平成28年5月27日・初版

まぼろしパンティ外伝「悪夢のアウシュビッツ捕縛作戦!拘束の美少女探偵と怪物の陰謀の巻」第1章/永井夢麻呂・著



 綿密に仕組まれた卑劣で狡猾な作戦による、サタンの足の爪の大攻勢が実行され
まぼろしパンティが正体を暴かれて連行されてから、何日が経ったであろうか。

まぼろしパンティは夢と現実の狭間でさまよっている。

夢を見ながらあの日のサタンの足の爪からの責めが夢に出ているのだろうか?
小さく蘇り喘ぎ声を出し、体を捩り、ひときわ大きなダブルベッドの純白シーツのキャンパスで芸術的なスレンダーな裸体と
柔らかな曲線の乳房や、しなやかさな美脚をさらし、真っ白でグラマラスな身体をクネらせていた。

「あっ・・やっ・・やめてッ」

「うぅ・・触っちゃ・・ダメぇ」

サタンの足の爪は腕組みをして満足げベッドの脇から見下ろしている。

「ククク・・・いつ見てもたまらん身体じゃのう〜・・」

 サタンの足の爪は、自分が企てた綿密であり卑劣で狡猾な作戦が見事に成功した余韻に浸りながら
これまでのことを思い返していた……

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 卑劣で狡猾な作戦が実行される日の夕方、学園長室には仕置き教師の実行部隊30名と珍太一耕介が集結していた。

「学園長、まぼろしパンティ捕獲部隊は集結しました。ご指示をお願いします。」

「ほお・・・そうか・・仕置き教師は学ランにセーラー服か?用意周到じゃのう〜」

「おちこぼれ収容所には何名の生徒の恰好をした仕置き教師を忍ばせるのじゃな?」

「100名いる内の屈強な精鋭30名です。」

「そうじゃなそれで良い・・・騙すにしても寸前までバレない様に周到に用意するのだ!」

「いいか・・・相手はまぼろしパンティじゃ・・・けっして侮るでないぞ!

