平成14年3月8日・初版

紅天使フォルティア・「紅天使見参!不老不死伝説の謎」/妄想博士・著 (ヒロイン原案:悪の司令官)

(当日 9:00AM 誠望女子大学) 「おはようようございます。紅子先生!」 「あら、おはよう。うれしいわ、もう名前覚えてくれたの?」 「永井さくらです。先生、美人で評判ですから。みんな嫉妬メラメラですよ〜。」 「やだぁ〜、美人だなんて!それに嫉妬だなんて、なんか怖いわ。」 「へえ〜。先生、調子に乗り易いですね。嫉妬は冗談ですよ…美人はホントだけど。」 私は萩原 紅子。 今日から採用になった、誠望女子大学の新人講師。ただ、それは仮の姿。  本当の名は、地球の未来の危機を調査するため、銀河連邦から派遣された、紅天使フォルティア。 当面の任務は、地球人の堕落につけこむ鬼族の調査と悪事の阻止。そして、出来るだけ多くの 地球人を堕落から更生させること。それでは、物語を始めましょう。 (銀河連邦危機管理局 ブリーフィングルーム) 銀河連邦危機管理局 特別調査部。 それは惑星の未来に危機が察知されると、調査改善に乗り出す機関。 中でも、私の所属する紅天使チームは女性ばかりで編制されている、潜入調査専門の優秀なチームなの。  今回、地球の未来に、堕落による危機が感じられたので、地球人と同じ姿の…私、フォルティア…が調査に 乗り出すことに…。  宇宙と地球は時間の流れに差があるので、未来といっても、地球では100年以上先の話。 地球人の寿命は短いから、 みんな生きてはいないはずね。 もちろん、子孫が幸せに暮らすためには、今から堕落を止めないといけないから、 のんびりはしていられないけど…。 「フォルティア。 準備はOKかい? 地球の資料は記憶転送装置で脳に書き込みしてるな?」  「ハイ! 管理官。 と言いたいのですが…パワーブレスの調子がイマイチで…。」 パワーブレスは攻撃パワーを10倍にしてくれる、特殊なブレスレット。空を飛べるマントも、パワーブレスが必要時に 生成してくれる。 「おいおい、装備は完璧でないと…。 ただ、予定もあるし、…そうだなスペアをすぐに転送しようか? 地球時間では…えっ〜と…24時間位後になるけれど…。」 「そうですね。補助ブレスでも地球の重力なら格闘も平気です!パワーブレスは私の左腕に直接転送して下さい。 では地球に出発します。」 「頼むぞ、フォルティア! 地球は平和に暮らせるはずなのに、自らの欲望の赴くままに事を起こす、まだまだ精神の 未熟な星だ。特に今回の日本という国は男がだらしなくて、いかん。だから、鬼族程度の下等組織に狙われるのだ。」 「本当ですね。 少し、懲らしめて来ますわ、うふっ!」 「帰還タイマーは地球時間で100年後にしておくぞ。レポートの内容により、途中での終了もありうるが…。 今回のエージェントは地球人。 誠望女子大学の萩原敬子教授だ。 その姪になるように手配されている。 それでは、転送するから、コスモパンティ以外は脱ぎなさい。」 「はい。 お願いします管理官!」 調査隊に設置された瞬間移動装置によって、私は寝ている間に地球に転送されていく。  (昨日 5:00AM 東京) (ドサッ!) 「イタッ!」  転送されるといつもこう。 意識が無いまま、それも裸で空中から投げ出されるから、受身が取れない。  なんとかならないのかしら。 先ごろ開発されたコスモパンティで幾らか改善はされたけど…。 コスモパンティは肌の一部に間違うくらい、ピッタリとヒップにフィットする、薄手の素材で出来た、純白のパンティ。  大気元素を利用して、様々な服を生成してくれるし、外気と多少の衝撃から身体を守る薄い膜を常に発生してくれる。  そうそう、それから、戦闘エネルギーの元になる空気中のイオンを半永久的に集める効果もあるの。  