが巡察にくることになってます」 「おーそうですか。それはそれはどうもありがとうチーキュウのお嬢さん」 「いえいえ、これくらいのこと」 (あとでどうなるか、こっちが楽しみよ) 「では、さっそくわれわれはいくとします」 「気をつけてくださいね」 そしてラジエッタはその場から去った。 「チーキュウのお嬢さんは結構親切だな」 「そうですね、総長」 「しかしなあ」 「なんですか」 「どっかで見たことなかったか、今のお嬢さん」 「そうですか、あっしはとんとわかりませんが」 「そうだよな、チーキュウには初めてきたんだからな」 ラジエッタはネオボーゾックの2人が角を曲がるのを遠く離れて確認した。 「いったわね。じゃあやっつけてあげようかしら」 ポケットからアクセル変身キーを取り出した。左腕のブレスにキーをさしこむ。 「激走アクセルチェンジャー!」 光の中からホワイトレーサーが現れた。 ネオボーゾックの2人はラジエッタの言われたとおりに道を歩いた。 「おお、ここだここだ。田打野高校と書いてあるぞ」 「ここで待っていればいいですね、総長」 「よしとりあえず一服するか」 2人は高校の正門の前にうんこ座りをし、タバコを吸いはじめた。 「ハー、やっぱゴールデンベアは最高だ」 「チーキュウでふかすってのもまた格別ですね、総長」 「それはそうと、いつくるかなあカーレンジャーは」 「そろそろですよ、総長」 「ああ、早くゾンネットに会いてえなあ」 「もうちょっとの辛抱です」 しばらくして、道の向こうからラジエッカーに乗ってホワイトレイサーがやって来た。 「おっ、やっとお出ましか」 「そのようです」 ゴダールとモンスターは腰をあげ、ラジエッカーの前に立ちはだかった。 「待っていたぞ、カーレンジャー」 ホワイトレイサーはブレーキをかけて直前に止まろうとしたが、タイミングをまちがえ 跳ね飛ばしてしまった。 「ぎょえーー」 ネオボーゾックの2人は10メートルほど飛び、地面に激突した。 「いてぇ」 ゴダールが思わず悲鳴をあげた。 ホワイトレイサーはラジエッカーを降り、ゴダールとモンスターに近寄った。 「ごめんなさーい」 「てめえ、もうちっとまともな運転しろーー」 「それでも、戦う交通安全かあ」 「ごめんなさい。私、車庫入れってヘタクソなんです」 「みろ、ここ。バンパーの跡がついたじゃねえか」 「あら、本当。見事なくらいに跡がはっきりしてますね」 「感心している場合か。このオトシマイ、きっちりとつけてもらおうじゃねえか」 「どうしたらいいんですか」 「そうだな。まずイッパツやらしてもらおう」 「ハーーー。男って結局それしか頭にないのね」 「グッ、痛いところをつきやがって、このやろう」 「そんなことより、あなた達ボーゾックでしょ」 「ボーゾックだと。違うな、俺達はあんな軟弱者とはわけが違う」 「へえ違うんだ。じゃあなんなのよ」 「フフフ聞いて驚くなよ。俺達はネオボーゾックだ」 「ネオボーゾック?やっぱりボーゾックの仲間じゃない」 「うるさい、ネオボーゾックはボーゾックとは違う」 「どこがどう違うってのよ」 「それはだな、まず総長が違う」 「へえぇ、総長がねえ。ところでその総長ってだれなの」 「お前の目の前にいるこの俺様だ」 ゴダールはそういって自分を指さした。 「プッ、あんたはただの三下かと思っていたわ」 「なんだとーーー、もう怒ったぞ、てめえ生きてここから帰しはしねえぞ」 「あら、やる気?このホワイトレイサーも怒らせると恐いわよ」 「勝負だ!」 ホワイトレイサーとネオボーゾックの2人は正門から高校の校庭に入った。 「さあ、どっちでもいいからかかってきなさい!」 