平成15年5月2日・初版 平成17年7月27日・改訂(CaraSiteEVE提供の写真を追加)

キューティハニー異次元編「ハニーよ銃をとれ」・第1章/東日新聞 早見・著

写真提供:CaraSiteEVE
 東日新聞の早見だ。  まずは、前回の「異次元へいったキューティー・ハニー」に反響を頂けて、感謝感激雨あられ…心からうれしく思っているぜ。 書いた手記を読んでもらえるというのは、本当に記者冥利に尽きるし、色々な情報や感想を書き込んでもらえれば、何よりの励ましになる。 今後とも応援…よろしく頼むぜ! さて、早速だが…今日、二通目の手紙が異次元で暮らす仲間(記者の毛草)から届いた。 ハニーのことについて全て知っている俺が、前回同様肉付けし、小説風に直して報告するのだが、その前に簡単に復習しておこう。 敵はあのパンサークローの関連組織コブラファング(コブラの毒牙)。 奴らは男性サイボーグを使って、異次元の街に近未来の日本の姿を映し出すつもりでいるらしい。 そのために必要となるのが、灰色の街、澱んだ空、無気力無関心な人間達、そして、空気から何でも作り出す空中元素固定装置… つまりキューティー・ハニーの肉体だ。 一方、情報を知ったキューティー・ハニーは逆に異次元の街へ単独潜入。姿を変えては人間達を勇気づけ、失った感情を取り戻させている。 こうして両者の激突が起こるのだが、問題なのは、コブラファングが空中元素固定装置のコントローラーを持っているということだ。 コントローラーは空中元素固定装置のみならず、キューティー・ハニーの電子頭脳にも影響を与える。 そのため一話では、キューティー・ハニーは変身はおろか、その意志までも自由にコントロールされてしまい、ピンチに陥ってしまった。 ところが、結果としてコブラファングが勝利したかといえば、決してそういうことにはならない。 コントローラーは、作動すると周囲の水素を取り込むため、使用した者は体内の水分から水素を抜かれ、酸化してしまうという デメリットも持ち合わせているのだ。 そしてこのコントローラーの秘密については、コブラファングもキューティー・ハニーも全く知らない…。 以上、ここまでの経緯はこんなところだ…。 それから、もう一つ断っておかなければならないことがある。 俺の仕事は探偵ではなく、新聞記者。つまり、この物語は少女漫画のキューティー・ハニーFではなく、 1970年代のお色気満載のキューティー・ハニーを元にしている。これだけは色々な点で食い違いが出て来るので、 あらかじめ念を押しておく。 さあ、それでは今回の手記を読んでもらおう。 ****************************************************** 「(やる気をなくした)住民達に、夢を与える若いシスターがいる」  こんな密告がコブラファングにもたらされた。 コブラファングが最も恐れるのは、異次元の住民達に人間としての感情を与えるこれらの行為である。 即刻、サイボーグ達に貴婦人の捕獲、そして殺戮命令が下され、パンサークローから貸し出された戦闘員が配備された。 今回選ばれたのは、サラブレッド・ファングとロデオ・コブラだ。 サラブレッド・ファングは馬型のサイボーグ。コブラファング随一の俊足と、強烈な蹴りが武器だ。 ロデオ・コブラは西部劇に出てくるガンマンスタイルのサイボーグ。気性が荒く、投げ縄、二挺拳銃の早撃ちが得意だ。 この二名は個々の戦闘能力が高いばかりでなく、ペアとしても非常に息が合っている。 追跡と捕獲をやらせれば、このペアに勝るものはいないだろう。俊足のサラブレッド・ファングの上に、 投げ縄の名人ロデオ・コブラが乗れば、どんな者でも逃げ切ることは不可能なのだ。 サラブレッド・ファングとロデオ・コブラはいつものように合体すると、配下の戦闘員を引き連れ、街の西側にある教会へ向かった。 「こんな教会…いつの間に建てやがったんだ?」 教会の包囲を完了したコブラファングだったが、はじめて見るそのたたずまいに、驚きの色を隠せない。 