そんなわけなので、地球上でのファッションは、パンツルックでなく、空気中のイオンを効果的に集める為、 必然的にミニスカートになってしまう。  (少し挑発的だけど・・・まあ、いいっか!) 私は服…もちろん真紅の超ミニ…を生成させ、とりあえず誠望女子大に行ってみることにした。  大学の警備員は、夜間受付で涎をたらしながら寝ている。 う〜ん、早朝とはいえ、これでは意味が無いじゃない! とりあえず、起こすのも面倒だし…いいや! 無断進入しちゃおっと♪   朝、早くだから大学内には人はいない…と思ったけれど、研究棟には泊まりの者もいるらしく、何人かの眠そうな 若い女性とすれ違った。 思った通りね。 女は勤勉、男は怠惰。  夜通し勉強してるなんて…熱心ね! えっと、201号室が萩原教授の部屋だから…、ここね… 「理工学部宇宙物理学 萩原敬子教授室」。 (空いてるかしら?) ”トントン・トントン ガチャ。” 「ふあ〜いい。 開いてましゅ〜。」 中から眠そうな若い女の声が聞こえた。 「おはようございます。 私、萩原教授の…」 「あっ〜! おはようございましゅ…す〜。 先生の姪の…聞いてます。 あっ、私、助手兼秘書の永井さくらです。」 「萩原紅子です。 勉強で疲れて寝てるのに、起こしちゃってごめんなさいね。」 「いえいえ、いいんです。 えっと、寝ていたことは先生には内緒にして下さい。実は研究棟の仲間と朝まで カラオケしてて、家に帰るの面倒になって…。」 (う〜ん、さっきすれ違った女性陣もその一味なのか〜…!?!。) 「コーヒー飲みますか? そこに掛けていて下さい。」 (あら、さくらさん…結構、気が効くわね。) 「ありがとう。 ねえ、叔母はどんな人なのですか? 会うのが初めてで…。」 「先生は女性のあこがれですよ。女だてらに宇宙物理学に新たなメスを…それも考えるというより、知っているって 感じなんですよね。それに、自分の知識を人類の平和発展の為に使うのが目標…みたいな…高潔な…理想の方です。」 「へぇ〜。 うふっ、さくらさん、目がハート型になってるわ。」 「はい♪ 大ファンです。でも、先生曰く『姪…えっと…紅子はもっと優秀』『海外だから無名だけど、日本に来たら 大変よ』と伺っています。」 「えっ〜、そんな話になってるの?」 「しかも、お会いして驚きました。だって、スゴイ美人なんだもの。プロポーションも完璧だし。学者ではなく、 一人の女として、うらやましいです。はい、コーヒー置きます。」 さくらさんと話しているうちに、周囲の状況が判って来た。 誠望女子大は、お嬢様学校のイメージだが、 優秀な女子を人類の発展に寄与する目的の大学で、多くの医者、文化人、科学者、政治家を輩出している。 中でも萩原教授の人気は高く、理工学部長でもあるため、助手、講師等の人事もまかされており、紅子は 特別講師兼助手として、明日から萩原教授を補佐していくことになっているそうだ。  なんか、すごいなあ〜。 私は戦闘訓練とか武器、弾薬の知識しかないのに…。 「えっと…紅子さん…って、大学院卒業されてるのだから、最低でも25才ですよね〜? でも、3つも年上には 見えませんね。 同じか年下に見えますよ。あっ、いえ、幼いと言う意味ではなくて・・・若く見えると言う意味ですよ。」 銀河連邦もたまにポカをやる。うよね、この職業設定、少し無理があるかも・・・女子大生でも良いくらいなのに・・・。 「そっ、そうなの・・・飛び級や中退があって・・・実は・・・まあ歳の話はやめましょう。」 「うふっ、そうですね。萩原先生は何十年も自称29歳のままですものね・・・。あっ、先生の車だ!積もる話も あるでしょうから…、私、朝食を食べて来ますね。コーヒーは湧いていますから…それからカラオケは内緒ですよ…! 先生、世俗的なことは嫌いなので。」 話し終えると、慌ててさくらさんは部屋を飛び出て行った。 ”ガチャ” 「おはよう、あらっ、永井さん?