平成14年6月21日・初版

紅天使フォルティア・「地獄?極楽?恐怖の鬼族ダイエット」・第2章/妄想博士・著 (ヒロイン原案:悪の司令官)

さくら達人間に、ガラス越しに見られているから、フォルティアに変身が出来ない…。 夜盗鬼族のフィットネスジムでさくら達を人質に取られ、入会申込書ならぬ奴隷契約書にサインを させられた萩原紅子は、赤鬼達の精液を何発も子宮に浴びながら、絶望と恥辱の為、失神してしまった。 まさか隣で紅子が陵辱されているとは…気付くことも無いまま、ダイエットのためエアロビクス に取り組んでいたさくら達だったが、2時間以上も休憩がない。 次第に疲労の色が濃くなっていた。 「ああっ、もう私限界です…」 一人の生徒がエアロビを中断して、座り込むと…それを見た他の生徒も次々に座り始めた。 ここでインストラクターが気を利かせ、中断するのが普通なのだが…鬼族ではそうはいかない。 後ろで彼女達のむっちりしたヒップを淫らな目付きで見ていた邪鬼3号が、座り込んだ生徒に エアロビの続行を強制した。 それでも限界を訴えると…なんと、張り手が飛んだ…! 一瞬にして、座は凍り付いてしまった。 幾ら、鬼の特訓とは言っても限度がある…。  邪鬼のことを鬼装束の人間だと思っている生徒達は当然、口々に非道を訴えた。 「ひどい…なんてことを…」 「私達は無料でも…客よ! 暴力なんて許せない!」 女性達を制したのは、先程まで紅子を散々弄んだ赤鬼だった。 「我々の特訓はハードだと、説明したではないか? 皆さんはそれを承知したのでしょう?  もちろん、暴力は良くない…ただ、今のは…暴力では無い。 皆さんもご存知のように、TV等では 女性も希望して『1.2.3、ダッー!』と言ってビンタを受けているでしょう。 気合を入れるための ビンタですよ…。我々はそれほどまでに貴方方には綺麗で美しい体になって欲しいのだ!」 説得力のあるような、無いような…赤鬼の弁明に、さくらをはじめとする生徒達は一旦おとなしくなったが、 やはり説明に無理がある…。 しかもその時、隣の部屋でマットで休んでいる紅子を見つけた一人の生徒が不公平を声高に言い立てた。 「でも…やっぱり、休憩くらいは取らせて欲しいわ! あの人なんか…ずっと、大の字になって 休んでいるでしょう!」 女性は集団になれば成る程不公平には敏感であり、意見がまとまると迫力が増す。 一人だけ特別コースに指名された紅子への嫉妬も大きく絡み、たちまち普通コースの生徒達は騒然とした。 「そうよ、そうよ!」「大体、あの特別コース…甘すぎるわ…大したことやってないじゃない!」 「あの人も何…あれ位でひっくり返って…だから、あんなにオッパイばかり大きくなるのよ!」 「やる気の無い人が特別で、一生懸命な私達が通常なんて…基準は何なの? ただのえこ贔屓?」 人質になっている彼女達をかばう為に失神させられた紅子が非難の的にされるのは、事情を知らないとは言え、 憐れなことである。 さすがの夜盗鬼族…赤鬼も、この集団には圧倒され、方針を変更せざるを得なかった。 「むっ、判った…判りました! そこまで言うなら仕方が無い…休憩にしよう。 これから特別コースの彼女は ハードなトレーニングをやるのですが…ここから見ていてもらいましょうか? それで良いですか?」 「そっ、そうね…でも、彼女がへばるまで、私達は休憩を続けるわよ!」 「そうね…それがいい!」 「特別コースの人をしっかりしごかないなら…私、このジムの不公平を言いふらすわ!」 「ちゃんとやらないなら帰るわよ!」 唯一の味方であるはずのさくらは、何も言えずに黙っているしか無く…他人の振りをしている。 鬼族では無く、人質の人間達の発言により、紅子の状況はどんどん悪化していった。  「貴方の責めは甘い!」という言葉に精神的なダメージを受けた赤鬼は、アスレチックルームに 移動すると、トレーニングを再開するため、紅子に何発かビンタを放った。 「性奴隷紅子! 起きろ…起きるのだ!」 