平成12年3月5日・初版 平成15年9月5日・改訂(扉絵追加)

電子戦隊デンジマン外伝・将軍怒りの水責め/ペースケ・著

イラスト:桃月堂
「ヘドラー、覚悟!」 デンジピンクはヘドラー将軍に向かい合い、デンジスティックを構えた。 「フ、のぞむことろよ」 ヘドラーも自分の剣を抜いた。 動いたのはデンジピンクが先だった。デンジピンクはデンジスティックを大きく 振りかざした。ヘドラーは頭の上でそれを受け止めた。そして空いている左手 でデンジピンクの腹に拳を打った。 ”バシュ” 「うっ」 デンジピンクは腰を引いた。その隙をヘドラーは見逃さなかった。組み合った 剣を抜き、一歩下がって、左回し蹴りをデンジピンクのマスクに決めた。 ”ドカ” 「ああっ」 デンジピンクはその勢いのまま、地面を転がった。ヘドラーはデンジピンクが 転がり終わるのを見届けると、大きく跳び上がった。デンジピンクは地面に寝た ままうめいた。腹這い状態になり、頭がふらふらしている。 「ううう.......」 そしてゆっくり顔をあげた。 (ヘドラーはどこ) 視界にヘドラーの姿が無かった。そして視線を空のほうに向けると、ヘドラーが 自分に向かって落ちてくるのが見えた。 (きゃあああああ) ヘドラーはデンジピンクのマスクに向かって正確に落ちた。 ”ドン” デンジピンクはマスクを地面に押し付けられた。破壊こそしなかったが、アスファルトの地面に 窪みができるほどの衝撃が額の透明パネルにヒビを入れた。 ”ピキッ” (ああ、マスクにヒビが.......) ヘドラーは片足を載せたまま、デンジピンクを見下し言い放った。 「デンジピンクよ、今までの恨み、ここですべて返してやるぞ」 デンジピンクはなんとか起きあがろうとしたが、とても動ける体勢になかった。 「へ、ヘドラー、そうは簡単にいかないわ」 「お前はデンジマンの中でも一番弱い。お前ごときを倒してもデンジマンを倒したとは とても言えんが、少しはヘドリアン女王様も喜ぶだろう」 「デンジピンクはお前には、ま、負けないわ」 「強がりもそこまでだ」 ヘドラーは足をはずすと、デンジピンクの白いスカーフを掴みあげ、強引に起きあがらせた。 「うっ!」 デンジピンクは首を締められた形で、引き上げられえるにまかせて立ちあがった。 ヘドラーは右手で大きくデンジピンクを吊り上げると、顔を真正面に持ってきた。 「デンジピンク。恨むならおまえの弱さを恨め」 「ああ、ああ、あうう」 (い、息ができない.......) ヘドラーは左手でデンジピンクの首を掴むと、右手をスカーフから離した。 そしてデンジピンクの股の間に入れ、デンジピンクの体を上下反転させ、頭から地面に落とした。 目の前に迫る地面の恐怖にデンジピンクは体を固めた。 (や、やられるーー) ”ゴン” にぶい音とともに激突した。頭の中を激痛が走る。ヘドラーはデンジピンクを放した。 ”ドサッ” デンジピンクの体から力が抜けたように、地面に横たわった。 (はあ、はあ、はあ) デンジピンクは肩で息をしながら、筋力回復回路が動作していくのを感じていた。 (まだよ、これからよ) ヘドラーはデンジピンクのマスクの中で回路が激しく点滅しているのを見下していた。 「デンジピンク」 「な、何よ」 「パワーが回復するのにどれくらいかかるんだ」 「えっ、なんでそれを」 「今までの戦いを分析して、デンジマンの機能は調べつくしたのだ」 (ま、まずいわ) デンジピンクはヘドラーを睨みかえした。ヘドラーもじっと睨んでいる。 「その強化スーツにはどうやら無限につきることがないパワーがあるようだな」 「そうよ、デンジマンのパワーはつきることはないのよ」 「しかし、そのパワーの源がなくなればどうなるかな」 (こ、こいつ、もしかしてパワーの秘密を) 「ヘドラー、おまえにデンジマンのパワーの秘密がわかるはずがないわ」 「フフフッ。