平成14年4月5日・初版

まぼろしパンティ外伝・「謎の女教師の巻・前編」/中円寺・著

N県にある進学校、クライム学園。 まぼろしパンティとけっこう仮面6姉妹の活躍によりクライム学園から学園長サタンの足の爪が姿を消し学園には 平和が訪れた。 一般の生徒達は何が起きたのか知らなかっただろう。ただアウシュビッツオペレーションと呼ばれた最悪の仕置き刑が 発動された翌日から学園長及び仕置き教師達は姿を消してしまった。 そして、それまで学園犯罪をほとんど1人で解決していた、まぼろしパンティも、その日を境に姿を見せなくなっていた。 クライム学園に平和が訪れたが、その平和は一次的なものでしかなかった。 元々、犯罪発生率が常識では考えられない程高かった学園である。犯罪発生率の低下はもっぱら、まぼろしパンティの 活躍によるものだった為、まぼろしパンティが姿を見せなくなれば、元のような荒廃した学園に戻っていくのは、 当然と言えば当然と言えた。そして事件が多発するようになっても、まぼろしパンティは姿を見せなかった。 しかし、生徒達の雰囲気はサタンの足の爪が学園長であった頃とは比べものにならないほど明るくなっている。 笑い声があちらこちらで聞かれるなどということは以前には信じられないことだったが、今ではどのクラスも うるさいほどの賑わいをみせている。 だがその中にあって藤寿々美だけには以前の明るさが見られなくなっていた。 それまではクラスにあって正義感の強い、皆の中心となる花のような存在だったのだが、アウシュビッツオペレーションの後、 しばらく欠席が続き、再び登校するようになってからは笑顔を見せることはなくなり、談笑の輪に加わることもなくなった。 特に男子と口をきくことは皆無と言ってよかった。 成績もそれまでは常にトップクラスだったのだが、事件以来下降の一途を辿っている。心配した教師達が相談に乗ろうとしても、 何も話さずに終わってしまうばかりだった。 そんな中、学期の途中ではあったが新たな女教師が学園に赴任してきた。 サタンの足の爪と共に大勢の教師達が姿を消してしまったので、その穴を埋めるために多くの教師がクライム学園に 雇用されたのだが、そういった教師達とは一線を画している。 全校集会に集まった生徒達の前でその女教師は颯爽と挨拶をした。 「今日から、女子の保健体育を担当する、紅谷恵子です、厳しいところは厳しく、皆さんの姉のような存在になれるよう 努力していきますので宜しくお願いします」 挨拶だけでほとんどの生徒は紅谷教諭に魅了された。クライム学園には珍しい女教師ということもあったが、成熟した肉体と 洗練された美貌、知性的な佇まい、全てがその年頃の少年少女にとっての理想像にあてはまるものだった。 その後も集会は続いたが、生徒達の話題は恵子の話題でもちきりだった。 「いいなあ女子は。俺も紅谷先生に手取り足取り教えてもらいたいよ」 と男子達は言い、女子も 「紅谷先生ってステキ。大人っぽくて格好よくって。早く授業教えてほしいな」 と浮かれるばかりである。 寿々美にとっても新たに赴任してきた女教師は魅力的に映った。どこか自分の理想像と重ねてしまい、ついつい視線が 恵子の方に向いてしまう。 教師に嫌悪感すら抱いていた寿々美であったが、恵子先生になら教わってみたい、色々な相談に乗ってもらえるかも しれないと思うほどだった。 恵子が授業を受け持つようになってからは、寿々美には明るさがもどってきた。クラスメイトとの談笑の輪に加わるように なってきたし授業中に手を挙げて発言する姿も見られるようになってきている。 特に恵子が受け持つ体育の授業では、それまでの塞ぎこみが信じられないほどの溌剌とした様子を見せ、 周囲を驚かせるほどだった。 持ち前の運動神経の良さもあり、寿々美はあらゆる競技で目を引く存在で、球技、陸上競技、体操、格闘技、 すべてにおいて寿々美にかなう生徒はいないと言って良い。 