今度は十数人の人間が監視している…今まで以上の陵辱プランを実施しなくてはいけない… しかし、あの女達…妖鬼様でもないくせに俺様に命令するとは…妙に複雑な気持ちになった赤鬼だったが、 冷静に考えて見ると、決して悪い展開ではなく…最高の環境が用意されたとも言える。 「はっ、はあ! ううっ〜ん! あっ、人質は無事なの?」 失神から覚めた紅子が心配したのは、やはり人間の無事なのだから、正義もほとほと疲れる仕事だ。 一瞬は同情した赤鬼だったが、相変わらず全裸に近い紅子の姿態に…性的な欲望が燃え上がった。 「心配は無用だぞ…性奴隷紅子! それより、見て見ろ…奴らの目を! 我々鬼族も『貴様への 責めが甘い』との指摘をされてな…ほとほと困ったぞ! ふっふっふ、さあ、公開調教の再開だ …今度は容赦しないぞ!」 「なんであんなに厳しい目で私を…? 私が奴隷になったのに…! マインドコントロールをしたのね?  契約違反…約束が違うじゃない!」 「ええい、奴らには何もしていない! 自由意志だ…まあ、説明は後でしよう。とりあえず、 サウナスーツを用意するから、それを着てエアロビを始めるぞ!」 赤鬼が控え室に消えると、入れ替わるように邪鬼達が超特大のサウナスーツを持ってきた。 ただ、紅子は…どう考えてもブカブカ過ぎるサウナスーツを着る事に嫌な予感を感じた。 シースルーレオタードのまま、サウナスーツを装着された途端、紅子は予感が的中したことを知った。 頭を外に出している紅子からは見えないのだが…なんと中には二人の鬼が隠れていて、次々に卑猥な悪戯を 繰り広げていた。 「なっ、何? 誰かが中に…! あっはん! いろんな処がいじられて…あふう、いや〜ん!  ああっ、アソコが舐められてるう〜! あん、太いものを挟んで…いやん…揉まれて…ああん!」 スーツの中身を説明すると、赤鬼が紅子の背後から羽交い絞めするような形で、両手を廻し巨乳を 揉んでいる。  そして前では邪鬼がスーツの腕の部分に足を入れ、逆さまになって、紅子の腰にしがみついている。  変形の「69」状態で緑の肉棒を巨乳の間に挟みながら、顔を茂みに埋め、舌で舐め回している。   もちろん、スケスケのレオタードはすでに穴だらけ…破られていた。  「紅子…中にいるのは、俺様…赤鬼と邪鬼1号だ。 ふっふっふ、堪らんな…肌の感触と汗の匂い、 そして乳の揉み応え…。 ここをいじられると弱いのか? それともこちらが感じるのか?  そうら、汗を舐めてやろう!」 「きゃ! いやん…そこは…あん! お願い! 私が餌食になっている間に…あん…逃げて!」 サウナスーツ内の暗闘に紅子は身悶えしながら、人間達に必死で訴えるのだが…無駄だった。  外からでは余程注意して見ない限り、サウナスーツの内部の状況までは判らないし、声はガラスで届かない。 それどころか隣の人間達はガラスを通して、「早くエアロビを始めろ!」とばかりに厳しい視線を 紅子に浴びせかけて来る。 内部の赤鬼まで視線を感じたのか、それとも手による悪戯に飽きたのか、紅子への攻撃は最終兵器 …そそり立った肉棒…が投入されようとしていた。 「性奴隷紅子! そろそろ、踊り始めないと人間達が怒り出すのだ。 これからアナルとヴァギナへ交互に 入れながら三人羽織エアロビクスを始めるぞ…しっかり踊れ…そうら!(ズブッ!…スルッ!) 今度はこっちだ(ズブリ!)さあ、ミュージックスタート!」 「ああん、身体ごとピッタリ挟まれて…、うっ、はああ〜あ…あん、抜けた! きゃああ〜あ! すぐにお尻の穴に…あうう〜ん! 太いっ! ああっ〜ん、突き上げられたら…うっはあ〜あ!」 BGMが流れ出し、エアロビが始まった。 頭が外に出ている分、紅子は突き上げられる度に爪先立ちから、宙に浮くことになる。  不自然に身長が高くなったことを除けば、赤鬼が交互にヴァギナとアナルを突き上げ、邪鬼が足を 泳がせパイ擦りするので、外見には踊っているように見える。 赤鬼達の4本の足が袖と裾に入っているから、肉棒により持ち上げられている紅子の手足にもちろん自由は無い。 