「残りの仕置き教師はけっこう仮面を封じるためにスパルタ学園の卒業生である高橋真弓をおとりに
別の場所に封じ込む作戦を実行します。」

「ククク・・・けっこう仮面6姉妹が文部省の調査官であるとの情報をよく教えてくれましたな太一殿」

「ぼくもあのボディをじっくり見たら意地でも触ってみたくなったのですよ!学園長!」

「ぼくはパンティを取ってあそこもじっくり見させていただきましが、何もできなかった。
これでは欲求不満で太珍レーダーが暴発で壊れてしまう。」

「学園長が、あの女を学園追放する前に一日好きにさせて下さい。協力は惜しみませんから・・」

「じゃがのう・・・ワシはあの体が気に入っておる。ワシだけの女にしたいのじゃ・・」

「その代わり同等以上の肉体をもつ、けっこう6姉妹を好きにしてよいから勘弁してくれ!」

「ふーむ・・・写真でみると確かにこちらも素晴らしいボディの女ですな・・考えてみましょう?
・・ただし、一番上玉を頂きますよ!」

「いいだろう・・・好きにするが良い」

 まぼろしパンティ捕獲部隊が勢ぞろいする学園長室に更に3名がやって来る。
それぞれ順番に学園長室に通され、個別に話をすることとなっていた。

゛トントン・・゛

「入りたまえ・・」

そこに順番に来たのは藤警部・有吉伸子・柳生つとむであった。
学園長室に一人目の藤警部が入室すると応接セットの椅子に座り、学園長が話しかけた。

「まず、藤警部・・・例の件は決心してくれましたかな?」

「娘さん・・・いや・・まぼろしパンティこと藤寿々美君を我が花嫁としていただきたいという話・・
お受けしていただけますかな?」

藤警部は困惑しながら答える。

「・・・・そ・・それは・・」

「なぜ突拍子もなく、そんな事を言うのですか?よく考えましたが理解できん。

「まだ若い娘を学園長の花嫁に?本人も同意するとは到底思えないが・・・」

「しかも・・寿々美がまぼろしパンティであると、おっしゃるのですか?」

学園長はニヤリと笑いながら話をつづけた。

「以前、藤警部の不正の証拠を掴んでいることをお見せましたが、公開されては困るのではないですか?」

「ワシは有望な女学生の藤寿々美さんを保護し、大切にしてゆきたいのです。貴方が不正をして警察を追われるのが分かり
助けてあげたいという親心からですよ。」

「娘さん・・・寿々美君の幸せを考えて是非前向きに考えていただきたい。

藤警部は驚き、立ち上がる。

「何をいうのだ!そんな事ない!」

藤警部は握りこぶしを作り、怒りを爆発させた。だが、学園長は冷静に話を進める。

「警部殿・・まず、車正美先生への性的悪戯の証拠写真・・・・それに学園警察時代に若い生徒が好きで
ビニ本に写っていた少女と淫行をしてしまったこと・・・それにあなたは学園警察の公金横領などで
このままでは懲戒処分相当の決定がされるようです。」

「それを、もみ消す代わりにワシの要望を聞いてほしいと言っておるのじゃ・・」

「すべて公にされたくなかったら、いう通りにするのじゃよ・・いいですかな?藤警部」

「寿々美君に黙って警察権力を悪用した悪さを随分したものじゃ・・・」

藤警部はうつむき黙り込み唸り、苦悩する。

「うぅ・・それは事実ですかな?」

「到底信じられない・・・」

サタンの足の爪は更に追及する。
実はこの頃の学園長はクライム学園経営で得た裏金資金を政治家や権力者にバラまいていた為
警視庁の上層部にまで発言力を持っていた。

藤警部の携帯電話が鳴り、警察上層部からの圧力がかかり説得されることとなった。

「嘘だろ・・・なんで警視庁から派遣命令がでるんだ!」

更に学園長は応接室の机に写真を並べた。写真には藤警部と少女との淫行の証拠写真と公金横領の証拠
それに現在付き合っている車先生との不倫旅行が写真で記録されていた。

「車先生は既婚者ですな?これは不倫旅行の写真ですぞ。」

「しかし、今では彼女は旦那と別れてあなたと赴任先へ行ってもようと言っています。藤警部に残された道は
彼女と新たな生活しかないのですよ!」

藤警部は頭を抱えて考え込んだ。

「なぜ?不倫旅行や関係まで知っているんだ?」

サタンの足の爪は不敵な笑みを浮かべて、説得を始めた。

「まぼろしパンティの正体が藤寿々美くんであるのも分かっています。裸で暴れ、学園に逆らえば
このままでは学園を追放となるでしょう!」

「それも私が再教育をして無事卒業させましょう!その代わり、身元引受人・後見人・保護としてすべての権利を私に委任してください。
そして、本人が同意すれば結婚を認めると同意するのです。」

「あなたにはワシの要望聞くしか道は無い!」

「18歳以下の女の子は親の同意があれば結婚できるのはご存知のとおりじゃ。
ここに署名と捺印をしてもらおう・・・そして、身元引受人・後見人・保護者もすべてもワシにする署名をするのじゃ・・・」

