平成14年5月31日・初版

流星天使ラスキア・「無邪気な少女とパワーベルト」/AK−3・著 (ヒロイン原案:悪の司令官)

アクノ企画、久々のOFF。 奈緒美は真理を誘い都心に買い物へ出かけていた。買い物を終え、駅に向かい歩いていると、雑居ビルの前に人だかり。 みんな上を見ている。火事である。 「あ、大変!屋上に人が…」 上を見つめて、奈緒美がつぶやく。 そのとき、真理は自分の荷物を奈緒美に押し付けた。 「奈緒美さん、私、忘れ物しちゃった。取ってきます!」 そういうと、デパートの方へ真理は駆け出していった。 「すみません。ご、ごめんなさい。通してください。」 真理は人ごみをかきわけ、向かいのビルの中へ入っていった。まるで誰かに見られていないかを確かめるように ロビーに入るとまわりを見回した。 「だれもいないわね。さぁ、急がなくっちゃ!」 そう言いながら真理は非常階段を駆け上りながら、こめかみに両手を当てた。真理の額にティアラがあらわれると同時に 彼女はラスキアに変身をした。あっというまに最上階に駆け上がり踊り場の防火扉を開けようとした。だが防火扉は ロックされていた。 「もう、これじゃ、いざというときに避難できないじゃない!しかたがないわ。ちょっと失礼」 真理が変身をしたラスキアはそういうとドアノブをぎゅっと握り締めた。 ”バキッ!” 彼女が握り締めたドアノブはあっけなく破壊されていた。 「ちょっと、力が入りすぎたかしら。さあ、行くわよ!」 真理が変身をしたラスキアはそういうと非常階段の踊り場から火事が起きているビルへ飛び出して行った。 そう、奈緒美はラスキアに変身し、怪力でドアを開け空へ飛んで行ったのであった。 奈緒美は真理がデパートの方へ走ってゆく後ろ姿を目で追っていたが、やがて人ごみで見えなくなってしまった。 「もう、真理ちゃんは意外とドジなんだから」 そのときである。野次馬が駅の方を指さし叫んだ。 「あ、あれはなんだ?こっちへむかって飛んでくるゾ!」 「あ、スーパーマンか?いや、女だ!スーパーガールか?」 「でも、コスチュームが違うなぁ。ワンダーウーマンか?」 「いや、ワンダーウーマンは空を飛べないはずだけど…」 この空を飛ぶ女こそ真理が変身した流星天使ラスキアであった。 「あ、あれはラスキア。」 奈緒美がつぶやいた。すると、隣にいた男が奈緒美のつぶやきを聞いていた。 「あれ?おねえさん、あのスーパーガールの知り合いなの?」 「え、あ、は、はい…っていうか、前にテレビニュースでやっていたんですよ。」 ラスキアは逃げ遅れて屋上に避難をしている人を次々と助け出していた。 小さな子供は両脇にかかえて、大柄な男でもラスキアは抱きかかえ助け出した。中にはどさくさにまぎれラスキアの胸に 顔を埋める輩もいた。 「ちょっと、なにするの!もう知らないから!」 「うわぁ!いてててて…」 ラスキアに放り出され地面に尻餅をつく男。周囲からは、爆笑の渦が…。 「いやぁ、気持ちよかったなぁ…。あんなに柔らかい胸に顔を埋めたのは初めてだよ…」 男はラスキアの胸の感触を思い出して股間を熱くしてた。 今度は子供を抱きかかえて地上に降りてきたラスキア。 「さあ、もうだいじょうぶよ」 ラスキアは、抱きかかえてきた子供を地面に下ろし、子供の目線までしゃがみこんでいた。大人たちの目線では 豊かな胸の谷間がコスチュームからのぞいていた。 「おねえちゃん、ありがとう!」 「おい、ゆたかぁー!」 「あ、おとうちゃん!このおねえちゃんが僕を助けてくれたんだよ!」 「ありがとう、あんたラスキアっていうんだって?ほんとうにありがとう」 少年の父親はお礼を言いながら、ラスキアの胸元をのぞいていた。 「ねえ、ゆたかくん。あそこのビルにはもう誰もいないのかしら?」 「あ、そういえば、カメラを持ったおじちゃんが、まだ、いたよ。」 「ありがとう。わたし、もう行かないと…。そのおじちゃんも助けてあげないとね」 「うん。おねえちゃん。カッコいいよ。ありがとう。」 少年はラスキアにお礼を言うと後ろを振り向き父親に向って言った。 