平成12年6月4日・初版 平成12年7月1日・新カウンタ設置

好きすき魔女先生外伝・サファリパークの罠/ペースケ・著

 月ひかるがクモンデスを倒し、地上に平和が戻って数日がたった。 工事現場の谷間にクモンデスの死体は横たわってままだった。その死 体がある雨の夜に消えた。このことに気づいたものはいなかった。  死体が運ばれた先はクモ御前の秘密屋敷だった。クモは悪の象徴 として、古来数々の怪人と呼ばれる異形の生物や外宇宙からの侵略者が その形を借りていた。そしてクモ御前こそ、クモの一族の長に立つ 支配者であった。 「クモンデスよ。長い戦いの中でおまえほど正義のヒロインを苦しめた 者はいない。さぞ、アンドロ仮面には恨みも多かろう」  クモ御前はクモンデスの死体を手術台にのせ、儀式をとり進めた。 「そなたの積年の恨み、ここにその生を受け、思う存分晴らすのじゃ」  クモンデスの心臓が再び鼓動し始めた。やがて両目が開かれた。 「ここは...」 「目覚めたか、クモンデス」 「おお、そなたはクモ御前様。どうしてここに」 「そなたを地獄から蘇らせたのじゃ」 「そうか。それはありがたい」 「そなたはアンドロ仮面に恨みがあるじゃろう。わたしがアンドロ仮面 を倒す知恵を授けてつかわすぞよ」 「なんと、そこまで考えてくださるとは。さすがはクモ御前様」 「ではさっそくとりかかるのじゃ」  すっかりと晴れた日曜の朝。ひかるの部屋に果たし状が投げ込まれた。 「バル、これを見て!」 「姫、なにごとです?」 「クモンデスが生きているわ」 「まさか!クモンデスは姫が倒したではありませんか」 「そう、確かに私の手でクモンデスは倒したはずよ」 「ではその手紙はいたずらかなにかでは」 「違うわ。私がアンドロ仮面であることを知っているのはバルと クモンデスだけだわ。だからこうしてここに果たし状をよこしたのよ」 「そうですな。で、その果し合いはいつ、どこで」 「今日の午後、富士サファリパークとあるわ」 「またえらく遠いところで」 「そうね。でも『遊覧バスをジャックしている』とあるわ」 「なんときたないやつじゃ」 「クモンデスらしいわ」 「しかし姫、これはやつの罠ですぞ。十分お気をつけなされ。特に 今日のような天気では昼にムーンライトパワーの補給はできませんぞ」 「わかっているわ、バル。ではいくわね」  ひかるはアンドロ仮面に変身して富士サファリパークへ飛んだ。  クモンデスはジャックしたバスを手下に運転させ、自分はバスの上に上がり アンドロ仮面の到着を待った。 「ふふふ、はやく来るのだ月ひかる、いやアンドロ仮面。ここがお前の 墓場となるのだ」  そこへアンドロ仮面が空からやってくる。 「クモンデス!また性懲りもなく卑怯なやり方ね」 「ふふふ、お前を倒すためなら何度でも蘇ってくるのだ」 「お前の野望はこのアンドロ仮面がすべて打ち砕いてあげるわ」 「そうはいくかな。今日こそ俺の勝利の日だ」 「違うわ。また私に倒される日よ」 「倒すのは俺だ」 「倒すつもりなら、人質などとらないで正々堂々と戦いなさい」 「そうだな。それではこの人質を今すぐ解放してやろう」 「ここで!?」 「そうだ。この猛獣達のいる草原のど真ん中でだ」 「やめなさい!逃げ場がないでしょ」  しかしアンドロ仮面の言葉を無視して、クモンデスはバスの昇降口 を開けた。そして、中から囚われた人達がだされた。 「さあ逃げるがいい」 「こんなところで、あの人達はどこにいけばいいというの」 「さあな。そんなところまで俺は知らん」  バスから右の20mと離れたところに、ライオンの群れがいた。 その一群が走り寄ってくる。 「さあ、腹をすかしたライオンがこいつらを狙っているぞ」 「ダメ!」 「助けられるなら、助けるんだな」 「見てなさい.......ムーンライトパワー!」  アンドロ仮面は向かってくるライオン1匹1匹を正確に狙って ムーンライトパワーを使い、草原のかなたへ瞬間移動をさせた。 10頭もいたライオン達はすべていなくなった。 「どう、これでだいじょうぶだわ」 「そうかなアンドロ仮面。ここはあいつらの通り道でもあるんだぜ」  クモンデスはバスの後方を指さした。そこには薄い土煙があがって いる。 「あれは.......」 「ふふふ、みてのとおり象の集団だ」 「くっ!ムーンライトパワー」  また同じようにアンドロ仮面は左手のリングのパワーを使った。 今度は40頭は超える大集団だった。アンドロ仮面がその象の集団の すべてを移動させたのはバスからほんの10mも離れたところだった。 「クモンデス!やったわよ」 「ほう、ここまでやるとは思わなかった」 「私を甘くみてたわね」 「そうかな。