平成13年3月30日・初版 平成16年2月13日・改訂(扉絵を追加)

金髪のアマゾネス・ソフィア戦記・第2章/AtoZ・著

イラスト:悪の司令官
--------------------------------------- ソフィア編 後編 (パイロン編外伝) --------------------------------------- 失踪したワンダーウーマンを探しに来た アマゾネスのソフィアは パイロンの手下のアモンに急襲され負傷する 一旦は窮地を切り抜けたが… ----------------------------- 逃がした獲物 ----------------------------- 男達は 全力疾走して、AtoZのアパートが見えなくなる場所まで 来ると、 ぜいぜい と 壁にもたれ 息を整えていた。 が 少し余裕ができてくると、紅龍に怖じ気付き、 闇雲に逃げ出した 自分達の体裁を取り繕い始めた。 【くっそう あのガキ 邪魔をしやがって】 【本当だぜ オーナーの飼い猫でなかったら 張り倒してやったのに】 【今度邪魔をしたら お灸を据えてやるぜ】 部下達の 空威張りを聞きながら アモンは まだ震えの止まらない身体を鎮め 呼吸を整えようとしていた。 転げるように階段を駆けていったとき、アモンが振り向き様に見た紅龍の目。 【あの目は、俺達を 対等に闘う相手として 見ていなかった。 餌を見ている目だった。 満腹だったから 見逃した。そういう目だった。 お前達には 解らなかったのか…】 素手で 野生の虎と戦う怖さを知らない男達は 部下として未熟だと思いながら 行き場の無い怒りを押さえようと アモンは ユックリ歩き始めた。 玄武・紅龍 この2人は パイロンも別格の扱いをしていた。 その理由の一端を アモンは 垣間見たように感じられた。 【1対3なら俺達でも倒せる。 だが 逆なら 俺達が倒されるだろう… 相手の戦力を3000とすれば 3倍の戦力が必要だろう、 パイロンなら そんな計算は 出来ている筈だ… アマゾネスを制圧するのは 俺達には無理だ… 制圧できたとしても その後の占拠にも兵隊が必要だ… そう考えれば…女王を捕らえる必要は その為なのか? それ以前に アマゾネスと戦争する必要が何処に有るのだ? 目的の無い戦争などある筈がない…なんの為だ? パイロンの目的は何処に有る? …どこまで 報告するべきかな…】 と 考えたとき 前方に 逃がした獲物を発見した。 ソフィアは 1人 歩きながら 思慮に耽っていた。 【きっと、パイロンは攻めて来る。 今のままでは負けてしまう。 今から 手を打っておかなければ…】 相手を倒すだけの女が、躊躇せず人を殺す男を 相手にすれば、勝負は見えている。 痛みを堪え 重い脚を引きずりながら歩く ソフィアの顔は 苦渋に満ちたものとなっていた。 そして、彼等と闘っているワンダーウーマンに 胸を裂かれる思いだった。 【プリンセス。 無事で、 無事でいて下さい。】 プレーンに戻ろうとして 人気の無い林まで来たとき ソフィアは敵の気配に気付いた。 【貴方達!】 【へっへっへ また 会ったな】 【今度は 逃がさないぜ】 【さっきの 続きをしようぜ】 男達は 話ながら じわじわと ソフィアを包囲していった。 【今度は 手加減しないわよ それでもいいの】 気丈に 男達に言う ソフィアだったが まだ 身体が回復していなかった。 背後に 控えている アモンは 腕をくんだまま動こうとしていなかった。 だが その威圧は ひしひしと 感じられていた。 【アマゾネスの戦闘能力は解った。 その後を見せて貰おうか】 【どういう意味?】 【お前達を叩き潰すのは 他の連中だろう 俺達はその後を担当することになる】 【何を言っているのか 解らないわ】 【その身体で 解らせてやる。 やれ!】 三方向から一気に襲い掛かった男達に、ソフィアは目を吊り上げて叫んだ。 【止めなさい。 手加減しないわよ!】 