平成14年7月19日・初版 平成15年10月24日・改訂(扉絵を追加)

女宇宙刑事アニー・「恥辱のショータイム」第1章/ぴ〜・著

イラスト:悪の司令官
 2箇所同時に不思議獣が現れたとの通報を受け、シャイダーとアニーは別々の地点へ向かった。しかしそれは罠だった。 アニーが倉庫に入ると、倉庫の2階踊り場にはヘスラー指揮官、ギャル軍団、戦闘員、そして人質の姿があった。 「アニーよ、まんまと罠にはまったな」 「ひ、卑怯な。人質を離しなさい!」 「フッフッフッ。まぁ、お前がおとなしくするなら人質は離してもかまわないが・・・まずは武器を捨ててもらおうか」 アニーは一瞬、躊躇した。しかし戦闘員が人質に刃を向けると、選択の余地がなかった。手にしたブラスターを床に置いた。 「あと、無線機も置いてもらおうか。あと、なにか隠しているかもしれないから、ブーツも脱げ」 アニーはさりげなく舌打ちした。隙をみてシャイダーに連絡する、あるいはブーツに仕込んだ小型拳銃を使って脱出するといったことが 不可能になってしまうからだ。しかし、人質をとられていては仕方がない。無線機を置き、ブーツを脱いだ。 「よし、それらをどこかに持っていけ」 ヘスラーが戦闘員に命令する。 (しまった・・・) アニーの無線機やブーツには特別な発信機が内蔵されており、現在位置を知らせること、あるいはそれらが破壊された場合の最終位置を 知らせることができたのだ。 (先手先手を取られているわ。どうにかしないと・・・) 「もういいでしょ。早く人質を放して!」 人質さえいなければ・・・。隙を見て逃げることもできる。しかし、ヘスラーは冷静だった。 「フッ。まだ何か隠しているんだろう。調べてみんとな」 「隠してなんかいないわ」 「その言葉を信じろというのか?馬鹿も休み休み言え」 そういいながら階段を下りてアニーのそばへよってくる。 「両手を頭の後ろに組み、足は肩幅に開け。そして動くな。動いたら即座に人質を殺すぞ」 ヘスラーはそういいながら、アニーの目の前にたった。 「なにか聞かれたとき以外は口を開くな。何かの音をごまかしてるかもしれないからな。そして、聞かれたことは正直に答えろ。 人質の命が惜しくなければ・・な」 「わかったわ」 仕方なく、アニーは言われるままにした。残念ながら隠し武器などは一切無いので、すぐに人質が解放されるはず。 人質さえ解放されれば、得意の体術で・・・。そう思っていたアニーは、自分の考えの甘さを思い知ることとなった。 ***つづく