…早いわね。」 年長の女性が挨拶しながら入室して来た。  エージェントに協力してくれる地球人。 目的は知っているはずだが…、私の素性や能力迄は知らない。  「おはようございます、萩原先生ですね? あの、姪の…紅子です。」 「あっ、貴方が今日から姪になる、紅子ちゃんね。 よろしく頼むわね。 それでは簡単に説明しましょう。」 教授室の中で萩原教授は現況を話始めた。 「まずは、私の助手兼講師という肩書きだから、資料集めの名目で、自由に調査を進めて構わないわ。 授業を任せることあるけど、大丈夫。宇宙理論は銀河連邦よりも数千年遅れているから、貴方には当たり前のことが 地球では最大の謎なのよ。地球人の私は銀河連邦から少し聞いた知識だけで、大学教授だから…ホッホッホ。」 「はい、なんとかやってみます。ところで、危機の予兆で思い当たることは?」 「そう、鬼族が暗躍を始めてることかしら?銀河連邦の他の部門からも何人か来ているみたいだし…。」 銀河連邦はすさまじい規模の機関である。 私のようなスーパーヒロインが別任務で来ていても不思議はない。 でも、鬼族とは…ずいぶん程度の低い悪の組織に狙われたものだ。  破壊兵器を所有してはいないから、銀河連邦では脅威にしていないが、それを好いことに、コソコソ悪巧みを働く。 盗む、騙すことを得意とし、自分より弱い星を奴隷化しようとする卑怯者の野蛮な集団である。 精神的な弱さがあると、付け込む寄生虫のような集団だから、駆除は簡単なのだが、原因は地球人の付け込まれる 心にある訳で…つまり、今回の任務は完全解決が難しい。 「鬼族ですか。相手としては問題無いのですが、出没原因が複雑そうですね。何か事件や差し迫った問題はあるのですか?」 「ええ、最近行方不明事件と盗難事件が増えてるわ。しかも、目撃者は『鬼を見た』と証言している。 歴史関係の学者や名家の末裔とか…それから、文献、資料も盗まれているみたいなの。警察も証言が『鬼を見た』では… 信じてはいない様子ね。」 「なるほど。鬼族は奴隷化が目的だから、さらっても殺さないと思うけど…。どんな文献や資料なのですか?。 一応、日本史も覚えて来てますから。」 「文学部の先生の受け売りだけど…。戦国時代から安土桃山時代にかけて、有名な幻術士…魔法使いのことね…がいたの。 その幻術士は不老不死の術を会得して、書に記したらしいわ。その人物に関係する家や文献が狙われているみたいなの。」 「ふ〜ん。 でも、不老不死なんて宇宙医学でも無理なのに…」 「当然、ペテンよ。 謎の多い人物だけど、本人が江戸時代にはいないもの!でも、当時の権力者は興味を示したみたいで、 文献も多いし、歴史小説のネタになっているわ。確かに、私にしても不死はとにかく、不老は永遠の憧れ…だから、魅力は あるわね。」 なるほど、鬼族の狙いが読めて来た。不老不死が嘘でも本当でも、資料を集めることによって、その術を 再現するつもりだわ。それを餌に人間を集めて、奴隷化を画策しているのでは…?だから、わざと目撃されているのかも…? でも、そんなこと本気で信じる人がいるのかしら? 「先生! もしも、不老不死が可能だと、鬼族が宣伝したら、人間は信じますか?」 「その手の信仰宗教はたくさんあるし、信者もいるわ。ましてや、鬼がショウアップしたら、案外多いかもしれないわ。 私は信じないけれど、心の弱い人、たくさんいるから…。」 「それですね、狙いは!鬼族の手口は人間の心の弱さにつけ込むことだから…。次に狙う物や人…何か検討つきますか?」 「この大学の図書館ね。なんと言っても、あの時代の研究ならば中澤孝太郎先生だもの。もう亡くなったけど中澤教授は たくさんの著書を残されていてね…。多分、『不老不死の書』や幻術士についてのものも、あるんじゃないかしら? そう…それで万が一の為にも、警備を厳重に…って、教授会でも提案があったわ。」 