そんな寿々美だったので恵子の覚えもよく、なにかと目をかけてもらうようになるのに時間はかからなかった。 「藤さん、本当に運動神経がいいわね、貴女ならきっとA級ライセンス教師になれると思うんだけど、狙ってみる気はない」 憧れの恵子にそう言われ寿々美は心の底から喜んだ 「でもA級ライセンスってあらゆる格闘技が有段者クラスじゃなきゃいけないんでしょう。私ではちょっと…」 「何言ってるの、貴女ならちょっとやればすぐになれるわよ。その気があるなら教えてね。 いつでも相談に乗るし、個人的な指導もしてあげられるから」 「本当ですか」 寿々美は舞い上がりそうになるのを抑えながら、でも喜びを隠し切れずにそう答えた。 「ええ本当よ。あ、それから今日の放課後、ちょっと私の所に来てもらえるかしら」 「え、どうしてですか」 「ふふ、いろいろと貴女に尋ねたいこともあるしね。いいかしら」 「はい、放課後ですね大丈夫です」 「じゃあ、またその時にね」 「はい」 寿々美は嬉しくてたまらなかった、あの恵子に認めてもらえた事もあるし、自分だけ特別扱いしてもらえたような 感じもして放課後が待ち切れなかった。 放課後になり雑用を上の空ですませた寿々美は、廊下を走らないようにしながらも、大急ぎで恵子の待つ職員室に向かった。 職員室では恵子が寿々美を見つけ、手を振る。 「ねえ、ここじゃなんだから、場所を変えましょうか」 「え、変えるってどこにですか」 「2人っきりになれる所よ」 そう言うと恵子は先に立って歩き出してしまった。寿々美も慌ててついて行く。 職員室を出た恵子は黙って先を歩き、どんどん人のいない方へ向かって行く。 「先生、どこまで行くんですか」 寿々美がそう尋ねても恵子は取り合わず 「心配しないでついて来て」 と言い、ついには地下へと降りて行く。 「ここよ」 恵子が示したのはかつてサタンの足の爪が学園長だった頃に頻繁に使用されていた仕置き部屋だった。 サタンの足の爪が失脚した今では使用されることは全くと言って良いほどなかったこの仕置き部屋に、 何故連れてこられたのか寿々美は怪しむ。 「大丈夫よ、貴女を拷問しようっていうんじゃないから安心して。ただ静かなところで2人っきりで話が したかっただけなんだから。さあ入って。」 そう言って恵子は仕置き部屋の扉を開け寿々美を招き入れた。 寿々美は恐る恐る部屋の中に入る。かつて何度もこの仕置き部屋に入ったことはあったが、生徒としてこの部屋に入るのは 初めてだった。 部屋の中には様々な仕置き道具が放置されたまま散乱している。 恵子は椅子のような物に腰掛け寿々美にも座るように言った。 「適当にその辺に腰掛けて。こんな部屋だから落ち着かないでしょうけど」 「あ、はい」 寿々美も恵子を見習って適当な物の上に腰を下ろす。 「あの先生、お話って一体なんなんでしょうか」 場の雰囲気に呑まれたように寿々美が尋ねた。 「話っていうのは他でもないわ、藤さん、貴女の成績のことなの」 「成績・・・」 「そう。前はトップクラスだった貴女の成績が、ここのところ急に落ちてきているでしょう。 このままだと、いくら運動神経が良くてもA級を受けさせる訳にはいかないの」 「あの先生、それには色々と・・・」 寿々美は迷っていた、自分の体験したことを話すべきかどうか。 そんな寿々美の様子を気にも止めず、恵子は話を進める。 「事情があるのは分かるわ、だから貴女に尋ねようと思ってるのよ」 恵子の理解ある態度に寿々美は安堵の表情を浮かべた。 恵子は続ける 「貴女のように優秀だった子の成績が急に落ちてくる時っていうのは必ず何か原因があるの。 そしてそれは私の経験から言うと1つに集約できるわ」 「あの先生…」 恵子が何か誤解をしているようなので寿々美は訂正しようかと思ったがすぐに恵子に遮られてしまう。 「まあ私の話を聞いて、こういったケースは殆どが異性がらみなの。異性を好きになってしまい勉強が 手につかなくなるっていうのはよくある事だわ。そしてそれがエスカレートして不純異性交遊に発展し、 どんどん勉強する意欲を無くし快楽に溺れていく。