「フ、よしモンスター、おまえからいけ」 「へい、総長」 ホワイトレイサーはバイブレードを抜き、モンスターに向かっていった。 「やぁぁぁ!」 モンスターの頭上を目掛けて剣を振り下ろす。モンスターはそれを黙って みながら、左腕の防具で受け止めた。 「スキだらけだぜ、お姉ちゃん」 剣を受けたまま、ホワイトレイサーの腹に右手で拳をきめる。 「グフッ」 思わずうめく。ホワイトレイサーは膝をガクッと落とした。 剣を握る力が一瞬ゆるんだ。それをモンスターは見逃さなかった。左腕をはずすと ホワイトレイサーは、モンスターに向かって倒れるようにバランスを崩した。 モンスターは右回転して回し蹴りをホワイトレイサーのマスクにきめた。 ホワイトレイサーはまともに蹴りを受け、そのまま飛ばされた。その手にはすでに バイブレードは無い。ホワイトレイサーは地面をごろごろころがり、鉄棒のある砂場 のまえで止まった。 (ううう.......) ホワイトレイサーは初めての戦闘で勝手がわからないまま、頭の中が混乱していた。 しばらくそのまま横たわっていた。そこへモンスターがやってくるのがぼんやりと バイザー越しに見えた。 (くっ、とにかく立たなくちゃ) ホワイトレイサーは両手をつき、膝をあげ立ちあがった。 「お姉ちゃん、だいじょうぶかい」 「うるさい、ちょっと油断しただけよ」 「そうかい、じゃあ次にいくぜえ」 「次はこっちからよ」 啖呵を切ってそのままジャンプした。 「とおぉ」 そこからモンスターに飛びげりをくわえようというのだ。 ドカ! モンスターの胸に見事なキックが決まった。 しかしモンスターはホワイトレイサーのキックを受け止め、そのまま頭の上にあげ まわし始めた。 「きゃぁー.......」 5回転ほどそれを続けると、モンスターはその手を離した。 ゴン、ガラガラガラ....... ホワイトレイサーは頭からコンクリート壁につっこみ、壁が崩れ落ちた。 ホワイトレイサーにとってそれくらいの衝撃は何でもなかったが、それがあまりに も一瞬のできごとで呆然としてしまった。 (なんて怪力なの、あの怪物.......) モンスターはコンクリートの中から出ているホワイトレイサーの足を2本 ともつかみ、瓦礫の中から引き出した。そしてこんどは自分も回転しはじめた。 ジャイアントスイングをホワイトレイサーにくわえようという魂胆らしい。 ホワイトレイサーは両手をあげた状態で宙に浮いている。 「きゃぁーーー」 「俺様のジャイアントスイングは、ものすごくしびれるぜ」 「な、なにいってんのよ」 その回転はものすごい。おそろしいほどのGがかかってくる。 「うぐぐぐ.......」 「それではまず1回目のお楽しみだ」 「えっ、何?」 モンスターは回転しながら、校庭の隅にある桜の木の下に移動した。 「そおれっ」 「ぐわあぁ」 ホワイトレイサーは右脇から幹に激突した。幹の瘤がそのままホワイトレイサー の右脇にあとになって残っている。 「はぁ、はぁ、はぁ」 ホワイトレイサーはあえいだ。体力を消耗しつつあるが、まだパワーは十分にある。 (まだまだこれからよ) 息もたえだえにホワイトレイサーは頭をあげ、モンスターを睨みつけた。 「おお、まだ戦おうってのか」 「うう、これくらいでホワイトレイサーに勝ったと思わないで」 「そうか、まだ足りんということか」 モンスターはまた両足をつかみ、今度は反対向きに回転した。 「うあぁぁぁぁ」 さっきよりも回転が速い。ホワイトレイサーはそれでも必死に耐えていた。 (気がとおくなる.......、だめ、これくらいで負けるなんて) 「今度は別の.......おっ、あれがいい」 モンスターは余裕で次の激突物を探しているのだ。 (な、何、今度は) 「さて、そろそろだぞ、ホワイトレイサー」 「く、く、おまえなんかに負けないわ」 「では、じっくり味わえ」 「きゃぁぁ、.......」 モンスターはホワイトレイサー投げ飛ばした。その先には地面を整地する コンクリのロータがあった。 ホワイトレイサーは頭から激突した。 ゴン、べキッ 「うわぁぁ」 鈍い激突音とともにマスクの後頭部に亀裂がはいった。 (うう、ホワイトレイサーのマスクが.......) そこから電子回路の一部が現れた。うっすらと煙がたっているのが見える。 (まずいわ、クルマジックパワーのコントロール回路が壊れてきてる) その横たわったホワイトレイサーの真上からモンスターが降ってきた! ドスン。 モンスターはその巨大な尻をホワイトレイサーの華奢な体のど真ん中に沈めた。 「ぐふっ」 ホワイトレイサーは思わずつばを吐いた。それがマスクの中に溜まる。 「それもう一度」 モンスターは腰を浮かし、そしてそのまま尻からホワイトレイサーの腹に落とした。 それを何度も何度も繰り返しホワイトレイサーをいたぶった。 尻が落ちるその度にホワイトレイサーはうめき声をあげた。 「うぐ、うぐ」 何度も落とす巨体の重さにホワイトレイサーは体力が奪われていった。 「どうだ、餅付きの餅の気分は」 「ぐぐぅぅ、こ、これくらい、なんでもないわ.......」 「そうか、じゃあ次は吊るし柿にしてやろう」 「えっ.......やだ」 モンスターはホワイトレイサーの両脚を掴むと、ずるずると鉄棒のところまで引きずっ ていった。そしてホワイトレイサーの右足首に鎖をかけて縛り、鎖のもう一方を鉄棒の 上を通してから右手に握った。次に右手で鎖を引き、ホワイトレイサーを逆さ吊りに して鎖でホワイトレイサーの左足首を縛りあげた。 「わぁ.......」 ホワイトレイサーは全身の力が抜けた状態で鉄棒にぶら下がっていた。両手はだらんと 地面に向かって垂れている。 「まったく生意気なだけのねえちゃんだぜ」 「うう.......私をここから降ろしなさいよ」 「なに言っていってやがる。これからたっぷりとおしおきしてやるぜ」 モンスターは続けざまにホワイトレイサーの腹にパンチを浴びせた。 「ゲホッ、ゲホッ」 「こんな危ないおもちゃも取りあげんとな」 モンスターはホワイトレイサーが腰につけているオートブラスターを抜き取った。 「あっ、私のオートブラスター」 「どれどれ、これで遊んでやるかな」 「ちょっと、返しなさいよ」 「フフフ、どれくらいのものか、自分で味わって見ろ」 モンスターはオートブラスターでホワイトレイサーの腹を狙った。 ドスッ 「ぎゃぁーー」 ホワイトレイサーの叫び声が響きわたる。強化スーツが5センチのほど黒焦げ になって破れ、微かに白煙があがっていた。 (ううう、オートブラスターがこんなにきくなんて) 「ほおー、結構な威力があるもんだな」 「はぁ、はぁ、はぁ.......早くそれを返してよ.......」 「まだまだ」 ドスッ、ドスッ、ドスッ 右脚、左腕、胸の中心と立て続けに射ち込まれる。 「あん、あん、あん」 撃たれたところはすべて裂け目から煙があがり、そして一部の回路がショートして 青白い火花をあげていた。 「モンスター、そろそろいいぞ」 「へい、総長」 ゴダールがそういって近づいてきた。ホワイトレイサーは意識が朦朧となりながらも その影がきたことだけはわかった。 「おまえには聞きたいことがある」 ゴダールは腰を落とし、ホワイトレイサーのマスクに左手をかけ尋ねた。 「レッドレーサーはどこにいる?」 「な、なに....そんなこと、し、知らないわ」 「そんなはずはないだろう、お前の仲間だろ」 「たとえ知っていたって、教えたりなんかしないもん」 「強情なねえちゃんだな。