「ねえ、おとうちゃん、あのおねえちゃんのオッパイ、すごく柔らかいんだよ」 子供の無邪気な言葉に思わず、父親もラスキアの胸の脹らみを見入っていた。 まわりにいた野次馬たちも子供の言葉につられ目線をラスキアの胸へ投げていた。 「すげぇ、オッパイがこぼれそうだぞ」 「おぉぉー。そばにくるといい身体してるなぁ。フトモモなんかムチムチだぜ。」 「おれも、あの身体に抱かれて空を飛びたかったなぁ。きょうは運がいいんだか、わるいんだか…」 やがて群衆はラスキアを取り囲んでいた。 「へぇー。日本にもスーパーガールがいたんだ」 「アメリカにいる本家のスーパーガールよりも、いい身体してるなぁ」 ラスキアを囲んだ男たちは、彼女のエッチなボディーラインに釘付けになっていた。 舐めまわすように視線を送る者。豊かな胸の膨らみを食い入るように見つめる者。 周囲は異様な雰囲気に包まれていた。 「い、いやぁん、恥ずかしい!」 ラスキアはそう叫ぶと、クルリと後ろを向き、空へ飛んで行った。 「おぉぉーー、ムチムチのフトモモ。がんばれーー!」 男たちは歓声を上げ、ラスキアを見送っていた。 ラスキアは少年の言っていたカメラを持った男を捜して、ビルの上空を飛んでいた。 「カメラを持った男の人がいるって言っていたわね。あ、あそこ!あれは、おにいちゃん!」 少年が言っていた男とは、なんとラスキアのいとこで保護者代わりの綿辺であった。ラスキアは綿辺の姿を見つけると いままでよりもずっと速いスピードで綿辺を助けに行った。 「お、おにい…。綿辺さん!」 「あ、きみは…」 「綿辺さん、さぁ早く!」 そのときである。屋上の広告塔が音をたてて崩れ落ちてきた。 「綿辺さん!あぶない!」 ラスキアはとっさに綿辺の身体に覆いかぶさるように飛びつき倒れこんだ。ラスキアの身体の上には広告塔の瓦礫が 降り注いだ。 「危なかったわ。間一髪ね」 「うぐぐぐ…」 ラスキアは綿辺の顔に胸を押し付けるように倒れ、綿辺は顔をふさがれ、息苦しくなり気がついたのであった。 「あ、綿辺さん…。よかったわ。無事で」 ラスキアは綿辺の顔を見て思わず顔を赤らめていた。 「き、きみがラスキアなんだね。助けてくれて、ありがとう。でも、なんでおれのこと知っているの?」 「え?あ、あのう…。さあ、ここから早く脱出しないと。私につかまってください」 綿辺は照れながら、ラスキアに抱きついた。 「もう、照れないでくださいよ。じゃあ、私が抱きますね」 そういうと、ラスキアは綿辺を抱き上げ、お姫様ダッコ状態になった。 「しっかりつかまっていないと落ちちゃいますよ」 ラスキアはそういうと綿辺を抱えたまま屋上から飛び降りた。ラスキアは奈緒美を見つけ、彼女の前へおりた。 綿辺は、デパートの屋上を方向を指差した。 「ありがとう。ラスキア。だけどまだ女子高生が!観覧車の柱の下にいたぞ!早く!」 「わかったわ。綿辺さん!」 ラスキアは屋上へ飛び、女子高生を見つけた。女子高生を抱えると、地上に降りた。 「あ、おねえちゃん!」 小さな女の子が飛び出してきた。 「あ、真由美ちゃん!」 小さな女の子は女子高生の妹のようである。 「私の美少女戦士ファンシーベルトは?」 「ごめんね、真由美ちゃん。売り切れてたのよ。」 「今日、必ず買ってくるって言ったのに…」 そう言いながら、女の子が視線をラスキアの方へ向けると、急に目が輝きだし、ラスキアの背後へ走っていった。 「あっ!真由美ちゃん!!」 「このファンシーベルト、私に貸して!」 女の子がラスキアの背後で叫ぶと同時に、いきなりラスキアのパワーベルトを外してしまった。 「おねえちゃん。真由美、美少女戦士になったよ。ほら!」 無邪気にベルトを身体に巻き、見せびらかす女の子。 だが、パワーベルトを外されたラスキアは急に身体中の力が抜け、座り込んでしまった。 「ま、まゆみちゃん…、そ、そのベルトを、か、か・え・し・て…」 パワーを失ったラスキアの周りを野次馬たちが囲みはじめた。 「おい!さっきのスーパーガールが倒れているぞ!