確かにそうだが、じゃあそれを見つけるまでだ」 「おまえなんかに見つかるもんですか」 「では、じっくりとお前の体にきいてみるだけだ」 ヘドラーはデンジピンクの腹を3回蹴りつけた。 ”ドスッ” 「うっ」 ”ドスッ” 「うっ」 ”ドスッ” 「うっううう.......」 デンジピンクは、丸くなるようにおなかを抱えた。 「デンジピンク、立て」 ヘドラーは両手でデンジピンクの首を掴まえた。そして一気に持ち上げると、 そのまま空高く手を上げた。デンジピンクは足が地面から離れ、首吊り状態になった。 「さあ、吐け。デンジマンのパワーの秘密を」 「く、く、るしい.......」 「さあ、はやくいえ。さもないと、おまえは死ぬぞ」 「し、死んでも、おまえなんかに.......」 デンジピンクは両足を力なくバタバタさせた。意識が朦朧としている。 「くそう。これくらいでは痛め方が足りんという事だな」 ヘドラーは手を放した。デンジピンクが膝をついて落ちた。 「ならば、別の手だ」 ヘドラーはデンジピンクの両手を背中に回し、手錠をかけた。両足も足枷をつけた。 「今度は何.......」 そしてスカーフを握って地面をひきずり、路地の側溝までデンジピンクの体を移動させた。 「今度は水責めといこうか」 ヘドラーはデンジピンクの頭から側溝に落とした。水量は多く、デンジピンクの頭は完全に水中に没した。 そして足首の鎖を握り、流されないようにした。 デンジピンクの縛った後ろ手が激しく振れている。 「しばらくは持つだろうが、それがいつまで続くかな」 デンジピンクは強化スーツに仕込まれた携帯ボンベで息はつないでいた。 しかし、マスクのヒビが入ったところから水が沁みてきていた。 そして、空気もそこから洩れていった。 (うう、回路に水が) 水は容赦なく溜まっていき、ボンベの空気も急激に減っていった。 ”パチパチパチッ” (ああ、回路がショートしてきている.......) そのままの状態でしばらく時間が経過した。デンジピンクのマスクには水が完全に溜まり、 マスクの回路はその機能が停止していた。 (く、空気がない.......) デンジピンクは激しく震えた。 「もうだめか、デンジピンクよ」 ヘドラーはデンジピンクの首を掴み上げた。 「どうだ、吐く気になったか」 水中から出されたデンジピンクのマスクのヒビから泥水が垂れていた。 「いい顔だぞ、デンジピンク」 「は、はなせ、ヘドラー」 「自由になりたければ、その秘密をいうのだ」 「だ、誰がおまえなんかに」 「では、次はこうしてやる」 ヘドラーはデンジピンクの背中にまたがり、首に両手をかけ、海老反りをかけた。 「ぐ、ぐわぁぁ」 「どうだ、デンジピンク」 「あぁぁぁ」 痛みがデンジピンクの全身にまわる。 「言え、言うのだ」 「だ、誰が.......ぎゃぁぁぁぁぁ」 「どこまで耐えられるかな、デンジピンク」 「わ、私は、.......ぐ.......」 「どうだ、これは効くだろう」 (どうして、パワーが回復しないの.......) デンジピンクのマスクのデンジストーンが強く光を放っていた。 (か、回路がショートして、デンジストーンのエナジーがまわらないんだわ) 「まだ、私は.......負けないわ」 「強がりはよせ、デンジピンク」 「つ、強がりなんかじゃ.......あぁぁぁ」 ヘドラーは力を強めたと思うと、いったん抜いて、また強めた。 「おまえのパワーは半減している」 「な、なにを」 「これくらいの攻撃は本当なら、なんでもないはずだ。 しかし、おまえはさっきからその痛みに耐えきれないでいる」 「そんなことはな、ないわ」 「そうかな。ではこれはどうだ」 ヘドラーはいきなりマスクを掴み、左にねじり始めた。 「ぐ、ぐわあぁぁぁ」 「どうだ、その悲鳴がなによりの証拠だ」 「わ、私のパワーは無限だわ、これくらい.......」 「これくらい、か。