教会は入り口に大きな十字架を掲げた虫食いだらけの木造建築。年季の入ったいわゆるボロ教会だが、人間的な温度を感じさせる。 温かみはないが、近代的な建造物で占められたこの街では、異種異様に映るのは仕方がない。 大きな扉が開くと、礼拝を終えた人間達が、満面に生気を宿しながら、続々と中から出てくる。 「『夢を忘れてはいけない』かあ〜。シスター・ハニーの説教、よかったな。思わずうなずいてしまったよ!」 「そうだな。楽して、最後は神頼み…の我々には『神頼みは最後の手段。その前に努力をしなさい!』なんて…グサッ!と来るよ。 やはり努力が必要なのだな!」 礼拝の感想を言い合いながら、生きる喜びを取り戻した人間達が、物陰に潜んだコブラファングの前を通り過ぎていく。 「ちぃ…愚かな人間達め、このまま自堕落に過ごしていれば良いものを…簡単に洗脳されおって!」 ロデオ・コブラがイライラしながら、吐き捨てるようにいった。 「…ならば全員殺ってしまうか?ブヒヒン、折角集めた人間達…そうもいかないだろう。とにかく教会にいるシスター・ハニーを 捕らえてしまえば、後はなんとでもなる…」 教会を睨みながらサラブレッド・ファングが、冷たく応えた。 人間達が立ち去った後、包囲の輪を縮めたコブラファングは、扉の前に勢揃いした。 無力なシスターを捕えるには、少々大げさな人数ではあるが、鼠一匹でも全力を尽くすのがコブラファングのやり方だから、仕方がない。 二人の戦闘員が両開きの扉を押し開けた。 (パタンッ…) 薄い扉が内側に開くと、そこにはうら若い修道女が立っている。 肌の露出を極力なくした黒い修道服で身を包み、胸には銀の十字架を下げている。これが噂のシスター・ハニーに違いない。 「懺悔に来たのですね?…お待ちしておりました。今ならまだ、神は、あなた方をお許しになるかも知れません…」 シスター・ハニーは神に祈るように両手を組んで、コブラファングに告げた。 「けっ、懺悔とは…聞いてあきれるわ!貴様がシスター・ハニーだな?大人しくしていろ…今、捕まえてやる。おい!」 ロデオ・コブラが扉を開けた戦闘員に指示を出す。戦闘員がシスター・ハニーの腕をとろうと近づいた。 その時… 「(バキッ!)ぐほっ!」「(ズンッ!)ぐはっ!」 悲鳴と共に二人の戦闘員が、扉の外へ弾き飛ばされた。もちろんシスター・ハニーの仕業だ。 「残念です。もう神は、あなた方をお許しにならないでしょう。ここは聖なる教会…あなた方のような邪悪な者の 来るところではありません。早々に立ち去りなさい!」 シスター・ハニーは哀れみをかけるような瞳で一同を見渡しながら、毅然と言い放ち、胸の十字架を放り投げた。 そして、大きく両手を広げると、内側からパタンと扉を閉じてしまった。 投げ与えられた十字架が宙で銀色の軌跡を描く。 ロデオ・コブラは十字架を撃ち落そうと、素早く腰の拳銃に手を添えた。 「んっ…ロデオ・コブラ、やめろ!」 冷静なサラブレッド・ファングの言葉も聞かず、ロデオ・コブラは頭上の十字架に発砲した。 だが、当然のごとく…これは神への冒涜、天につば吐く行為だったのだ。 (ドッカ〜ン!) 凄まじい爆発音と共に、当り一面を灰色に変えるほど大量の粉が飛び散った。なんと…粉は胡椒だ。 「ごほっ!げほっ!」 「はっくしょん!ぐうっ…目が…」 「ぶっくしゅん!こっ、これは堪らん…ブヒッヒン!」 降り注ぐ胡椒の中で、コブラファングはくしゃみをしながらもがき苦しんだ。 特にサラブレッド・ファングはデリケートな体質だ。地面に這いつくばるようにして、止まらぬくしゃみに苦しんだ。 こうなると短気な荒くれ男ロデオ・コブラは黙っていない。二挺拳銃を構えると、全員に射撃命令を下した。 「はっくしょん!くしょん!…くっ、舐めた真似をしやがって!全員撃て、撃ち殺せ!この扉ごと撃ち抜いてしまうのだ!」 (ドキュン!ドキュン!…ドキュン!バキュン!…) 20丁もの拳銃が火を吹き、教会の扉をあっという間に、蜂の巣にしていく。