う〜ん。 警備を厳重に…、夜間受付寝ていたけれど…。 やっぱり、頼りにはならなそう…。 (昨日 11:00PM 誠望女子大 図書館) 鬼族達を捕まえて、誘拐された人達を助けることが、地球での最初の任務となった。  萩原教授は私個人のワンルームマンションを用意してくれたから、夜間の行動は自由になる。  「女の子一人で張り込みだ…」 なんて言ったら、本当の姿を知らないから、大変だものね。 昼間の内に図書館に入り、一通り構造を調べた後、本棚の裏に隠れて夜を待つことにした。 もう、とっくに閉館になっているから、図書館の中は、非常灯の緑の光だけ…暗い。  図書館は平屋のモダンな建物で、出入り口はガラス張りの正面玄関と木製の非常口の2。  蔵書棚と机が一部屋にズラッとあるだけで、他はトイレだけ。窓は採光用で小さいし、高いところについているから… あれでは入れない。 セキュリティシステムは、扉についている以外に…赤外線センサーが各所に…、でも、基の回線に 細工されたら、意味無いけれど…。 まあ、警備員も寝てるから同じか…。  中澤教授の本は三百冊以上あって、さすがの私も「不老不死の書」関係の本を見付ける事が出来なかった。 大体、そんなペテンのようなことに、触れてる本なんかあるのかな?    ”バリン、バリ、バリ…” んっ、来たようね。 しかし、非常口の真ん中を破るなんて…大胆というか…。 「おい、こんな開け方でイイのかよ?」 「おおっ。 青鬼様がセキュリテイを止め、警備員を寝かせているはずだから大丈夫。それに我ら、鬼族の仕業に 見せないといけないし…多少は荒々しくしておかないと…。」 やっぱり、やられた!  早速、鬼(緑色だから邪鬼…)は私が隠れている本棚の前で、中澤教授の本を探し始めている。目のところを一冊 くり抜いておいたし、棚が間にあるだけなので、会話も聞こえる。 「中澤の本て、こんなにあるのかよ…、全部は持ちきれないぞ!」 「それらしいのを探せばいいんだよ。どうせ、不老不死なんてどっちでもいいんだ…。我ら鬼族の目的は…盗みまくって、 『不老不死の書』をデッチ上げるんだよ。あのさらった人間共を脅して、『不老不死の書』を本物に仕立てる…だから、 学者とか老舗のジジイをさらってんだろ。」 「それで、その後は…?」 「2号! お前、なにも聞いて無いのか? まあいい。その後は簡単、『不老不死の書』を餌に人間集めて、 ちょっとした手品でもやれば…、気が付いた時には、全員奴隷だ。」 やっぱり! 睨んだ通りね。 でも、これでは引っ掛かる方にも、責任在るかも…?? 「なるほど、それでさらった学者達は用が済んだら、殺すのか?」 「『殺す?』そんな勿体ないことする筈ないだろう! 奴隷として使うに決まってるんだよ。 だから今は、富士山麓の山荘で酒飲まして、いい気にさせてるだろ。」 富士山麓の山荘ね…いいこと聞いちゃった♪ これで、もういいわね!…証拠もそろったし…! 鬼族の戦闘レベルはデータによると、緑の邪鬼が人間の1.5倍のパワー、青鬼が3倍、赤鬼が5倍となっている。 私は重力の重い場所で、訓練してきたから、戦闘モードに入れば、3倍以上のスピードとパワーで闘える。 赤鬼はいないし、邪鬼2人だったら、簡単に倒すことが出来る。 私…紅天使フォルティアが、地球人と大きく違うのは、二つのエネルギーをもつことが出来る点。 生活エネルギーは地球人と全く同じ方法で、供給、消費されるけど、それだけでは格闘になったとき、地球の女性と 変わらない。紅天使は、任務の途中で戦闘に遭遇した場合のために、別に戦闘エネルギーを使えるようになっている。 フォルティアに変身した時点で、エネルギー回路が変わり、戦闘モードに入る。  戦闘エネルギーは強壮剤効果のある太陽電池のようなもので、ソーラー板がコスモパンティ、電池が胸。  