パイ擦りしながら、クリトリスを舐められ、ヴァギナとアナルに代わる代わる太い肉棒を挿入される… 鬼族の激しい責めは紅子を徹底的に追い込んでいた。 こみ上げてくる性感を必死で我慢していた紅子だったが…所詮は無駄な抵抗に過ぎない。 淫らな三人羽織によるエアロビが1ターン終わると、紅子は一気に絶頂に達してしまった。 「うっはあ! あひい…いやん、みんなの見ている前でいっちゃう! いや〜ん恥ずかしい、さくらさん… 見ないで…いく、いく、あっふ〜ん! はあはあ、あっ、ああ〜あ、うう〜う!」 「ふっふっふ、身体を震わせ、アナルがキュッと締まるのが合図だな…しかし、これ位で昇天していては、 ダイエットにならんな…もっと汗以外の水分を出してもらおう! 大丈夫だ…、不足した水分は栄養満点の精液で 補給してやるぞ! 邪鬼はそのまま乳の谷間にかけてやれ!」 「はあはあ…ひいっ、もう止めて…そんな処をいじられながらお尻の穴を突かれたら、潮を吹いちゃう! うっは〜ん…だめえ…恥ずかしい…またいくう、いくう、いやあ〜ん!(ビシュウ!)」 紅子は潮をサウナスーツの中に吹きながら、激しく痙攣し、再び昇天した。 赤鬼と邪鬼も堪らず紅子のお尻の穴と巨乳の谷間に糊のようにドロドロした精液を発射した。 「頑張って、紅子先生! あっ、いえ…なんだか変なエアロビですね?」 ガラスの向こう側では、紅子のダンスをさくらが一人応援していたが…周囲の冷たい視線を感じ、 慌てて調子を合わせた。 女性の集団だからこそ…女としての魅力で勝る紅子の欠点や失敗を論い、少しでも引き摺り下ろし… 自分達に近づけなくてはならない。  自分を高めて追いつくのではなく、相手を蹴落とし追いつくのだから、紅子の評価は酷評である。 「下手ね〜! しかも変なダンス…あれで効果があるのかしら?」 「もうバテテるの…あの人も…随分情けないわね!」 「あんなものはトレーニングじゃない! やっぱり、えこ贔屓よ! 責任者はどこ?」 この種の意見が出ると、たちまち大騒ぎになる。 これでは鬼族達も大変なのだ。 赤鬼は紅子と同衾しているから…責任者は不在。 残された邪鬼3号が非難の嵐を受け、伝令として走る羽目になった。 「何、まだ生ぬるいだと…? 全く、女の執念と嫉妬には辟易するな…。 女には無くても、 男は限界があるのだ…まあ、判った。 もう一発頑張るとするか? んっ、なんだ邪鬼3号…?」 「はあ…いや…その、少し疑問を感じまして…。 赤鬼様、我々の人間奴隷化は成功するのでしょうか? 奴らを見ていると…なにやら、自信が無くなるのですが…」 「馬鹿者! 女の十人や二十人…何のことがあるのだ? 早く、持ち場に戻れ!」 「はあ、しかし…束になるので、どちらが命令しているのか…? 出来れば赤鬼様に説得係りを お願いしたいのですが…?」 「なっ、何…俺様が説得を…? いっ、いや…今は忙しいので無理だ…邪鬼3号…お前に任せる。」 「そっ、そんな…任せると言われましても…。 紅子を犯すことなら私共でも簡単ですが…」 「いっ、いや…気持ち良さそうに見えるが…案外大変な任務なのだ! 女の説得の方が簡単だ! とにかく…めっ、命令だ…邪鬼3号! 女達を説得しろ!」 いやな仕事から逃げる上司と自分で解決しようとしない部下…この点は鬼族も人間社会も同じなのだ。 愚にもつかない押し問答が繰り返されていたが、紅子の陵辱が続くことだけは変わらない。  半ば失神していた紅子だったが、自分の身体を軸に赤鬼達が前後を入れ替わったため、正気に戻った。  先程まで69を楽しんだ邪鬼は背後に回り、スーツの袖と裾を利用し、紅子を十字架磔状態にした。 紅子にはスーツの内部の様子が判らない…。 赤鬼がどのように責めてくるのか見当がつかないのだ。 「うっうん…もう、許して…限界です。 お願い…きゃ! これ以上犯されたら…ひゃっ!」 前に廻っていた赤鬼は紅子の乳房の谷間に顔を埋め、愚痴っていた。 「俺様だって、限界なのだ…。 