そんなケースを私は幾つも経験してるの」 「ち、違います。不純異性交遊だなんて、そんなんじゃありません」 明らかな恵子の誤解に寿々美は慌てて抗議しようとする。 「今は不純じゃなくてもその一線を越えてしまうのに時間はかからないの。そしてそうなったら、この学園の生徒のように 純粋だとすぐに堕ちていってしまうわ」 「違うんです先生。私の成績が下がったのにはもっと別の理由があって」 「みんな最初は正直には認めてくれないわ、仕方ないわよね明らかに校則違反だし。だから、こういう時私はやり方を 決めてるの」 「な・・・」 理解があると思っていた恵子の暴走振りに寿々美は戸惑い、言葉を無くしてしまった。 「藤さん、下着を見せてもらえるかしら」 「えっ」 突然の恵子の要求に更に戸惑う寿々美。 「分かると思うけど不純異性交遊を始めたり始める直前の子、特に女の子は下着が華美になる傾向が強いの。 そういう子を早く見つけ出して適切な指導をしてあげるのが私の役目だと思ってるわ。そして、そういう時って、 抜き打ちの下着検査は思った以上に有効なの。ね、だから藤さん、悪いんだけど下着を見せてもらえるかしら」 「先生、本当に私の成績が下がったのは異性とか関係ないんです。信じてください」 「・・・仕方無いわね、分かったわ。じゃあ貴女の成績が下がったのとは別に下着を見せてもらえるかしら。 いいでしょうこれは単なる下着検査よ」 「そんな」 あくまで譲らない恵子に寿々美はどうしていいか分からなくなってしまっていた。これでは自分の正体を 明かすどころではない。 「ね、見せてもらえれば納得するから。ほんのちょっとでいいの」 「下着検査を受けたら私の話を聞いてもらえますか」 寿々美は話を収めるため仕方なく下着検査を受ける気になっている。誤解が解ければ恵子はきっと理解してくれるに 違いない、寿々美はそう希望を抱いていた。 「ええ、勿論よ。じゃあ悪いんだけど制服を脱いでもらえるかしら」 「全部脱ぐんですか。下着を見せるだけで構わないと思うんですけど」 「そうなんだけどね、制服の脱ぎ方も評価の対象なの」 「そんな・・・」 「勿論、演技をしてもすぐにばれるから気をつけてね。それじゃあお願い」 そう恵子は寿々美に制服を脱ぐように要求する。 と言われても寿々美はすぐに脱ぎだせるはずもなく躊躇したまま動きが止まってしまう。 いくら、まぼろしパンティとして活躍した寿々美でも、人前でストリップの様な真似をしろと言われては 抵抗があった。 「さあ、早く。それともやっぱり見せられないような下着なの」 そう言われ、寿々美は覚悟を決めて脱ぎだした。まずスカーフを外し、おもむろに上着を脱ぐ。 その下はブラジャー一枚だけだった。 勿論校則通りの白く飾り気の無いものである。 上半身ブラジャーのみとなった寿々美は肩を抱くようにしたまま立ち尽くしてしまう。 「どうしたの、スカートもよ」 「わかってます」 恵子の声に急かされるように寿々美はスカートに手を掛ける。 ホックを外し、ゆっくりとファスナーを下げる。 手を離すとストンとスカートは床に落ちた。 寿々美は胸元と股間を隠すようにしながら身をすくめる。 「手をどかしてよく見せて」 恵子の容赦の無い言葉が飛ぶ。 寿々美は手を下ろし体の横に付けるようなポーズをとらされた。 「ふうん…下着は校則に違反して無いようね」 恵子はそう言いながらジロジロと下着姿の寿々美を凝視する。 「それにしても藤さんスタイル良いわねえ。胸も大きいしウエストもくびれてて」 「先生のほうがスタイル良いと思いますけど」 「やっぱり若さには敵わないわよ」 「あの先生、もう制服着てもいいですか」 堪り兼ねて寿々美がそう切り出すと恵子は意外なことを口にした。 「もうちょっと待って。ねえ藤さん、まぼろしパンティって知ってる」 突然の質問に意図が分からず寿々美は動揺する。 