平成12年2月7日・初版

ザ☆ベルスター・機械男の恥辱大作戦!/ペースケ・著

「待ちなさい!」  ベルスターはサタンの残党戦闘員を追って山奥の工事現場まで入っていった。 「逃げても無駄よ」  カゲスターとベルスターの活躍でサタンは倒され、街に平和は戻っていた。 しかし雑魚ともいうべき戦闘員がいまだ生き残っており、ときおり出没していたのだ った。そのためカゲスターとベルスターはこうして戦いの日が続いていた。 「まったくいい加減にして欲しいわ」 ベルスターは、時折思うことがあった。 「とぉ!」 逃げる戦闘員の後から、ベルスターは大きくジャンプをし、その前に出た。 「ギ!」 戦闘員達は目の前に現れたベルスターに驚き、一瞬たじろいだ。 「これでお終いよ」 ベルスターはまずパンチを食らわせ1匹を倒した。続いてキックを2、3匹目に 決めた。戦闘員達はたちまちやられて自爆の連鎖反応が起こった。 ベルスターはすべての戦闘員が吹き飛んだのを確認し、その場を去ろうとした。 「あれ?」 戦闘員が自爆した跡の1つから、煙の中で何かが動いているのが見えた。 「何。あれは」 ベルスターはその跡のところに近づいてみた。ばらばらになった戦闘員の残骸が 奇妙に動いている。 「地中になにかいるんだわ」 ベルスターは警戒しながら一歩一歩その跡に寄っていく。 「この動き、この大きさ、いったい何かしら」 そして土が少しづつ盛り上がっていく。ベルスターは緊張しながらその光景をじっと 見つめていた。しかしその盛り上がりは突然動きがなくなった。 「え?」 ベルスターは走り寄った。まったく動きはない。しかし..... 「地中からメカの音がするわ」 その一瞬に隙があった。 「あっ!」 地中から腕が現れ、ベルスターは左足を捕まれた。そしてそのまま引っ張られ、 地面に倒されてしまった。 地中からはもうひとつの腕が現れ、続いて頭部と胴体がせりだしてきた。ベルスター は地面に這いつくばる状態で何が起きたかを見た。 そこに現れたのは、かろうじて人間の形をしたメカであった。ところどころの配線が 切れ、金属フレームが露出している。頭部は半分しかなく目にあたるのも一つだけだ った。 「私は、メイスン」 「な、なに」 ベルスターは、突然メカがしゃべりだしたのに驚いた。 「お前はなんだ。人間か、メカか」 「は、はなしなさい」 「答えるんだ。人間か、メカか」 「そんなこときいてどうするのよ、それより先にその手を離すのよ」 「おまえがメカなら離してやろう」 「人間だったらどうするのよ」 「人間はすべてギアの敵だ」 「私はメカではないわよ」 「そうか、それではこうするまでよ」 メイスンは握った腕に高圧電流を放出した。 「ああぁぁぁ」 ベルスターは悲鳴をあげ、そのままぐったりと地面に横たわった。 メイスンはベルスターが動かなくなったのを確認すると、手を離した。 「人間ではこれには耐えきれまい」 メイスンがその全身を地上にあらわした。 「憎きバイオマンめ。今からこのメイスンが新帝国ギアを復活させようぞ」 メイスンはあたりを見渡した。 「どうやらここで戦闘があったようだが.......」 そして倒れているベルスターの脇に立った。 「こいつはなにものだ。バイオマンの仲間か」 メイスンは足でベルスターのマスクを踏みつけた。 「ううぅ.......」 メイスンはそのうめき声に気が付いた。 「こいつ、まだ生きているのか」 メイスンは足をどけ、ひざまずいて右手でベルスターの首をつかみ、ひき 起こした。ベルスターは意識を戻し、首に掴まれた手を解こうとした。 「く、苦しい.......」 「おい、貴様はなにものだ。メイスンの電撃を受けても生きているとは」 「手をは、はなしなさい」 「言え、女」 「わ、私はベルスター」 「ベルスター?」 「そ、そうよ。お前達悪の野望はこのベルスターが許さない」 「ほう、おもしろいことをいう」 「は、はやくこの手をはなしなさい」 「ふ、誰がはなすか」 メイスンは逆に絞めつけていった。 「ううううぅぅ」 「死ね、ベルスター」 「ま、負けないわ」 ベルスターは首を締めているメイスンの手から自分の右手を離すと、 メイスンの半分朽ちた頭部へパンチを入れた。 「ぎゃあぁぁ」 メイスンは思わず手を離した。ベルスターがドサッと地面に落ちた。 「このアマ」 メイスンはベルスターを睨みつけた。 「いくわよ」 ベルスターはジャンプし、メイスンめがけてキックの体制をとった。 「とお」 ベルスターの右つまさきがメイスンの頭部に到達しようしていた。 しかしメイスンは右手でベルスターの右くるぶしを掴まえた。 「あっ」 「甘いぞ、ベルスター」 メイスンは足を掴んだまま、地面に叩きつけた。 「ぐふっ」 ベルスターは胸からぶつかった。 「これくらいでは私には勝てんぞ」 メイスンは続けて攻撃することもなく、倒れているベルスターを 凝視した。 