では、その体にきいてやる」 ゴダールはホワイトレイサーの腹に拳をきめた。 「ゴフッ」 「どうだ、話す気になったか」 「ゲホッゲホッ、.......そんなこと知らない.......」 「まだ言わないか。そうか。じゃあ、まずその生意気な顔を拝んでやろう」 「えっ.......それだけはいやぁーーー」 「ふん、それだけいやがるんなら素直に吐け」 「知らないものは知らない」 「じゃあ、こうするだけだ」 ゴダールは懐からライターを取り出し、ホワイトレイサーのマスクの割れた ところにもっていった。 「これはどんなシケモクにも火がつく強力な火力があるんだぜ」 「いや、いや、やめてーー」 「マスクを壊して、どんな顔が出てくるか見物だぜ」 カチッ、ボォーー ライターから炎があがった。それがそのまま、ホワイトレイサーのマスクの 回路を包みこむ。 「ああーーん、電子回路が壊れちゃうよー」 「ほらほら火がどんどん回るぞ」 「ああ、熱い、熱い、お願い、マスクをとってーーー」 「フ、自分からお願いするとはな」 ゴダールはホワイトレイサーのマスクの止め金を外した。髪がバサリと落ちた。 「おまえ、さっきの道を教えてくれたねえちゃんじゃねえか!」 「ああ.......」 ラジエッタは目の周りを赤く晴らしていた。 「よくも俺達をコケにしてくれたな。このお礼はたっぷりしてやるぞ。これから奴隷の 調教訓練だ。こいつを降ろせ」 「へい総長」 ラジエッタの足の鎖が解かれ、地面に落ちた。ラジエッタの手を後ろに回し、 両手を縛りあげた。ゴダールは片膝をつき、その状態からラジエッタの髪を乱暴 につかみあげた。 「さあ、レッドレーサーはどこにいるか、吐くんだ」 「しら.......ない」 「しらんだと、だったらこうだ」 ゴダールは髪を掴みながら、ラジエッタの頭を左右に振った。 「ああ、ああ.......」 「おまえはもはや俺の奴隷だ」 「そんな.......」 「だまれ、奴隷が口答えするんじゃない」 ゴダールはラジエッタの頬に往復ビンタをした。 「うッ.......」 頭をうなだれるラジエッタ。両目に涙が溜まって、そのまま地面に落ちた。 (こんなことになるなら、ちゃんと恭介のいうことをきいて訓練をすればよかった) 「それでは奴隷の調教をはじめるぞ」 ゴダールは自分の黒肉棒を取りだした。そして再びラジエッタの髪を掴みとった。 「さあ、顔をあげるんだ」 力まかせに頭をあげられたところに、ゴダールの黒肉棒が目の前にきた。ラジエッタは 目を見開いた。 「きゃあ、な、なにこれ」 ゴダールはラジエッタの脅える顔を見てにやついた。 「フフフ、さあごちそうだぞ。おら、ありがたくいただけ」 「やめて、う、あっ、ウッ、あ、やめて」 「ほら、口をあけろ」 「う、ウンッ、ウンッ、いやだ、できないこんなこと」 ラジエッタは必死で抵抗した。顔を背けようともがいた。黒肉棒がラジエッタの口の 周囲をなでまわした。ゴダールがラジエッタのあごを押さえ、顔が動かないようにした。 黒肉棒は容赦無く口からラジエッタに侵入していった。 「歯を立てるんじゃねえぞ」 ゴダールが罵る。 「ウゴ、ウゴ.......」 (ああ、恭介、助けて.......) モンスターはラジエッタの頭をしっかり押さえ、ゴダールの黒肉棒をラジエッタがしごく ように前後運動をさせた。 「くわえ込め」 いったん黒肉棒が口から出た。 「うーん、いやーーー」 しかしまたくわえさせられた。 「あ、あ、」 そしてまたはみ出した。 「さあ、どうした」 「いや」 「好きなんだろ」 「いや、好きじゃないよ」 また口の侵入した。今度は頭の上から押さえつけられ、ねじ込まれた。 