平成13年8月24日・初版

好きすき魔女先生外伝・恐怖の冷凍魔人/ペースケ・著

 闇夜の中。わずかな明かりに映し出された美術館。そこでは明日からの宝石展に備え、  厳重な警戒態勢がしかれていた。  突然、警報ベルが鳴り響く。窓という窓から灯りがもれる。ガラスが割れる音、音、音。  続くのは叫び声。    「待てー」  バキッ!ボクッ!  「ギャー」    しばらくすると美術館の正面玄関が開き、そこにMr.フリーズが部下に囲まれていた。 いかつい氷のような装甲、一瞬にしてすべての物を凍らせる強力な冷凍銃、そしてアイスホッケーの プロテクターで全身を覆った多くの戦闘員たちの前には、警備員など敵ではなかった。 「今日も大収穫だ。さあ、アジトに戻るとするか」  Mr.フリーズは宝石を入れたナップザックを肩にかけ、駐車場に向かった。戦闘員達もあとから ついてくる。   「うん?」    砂利の敷かれた駐車場にMr.フリーズの装甲車があった。そしてその脇に月明かりに照らされた 青いコスチュームの女性が立っていた。   「おまえがここ数日の宝石泥棒ね。今すぐにその宝石を美術館に返すのよ」  足を止めるMr.フリーズ。眉間にしわを寄せ、ゆっくりと口を開く。   「なんだ、おまえは!」  「わたしは宇宙連合平和監視員 アンドロ仮面。さあ、さっさと宝石を置いていきなさい、泥棒さん」 「泥棒は泥棒でもただの泥棒とはわけが違うぞ。私はMr.フリーズ。きさまごとき小娘はひとひねりに してくれる」 「偉そうなことをいっているのも今のうちよ。これでもくらいなさい、マントブーメラン!」 アンドロ仮面はマントを大きくひろげ、Mr.フリーズに投げた。 マントはブーメランになり、激しく回転しながらMr.フリーズに向かっていく。 Mr.フリーズはそれをみると、冷凍銃をすばやく構え、ブーメランめがけて引き金を絞る。 「これでどうだ」 冷凍光線を浴びるとブーメランは空中でバラバラに砕け散った。 「あっ!」 アンドロ仮面の目を見開いた。Mr.フリーズが唇を歪めるのがはっきりとわかった。 「ふん、なんだこれしき。おまえの力はこれだけか」 「おまえごときに武器はいらないわ。この手で捕まえてみせる」 「ほう、できるもんならやってみろ。おまえら邪魔するんじゃねえぞ」  Mr.フリーズは銃を部下に投げた。そして一歩一歩、アンドロ仮面に歩み寄った。  アンドロ仮面は駐車場に敷いた砂利を蹴った。Mr.フリーズは、避けもしなかった。  足が宙を蹴った。Mr.フリーズの顔があるはずだったのに、腰のひねりで一瞬視線を動かしたとき には、消えていた。  肘、右の拳。  拳が、ようやくMr.フリーズの腹を捉えた。装甲で弾かれる。しかしわずかにでかい体が、横に動いた。 それに合わせるように、アンドロ仮面も体のむきを変えた。顔面に、一発飛んできた。重いパンチだ。  構え直す、という格好になった。お互いに、まだ息ひとつ乱れてはいない。顎を引いたMr.フリーズの 顔の中で、眼だけが白く光った。  アンドロ仮面は息を吸った。  Mr.フリーズの姿勢が低くなっていた。アンドロ仮面はとっさに膝を突き上げた。体が交錯した。かかってきた 体重の圧力に耐え切れず、アンドロ仮面は倒れた。立ち上がったのは、同時だった。  足。アンドロ仮面のほうが速かった。下腹で受けたMr.フリーズが、姿勢を崩した。二発、蹴りを続けざまに 決めた。  尻から落ちたMr.フリーズが、頭から突っ込んできた。バネのような膝だ。スピードが、アンドロ仮面の予測を はるかに上回っている。頭で弾き飛ばされていた。追ってきた足を、転げ回ることでかろ うじてかわした。  立った。  息が苦しい。口は開かなかった。鼻から二度吸い、大きく一度吐く。それを二度繰り 返した。Mr.フリーズが、いきなり足を払ってきた。後ろに飛んで、アンドロ仮面はかわした。次にパンチ。 肩に当たった。体がもつれ合いそうになるのを、アンドロ仮面は横に跳んでかわした。体重で圧力 をかけあうのは不利だ。離れていたほうがいい。 肘、拳、膝と続けて飛ばした。前かがみになったMr.フリーズの顔に、膝を突き上げた。眉間。 そこには当たらなかった。 それでもMr.フリーズにダメージはあったようだ。一瞬、棒立ちになった。 足を横に薙いだ。首筋。Mr.フリーズのでかい体が吹っ飛んだ。倒れたMr.フリーズに、膝を打ちつけようと した。かわされた。アンドロ仮面の膝は、砂利の中にめりこんだ。  また、向かい合った。  息があがっている。口を閉じていることはできなかった。肩の上下。それがはっきり とわかる。  踏み出した。  Mr.フリーズの動きは鈍かった。正面からの蹴り。腰を回転させた肘。二発とも鮮やかに入った。  Mr.フリーズの口から、血反吐が噴き出してきた。どす黒い血だ。これでも人間のものなのか。  さらに三発、続けざまに決めた。それでもMr.フリーズは立っている。  タフなやつ。  急所。  