どうやら腰に巻いたベルトを外されるとパワーがなくなるみたいだなぁ。」 間髪入れずに別の男がボソッと言った。 「…ってことは、今はただの女だぞ。」 すると、さっき、ラスキアに地面に地面に放り出され尻餅をついた男が出てきた。 「さっきは、ずいぶん手荒いことをやってくれたな。おかげでおれはいい笑いものさ。 こんどはおまえをさらし者にしてやろうか?」 男はラスキアに馬乗りになった。 「へっへっへ、こうやって上から見下ろすスーパーガールっていうのも、なかなか艶っぽいもんだねぇ。」 男はどこから用意してきたのか、鉄棒を手に持っていた。 「このメスブタめ!おれは、さっき、このぐらいの痛い目にあったんだぞ!思い知れ!」 男はそういうと、大上段から鉄棒を振り下ろした。 ”ガン!” ラスキアの腹に鉄棒が振り下ろされ鈍い音がした。 「イ、痛い!や、やめて!なにをするの?」 「はっはっは。さすがスーパーガールだな。力が入らなくても身体だけは丈夫にできてるようだな。 それとも、そのエッチな服に秘密があるのかな?ためしにその服をはいでやろうか?」 ”ビリビリビリビリ…” 男はラスキアの胸の部分に手を入れ思い切りひきはがした。コスチュームが破れラスキアの豊満な胸元があらわになった。 「ほほ〜♪こんなにきれいなおっぱいなのにノーブラなんだねぇ。どれどれ?」 男はラスキアの胸をもみはじめた。 「い、いやぁ〜ん。や、やめて!」 ラスキアは声を上げて男に抵抗をするが、パワーベルトを奪われては、ただの少女でしかなかった。 「す、すげぇ!こんなに弾力のあるオッパイは初めてだぜ、スーパーガールのスーパーオッパイだぜ。へっへっへっへへ」 男はさらにコスチュームを下へひきはがした。ラスキアの引き締まったウエスト、プリっとしたヒップがあらわになった。 ラスキアのウエストからヒップのラインにかけて、いやらしい手つきでなでまわしていた。 「へっへっへ、スーパーガールはオッパイだけがスーパーじゃないんだな。これ以上の完璧なプロポーションは 見たことがないぞ。それでいて少女の雰囲気がのこるカワイイ顔しやがって。これで黙って見ていろっていうのが、 ムリな相談だぜ。へっへっへっへっへ」 男はラスキアの顔と身体のギャップを堪能し、よだれを垂らしていた。 中には男の行為を自分とあてはめ、オナニーを始める若者まででてきた。 そんな男たちを冷ややかな目で見ている女達もラスキアのまだ成熟しきっていない健康的なセクシーさに、 いつしかジェラシーを感じはじめていた。 「ふん!なによ。小娘の分際でヒロイン気取りになるからこうなるのよ。いい気味だわ」 男はついにズボンを脱ぎ肉棒を出してしまった。ラスキアの身体を見て彼の肉棒はいきり立っていた。 「へっへっへ。おれの自慢の孝行息子も元気になって我慢できなくなってきたぜ。そろそろ味見をさせてもらうかな?」 「い、いやぁ!や、やめて。そ、そこだけは、だめ…」 男のいきり立った肉棒を目にしたラスキアは悲鳴をあげているしかなかった。 ”ドン!” 「い、いてえな!なにしやがるんでぇ!」 男が肉棒をラスキアの秘部に入れようとした瞬間、女が男を突き飛ばした。 「ちょった、あんた!いいかげんにしなさいよ!」 その声の主は奈緒美であった。彼女はベルトを持っていった少女からベルトを取り返してきたのであった。 奈緒美は怒りのあまり、男の胸倉を掴み上げ持ち上げてしまった。足をバタ着かせる男。 「な、なんなんだ?この女もスーパーウーマンか?」 「おい、この女もスーパーウーマンなのか?男を片手で持ち上げているぞ」 「いや、普通の服をきているなぁ。サイボーグじゃないのか?」 野次馬たちも奈緒美の怪力に口をアングリと開けていた。 奈緒美はそんな野次馬たちの言葉には耳も貸さず、少女から奪い返したパワーベルトをラスキアに渡した。 「ラスキア、これさえあれば、もうだいじょうぶね。はい」 「あ、あなたは奈緒美さん。ありがとう」 ラスキアは奈緒美からベルトを受け取り腰にはめた。彼女は目を閉じ、両手をティアラのこめかみの部分にあてると、 あっというまにコスチュームが元に戻った。 