では、おまえをただの女にしてやる」 「えっ、な、なにを」 ヘドラーはデンジピンクを左手で掴み上げ、立ちあがった。そして右手をマスクの透明パネルに持っていった。 「ああ、そこは.......」 デンジピンクは首を曲げて抵抗した。腕は背中に回っているので、それぐらいしかできなかった。 「デンジピンクはここで終わりになるのだ。ゆっくりそれを眺めることができるんだぞ」 「そ、そんな.......ひどい」 パネルが割られた。その中に、デンジストーンだけが光っている。 「こざかしい」 ヘドラーはマスクの中に指を突っ込み、回路を引き出していく。 「ああ、.......やめて、.......そんな」 デンジピンクは体を激しく揺すった。 「フフフ、だんだん死んでいく気分はどうだ」 「力が.......、パワーが.......」 デンジピンクは、芯から力が抜けていくのを感じていた。 「この光っている石ももらうぞ」 「それは、それだけは.......」 「うん?どうした」 「な、なんでもない.......」 「そうか、それではいただくとするか」 「や、やめて.......お願い」 「やめろだと。なぜだ」 「それは.......いえないわ」 「ほほう、そうか。つまり、これがお前達のパワーの源というわけだな」 「ち、違う。そんなことは.......」 「では、確かめてみようか、デンジピンク」 ヘドラーはマスクからデンジストーンを抜き取った。 「ああぁぁぁ、エネジーがぁぁぁ.......」 デンジピンクは体から力が一気に抜け、その代わりに全身に痛みが増してきた。 「ああ、ああ.......」 ヘドラーは掴んでいた手を放した。デンジピンクはどさりと地面に落ちた。 ヘドラーはデンジピンクをじっと見下していたが、いきなり手錠と足枷を外した。 「えっ.......私を自由にしてくれるの」 デンジピンクはヘドラーを見上げた。 「ばかな。お前を許すはずがない」 「じゃあどうして.......」 ヘドラーは口元に不敵な笑いを浮かべた。 「いまのおまえなら、俺でなくても十分倒せる」 「.......」 「そして恨みを持っているのは、俺だけでなく、俺の部下もそうだ」 「それが.......」 「ここからは恨み深いダストラーに続きをさせてやる」 ヘドラーの背後に5匹のダストラーが現れた。 「ああ、そんな.......」 デンジピンクはもう立つこともできず、後ろ手であとずさりをすることしかできない。 そこへダストラーが群がってきた。 「きゃあぁぁぁーーーー」 1匹がデンジピンクの背後にまわり、両手脇から羽交い締めにした。 右足と左足にはそれぞれ1匹ずつに押さえ込まれた。 そして、残る2匹のうち1匹は胸のエンブレムを握り無理やり引き剥がし、両胸をもみはじめた。 最後の1匹はベルトを外し、スカートの中に手を突っ込み、 もはやただの布切れとなった強化スーツを破り、ショーツを噛み破った。 「ああ、や、やめてーーー」 胸をもんでいたダストラーは、いったん手を離し、自分のかまを取り出すと その先端をデンジピンクの首すじにあてた。 「な、なにを.......」 そのかまは、スーツを真中から裂いていく。 「ああ、そんな.......」 デンジピンクの生身の胸が晒された。そして容赦なく乳首をしゃぶられる。 「だ、だめぇ.......」 下半身を責めている1匹はデンジピンクの秘園に舌を入れてくる。 「ああ、ああ、いやーー.......」 ヘドラーは、ダストラーの行動をじっと眺めていた。その視線をデンジピンクは感じていた。 「私は、ま、負けてない.......」 しかし、体はそうではなかった。 (もうだめ、でも、負けられない、ああ、どうしたら.......) 「デンジピンクよ。おまえはもはやダストラーの玩具なのだ」 その声をあきらは遠くなる意識の中で聞いていた。 ***完