パンティからイオンを取り込み、パワーブレスでエネルギー変換するから、地球上なら永遠に闘うことが出来るという訳。 今は補助ブレスだけどね。  「貴方達! そんなことしても無駄よ!」 「うわっ、なんだ…お前は…。 ふん、図書委員か?…それにいい女だぞ。奴隷に女子大生がいるのも悪くないな。 特別待遇にしてやる。よし、捕まえろ!」 女子大生…か、やっぱり、職業設定に無理があるのかな…。う〜ん、変身すれば同じね! 紅子は、正面を向き両手を伸ばし中指を頭の左右のこめかみに当てた。 「ティアラ・アップ!」 紅子が叫ぶと同時に額が輝き、正義のヒロインの象徴、ティアラリングが現れた。  ティアラリングとは純粋な正義の心を持つ女性だけに与えられる神秘の小王冠である。 ヒロインにもっとも適した防御コスチュームを生成し、彼女を衝撃と圧力から守るのである。 更にティアラリングを与えられたヒロインの子宮内に侵入した異物を浄化する効果もあると言われている。 続けて紅子は両手を胸の前でクロスし、右手を上に、左手を下に延ばした。 「チェンジ! フォルティア!」 真紅の光と純白の光が交差し、強化コスチュームが生成され、紅天使フォルティアに変身した。  訓練時は重力が数倍だったから、これで、地球の重力に慣れた鬼族達もかなわないはずよ。 「なんだお前は、普通の人間じゃないな。」 邪鬼達は後ずさりしたけど、もう遅い。 とりあえず、ぶっ飛ばしちゃおう!  「いくわよ! トィヤ!」 必殺のハイキックに、邪鬼達が吹っ飛んだ。  「私は銀河連邦の調査官、紅天使フォルティア。鬼族の悪巧み見破ったわ。さらった人と盗んだものを返しなさい。」 「なんだと…」 起きあがりながら、意外な敵にとまどいながらも、視線を合わせる2人の邪鬼。 「かかれ!」 邪鬼達が向かってきたけど、私のパワーとスピードは3倍以上。2人相手じゃ、負ける筈がないわ… 少し、懲らしめてあげましょう。  「トウッ、エィ、トィヤ!」 瞬く間に邪鬼達はパンチとハイキックの餌食となった。  「やっ、やばいな。 2号! 引き上げるぞ…」 「そうはさせないわよ。 トウッ。」 私は、邪鬼達の上を飛び越え、非常口を塞いだ。 「うぬっ、くそっ…。 あっ、青鬼様、そいつが…。」 邪鬼達が一斉に私の背後を見上げた瞬間、背中を誰かが強く押した。 ”ドン!” 「キャア〜。(スーッ、ガツン)イタ〜ァイ。」 前のめりに倒れた私は、ワックスの効いた床を滑り、机に頭をぶつけた。 コスモパンティが放射している薄い膜は、外傷を防ぎ、クッションにはなるが、あくまでも多少である。 「銀河連邦の小娘か。また新しいやつだな。しかし、こいつは少々弱そうだな。」 「私は紅天使フォルティア。今は少し油断したからよ。弱いかどうかこれを喰らってからいいなさい。 トィヤ!…エッ!ウソッ!」 私のハイキックが受け止められてしまった。こんな馬鹿な…データでは…?   「弱いな、遅いしな…。 なるほどスーツは真紅だが、パンティは純白か。おおっ〜と、こっちもか。」 ”パシッ!”  私の連続キックも難なく受け止められてしまった。 あれ〜? まずい〜?  「これで逆さ吊り状態だな。 おとなしくしてもらおうか。 そうら。」 私は両足をつかまれたまま、パワーボムのように後頭部を叩きつけられた。 「キャアア! (ゴキッ)ウワッ、イタッ。 データより…強い…。」 「教えてやろう、フォルティア。銀河連邦のデータは過去のもの…最近は俺達も進化していてな…。 戦闘レベルが一段上がっているから、今じゃ俺でも人間の5倍のパワー。重力格差だけで勝てると思うなよ… ほうら、キックはこうだ。」 「グッ! まずい…、データが古いなんて…。でも、捕まえ…なくちゃ…。」 「データ通りなのは、弱い者いじめが好きなことだ。それと…ふっふっふ…、少々、卑猥なプロレスごっこでも してあげるか。 