本来ならば、もう少し時間を置いてから、楽しみたかったのだ が仕方が無い…人間達のリクエストだ。 おい、邪鬼1号! もう少し頑張るぞ! なんだ…パイ擦りくらいで、萎えているのか? 全く、どいつもこいつも使えん奴らばかりだ…まあいい、 とりあえず両手を伸ばし、磔にしておけ! それではまだ萎えて柔らかいが…入れさせてもらうぞ!」 赤鬼は萎えた肉棒を紅子の前からスルッと挿入した。 度重なる陵辱と昇天で紅子のヴァギナは入り易くなっているし、汗と精子が潤滑油にもなるため、 立って無くても、案外すんなり滑り込んだ。 「あふん! ああっ、また…入った〜! でも…柔らかい…これなら…耐えられそう…あん!」 赤鬼も消耗しているから…軽い刺激で済む…と考えたのは、紅子にしては甘かった。 鬼族の精力はそんなものではないし、紅子の肉体はそれ以上に魅力的であった。 紅子の意思と反対に、ヴァギナは肉棒をしっかり締め付けていった。 「ふっふっふ、中に入れていると…、締めで段々回復してくるぞ…どうだ、太くなって来たか?」 「ああっ、ドンドン大きく…あふん…長くなるうん! いや〜ん、元通りになる…あはあん!」 「よし、俺様が全快する前に…邪鬼1号…お前も入れるのだ。 今なら、簡単だぞ…」 「あひい! また…ああっ、前と後ろから2本入ってる〜! いやん、お願い…大きくならないで… あん、ああっ、あうう〜う! ああ〜あ! 太い、硬い、長い〜い、倍い〜ん、うひい〜い!」 陵辱が始まると、ジム内には淫靡なBGMが流れ出し、エアロビ第二ターンが開始された。 動きが加わると二本の肉棒は、ヴァギナの中で擦れ合いながらムクムク膨張し、奥まで入ってくる。  今度も紅子の足は地面から浮き上がり、肉棒で体重を支えられていた。 交互に、それも倍のリズムで、激しく子宮を突き上げられるだから、紅子も堪らず、あっという間に 絶頂に追い込まれてしまった。 「うっ、はあ〜あ! 足が浮いてる…ひい〜い! あっひい〜い、突くう! 凄いい〜ん! 奥がキュンキュンして…うう〜うっ、いくう、いくう〜う! ああっ、いっくう〜う! あっはん!」 「ふっふっふ、ブルブル震えながら昇天したな…。 だが、今回は何度も昇天してもらおう。 あちらの人質達まで 満足させねばならないし、2本入ると得意の締めも効果が弱いから、我々だって今までのように簡単には 射精はしないぞ。 さあどうだ…またいくのか? 我慢すると身体に良くないぞ…ふっふっふ」 完璧にいきり立った赤鬼達の肉棒攻撃は、通常の二倍の威力を発揮してしまう。 おまけに前後からヴァギナを広げられた状態なので、しっかり締めることが出来ないから、 赤鬼達は簡単に射精しない。 こうして紅子1人が、鬼族の間に挟まれ、何度も昇天していった。 「あっ、うん〜ん! こんなに大きく…いくう、広げられて…いくう、ああっ、いくう〜ん!(ガクガク) あう〜あ! まだ、凄い…あは〜ん、いやん、すぐにいっちゃう、いやん、いくう!」 昇天する度に、紅子は愛液をダラダラ流しながら、大きく身体を痙攣させる。 赤鬼達はBGMにあわせ、得意になって手足を動かし、スーツの袖、裾、そして肉棒を使って紅子に ダンスを躍らせていた。 隣の部屋では、相変わらず…このダンスは不評である。 「相変わらず、変なダンスよね!」 「それに、あのサウナスーツも不恰好ね…重りでも入っているのかしら? お似合いだけど…」 「なんか嫌らしいわね…まるでエッチしているみたいな顔で踊ってるわ。 あらあら、よだれを垂らして、 白目を剥いてる!」 「きっと、あんな顔して男をたぶらかしているのよ…あら、今度は上を向きながら、首を振って …満足そうじゃない…ほんとに嫌らしいわ!」 何度目かの昇天のとき…本当は身体を反らせたいのだが、サンドイッチでは首だけしか動かない …紅子の白い瞳に天窓から月が映った。 (ああっ、どうしよう…何度でも逝かされちゃう…。 あれっ、月が…もうそんな時間? それに何か感じる…いいえ、犯されてるからではなくて、もっと巨大な存在? あの時の月の…女神様なの? 