狙っていた。ほんのちょっと、ずれているようだ。 拳を、足を、突き出した瞬間に、Mr.フリーズの体がちょっと動く。ずれているのではなく、かわ している。すでに急所をかわす動きしかできないのだろう。  左。こめかみの急所を狙った。耳の後ろに当たった。右。眉間の急所。浅い。さらに左。 同じ眉間だが、アンドロ仮面は一歩踏み出していた。眉間。入った。そう思ったが、いくらか上に かわされたかもしれない。Mr.フリーズは喘ぐように肩で息をしていた。もう一発。それが入れば、 仕止めることができる。  構えた。アンドロ仮面のほうも、完全に息はあがってきている。ここで渾身の一発が出せるかどう か。じりっ、と距離を詰めた。Mr.フリーズは動かない。いや、動けないのだ。普通の人間なら、とうに 大の字になってのびている。  もう一度、距離を詰めた。腹、顔。かわしたMr.フリーズが、ちょっと足をもつれさせた。チャンス。 体が動いていた。眉間への拳。アンドロ仮面の勝ちだ。しかしMr.フリーズは、アンドロ仮面の拳を 潜るようにして前へ出てきていた。  頭で弾かれた。  吹っ飛んでいきそうになった。Mr.フリーズの腕が、腰に巻きついている。それで支えられたような ものだった。がっちりと、腰を固定された。体が浮き上がっている。Mr.フリーズの叫び声。 すごいダッシュだった。そこまで、アンドロ仮面はまだ戦法を考える余裕があった。 体が宙を浮いたまま飛んでいく。 背中が壁にぶつかった。一瞬、呼吸ができなくなった。コンクリートにめりこむ音。 ボロボロ崩れる石のかけら。休む間もなく、体をぬきだされると今度は金網のフェンスにぶつけられた。 金網がバネになり、体がMr.フリーズに向かって跳んでいく。Mr.フリーズの腕が目の前にあった。 避けられない。 背中から地におちた。腕をとられ、放り投げられた。宙で腕をもがいたがなにもならない。 頭からコンクリート壁に激突した。Mr.フリーズは近寄ると、アンドロ仮面の足を引きずりだした。 仰向けにされた。 靴。腹の真中だった。背骨にまで、ずしりと響いた。二度三度とそれがきた。アンドロ仮面は嘔吐した。 「きたないやつ」 Mr.フリーズはじっと立っていた。 「うう、なんて強いの.....」 「ふ、このMr.フリーズにかなうやつないない」 「くっ...わたしは負けないわ....」 Mr.フリーズの目が開かれる。 「ここまでしてもまだ負けを認めんとはな。では最終兵器でしとめてやろう」 「な、なに?」  Mr. フリーズは左腕の内側のスイッチを押した。鈍いモーター音がする。 思わずその方向を見たアンドロ仮面は息を飲んだ。ブーーーンという音がして、 Mr. フリーズの装甲の股間の部分、そこが盛り上がり、やがて大きな金属製の ペニスに変化していく。  「ま、まさか、だ、だめっ!そんなもので・・・」  Mr.フリーズは地面に横たわるアンドロ仮面のスカートをまくりあげた。   「やめなさい、いますぐ、やめるのよ...」 Mr.フリーズはアンドロ仮面の上に覆い被さると、アンドロ仮面のスカートの 奥にMr.フリーズのドリルをねじりこませる。 「ああ、あぁぁーーーーーーーーーーーいやーーーーーー」 「だまれ、女狐」 「あっ!いやっ!だめっ!あっ!あっ!あっ!ああっ!」 「どうだ、人間では味わえないだろう、感謝しな」   Mr.フリーズは腕のボタンを操作する。  「あっっ!!ああっっ!!あああっっ!!」  ドリルはゆっくりと回転し、そして前後にピストン運動をはじめる。   「だめ、−−−、ああぁぁ−−−」  半狂乱になりながら大柄のMr. フリーズと壁に挟まれて身体を左右に悶えさせる アンドロ仮面。そんな姿を大勢の部下たちがニヤニヤしながら眺めている。  「あっ!ああっ!あっ!あんっ!も、もうっ!だめっ!ああっ!いやあっ!」  鼻腔を膨らませて桃色の声を紡ぎだしながら女体をくねらせるアンドロ仮面。  「ああっ!だめっ!あっ!あっ!あっ!あああああああああああああっぅ!」  四肢をを突っ張って大きくのけぞるアンドロ仮面。Mr. フリーズは、すかさず 左手の内側の別のボタンを押す。アンドロ仮面の股間の秘貝の奥深くまで突っ込まれた 金属製のペニスの先端から、噴水のように勢いよく白濁した液が注ぎ込まれる。  「ああっ・・・ああっ・・・ああっ・・・あああああ・・・」  アンドロ仮面は自分の身体の奥深く、突き当たりの肉壁に強い水流を感じた。 男の醜い欲望を際限なく注入されているのだ。  「いや・・・いやあ・・・やめて・・・ねえ・・・ああ・・・おねがい・・・」  力なく呟くアンドロ仮面。がっくりと首を垂れる。 未だに結合されたMr. フリーズの金属バイブとアンドロ仮面の秘貝の唇の淵からポタポタと 溢れた液が床に落ちる。 「いいざまだ。さて次は溜まりにたまった部下達にも楽しませてやらんとな」 ―完 ※SSTさんの傑作を元に妄想しました。かなり引用させてもらいました。^^;