ここまででかなりパワーを使っただろう」 「なに!」 アンドロ仮面は左手のリングを見た。パワーの残りはほんのわずか だった。 「し、しまった。パワーがない」 「ははは、それが狙いだったのだ。おまえがムーンライトパワー を使って人質を助けることはわかっていた。そうしてパワーを使い 切らせるのがおれの考え、いや、クモ御前様の考えだったのだ」 「クモ御前ですって」 「そうだ。偉大なるクモ一族の守護神様だ」 「そんなやつがいるとは」 「その侮辱的な言葉は許せんな。ものどもやってしまえ」 クモンデスはバスの屋上で両手を広げた。地上から煙が舞いあがり クモンデスの手下がうじゃうじゃとあらわれた。 「なんのこれくらい。まだ戦えるわ」 「せいぜい楽しんでくれ、ハハハ」 アンドロ仮面は手下の群れに飛び込んだ。右から来る拳をつかんで 投げ飛ばした。そして振り向きざまに左のやつに蹴りつけた。これは 敵の頭上をかすめた。その隙に後から首を締められた。 「くっ!」 首にかけられた腕をはずそうと両手をかける。目の前の敵が腹にパンチ する。これをまともに受けてしまう。 「うぐっ!」 強烈な痛みに思わず腰を落とした。今度は顔に拳が飛ぶ。左右の頬に 痕が残るほど殴られる。左右からザコが寄って、アンドロ仮面の腕 をつかみとる。そして両足も別のザコどもに押さえられてしまう。 「く、力が出ない.......」 「どうだ、パワーがなくなったアンドロ仮面など、ただのケバい ギャルにすぎん」 「あああぁぁーーー」 クモンデスはバスから降り、アンドロ仮面の前に立つといきなり アンドロ仮面の胸を握りつかんだ。 「はなせ.......」 「アンドロ仮面、これまでの恨み。今日こそすべて晴らしてやるぞ」 「クモンデス、その手をはなしなさい!」 「すぐ殺してもつまらん。屈辱をたっぷりと味わうがいい」 クモンデスは胸をつかんだ手の爪をたてた。アンドロ仮面の青い コンバットスーツが少しづつ破られていく。 「あっ、スーツが」 「おまえの胸を曝け出してやる」 「や、やめなさい」 アンドロ仮面のスーツは破りとられ、形よい右胸が表れた。そして 続いて左胸にも手がかけられた。 「こっちの胸も見せてもらおうか」 「やめ、やめるのよ、今すぐ」 「うるさい」 クモンデスはアンドロ仮面の腹に拳を連続して打ち込んだ。 「うぐ.......ぐはっ.......」 アンドロ仮面は口から血を吐き出した。そして首をうなだれた。 「ようし、おとなしなったな。おい、こいつを檻につなげ」 「はは」 クモンデスの手下は気を失ったアンドロ仮面の体を持ち上げ、 檻にいれた。 「腕は後で縛って上から吊るした状態にしろ。足は大股開き して左と右から別々に吊るせ」 「はい、ただちに」 手下どもはすばやくアンドロ仮面を吊るした。 「よし、バケツに水を汲んでこい」 そしてアンドロ仮面の頭から水がかけられ、アンドロ仮面は意識を 戻した。 「ここは.......はっクモンデス!」 「気がついたな、アンドロ仮面。いま自分がどんなかっこうだか わかっているな」 「きゃぁぁ、なんてことを」 「もっと恥ずかしいことをしてやるぞ」 「や、やめなさい、やめてーーー」 クモンデスはアンドロ仮面のスカートをまくしあげ、青いパンティ を晒した。 「ああぁーー、やめてーーーそこはだめーーーーー」 クモンデスは躊躇することなくそこを破り捨てた。アンドロ仮面の 秘部が黒い恥毛でうっすらと覆われている。 「さあ、どう料理してやるか」 「だめ、だめ、見ないで見ないでーーーー」 クモンデスはスッと指をもぐり込ませる。 「きゃぁぁあーーー」 そしてぐりぐりとねじ込んでいく。アンドロ仮面の目じりに涙が溜まって いる。 「やめて...お願い、まだ初めてなのよ」 「ほおそういうことか」 クモンデスが指を抜くと、そこは血がついている。 「では、こうしてやるかな」 「な、なに」 「おい、その1.5Lペットボトルをよこせ」 「ま、まさか.......」 「そうだ。おまえの考えているとおりにしてやる」 「そんなこと.......やめてーーー」 クモンデスはペットボトルをアンドロ仮面の黒い茂みの中に押し込む。 アンドロ仮面が絶叫の声をあげる。 「ああーーーいたいーああーーこわれちゃうーーーーーーーーーーー」 クモンデスは檻の外にでて鍵をかけた。 「おまえのその姿、このまま街に運んでやるぞ」 「そ、そんな、ひどい.......」 「そして次の辱めも考えてやるからな」 「ああぁ.......」 クモンデスは檻をトラックに積み、街へと向かっていった。 *****完*****