まずは純白パンティもろ見えの、股割き!」 青邪鬼は次々に技を繰り出して来るのだけど、私の技は力負けして、全く効かない。いつものパワーブレスさえあったら…。 「そうら、アソコの匂いをかぎながら、パイルドライバーだ。」 「ああっあん、(ガツン)ウグッ!」 まっ、まずいわ…調子に乗らせては…。 「お尻なでなでしながらの、卍固め。」 「いあっ〜ん。(ギリギリ)イッタ〜イ。 止めなさい!(ギリギリ)キャアアァ!」 「お次はオッパイの谷間に顔を埋めて、ベアーハッグだっ。」 「はうううっ。(メリメリ)クゥウウッ!」 でもっ、どう…すれば…。 「オッパイ揉み揉み、バックブリーカー!」 「あは〜ん。(ギリギリ)キャアッ〜。(モミモミ)ああっん。(ギリギリ)ギャアアァ!」 青鬼の右肩に仰向けに担がれ、背骨が…。それより、胸を揉まれると…ああん…意志が弱くなって…うううんっ… 性感が強くなる…ヤバ・・いいいん。   「ほうおお。 オッパイ揉んだら、息が甘くなってきたぞ。 よしオッパイ集中攻撃してやる。」 私は仰向けに寝かされ、青鬼が馬乗りになった。両手は膝で抑えられてて自由が…。ああっん、本気で胸を揉まれちゃう。 あっ、はああっん! 「柔らかいのに揉み応えがあるぞ、フォルティア。しかも、Fカップか…フッフッフ。」 「止め、ああっん、なさいいんっ!」 揉まれたら、感じて…それに、サイズも当ってる。 「良く見ると、顔も中々上玉だな。特に紅い唇がそそるぜ。キスしてやろう。」 「ああっん。 はあはあ、離し…むぎゅう、んっんんぅ〜。」 …もう頭の中…真っ白…ああっ、舌が私の口の中を〜舐め回してる〜。  「ん〜んっ。 いい味だぞ、フォルティア。そろそろプロレスは終わりにして、じっくりお前の身体を楽しんでやろう。おい!」 あっ、手下の邪鬼が…後ろ手に手錠をっ、何…その棒付きの足枷、そんなの足につけられたら、大股開きのままに… ああっ。 調査に来たのに調査されちゃう! 「よ〜し、いい格好だ。 まずは生乳を拝んで…んんっ、このスーツは…破れん。」 「ふんっ、邪悪な鬼に破れる強化スーツじゃないわ! 離しなさい!」 「くそう、それではパンティからにしてやる。随分とピッタリしたのを穿いているな…」 ああっ、コスモパンティを脱がされると、エネルギーの補充が出来なくなるし…強化スーツも効力を失っちゃう! それに…、アソコが丸見えになっちゃう! 「パンティは脱げそうだな。(ズルッ)ほほう、フサフサと見事な陰毛だな。手入れが行き届いている。 おやっ、パンティを脱がした途端に、スーツの色が褪せたぞ。これなら破れそうだな。どういう作りなんだ? 大体、順番が逆だろう、ふっふっふ。」 んっ、確かに…普通は胸を脱がせてから下半身だもんね…なんて関心してる場合じゃないわ。ああっ強化スーツが破られて…。 どうしよう、犯されちゃう! 「犯す手順は順番通りにしてやろう。しかし片手では溢れてくるな…このオッパイは…。おい、左は1号、お前だっ! 俺は右を揉み解してやろう。そらそら、どうだ?。」 「はあ、ああっん。 うあああっん。 卑怯うううん。」 「なんだ2号もやりたそうだな。よし、右は2号が揉んでやれ。俺はフォルティアのアソコにバイブを入れてやろう。 そら、スイッチオン(ウイ〜ン・ウイ〜ン)」 「あああん。 はああ、…そんな太いもの…入れたら…だぁあめぇえ。うひん、はああああっ〜。」 「原始的な機械なのに効果あるじゃないか。出し入れしながらフルパワーだ。そうら」 「くああっあ。 あっ、いきそおおお、あはあぁ!でるぅう。いくうぅう!」 バイブ??…すごい…なんか出ちゃいそう…ああっ、いくっ!(ビュッ、ピュッ、ビュュウ。) 「おおう、潮を吹いて昇天するとは、さすがは紅天子フォルティアだ。今度はバイブの替わりに肉棒だ、 すぐに入れてやろう。