弾丸は薄い扉を軽々貫通していくから、 中のシスター・ハニーはひとたまりもないだろう。 「よ〜し…もういいだろう…撃ち方止め!中に踏み込み、シスター・ハニーの死体を確認しろ!」 ロデオ・コブラが扉を蹴り倒し、戦闘員達と教会の中に踏み込んだ。 シーン…と静まり返った教会の中には、シスター・ハニーの死体どころか、人っ子一人見当らない。 (カラ〜ン!…カラン・カランッ!) 突然、静寂をついて、空き缶の転がる音が教会に響いた。空き缶は正面の祭壇から転がってくる。 コブラファングの目が一斉に祭壇に向けられた。 そこには、茶色い皮製のベストに、そろいのミニスカートをはいたカウガールが立っている。 ベストとミニスカは丈が短く、かなりキュートなへそだしウエスタンルックだ。 「んっ、中に人間が残っていたのか…。おい、そこの女!ここに居た修道女はどこへ隠れた?」 ロデオ・コブラの問い掛けを全く無視すると、カウガールはベストの襟に付いた★マークをかざして、こういった。 「街を牛耳る無法者はお前達だな?神が悪事を許そうとも…正義の保安官ウエスタン・ハニーが許さない!」 「なにっ…保安官ウエスタン・ハニー?保安官など、この街には居ないはず…。しかも、黙って聞いていれば、生意気なことを抜けぬけと… 構わん、撃て!撃ち殺してしまえ!」 ロデオ・コブラの命令とともに、戦闘員の人数分の銃声が鳴り響いた。しかし、バタバタと倒れていくのは全てコブラファングの戦闘員。 引き金を引く間もなく、ウエスタン・ハニーの早撃ちの餌食となったのだ。 「くっ、早撃ちロデオ・コブラの実力を見せて…(バキュ、バキュン!)…うぐっ!拳銃が…」 素早く抜いたロデオ・コブラだったが、構える間も与えられず、ウエスタン・ハニーに二挺拳銃を撃ち落された。 ウエスタン・ハニーはウインクをすると、銃口から昇る煙を「フウ〜」と吹いた。 「あ〜ら…早撃ちなんて名ばかりね!これじゃ、実力なんて見れないわ!」 嘲笑とともに浴びせられた言葉に、短気者のロデオ・コブラは顔を真っ赤に染めている。 「中々やるな…ウエスタン・ハニー!だが、もう弾切れだぞ…今度は俺様の蹴りを受けてみろ!」 今度はサラブレッド・ファングの攻撃。猛スピードで距離を詰めると、軽々と跳躍し、ウエスタン・ハニーに襲い掛かった。 「早い…はっ、いけない!」 ミニスカートと色だけコーディネートされてない純白のパンティーを丸見えにしながら、ウエスタン・ハニーは横っ飛びで逃げた。 だが、サラブレッド・ファングの攻撃は俊敏な動きに裏打ちされた連続技だ。ウエスタン・ハニーは拳銃への弾込めも許されないまま、 パンティーをモロに見せながら、ゴロゴロと転がり、逃げ惑った。 コブラファング随一のコンビネーションを誇るペア。片割れのロデオ・コブラはこのチャンスを見逃さなかった。 腰からロープを取り出すと、頭上で数回回転させて、ウエスタン・ハニーに投げつける。縄はウエスタン・ハニーの右腕に絡みつき、 ピーンと張って動きを止めた。 「うっ、しまった。それなら仕方がない…たあっー」 ウエスタン・ハニーは床を蹴ると、引き寄せられるロープの力を利用して、ロデオ・コブラの頭上を飛び越えた。 サラブレッド・ファングに勝るとも劣らぬ跳躍力に驚いたロデオ・コブラは、縄を操るのも忘れ、探るような目で ウエスタン・ハニーを睨んだ。 「なんという跳躍力!ウエスタン・ハニー、貴様…人間ではないな?一体、何者だっ?」 「うふふふ…。知りたいのなら、教えてあげましょう!…あるときは神に仕える修道女、シスター・ハニー。 またあるときは正義の早撃ち保安官、ウエスタン・ハニー。…しかして、その実体は…」 ウエスタン・ハニーは首のチョーカーに着いたハートマークをつまみながら飛び上がった。ハートマークからまばゆいばかりの光りが 発せられる。光りの中でウエスタン・ハニーのベスト、ミニスカ、そして純白のパンティーまでもが、チリのように弾け飛んでゆく。 「ハニィー・フラァッ〜シュ!」 