「知ってますけどそれが何か・・・」 「あなたに今日きてもらった用件のもう1つがまぼろしパンティに関しての事なの」 「まぼろしパンティがどうかしたんですか」 「私はね、まぼろしパンティという人物についてある疑惑を抱いてるのよ」 「疑惑って・・・、まぼろしパンティは立派な人だと思いますけど」 「表面上はそうなってるわよね。凶悪犯罪にひとりで立ち向かい犯罪発生率を下げ、生徒達に体罰を繰り返していた 前の学園長を退陣に追い込んだ」 「それのどこに問題があるんですか」 寿々美の口調はついついきつくなる。自分のしてきた事を疑われてはたまらない。 「でも今のこの学園の現状を見てみて。犯罪発生率は再び上昇しているわ。以前のレベルに戻るのも時間の問題でしょう。 でも学園警察はまぼろしパンティの活躍のおかげで撤退してしまっている。頼みの綱のまぼろしパンティも姿を 見せる様子がまるで無い。このままではこの学園が以前よりひどい状況になるのは間違いないわ」 「それはそうですけど・・・」 サタンの足の爪によって受けたショックは大きく、しばらくまぼろしパンティになることが出来なかった寿々美としては 言葉がなかった。 「それに警察が撤退と前学園長の着任のタイミングも怪しいし、前学園長の退陣とまぼろしパンティが姿を 見せなくなる時期が一緒なのも怪しいわ。私としては、まぼろしパンティと前学園長はグルだったんじゃないかとも 疑ってるの」 「そんな、そんなはずありません」 「私もそう思いたいけど、そう考えざるを得ない所もあるのよ。彼女がこの学園を荒廃させる為に、まずは犯罪撲滅に 尽力し警察が不要になった所で姿を消す。そうすれば今みたいに再び犯罪が起こるようになっても誰も取り締まれず 学園は荒れ放題となる。どう見事なシナリオでしょう」 「でも・・・」 「前の学園長との対決姿勢を打ち出すことでより一層、正義の味方としての地位が確かなものとなり、姿を見せなくなっても 誰も悪に荷担していたとは思わない」 「そんな・・・」 恵子の言い掛かりのような説に寿々美は反論できない自分が悔しかった。 この状況では自分がしてきた事を告げても、何を言われるか分かったものではない。 「私はね、まぼろしパンティはまだこの学園の中にいると思ってるの」 「ど、どうして」 「様々な資料をあたったり、人に聞いたりしての結論よ。おそらくまぼろしパンティはこの学園の生徒であることは 間違いない。容姿、立ち居振舞い、言葉遣い、どれもがこの学園の女生徒であることを示してるわ。 そして彼女が姿を見せなくなってから学外に転校していった生徒は1人もいないの」 「た、たとえそうだとしても私には関係の無い事だと思いますけど」 「藤さん、貴女まぼろしパンティなのではないかという疑いをかけられた事があるそうね」 「それは・・・、でもその疑いは晴れたはずですけど」 「資料を見る限り証拠不十分というところかしら。疑惑がとけたわけではないみたいだわ。それに私も貴女が怪しいと 思ってるの、体育の授業とかの様子を見てるとね」 「そんな」 「こんな物を手に入れたわ」 そう言って恵子が取り出したのは『まぼろし少女』というタイトルのビニ本だった。 「それは」 「あなたも見たことがあるかしら、まぼろしパンティのビニ本よ。手に入れるのに苦労したわ」 寿々美は恵子が何をする気なのか分からず、警戒したまま様子を見ている。 「これを見る限り、まぼろしパンティもかなりスタイルが良いみたいね。そこで藤さん、貴女にもこの部屋の中で まぼろしパンティがしてるのと同じ格好をしてもらいたいの」 「そんな!」 「嫌なら無理にとは言わないけど、私はあきらめませんからね。不審者は徹底的に追求します。この場で身の潔白を 証明しておかないと藤さん、貴女といえども見逃すわけにはいかないから」 「お、同じ格好をして違ったら、私がまぼろしパンティではないと認めてくださいますか」 「ええ、その時は無罪放免よ。約束するわ」 寿々美は恵子の要求を飲むことにした。勝算があったからだ。 あの写真を撮られたのは1年近く前。