「ウンッウンッウンッ」 また出た。 「ああいやだ、いやだ」 また侵入した。 「ウンッウンッウンッ」 「それとも吐くか、レッドレーサーがどこにいるか」 また出た。 「う、知らないよ」 モンスターはラジエッタのあごを押さえた。 そしてまたくわえさせると、今度は前後運動を細かくさせた。 「ウウウウウウウウウウウ」 また出された。 「ウンッ、いや」 「さあ」 「い、いや」 「おりゃ」 「いや」 「おら、口をあけろ」 モンスターは両親指を無理矢理ラジエッタの口に突っ込み、開かせた。そこに また進入してくる。ラジエッタは涙が止まらない。 ゴダールはラジエッタの頭を押さえた。 「ホグググ...」 今度はゴダールが腰をゆっくり動かした。 「ウウウン、ウグ、ウグ、ウンッ」 「さあ」 ゴダールはまた抜いた。モンスターは親指と人差し指を入れ、さらに大きく口を 開けさせた。 「あぁ、あぁ、ううう」 また挿入された。 「ウウウウン、ウウウン」 今度はモンスターが腰をラジエッタの頭に当て、ラジエッタを前後に押し付けては引くことを繰り返した。 「ウウーーーン、ウーーーン、ウーーーーン」 取り出された。モンスターはあごの下に手を当てた。 「おら、舌を出してみろ、舌を」 ゴダールも左手をラジエッタの下唇にあて、ラジエッタの舌の上に黒肉棒を乗せた。 「ウガガ、ウゴゴ、ウウウ」 今度はゴダールもモンスターも腰を動かしている。 「さあ」 「イイイ、イヤ」 「そら、奥まで食いつくかあ」 いったん喉の奥まで衝かれて、抜き出された。 「ウウン、いや。あううん、いやん」 モンスターは顔をラジエッタの脇までよせ、ラジエッタの耳元で罵った。 「くわえたいんだろ」 「んん、いやだ」 モンスターはラジエッタの頬を両側からつぶすようにして、口を開けさせた。 「いやだ、やだ、やめて...お願い」 頭の後ろから押しつけられ、また飲みこまされた。 これは自分ですぐ出したが、ゴダールの左手がラジエッタの頭に寄せられ、先端を 唇のまわりにこすり付けられた。 モンスターは手を下にずらし、胸に当てた。 「ほれ、乳首が立ってるぞ」 モンスターはラジエッタの乳首を1回転こねた。 「うう、やめて」 その手をすぐに放し、さらに下へと体を落とし、スカートの中に手を入れた。 「やめて...やめ...て」 太ももをなでまわし、次にはその太ももを舐めだした。 「ああ、...やめて...ああ...やめて...」 ラジエッタは恐怖で抵抗すらできない。 「ほら舐めるんだ」 ゴダールが頭の上から命令する。腰から下ではモンスターが不快な行為を続けている。 「やめて...やめて...」 モンスターはまた胸に手を当てた。今度は両胸をこねくり始めた。 「ああ、いや、いや」 ゴダールは盛んに出しいれを繰り返す。 「ううん、ううん」 無意識にモンスターを拒もうと後ろ手が動く。しかし、所詮縛られている以上何の 抵抗にもならない。モンスターは上体を起こし、ゴダールはまたラジエッタに突 っ込んだ。 今度はモンスターの左手がラジエッタの首に、右手は縛られている縄を掴んでいる。 そしてラジエッタの体全体を大きく動かし、ゴダールのものをしごかされた。 「ほら、ほら、どこだ、どこだ」 5秒ほど続き、抜かれた。 「うう...う...」 モンスターはラジエッタのあごを持ち上げる形で罵った。 「フフフ、どうだ、吐く気になったか」 「しらない...」 「知らないか」 言うが早いか、また突っ込まれた。 「うりゃ」 「いや...」 今度はおでこを押さえられ、動かない状態に向こうからきた。 「はやくしゃべれ、ほら」 ゴダールはゆっくり前後に動く。おでこを押さえていたモンスターもその手を ラジエッタの胸にもっていき、こね回し始めた。 