「おじさん、もう、いいでしょ?」 ラスキアは男の胸倉を掴み上げ、持ち上げていた。足をバタつかせる男。 この大騒ぎを聞きつけ、やっと警官がきた。 「おまわりさん、この男痴漢です。」 ラスキアは男を警官に差し出すとくるりと振り向き、綿辺の方へ歩き出した。綿辺は男がラスキアを強姦するする姿を 一部始終カメラで捕らえていたのであった。 ラスキアは綿辺のカメラを取り上げた。 「綿辺さん、このフイルムは私が処分しますね。面倒だからカメラごと処分するわ」 ”グシャ!” ラスキアは綿辺のカメラを握り潰した。 「あ、あぁ!お、おれのカメラが!」 綿辺は自慢のカメラをラスキアに握り潰され、半べそになっていた。 その顔を覗き込んで奈緒美が慰める。 「綿辺さん、罰があたったのよ。自業自得ね」 奈緒美が綿辺を慰める姿を見て、ラスキアはニッコリ微笑んでいた。 「奈緒美さん、助けてくれてありがとう。綿辺さんをお願いしますね」 ラスキアがくるりと後ろを振り向き、空を見つめ飛ぼうとした瞬間、奈緒美がラスキアに声をかけた。 「あ、ラスキアまって!真理ちゃんをみなかった?」 「奈緒美さん、彼女は無事ですよ。また、どこかで会えるといいですね。」 ラスキアはそういうと、空へ飛んで行った。綿辺はラスキアの飛んで行った方を見つめ奈緒美に話かける。 「そういえば、奈緒美ちゃん。真理といっしょじゃなかったの?」 「え、ええ、それが『デパートに忘れものをした』って言って、まだ戻らないんです。」 「ったく、困ったやつだなぁ。奈緒美さん、いつも心配かけてすまないね。」 綿辺が奈緒美にあやまっていると、真理が戻ってきた。 「あ、おにいちゃん!」 「おい『お兄ちゃん』じゃないだろ。みんな心配してたんだぞ。あれ?そういえば、ラスキアってスーパーガール 見なかったの?」 「え、ラスキア?彼女、ここに来たんだ。会いたかったわ。残念ね。」 真理は綿辺の言葉に一瞬、ドキッとしたが、とぼけて答えた。 「そういえば、ラスキアっておまえと同じぐらいの背だったな。なんか、スタイルも似ているし…」 綿辺は真理の身体をジロジロと見ていた。きょうの真理はミニのスカート姿なので、綿辺はさらに真理の脚にも 目をやっていた。 「脚のムチムチ具合なんかそのままだなぁ…」 「ちょっと、おにいちゃん、なに考えてるの?」 「い、いやぁラスキアって、カワイイなぁ…って」 「お、おにいちゃん、ラスキアに一目ぼれしたの?」 「うん…。なんちゃってね。でも、バカ力だけは真理もラスキアに似ているか…」 「フン!どうせ私は怪力女ですよ!」 次第に声が大きくなる真理と綿辺にあきれかえり、奈緒美が仲裁に入った。 「もう、こんなところで兄妹けんかはしないの!続きは事務所でやりなさい!もう!」 奈緒美の大声に真理と綿辺は平謝りになった。 「あ、奈緒美ちゃん、ごめん」 「す、すみません。奈緒美さん。つい、ムキになっちゃって…」 事務所に戻り真理が綿辺にラスキアのことを聞いた。 「おにいちゃん、なんであんなところにいたの?それに、ラスキアが男に襲われているのを平気で写真なんか撮って! ヘンタイ!」 「あんなところ?なんで、おまえがそんなこと知ってるんだ?まるでラスキアから聞いたみたいな風なことを言うな?」 「そ、そうじゃなくて、『何で火事の現場にいたの?』ってこと!」 「そんな、ムキになるなよ。取材であそこの近くのビルを撮影していたの。そうしたら、あのビルが火事になってさ。 でも、気がついたのが遅くて逃げ遅れたんだ。でも、彼女のおかげで命拾いしたよ。ラスキアは女神さまか、 天使に見えたよ」 「もし、私がラスキアだったら、おにいちゃんなんか助けなかったかもね!」 「このやろ、まだ減らず口ききやがって!」 また始まった兄妹ゲンカに奈緒美がたまらず、どなった! 「もう、いいかげんにしてよ!続きは家に戻ってやって!」 綿辺と真理は思わずシュンとしてしまった。 「まったく、おまえらは兄妹か恋人みたいだな…」 風下も苦笑いをして、あきれかえるばかりであった。 ***完