だが、アモンに蹴り上げられた右足に軸を置こうとした瞬間、 激痛で動きが止まった。 傷ついたアマゾネスを 男達は見逃さなかった。 ブン! 脚と腹部を狙った 三方からの蹴りが 空気を切って ソフィアの身体を捕らえた。 肘と膝で2つは受け止めたものの 1発が入った。 【くぅっ!】 膝を折った途端に 息を付く間もなく 次の攻撃が入った。 【はぅっ! あっぅっ!】 身体を丸め腹と頭への攻撃をガードしたが、 それは 完全に敗北を意味していた。 立ち上がる事の出来なくなった ソフィアの脇腹に 引き締まった臀部に 追い討ちのように 蹴りが入り、背後から 押え込まれてしまった。 男が 背後から馬乗りになると 他の男がベルトを外し、 左右の長い腕を捩じ上げ ソフィアを縛り上げた。 ソフィアは 地面に横顔を付けたまま、手を後ろに伸ばし、足首を掴む形で 固定されてしまった。 【は、離しなさい! 許さないわよ!】 【許さない だとよ】 【自分の立場を解らせてやるぜ】 そう言うと 男は ソフィアの腹を抱え上げ うつ伏せの態勢に変えた。 【くっ! 止め 止めなさい!】 尻を突き出した 屈辱的な姿で 抗議するソフィアだったが、 男達が何をしようとしているのかを 乙女の本能で悟っていた。 【卑怯よ! 男なら 正々堂々と 一対一で闘ったらどうなの!】 【そうしてやるぜ 一対一で勝負してやる】 【裸の勝負だ 文句はないだろう】 【外せ! 卑怯者!】 無防備な背後から襲われる恐れに 慄きながら ソフィアは気丈に叫んだ。 だが、 男の手が ハイレグパンツに触れた途端 その声は哀願に変わっていた。 【いっ いや! お願い やめて!】 男は 尻の肉を左右に広げ 割れ目に 青紺のパンツを食込ませると、 それを片手で絞り上げた。 切れ目の内側へ更に絞られたパンツは ソフィアの秘部をくっきりと浮き上がらせていた。 【いっ! いゃぁああん!】 苦しげに眉根を寄せ 眼をつぶっていたソフィアの口から 乙女の恥じらいが漏れていた。 【へっへっへ もっこりしているな 下つきだぜ 丁度良い態勢だ】 男は 盛り上がった恥部を 指で撫で始めた。 【ぁっ…】 ソフィアは ビクンッと身体をこわばらせ 四肢を硬直させた。 【やっ…やめ…あぅ…くっ…】 男は しばらく指で甚振って ソフィアの反応を見ていたが、 パンツをずらせると いきなり指を突っ込んで来た。 【ひっ! いやぁあ…】 身体を ビクっとさせ 筋肉を固くして異物の侵入に耐えようとするソフィア。 【だっ だめっ! おっ お願い 止めて】 【いっ いゃぁあああああああ】 【くぁっ! くぅっ! いゃぁあ!】 逃れられない攻撃に 悲鳴を上げるソフィア。 甘美な疼きに戸惑いながらも 男に嬲られる恐怖が ソフィアの全身を強ばらせていた。 男は それを楽しむように ソフィアの男を知らない秘唇を2本の指で 嬲りつづけた。 太股に力を入れ 足首と一緒に縛られている手を拳のように固く握り、 淫靡な攻撃に耐えるソフィア。 だが 別の指がソフィアの股間のヌメリを探り 鶏冠のような分け目から クリトリスを探り当てたとき、ソフィアは悲鳴を上げた、 指が クリトリスを摘み くるくると 捻る度に 喘ぎは 吐息は 大きく荒く なって行った。 【 ひっ! ぁっ! ぁっ! ひぃっ! 止めて! あぅっ!】 男の指が膣壁を擦り クリトリスを摘まむ度に ソフィアは悲鳴を上げ 翻弄されて行った。 ソフィアの秘唇から 粘ついた液体が染み出し ハイレグパンツが 変色する程 濡れ始めていた。 【凄い濡れ方だな アマゾネスは好きモノのようだな】 【早くしろ! 後が遣えているんだ】 【焦るな 時間はタップリ有るんだ】 【いや! 止めて! 止めて! いやぁぁあああああああああああーーーーーーーー】 【やかましい女だな 口を塞いでやるぜ】 そう言った男が ソフィアの前に膝を落とすと ブロンドの髪を掴み 股間の怒張を 顔に近づけた。 【ひっ! いっ! いやぁああああああああああ】 男の巨大なペニスに驚愕したソフィアは 慄き 思わず悲鳴を上げた。 