全裸となったウエスタン・ハニーに光のチリが集まり、コスチュームを生成していく。赤と黒のピッタリとしたボディスーツ。 胸の深い谷間を大胆に見せるダイヤカット。輝くシルバーフルーレを持って光りの中から登場したのは… 「愛の戦士 キューティーハニーさ!さあ、コブラファング…早速、行くわよ…ハニーブーメラン!」 キューティー・ハニーはいきなり左の腕からハートのアクセサリーを飛ばした。 あっという間に、投げ縄はブーメランによりズタズタに切断されていく。折悪く縄を引いていたロデオ・コブラは、手応えを無くし、 そのままの勢いで転倒した。 キューティー・ハニーは縄の切れ端を持ったまま軽くジャンプすると、丁度突っ込んできたサラブレッド・ファングの背に飛び乗った。 そして縄をサラブレッド・ファングの口に掛けると、手綱のように引き絞り、動きを止めた。 「さあ、お馬さん…手綱をつけてあげたわ!」 キューティー・ハニーはニコッと笑うと、シルバーフルーレでサラブレッド・ファングの尻を軽く突いた。 本物の馬のように、竿立ちでいなないたサラブレッド・ファングは、キューティー・ハニーに手綱を握られたまま、全力疾走を開始した。 「ハイヨー…そのまま全力疾走よ!このままロデオ・コブラを蹴飛ばしてあげるの…あっ、そっちは…壁だ!」 キューティー・ハニーは暴走したサラブレッド・ファングの上から壁の手前で飛び降りた。 ロデオ・コブラを必死に避けたサラブレッド・ファングは、大音響とともに壁に激突し、もんどりうった。 ヨロヨロしながら立ち上がったロデオ・コブラは、サラブレッド・ファングを助け起しながら、その背に乗ると、逃げようとしているのか、 クルッとキューティー・ハニーに背中を見せた。 ロデオ・コブラはカウボーイハットに手をやり、顔を隠す。更にサラブレッド・ファングは、走り出す為なのか、後ろ足を 蹴り上げようとしている。 キューティー・ハニーの嘲笑混じりの声が響く。 「あら…帰るの?そうね、お前達のような脳無し…二人一緒でも相手にならないわ!ゼロとゼロを足しても、ゼロのまま。 下らない技を磨くより、少しはお家で、お勉強でもした方が…はっ!」 瞬間、カウボーイハットが唸りを上げて飛んで来た。ロデオ・コブラはキューティー・ハニーにあしらわれたことを恥じて、 顔を隠したのではない。反撃のチャンスを待っていたのだ。 キューティー・ハニーはカウボーイハットをギリギリで避けた。だが、カウボーイハットの影に隠れて、二つの反撃が飛んできていたのだ。 なんと、それは馬の蹄(ひずめ)につけるU字型の蹄鉄(ていてつ)。 (カッチ〜ン!) あわててシルバーフルーレをかざしたキューティー・ハニーだったが、フルーレは冷たい音を残し、蹄鉄にもぎ取られた。 そして、左腕につけられたハニーブーメランも…キューティー・ハニーは一瞬にして最大の武器と飛び道具を失ってしまった。 「おっと…気にしている暇は無いぞ…キューティー・ハニー!ふっふっふ…後ろだ!」 ハッとして後ろを振り向いたキューティー・ハニーに、ブーメランのように戻って来たカウボーイハットが襲い掛かる。 またしてもギリギリで避けたキューティー・ハニーだったが、このとき完全に背中が留守になっていた。 振り向いた時には、目の前でサラブレッド・ファングが脚を上げている。 「…はっ!…ぐふっ!」 強烈なサラブレッド・ファングの蹴りにより、キューティー・ハニーは思い切り弾き飛ばされ、祭壇のステンドグラスに叩きつけられた。 サラブレッド・ファングは素早く移動すると、キューティー・ハニーの起き上がりさまを狙い、次の蹴りを放つ。 キューティー・ハニーはそのまま壁に叩きつけられた。 そして壁に叩きつけられた反動で、前のめりに倒れるところにもう一発。 キューティー・ハニーは倒れる暇もないまま、壁に柱に叩きつけられていく。 「…あっ、…ぐうっ!…はあはあ、はっ…うぐっ!…いけない、かわさなきゃ…とおっ!」 