それ以後、寿々美の身体は急成長を遂げている。写真と比べられても同一人物と 断定できる根拠に乏しいであろうという自信があった。 「わかりました、どうしたらいいんですか」 「そうね、ではまずブラジャーを取ってもらおうかしら」 「えっ」 「え、じゃないでしょう。まぼろしパンティと同じ格好をしてもらうんだから当然だわ」 「わ、わかりました」 そう言うと寿々美は仕方なくブラジャーを脱いでゆく。いくら同性の恵子の前だからといっても、恥ずかしいことに 変わりはなかった。脱ぎ終わるとつい手で隠してしまう。 「ほら手をどけて、しっかり見せて」 そう恵子に言われ、寿々美は恥じらいながら手を下ろしていく。あらわになっていくそのバストを恵子がじっくりと 睨みつける。 「あぁ」 思わず寿々美の口から声がもれてしまう。 「綺麗なバストねえ、乳輪の色も薄くて可愛いわ。でも、まぼろしパンティよりちょっと大きいかしら」 恵子は写真集と寿々美のバストを見比べ、検討していく。 「そうねえ。こうして比べると、あなたの方がまぼろしパンティよりグラマラスな感じね。ちょっと同一人物と言うのは 厳しいか」 「もういいでしょう。服を着させて下さい」 「待って、写真と同じポーズをとってからよ」 「・・・わかりました」 しぶしぶ寿々美は恵子の言う通りにポーズをとらされていく。恵子はそのポーズと写真を入念に見比べる。 「やっぱりこれでは、正確なところは判らないわね。疑おうと思えば疑えるけど、断定するには根拠に乏しいし。 ねえ藤さん、ちょっと目を瞑ってもらえるかしら」 「どうして・・・」 「その方がイメージが湧きやすいかと思ってね」 「・・・これで良いですか」 寿々美は意地を張るかのように固く目を瞑った。 「そうそう、その調子。そのまま、さっきみたいにポーズをとって」 早く終わらせたい一心で寿々美は目を閉じたままポーズをとっていく。 すると突然、寿々美は目を瞑ったままの視界が明るくなるのを感じた。 驚いた寿々美が目を開けると、そこにはカメラを構えた恵子が嬉しそうな顔で寿々美の痴態を写真に撮っている姿があった。 「きゃあ!せ、先生何を」 恵子は寿々美の声には耳を貸さず、次々とフラッシュを焚いていく。 「やめて、撮らないで下さい」 カメラを下ろした恵子はゆっくりと、パンティ1枚の寿々美に近付いてくる。 「やっぱり写真に撮って比べてみないとね。きっと綺麗に撮れてるわよ、藤さん」 「返して。そのフィルム返して下さい」 「駄目よ、これは証拠物件なんですからね。それから今日のことを学校側に告げ口しようとしたら、 この写真がばらまかれる事になるから、そこの所よろしく」 「・・・卑怯よ」 「まぼろしパンティの正体を知る為よ。全ての生徒に協力してもらうわ、当然あなたにもね」 「こ、こんなやり方、認めません」 「この際、手段を選んでいられないの、さっさとまぼろしパンティを見つけださないと。そしてそうね、 代わりに私がこの学園を守ってあげるわ」 「そんな勝手なこと」 「貴女の疑いが晴れた訳ではないから、日を改めて貴女には色々尋ねようと思ってるわ。その時はまたお願いするから」 「・・・」 寿々美は絶句する。憧れの恵子にこんな事を言われるとは1時間前には思いもしなかったことだった。 「そんな格好でいつまでもいると風邪ひくわよ。まあ、していたいなら構わないけど。それじゃ私はもう行くから。 あと、よろしくね」 そう言って恵子は半裸の寿々美を残したまま仕置き室を後にしようとする。出口の扉に手をかけたところで恵子は 振り向いた 「私、彼女を捕まえるまで絶対諦めないから。貴女の周りでまぼろしパンティに関する噂があったら教えてね。」 そう言い残して恵子は仕置き部屋を後にした (絶対許さないから) 1人残された寿々美は怒りに震える瞳で恵子の去った先を睨み付けている。 憧れが強かった分だけ反動で憎悪の炎は激しく燃えさかる。恵子に対する復讐を強く胸に誓う寿々美だった。 ***つづく