だが 強引に 髪を引っ張られ 無理矢理 開けさせられた口に 一物が捻じ込まれた。 【うっ! うぐぅっ!】 口が裂け 息が出来なくなる恐怖と 不気味な感触に 全身が戦慄した。 【歯を立てるなよ もし立てたら お前のアソコにナイフを突っ込むぞ!】 男の脅しに 戦慄したソフィアは 抵抗する意志を喪失してしまった。 股間を嬲られ 喉の奥まで突っ込まれた異物に 嘔吐しそうに なりながら。 男根に”刺し殺される恐怖”に ソフィアは脅えていた。 濡れた股間から 男の手が離れ 秘唇に肉塊の当たる感触を感じた瞬間 ソフィアの下半身が 激痛に襲われた。 ”メリッ”と言う音と共に 巨大なモノが ソフィアを貫いた。 ----------------------------- 女戦士陵辱 ----------------------------- 男根に貫かれる恐怖が ソフィアを恐怖に落とし込んだ。 【ひぃ! ひぃぃぃぃぃっ!】 ソフィアは目を見開き 次の瞬間 目を閉じて痛みに耐えた。 ヴァギナが 裂ける恐怖に ソフィアは 慄いた。 【さぁ いくぜ!】 男は そういうと 腰に力を入れて 異物を捻じ込んで来た。 ”ズブッ! ズズッ! ズブブ !” 口を犯されながら 尻肉に力を入れようと必死でもがくソフィア、 が 四つん這いの姿勢では、腰を密着させた男の攻撃を防ぐ術は無かった。 自分の秘肉を貫き 膣壁を押し広げながら 侵入してくる肉の固まり。 押し戻そうとする意志など 蹴散らしながら捻じ込まれる肉棒は ソフィアを屈服させていた。 捻じ込まれた巨大なモノは 子宮の奥まで達していた。 【ぐぅぅっ! ひぃぐぅうっ!】 痛みで 涙が出ても 股間から鮮血が滴り落ちても 男の攻撃は容赦のないものだった。 【これからが 本番だ いくぜ!】 男が ピストン運動を始めたとき ソフィアはその激痛に失神しそうだった。 【止めて お願い 許して 助けて!】 そう泣き叫ぶ ソフィアの声も 喉を塞がれたままでは 男には 喘ぎにしか聞こえなかった。 快感など感じなかった ただ おぞましさだけが あった。 だが 股間は 膣壁は その意志とは裏腹に 濫れるように愛液を溢れさせていた。 【満足したよだな 次は俺が相手をしてやるぜ 交替しろ】 口を犯していた男が ソフィアから離れると 次の男が前に回った。 【お…お願い…もう…もう許して…】 【俺達を許さない と 言ったのは お前だぜ】 消え入りそうな哀願に 男は ソフィアの濡れた粘膜に 固く勃起した肉棒で応えた。 【ひっ! いゃっ いやぁ ひぃぃいいいいいいい】 濡れた秘唇は ソフィアの抵抗する意志とは 裏腹に、 すんなりと 男の巨大な肉塊を受け入れた。 【ぁっ あぁぁっ くっぅうう…】 【すんなりと 入ったぜ 身体は正直だぜ】 深深とソフィアを貫いた肉棒は 半ばまでぐぐっと埋まった後 柔壁の抵抗を嘲笑うように ピストン運動を始めた。 初めはユックリ 浅く沈み 次は深く早く、そして 浅くと 男の肉棒は 生き物のように 脈を打ちながら 秘肉を犯していた。 【ひっ! ひぃっ! あっ! あぁぁ…】 ソフィアは混濁した意識の中で 唇を噛み締め 必死に 陵辱に耐えていた。 その美しい瞳を涙で濡らしながら… 【交替しろ 次は俺の番だ】 霞んでいくソフィアの意識の隅に 男の声が響いていた。 【もう…もう…ゆるして…お願い…】 その声は 涙と鳴咽で 消え入りそうな程 か弱いものだった。 ----------------------------- レイプサバイバー ----------------------------- 3人の男に貫かれた後 手足の拘束が解かれても ソフィアは全く動けなかった。 【もういいだろう アマゾネスも 所詮女だったな】 アモンの一言で 男達が ソフィアの身体から離なれた。 陵辱を受け 意識を失しない 意識が戻った後も 男達が 哄笑しながら 去った後も ソフィアは 放心したように その身体を横たえたままだった。 【…なぜ?