キューティー・ハニーは蹴りをかわすために、上にジャンプをしたが…その刹那すかさずロデオ・コブラが投げ縄を放った。 投げ縄は足首に正確に絡みつくと、ピ〜ン!と張られて、キューティー・ハニーを無様に空中から引き摺り下ろした。 バランスを崩したキューティー・ハニーは、受身を取ることも出来ず、仰向けになって転倒した。 「あっあ〜!…くっ、しまった…。はっ…サラブレッド・ファング」 サラブレッド・ファングがキューティー・ハニーの腕に蹄を下ろす。キューティー・ハニーは足に続き、腕の自由も失い、 床に貼り付けられてしまった。 絶体絶命…ただ、キューティー・ハニーは苦痛に顔を歪めながらも強気の態度をまったく緩めることはない。 「くうっ…前しか見えないくせに…なんて脚力なの…。とっとと、その蹄を退かしなさい!」 「ブヒヒッ!これで動けないぞ…キューティー・ハニー!もう少し痛めつけてやりたいところだが…まずは確かめることがある。 この肉体の中に空中元素固定装置が埋め込まれているのだったな?どこにあるのだキューティー・ハニー?」 サラブレッド・ファングはキューティー・ハニーを押さえたままで、長い顔を近づけた。 「ふんっ!誰がお前達に教えるものか…ああっ、何を…」 「そうか…云いたくなければ、探すまでのこと…まずは身包みひん剥いてやろう。そうら!」 サラブレッド・ファングは後ろ足をキューティー・ハニーの胸の谷間…コスチュームのダイヤカットの部分に差し入れると、 思い切り左右に引き裂いた。 (プッリリ〜ン!) コスチュームに押さえつけられていた大きなボインが剥き出しになり、激しく揺れる。 「ああっ、いやああ〜ん!」 「ほほう…見事なボインをしているな。早速、揉みながら調べてみたいところだが、俺様は蹄…揉んでも面白くはない!」 サラブレッド・ファングは脚を踏み変えキューティー・ハニーを後ろ足で押さえながら立ち上がる。 そして、自由になった前足で、おもむろに肉棒を取り出すと、キューティー・ハニーの目の前にかざした。 まさに馬並み…黒光りしているサラブレッド・ファングの肉棒は、太さ、長さともに常軌を逸している。 もちろんコブラファングの中でも一、二を争う巨根だ。 そして、中には空中元素固定装置を自由に操るコントローラーが組み込まれている。 「ブヒヒヒ…下半身の調査は任せるぞロデオ・コブラ!俺様は口の中を調べてやろう!」 いやがるキューティー・ハニーの唇をこじ開けると、サラブレッド・ファングはその長い肉棒を差し込んでいく。 「なっ、何を…むぐう!むぐっ…うっ、ごほっ、ごほっ!」 肉棒は喉の奥まで達し、キューティー・ハニーは大きく口を開けたまま激しくむせた。しかし、どんなにもがいても拘束された肉体は 少しも自由にはならない。キューティー・ハニーは地面にくくりつけられたまま、大きなボインを小刻みに震わせている。 全裸に引き剥がされるのも時間の問題。 絶体絶命のキューティー・ハニーだったが、このときだけは逆に服を着ることが出来た。ただ、状況は更に悪くなっていくのだが…。 舌なめずりをしながらロデオ・コブラが下半身のコスチュームに手をかけた瞬間、サラブレッド・ファングがいななきながら叫んだ。 「ブヒヒヒッ!こんなに気持ちが良いとは…いかん、ロデオ・コブラ、コントローラーが作動してしまう!」 「ちっ、興をそぐ奴…折角面白くなって来たところなのに、我慢出来んのか?」 破きかけたコスチュームから手を離しながらロデオ・コブラが応える。多少、危険を感じたようだ。 「ブヒッヒヒッ!無理だ…もう、我慢出来ん!」 サラブレッド・ファングは突き入れた肉棒をしごくように動かした。 (フォン・フォン・フォン…) 高周波パルスが発する機械的な音とともに、キューティー・ハニーは(頬張った肉棒のために)言葉にならない絶叫をあげた。 「はぐう…ハギィ〜フハッ〜フッ!(ハニーフラッシュ!)」 なんと、肉棒に内蔵された空中元素固定装置のコントローラーがキューティー・ハニーの唇で作動したのだ。 チョーカーのハートマークからまばゆいばかりの光が発せられた。 