「早く立て。なまった体をほぐすのにちょうどいい運動だ、ハハハ」 ベルスターはふらふらになりながら、両手をついて体を支え、片膝を つき、ゆっくり立ちあがった。 (うう、強いわ。私では勝てない) メイスンは口元をにやけさせ立っている。 「どうした。もう終わりか、ベルスター」 「ま、まだよ、メイスン」 そういいながら、額に冷や汗が流れているのを感じていた。 (いったん引き上げて、カゲスターをよばなきゃ) メイスンがじりじりベルスターに近寄ってくる。 「ふふふ、どうした。かかってこい」 ベルスターは逃げるチャンスをうかがっていた。 「ではこちらからいくぞ」 メイスンが走りだした。一直線にベルスターに向かってくる。 ベルスターはじっと立ったままだ。 「観念したか」 メイスンは拳を突き出してベルスターの胸を目標にした。 「まさか」 ベルスターはその場で体を回転し始めた。メイスンはそのまま 突っ込んでいった。 「何の悪あがきだ。バカめ」 「バカはそっちよ。ベル車輪!」 「うああぁぁ」 メイスンの体が宙高く舞った。 「いまだわ。ベルカー」 ベルスターは腰の銃を抜き、ベルカーを復元させた。 「とおぉ」 ベルスターはベルカーに乗り、エンジンをスタートさせた。 ベル車輪で投げられたメイスンは、地面に激突したが、すぐさま 体制を戻し、立ちあがった。 「逃がすか、ベルスター」 メイスンは、ベルスターがベルカーに乗り、走り出す後ろ姿を発見 した。 「私からは逃げられんぞ。くらえ、ハンドミサイル」 メイスンの右腕から小型ミサイルが2発放たれた。そして、ベルカー の排気煙を追うように自ら方向を制御して、ぐんぐん近づいていく。 「終わりだ」 メイスンがそうささやくと同時にミサイルがベルカーの後部に命中 した。 「ああぁぁぁ.......」 ベルカーの爆発とともにベルスターは前方に投げ出された。爆発の 波動の勢いでベルスターのスーツとマントのそこかしこに切れ目が 生じていた。ベルスターは地面を転げ、木にぶつかって止まった。 「ううう、」 そこへメイスンがやってきた。 「遊びは終わりだ、ベルスター」 メイスンは左手でベルスターの首を掴み、自分の頭のところまで 持ち上げた。ベルスターは両手をだらんと下げたままだった。足も 宙に浮いている。 「生意気な小娘め」 メイスンはベルスターのアイマスクに右の拳を打った。 「うっ」 ベルスターは声こそ反応しているが、意識が半分消えていた。 メイスンは続けざまに攻撃した。アイマスクにひびがはいった。 「ああ、やめて.......」 か細い声でベルスターが反応した。 「ふん、私に歯向かった報いだ。素顔を見せてみろ」 「ああ、それだけは.......」 メイスンはベルスターのマスクの頭部に右手をかけた。そして そのまま、力をこめてつぶし始めた。 「マ、マスクがわれてしまうわ、やめて.......」 「そうだ、おもしろいだろう」 「いや、お願い、それはいや.......」 「ほらもうすぐお前の顔が拝めるぞ」 「ああ、そんな.......」 ベルスターのマスクがバリバリと割れていき、そして鈴子の素顔が 晒された。 「ほう、ベルスターの正体はけっこうな美人だな」 「お願い、もうはなして.......」 「だめだ。私はこれぐらいで満足しない」 「えっ.......」 メイスンはベルスターをそのままの体制で木に押し付けた。そして 再び右腕のミサイルを放った。それにはロープがついていた。 ベルスターは首と胴、足で木に縛られた。 「ああ、こんな.......」 「これから、おまえを恥ずかしい姿にしてやる」 「や、やめて.......」 「まずは邪魔なものから、取ってやるぞ」 「もうやめて.......」 「このベルトから」 「あ、そ、それは.......」 「うん?これがどうした」 「そのバックルには.......」 「どうした、言え」 「いや、言えないわ」 「言わないなら、もらうだけだ」 「それだけは、お願い、やめて」 「だったら素直に言え」 「だめ、それは言えないわ」 「では、体に聞くまでよ」 「きゃあぁぁ」 メイスンがベルスターのバックルを力任せに壊し始めた。 「ああ、うう、」 バックルにヒビが入り始めると、ベルスターの全身が痙攣し始めた。 そして、ベルトを引き剥がすと、ベルスターは首をがっくりとうな だれた。そして、ベルスターのスーツが煙になり、分身前の姿に戻って いった。 「おお、これがそういう秘密をもっていたのか」 鈴子は両目に涙をためて呟いた。 「ああ、もう終わりだわ」 メイスンは鈴子の服を舐めるように引き剥がしていった。 「ベルスター、この恥ずかしい姿を街中で見せ物にしてやろう」 「そ、そんな.......」 そしてメイスンは縛り付けた鈴子を肩にかけ、街へと降りていった。 完