モンスターの手が離れて、ラジエッタは口から放した。 「やめて...やめて」 「ほら、おとなしくしろ、おら」 そこにまたゴダールが突っ込んだ。 「ウウウウ、ムムム、ウググググ」 モンスターは右手をスカートの中にいれ、ラジエッタの秘部をもみはじめた。 「ほら、だんだん感じてきているじゃないか」 「いや...やめて...」 またゴダールがきた。 「ウウウン、ウウウン」 モンスターはしばらく指を動かし続けた。 「はぁーーーはぁーーー」 モンスターの息づかいが荒くなる。 「いやーーん、いやーーん」 その濡れた指がラジエッタの頬にあたった。ゴダールがあごを押さえまた黒肉棒 を口に誘導した。 「ああ、やめて」 ラジエッタの声もほとんど虫の鳴き声程度に小さくなっている。 「うううん、はあ」 ラジエッタはもう涙も涸れてしまった。 「ほら、ほら」 「いや...」 いったん出たと思ってもすぐ戻ってくる。 「いやーーん、いやーーーん、いや、いや」 もう意識すらなくなりかけてきた。 「いやか、さあどこにいるんだ、レッドレーサーはどこだ」 「知らないーーー」 またゴダールが押し込んできた。 「ウウウウ、ウグググ」 モンスターは詰問しながら、左手の指でラジエッタの秘密の丘をしごいていた。 ラジエッタはほとんど無意識に首を振った。黒肉棒が飛び出した。 モンスターは起き上がり、ラジエッタの口に人差し指を入れ、開かせようとした。 「ほれ、口を開けろ」 「いい、いや」 ラジエッタは精一杯抵抗しようとしたが、大きく開いてしまった。そこに またゴダールのものが入ろうとしている。頭の後ろからモンスターが腰を押してくる。 前のめり込み状態で口が塞がれた。 「ウウウ、グググ、イヤ、ウウウ」 「ウウーン、ウウーン」 「ほらもっと動かしてやるか」 今度は前後に左右に廻すように頭を動かされた。 「ハハハハ、奥までいくぞ、おら」 いったん抜かれた。指の位置を変え、口をまた開けさせられるとまた 黒肉棒で口がいっぱいになる。 「ほーーれ」 後ろに廻された手が空しく震えている。 「ううう、いやぁぁー、やめて」 「うりゃ」 「いやぁ、やめて...あん」 耳を塞がれた形で頭を掴まれ、前後に激しく動いた。 「あうん、うーーん、あ、ウンッ」 また抜き、入れ、抜き、入れと果てしなく続いた。 ラジエッタはもう頭の中が混乱しきっていた。 何回目かに抜かれたとき、思わずラジエッタは叫んだ。 「もういいかげんにしてぇーーー」 ゴダールはいれようとはしなかった。 「ううーん、ううーん、あ、ああーーん」 「ハハハハハハ」 「はぁぁん、はぁん」 ゴダールは笑っていた。そして構え直すと、おもむろに宣言した。 「では遊びも最期としよう」 モンスターはラジエッタの頭を動かないように押さえつけた。 「いや」 「だまれ、ごちそうがいくぞ」 また黒肉棒が挿入された。しかし今度は動きがない。 「では奥で爆発だ」 「ウウ、それだけはイヤーーー」 ゴダールの腰が激しく前後した。 「ウウ、うう、ウウ、ウンッ」 ラジエッタは口の中で黒肉棒が膨張したのを感じた。口に粘液質 が満ちてくる。ラジエッタは一刻も早く吐きたかったが、まだ 黒肉棒ははずれていない。 「飲むんだ、おねえちゃん」 (ウウ、イヤ、イヤ) 「飲まんと、いつまでもこのままだぞ」 「ウウ、ウウ」 (イヤーそれはイヤーー) 「ほれ、ほれ、ほれ」 モンスターはラジエッタの鼻をつまんだ。 (い、息ができない...) ゴクッ ラジエッタはそれを飲むしかなかった。 ゴダールは黒肉棒を抜いた。ラジエッタは吐こうとしたがもはや遅かった。 「ううう、恭介..........」 第1部 完