喉の奥まで差しこまれた肉棒が抜け、サラブレッド・ファングの体が弾き飛ばされていく。 同時に、光はキューティー・ハニーのコスチュームをチリのように弾き飛ばす。 光はキューティー・ハニーの肌を覆いながら、次第に色を深くしていく。今度は限りなく黒に近い濃紺色だ。 キューティー・ハニーはまたたく間にシスターハニーに変身してしまった。 コントローラーはその持ち主が考えた通りのことを、高周波パルスに乗せて空中元素固定装置に指令する。 そして空中元素固定装置を通じてキューティー・ハニーの電子頭脳も狂わせる。電子頭脳は空中元素固定装置と密接なつながりを 持っているから、キューティー・ハニーの意思にかかわらず、指令を受けてしまうのだ。 ただ、ハニーの思考回路は単純ではない。だから、変身させられることについては、疑問や葛藤があるのだ。 「ああっ、何故…変身が戻ってしまうの?この姿では…ああっ、また、投げ縄が…」 サラブレッド・ファングが弾き飛ばされたことにより、シスター・ハニーの両手が開いている。 そこへすかさず投げ縄が飛び、シスター・ハニーの自由を奪った。完璧な連係プレーだ。 「ほほう…変身を戻すとは、そんなことを考えていたのか、サラブレッド・ファング?しかし、何故シスター・ハニーなのだ?」 傍らで、2本のロープを手にしたロデオ・コブラが、首を傾げながらつぶやいた。 「ブッフウ〜!どうやら先程の胡椒爆弾が忘れられないようだ。どうしても雪辱しないと気が済まん!ブヒヒッヒ!」 未だ鼻に違和感を感じているのか、しきりに鼻から息を吹いているサラブレッド・ファングが応えた。 デリケートなサラブレッド・ファングにとって、胡椒爆弾は余程の苦痛だったに違いない。 納得したように頷いたロデオ・コブラだが、新たなアイデアを思い付いたのか、提案を投げかけた。 「ふふん、そうか。『それならどうぞ気の済むまで!』と言いたいところだが…。どうだ、物は考え様、シスター・ハニーを 俺様に任せてみないか?」 「何っ…一体、どういうことだ?」 カーボーイハットを被り直したロデオ・コブラは、いぶかしがるサラブレッド・ファングを尻目に、交代の理由を解説した。 「シスター・ハニーを辱め、拷問にかけるならば、蹄では不向きだろう?そこで代わりに俺様が、西部劇仕込みの拷問を 見せてやろうということだ!その巨根で、身動き出来ないシスター・ハニーをただ犯すだけでは…余りに芸が無い!」 カーボーイハットからのぞくロデオ・コブラの瞳は淫らに輝いている。 「ブヒヒッ!よかろう…それではじっくり見物することにしよう!ただ、手緩い拷問ならば許さんぞ!」 今度はサラブレッド・ファングがニヤリと笑い、頷いた。 ロデオ・コブラは縄の片方を屋根の梁に通すと、全体重をかけて絞り上げた。縄は足につながっている方だ。 たちまちシスター・ハニーは逆さで宙に吊り上げられていく。 修道着のスカートは長丈だが、逆さでは意味が無い。スルスルとめくれ、太ももと純白のパンティーまでが露わになる。 スカートから顔を半分出したシスター・ハニーは、羞恥のためか頬を染めていたが、相変わらず強気の姿勢は崩さない。 「くっ、神に仕える私を逆さ吊りにして…こっ、こんなことをすれば、すぐに天罰が当たるわよ!」 「ふっふっふ、こちらにしてみれば、天罰よりも目の保養。その修道着もひん剥いてやる!そうら!」 ロデオ・コブラは別のロープを取り出すと、思い切り逆さになったシスター・ハニーに打ちつけた。 「はっ!(…ビシッ!)くっ!(…バシィ〜ン!)はうっ!(…バシィ〜ン!)うっ、ううっ!」 ロープが打ち鳴らされる度に、黒い布が引き裂かれ舞い飛ぶ。シスター・ハニーの素肌が次々に剥き出しになっていくのだ。 絶体絶命のシスター・ハニーはロープで打たれながら、神に祈ることしか出来ない。 拷問から逃れ、逆転することが出来るのか…。 その可能性は、神でさえも適えることが出来ないほど、わずかな望みしか残されていなかった。 ***つづく