おい1号2号、フォルティアを俺様の上にして支えていろ。 オッパイ揉みながら、下から突き上げてやる。」 「ふううっ、はあはあ。 あふん…ああっあ、バイブよりも…太いいいんっ。」 ああっ…今度は肉棒が…(ズンッ!)…私の中に…犯されてる…。 「どうだフォルティア!愛液がたっぷり出ているし、乳首もぴんと立ってるぞ。舐めながら犯してやろう。 チュパ、チュパ…なっ、なんだこれは…ビンビンになるぞ!」 「エネルギーを…吸われ…もっと太く…いくぅ、またいくぅうう。 ああっああぁぁっ」 「くっ、昇天するとこんなに締まるのか…フォルティア! 吸い出されるようだ。これでは俺様も我慢できん…、 中に出してやる、くらえっ…うっおおっ(ドピュッ)」 胸を揉まれながらだと、すぐにいっちゃう…それに、私の中で精子を…ああっ、乳首からエネルギーを吸われたら、 バイアグラ効果で…入れられたままで…また大きくなっちゃう。 「ううっ、乳首を吸ったら、またビンビンになってきたぞ! 今度はもっと耐えてやる。そら1号は精子を飲ませてやれ、 2号は顔の紅いペイントを精子で洗い流してやれ。」 「ううっ、硬くて太くううっん。 突き上げ…はあん、はあはあ。 んっぐぐっうう。」 上下の口がいっぱいだわ…、そんなに下から揉まれたら、ああっ、口の中で大きく…、ああ、ドロドロして苦い精子がぁ… 咽喉までぇ…私、飲んでるぅ〜、またいっちゃいそう…。 「うおおっ、身体をガクガク震えわせて…くっ、この締まり…また昇天しやがった。 紅…天使か、これだけ昇天するくらいなら、下界に来なければいいものを…。ふっふっふ、そら、奥まで突き上げて、 何度でも天国に送り返してやる。 よし、2号、口から顔だぞ。」 「はあはあ、ああん。 はあはあ、奥まで…、ああ、はぐっんん…ううんっ!」 ああっ、二本目を…しゃぶらされてる…、それに、子宮を…突き上げられてる…。 「よしよし、次の昇天で一緒に…、抜かずの中出し二連発だ。 今度もたっぷり出してやろう。」 「はぐううっんん。 はがああぁ〜。 ひぐ、ひぐう、いくうう〜ん。 あああぁぁ!」 またっ、いかされ…てる。 私の顔と子宮に…熱い精子のシャワーが…ドクドクかけられて…頭の中まで、真っ白… ああっ、意識がと・お・く・な・る……。 (当日 5:00AM 誠望女子大 図書館) 上下の口を犯されて、何回もの絶頂で失神してしまった私だったけど、何か強い衝撃を左腕に感じ、意識を取り戻した。 口の中は生臭く、顔はベトベト、アソコは…さっきの精子が固まり始めているみたい。  あの天井…まだ、図書館の中のようだし、んっ、窓の外は…明るくなり始めてる。  だいぶ、失神しちゃったみたい…。 本棚の方から声が聞こえる。あっ、まだ探してるのね…。 「くそっ、もう朝だぞっ…。まだ、みつからんのか! フォルティアを、犯す時間がなくなるぞ…。 中澤め、こんなに沢山の本を書きやがって!」 身体は、後手に手錠で縛られ、足を棒状の足枷で広げられた、恥ずかしい姿のまま、仰向けに寝かされている。 時間が余れば、まだ犯すつもりだったのね。 そういえば…何っ…さっきの左腕の衝撃は…この感触はいつものブレスレット・・・パワーブレスだ。  そうか、すぐに転送するって・・・時間のズレがあるから・・・やっと今着いたのね。   パワーブレスは私の攻撃を10倍に増幅してくれる、銀河連邦の天使専用の攻撃補助アイテム。 ただ、増幅効果しかないため、基礎的な要素、つまり攻撃エネルギーが残されていない状態では、 ただのきれいな腕輪に過ぎない。  あれだけ、乳首からエネルギーを吸い出され、昇天させられたら、…今は、立つことも出来ない・・・なんとか補充が 出来ないかしら?  コスモパンティは…そっか、足枷のおかげでまだ膝に…広がってる。これなら何とか…穿けるかも…。 うっん、駄目!エネルギーが…ゼロで、身体が全然動かない。  