…なぜ私が…どうして私がこんな目に あうの…】 涙で霞む地面を見ながら ソフィアは自問していた。 【男は どうして 女に こんな酷いことが 出来るの…】 愛情の一片もない行為が ソフィアには信じられなかった。 理不尽な男の暴力に 激しい憤りを感じながら 同時に 男の恐怖を身体に染み込ませてしまった。 身体の 節々に 股間に 口喉に 痛みを感じながら やっと立ち上がったとき 自分の身体を忌とましく思った。 昨日までの 自慢の髪が くびれた腰が 豊満な乳房が しなやかな手足が その全てが 汚れたように思われた。 【…いゃ…いゃ…いやぁぁあああああああああああああああああ】 絶叫するソフィアは 悪夢を 全てを忘れたかった。 両手で顔を覆っても 涙が止まらなかった。 レイプされる恐怖と その後の慙愧が これほど女を傷つけるとは 思わなかった。 【死にたい…もう生きていけない…馬鹿よ…あんたは汚されたのよ…】 そんな思いがソフィアを責めさいなんでいた。 暴力に負け 身体も心も 男に蹂躪された 自分が許せないかった。 昨日までの 明るく輝いていた未来が 男の暴力で 奪われてしまった。 もう 自分には 眩しい光も 柔らかい風も 失われてしまったのだ。 【口惜しい…返して…返してよ…】 昨日までの 無邪気だった自分を 不運に遭遇しない事が幸運だったと気付く前の自分を 返せと叫んでいた。 力の入らない拳で地面を叩いても ソフィアの涙は止まらなかった。 女の恥部を 痴態を 男に 曝け出された口惜しさ・恥ずかしさは その被害者にしか 理解できないだろう。 だが、発狂しなかったのは ”仲間”を ”祖国”を 守らねば という 蜘蛛の糸より細くなった 戦士としての意識だった。 【負ければ 皆が同じ目にあう 私の様になってしまう…心まで 支配されてしまう】 その一点だけを支えに ソフィアは立ち上がった。 残骸となった身体を機械のように動かし ヨロヨロと歩く ソフィアの足取りは 身体の傷より 拭えない心の傷のせいだった。 【恐い…でも 許せない… 勝てない…でも逃げてはいけない】 また あの男達と出会ったら 自分は逃げ出すかもしれない。 だが 闘わねばならない と もう1人の自分が告げていた。 【貴方は…貴方はアマゾネスよ…戦士なのよ】 ソフィアは そう 自分に言い聞かせ 挫けた意思を取り戻そうとしていた。 レイプされ 奈落に落とされた者が 立ち直ることを レイプサバイバーと呼ぶが、 ソフィアは 暴力の不条理と闘うことで 立ち直ろうとしていた。 だが ソフィアの絶望的な闘いは 今始まったばかりだった。 ボロ布のようになった コスチュームを胸にかき抱き、 ふらつきながら歩むソフィアの頭の中を 幻想が渦巻いていた。 【攻めてくる…男達が…パイロンが攻めてくる…】 そう呟くソフィアの 朦朧とした頭の中を 漆黒の雲の中でうねる 巨大な怪物が 蠢いていた。 ----------------------------- パイロンの宿泊ホテルにて(2) ----------------------------- パイロンにワインを作っていた麗華は、 ドアのチャイムの音に気付くと ボーイと確認してから 扉を開けた。 麗華が ワゴンを受け取ろうとしたとき、 ボーイが拳銃を突き付け 背後から4人の男が部屋に一気に侵入しようとした。 【静かにしろ!】 男がその言葉を 言い終えない内に、 麗華は 脚で 瞬間的にワゴンを押し戻し ボーイを転倒させると、 真紅のチャイナ・ドレスを割る長い足で 男の1人の膝頭を潰し ワゴンの上にあった 淡青で彫刻の施された陶器の皿を掴んだ。 次の瞬間 アーミーナイフを振りかざした男が 麗華に切り付けたが、 陶器の皿はナイフの様な鋭さで 男の眉間を切っていた。 もう1人の男は 侵入に邪魔なワゴンを どけようとした手を その皿で切られ 4本の指先を根元から失っていた。 男達は 銃を突き付けられた女の 素早い反撃に動転していた。 