やがて、藤警部は反論もできずにオズオズと署名と捺印をすることとなった。悔し紛れに捨て台詞を言い放つ。

「寿々美がお前なんかと結婚する訳ないわい。書くだけ無駄だが、いいだろう。黙っていてくれるなら書いてやる。好きにするがいい!」

「ただ、権利を200万円で買わぬか?実はギャンブルで借金があって困っている。」

学園長は記入された同意書を確認して、書類ケースにしまい込み答えた。

「いいだろう。200万くらい容易いな金額じゃ・・」

次に学園長は藤警部に辛辣な言葉を浴びせ、辛い現実を告げた。

「最低の父親じゃ・・・娘は正義の為に裸もいとわず頑張っておるのに、本人が知ったら、さぞ無念であろうのう。」

「しかも・・娘を売ってしまうとは本当に情けない奴じゃ・・・じゃが、寿々美はたっぷりと可愛がってやるぞ。
極上のボディにワシ好みの美少女じゃからのう・・・」

「なぜ、まぼろしパンティと判明したか教えてやろう・・・学園警察の記録からじゃ・・警察の内部情報であれば
漏れないとおもったのか?藤警部殿」

「まあ・・黒髪でロングの女の子で、あのスリーサイズはそうそういないから、目星はついていたが
現行犯でなければいけないからのう!」

「アウシュビッツ・オペレーションで必ず正体を暴いて見せるわい」

「ククク・・・楽しみじゃのう・・・寿々美君みたいな美少女を生け捕りにできるのじゃ・・

立ち上がり藤警部を見下ろし言い放った。

「教えてやろう!お前には県警からもうすぐ警視庁への派遣命令が出る手はずじゃ・・・そして海外のインターポール支局へと左遷させられる。
ヨーロッパの支局へ派遣され帰れぬかもしれぬが、このままり行くしかないであろう?」

藤警部は赴任情報を聞いて、驚きを隠せない。

「そ・・そんな・・」

サタンの足の爪は薄笑みを浮かべ、腕組みをしながら顎で出口を指した。

「もう用は無い、ここから立ち去るがいい・・ワシと寿々美の結婚式は見てのお楽しみじゃ・・良き余興を考えておるぞ・・

「ほれ!200万じゃぞ・・持ってゆけ!」

学園長は200万の札束をワザと見せつけ投げて渡した。札束は床に散らばり散乱する。
藤警部は無我夢中で掻き集め、懐に入れて学園長室から立ち去った。


次に学園長室を訪問したのは有吉伸子であった。

「入ります。有吉伸子です。なにか御用でしょうか?」

学園長のサタンの足の爪はデスクに座り、高圧的に話し掛ける。

「有吉君・・君は平均点が70点以下のおちこぼれじゃ・・・」

「このまま仕置き教師に連行されると辛い目に合うことは間違いないが、・・・学園長のワシが助けてやろうと思うがいかがかな?」

有吉伸子は足が震えて落ち着きがなくなりだした。

「そんな・・・許して下さい。この次のテストは頑張ります。」

サタンの足の爪は鋭い眼光で睨み付けた。

「それでは遅い・・・ワシのいうこと聞けば、今回だけは免除しよう・・・」

小刻みに震える足が、お仕置きの恐ろしさを知る有吉の気持ちを表現していた。

「何をすればいいのですか?」

サタンの足の爪はデスクから立ち上がり歩み寄る。

「クラスメイトの藤寿々美君を知っておるのう?彼女の部屋へ逃げ込み、仕置き教師に連行されるのだ!
迫真の演技が出来なければ本当に連行するからそう思え!」

有吉伸子は震えながら答えた。

「わ・・分かりました。・・・いう通りにします。」

 こうして、有吉伸子は落ちこぼれの生徒役の囮となった。

 その後、藤寿々美は友達を助けるため、落ちこぼれ収容所に向かうはずだが、それこそが綿密に計画された罠とも知らずに。


 数分経ち、柳生つとむが入室した。

学園長はソファーに深く腰掛け、足を組み話し掛けた。

「君は・・・クラスメイトの藤寿々美君をどう思っているのだ」

柳生つとむは生真面目に答えた。

「成績も優秀で、可愛い子です。・・クラスメイトを守るため、よく話をする友達です。

サタンの足に爪は横目で睨みながら質問を続けた。

「貴様は彼女と・・・藤君とつき合っているのかね?」

首を振り、否定する。

「いいえ、付き合うなんてとんでもない。学園では恋愛も禁止です。」

「僕は校則違反なんてしていません。」

サタンの足の爪は立ち上がり、柳生に近づき話し掛ける。

「ふむ・・・いいだろう・・・」

「じゃが・・藤君は君に少し好意があるようじゃのう?」

顔を近づけ説得するように話を続けた。

「もし、彼女がまぼろしパンティであったらどうかね?君には珍太一耕介が、まぼろしパンティの正体を暴きそうになった時に
邪魔をしたという記録がある。」

「これだけでも校則違反で、大学推薦を取り消せるが・・・彼女が、まぼろしパンティであるならば事は重大だ!
仲の良い友達なら確実にグルであったと判断され、君も同罪で学園から追放されるであろう!」