「あったぞ!『戦国期の忍者達』最後に幻術士の章がある!時間は…そろそろ引き上げないと、目立ち過ぎるか… くそっ、犯す時間はもう無いな!」 近づいて来る…。ああっ、動けない…逃げられない…。 「フォルティア! まだ、失神してるのか…? 今日のところはこれで我慢しておこう。 だがな、アジトに帰ったら、たっぷり性奴隷の調教をしてやるから、楽しみに待っていろ。」 ああっ、お持ち帰りされちゃうの…? コスモパンティさえ、穿ければ…こんなやつ!   「よし、ひきあげるぞ。 1号、本を忘れるな!逆さ吊りで背負うには、丁度いいな…この足枷は。 んっ、パンティが邪魔で…破れんぞ…仕方が無い…穿かせてやろう。 よいしょ。」 来た〜! 逆転のチャンス! エネルギーが溜まるまで、待ってなさい…!   逆さ吊りのまま背負われた私だったが、正面玄関まで来たところで、反撃できるだけのエネルギーが補給された。 間に合ったわね。  ようし! パッキン! 腕の手錠が簡単に千切れる。  私はそのまま青邪鬼の頭を、足枷もろとも締め上げ、頭の角を折ってあげたわ。   「ぐうええ。 頭が〜、角が〜。」 青鬼は緑に変色しながら、両膝をつき、崩れ落ちた。 足枷の鉄棒はクニャっと曲がっている。 正面玄関はガラス戸…朝陽が純白のパンティを照らしてる。  「チェ〜ンジ! フォルティア!」 強化スーツが復元され…後は…簡単に言えばボコボコ!本は取り返したけど、邪鬼達の逃足の早さッたら… 次は逃がさないわ。  私もあんまり時間が無いし…だって、この後、講師の初日だし…、シャワー浴びたいし…。  でも、本当の理由は…一刻も早く、読みたかったの。 中澤教授の本…幻術士の章を…。  (当日 12:00 NOON  テレビのニュース) 今月に入り数回発生していた、歴史関連の行方不明、窃盗の事件で、捜査本部は、今日早朝、富士山麓の山荘より、 全員を無事保護しました。 負傷者もなく、全員、元気な様子で、文献、資料等にも被害はない模様です。 捜査本部は、「鬼を見た」との証言があることから、被害者の精神的な回復を待って、容疑者の確認を急ぎたいと しています。  尚、おおがかりな組織に寄る誘拐事件に発展する可能性もあり、他の事件との関連性を調べた上で、 今後、更に追求していく方針です。 次のニュースです。 先年亡くなられた、戦国時代研究の権威、誠望女子大学、故中澤元名誉教授の未発表資料 『戦国期の忍者達』が同大学図書館より公表されました。 中でも、当時流行したと思われる『不老不死の書』についての ものがあり、誠望女子大学では、日本史資料としてだけでなく、現代への教訓としても、価値の高いものとしております。 資料はこのように結ばれております。 映像とともにお届けしましょう。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------  歴史上多くの忍者、幻術士が名前を残しているが、立身出世したことも、自らの技を以って、著名な武将、 大名を暗殺した例も無い。 それは、強い信念や、堅固な意志の前には、こうした心の弱みに付け込む技は全く通用しないからだ。  従って、幻術士に因る「不老不死の書」など存在しないし、あったとしても効力があるとは考えられない。 人間は自然の摂理には逆らえない。 自然の摂理の内で、大志を貫くから、輝き、歴史に名を残すのだ。 過去を振り返ることは、悪いことではない。歴史は繰り返されていくものなので、我々に現在の反省と 未来への教訓を与えてくれるのだ。               中澤孝太郎 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 映像には・・・先生の署名の後ろに、文章とは不釣合いな…私の真紅のキスマークが映されていた。 ***完