鍛えられた男でさえ、いきなり銃を突き付けられれば、 動揺しないまでも 状況を確認しようと その動きは停止するものだ。 だが この女は そんな修羅場を日常としていたのだろう。 状況を確認する前に 身体を動かしていた。 それが 襲撃した男達を 惑乱させ 冷静さを失なわせていた。 女の意外な反撃と 仲間の悲鳴に動揺した男達は しょにむに 部屋に入ろうとして焦ったが、 何の変哲も無いワゴンと皿を 武器にして 舞い踊るように 反撃する麗華に翻弄され 身体に無数の傷を付けられ 転がるように逃げ出していった。 それは ほんの 十数秒の出来事だった。 男達が長い廊下を走り去った頃 部屋の奥に居たパイロンが 本に目を落としたまま 麗華に問い掛けた。 【客は 誰だった?】 眼前の騒擾を TVを鑑賞する部外者の様に 聞くパイロンに 麗華の返事も さっき迄の事が嘘のように緊張感の消え去った ものだった。 散らかった皿を片づけながら麗華は その質問に 【ベトナム人のボーイが 食事を間違えて運んだようです。 もう一度電話して 食事を取り直しますわ】 と 応えた。 パイロンには その言葉だけで十分だったようだ。 【グエンに電話をしておこう 二度とは間違えないだろう】 そう言うと パイロンは 読みかけの本を置くと ゆっくりと 電話に向かって歩いていった。 その沈着な態度に 麗華は少し不満を抱いていた。 【…あのまま彼等を 入れてやれば良かったわ。 そうすれば パイロン様が 私を助けてくれたのに… 惜しい事をしたわ… 恐怖で竦む私を パイロン様が介抱する… そして抱擁する… 脅える私は 目を閉じて うっすらと唇を… くっ! 失敗だったわ!】 倒れたワゴンの前で 腕を組み 歯噛みして 妄想を膨らましている麗華を 知ってか知らずか パイロンは用件だけの電話を切ると 又 本の続きを読み始めた。 それを見ながら 麗華は また 呟いた。 【あの連中 もう一度 襲いに来てくれないかしら…】 ----------------------------- ユンのアジト ----------------------------- パイロン拉致に失敗した部下の前で ユンは 吠えていた。 【キサマ等 どうする積もりだ! ボスに内緒の仕事だったのだぞ!】 顔と手首に包帯を巻いた男達は ただうな垂れて ユンに跪いていたが、 パイロン拉致が ボスの命令でないと知って 戦慄した。 【…ボスに内緒でやった仕事 それを失敗したとなれば 自分達は始末される…】 男達に選択肢は無かった。 【もう一度! もう一度 チャンスを! 今度は失敗しません】 男達は 哀願しながら ユンの慈悲にすがるように 訴えていた。 だが ユンの答えは 冷酷なものだった。 背後に控えていた 男達に目配せすると それに続く 銃声に目も閉じず 結果を見届けていた。 【ボスには俺から話しを着けておく 死体を処分しろ!】 骸となった男達が運び出されている間も ユンは平然と ボスに連絡をしていた。 【馬鹿な奴等は 始末しました。パイロンには 俺から連絡を入れます。 奴から文句は出ないようにしますから 安心して下さい。】 そう言いながら ユンは次のチャンスを待つしかないことに 歯噛みしていた。 ロングコートに身を包み ユンが表に出たとき 外は雨が 降り始めていた。 立ち止まり コートの襟を直そうとした ユンの動きが止まった。 首筋に 針の指す痛みを感じて 手で触った次の瞬間 ユンは その場に崩れていた。 街を行き交う男女の脚を見ながら 目を開けたまま ユンは絶命していた。 パイロンの部下か グエンの部下か そして 自分が死んだことさえ理解できないまま ユンは死んでいた。 ---------------ソフィア逆襲編に続く--------------- 後記: この作品は 悪の書房中 A(S)様の バットガール最大の危機・第4章を参考に致しました。 (BGが うつ伏せで 責められる姿が 官能的でした) 私の駄文等 とても及ばない作品を 書かれています。 A(S)様の素晴らしい作品の一読をお勧めします。