柳生つとむは俯き、表情は曇っていった。悩み苦悩して冷汗が額を流れる。

「そ・・それは・・・やめてください。・・・追放だなんて許して下さい。」

「藤さんが、まぼろしパンティだなんて本当なんですか?」

サタンの足の爪の眼光が怪しくなり、柳生の肩に手を掛ける。

「仲の良い友達でも、まぼろしパンティは裸で暴れ、学園の風紀を乱す犯罪者じゃ・・」

「君は今までの行為を反省して、まぼろしパンティこと藤寿々美君と縁を切り、糾弾してくれぬか?」

「破廉恥な女の子は好きになれない。裸で暴れまわる女の子は信じられない。君のことは嫌いだといいきるのじゃ!」

「そしてワシが寿々美を気持ちよく抱けるよう手助けをするのじゃ!ワシは、まぼろしパンティが憎いが
同時にあの極上のボディを一度存分に味わいたい。
まぼろしパンティが可愛いよがり声を出すように恋人としての立場を捨てて彼女の特性を教えて欲しいのじゃ!」

「ワシと寿々美のセックスの最中に彼女の感じる場所を教えるのじゃ!少しは付き合っておったのじゃから
ペッティングくらいしたことあろうが?」

サタンの足の爪は両手で肩を強く抑え、圧力をかけて説得している。

「学園を追放されたら、多額の寄付をした両親は悲しむが、どうかね?」

「もし、ワシに協力してくれたら希望の大学にも推薦してやろう!悪い話ではないはずじゃ!」

 柳生つとむは悩み苦悩するが、何らかの結論に達したのか、少し硬直したかと思いきや
今度は自分自身を納得させるかのようにうなずくと、やがて顔を上げて答えた。

「言われるとおりにします。藤君は好きだけど、正直言って僕と両親の人生が掛かっています。それには変えられません。」

サタンの足の爪はニヤリとほくそ笑んだ。そして、これから起こる美少女への画策が成功することを確信するのであった。

「そうか・・そうか・・柳生君!藤君を糾弾してくれるか?」

「ところで、君と藤寿々美君はどこまでの仲なのかね?」

柳生は困惑しながら答える。

「彼女はキスさえ許してくれない淡い交際でした。でも手を繋いだり、服を着てはいますが抱きしめて
ペッティングしたくらいはあります。」

サタンの足の爪は睨みながら問いただす。

「それではこれから君は、まぼろしパンティを裏切り、好意を寄せていた女の子を裏切るということじゃができるかな?」

柳生つとむは手を固く握りしめて答える。

「はい・・・学園長に許してもらえるならば、僕は喜んで藤さんを裏切ります。」

サタンの足の爪は柳生の手を取り喜び、握手を交わした。

「それでよい・・・それでよい・・・」

「藤寿々美君はワシが決して悪いようにはせんぞ!」

「反省したら、ワシがたっぷり可愛がり大切に育てていくとしよう!」

「安心しなさい!学園長として再教育をしたら、ワシも一人の男として彼女を君以上に幸せにしてやろう!」

(ククク・・わしはこれで寿々美をワシのものに出来るのじゃ・・)


 このような裏取引の末におこなわれた作戦、その名は……


 アウシュビッツオペレーション。


 それは、別名「藤寿々美捕獲作戦」であり、強制収容するのは藤寿々美ただ一人であり
彼女のみ狙った作戦である。

 内容は次章に詳しく描写される。既に、まぼろしパンティが暴かれてしまっている藤寿々美はどんなお仕置きを受け
凌辱されるのであろうか?


 サタンの足の爪に狙われたヒロイン「まぼろしパンティ」には最大のピンチである大津波が美しい裸身を飲み込むように
今まさに押し寄せていた。


***つづく