月の女神様なら助けて! でも、そんなこと考えている閑が…今は人質に後ろから見られているし… また、感じてる…声も出ちゃう! ああっ、また…でも、あれっ、この動き方?) 紅子は半失神の中でダンスの動きが慣れた動作であることに気が付いた。 そう、紅天使フォルティアへの変身アクションと同じなのだ。 しかも、今は後ろ向きで、サウナスーツを着ているから…人間達には判らない。 そもそも今の紅子は絶頂寸前…何も考えられる状態ではないのだから、やはり「月の女神様」が 教えてくれたのかも知れない…とにかく、変身出来る最後のチャンスなのだ。 「ふっふっふ、今度は俺達も一緒に行けそうだ! 踊りながら、もちろん二本とも中に出すぞ…紅子!」  「あふう、いやん。 もうダメえ〜ん! 子宮がキュンキュン疼いてるうん…あん、あう〜う!  でも、今度は…本当に天使になるうっ〜!」 踊りは正面を向き両手を伸ばし、指を頭の左右のこめかみに当てていた。 「今だ…ティアラ・アップ! あっは〜ん! いくう!」 紅子が叫ぶと同時に額が輝き、正義のヒロインの象徴、ティアラリングが現れた。 続けて踊りは紅子の両手を胸の前でクロスさせ、右手を上に、左手を下に延ばした。 「いくう、いくう…ああっ、チェンジ! フォルティア〜ああん!」 スーツの中で真紅の光と純白の光が交差し、強化コスチュームが生成され、紅子は昇天しながら、 紅天使フォルティアに変身した。  (ドピュ!、ドピュッ!) 赤鬼達も絶頂を迎え射精…この瞬間の男はどんな変化が周りに起きても判らないほど、一つのことに 集中している。 このときの二人も残った精子を搾り出すように射精したため、変身に気付くことはなかった。 さて、どんな形であれ…フォルティアに変身すると、幾つものアイテムが自動的に装着される。 避妊効果のある正義の象徴ティアラ、高速で飛行可能な黄金のマント、そして体内の戦闘エネルギーを 十倍に増幅させるパワーブレス。 なによりも変身すると体内のエネルギー回路が変わり、人間と同じ能力の生活エネルギーから、数倍のパワーを 発揮する戦闘エネルギーを使うことが出来る。 戦闘エネルギーは空気中のイオンをコスモパンティから取り入れ、生成されるもので、強力なドーピング効果を 持っている。 現在はノーパン・・・コスモパンティだけは特殊なものなので、生成することは出来ない・・・だから、 エネルギー補充は出来ないが、消耗している赤鬼相手であれば、これだけで十分だ。 「あっ、ああん〜また中に…。 赤鬼! もう許さないわよ・・・トイヤ!」 眠るように射精の余韻…至福の時を味わっていた赤鬼と邪鬼は、不意に自分達の体が宙に浮いたように感じ、 目を開いて驚愕した。 なんと、サウナスーツの中で自分達が抱いているのは裸の紅子ではなく、強化コスチュームに身を固めた 紅天使フォルティアだ。 「げげっ、いつの間に・・・?」 フォルティアのジャンプで宙に浮き上がりながら、必死に萎えた肉棒を引き抜こうとしたのだが、 紅子より十倍以上の力で締められているから、ロックされたように動かない。 フォルティアは舞い上がると、近くの平均台にまたがるように落下し、固そうなその角に全体重を かけて股間を叩き付けた。 (ドスン!) 「ぎゃあああっ!」 「ぐっ、はああ! つぶれるっ!」 「ああん、奥に当たるっ!」 三人は其々、別の意味で叫んだが、フォルティアの甘い声以外は断末魔の悲鳴だ。 フォルティアは多少奥を突かれただけで・・・それも肉棒が萎えているから、先程までの威力は無い。 それに対して、鬼族達の睾丸は中身を放出し切って、縮み上がっている最も無防備な状態。 この一撃だけで…赤鬼達は口からブクブクと泡を吐きながら、完全に気を失ってしまった。 (ふう、逆転成功ね・・・でも、前を向いたらフォルティアに入れ替わっていることが、さくらさん 達にバレてしまう。 そうね、ここは後ろ向きでしばらくダンスを続けましょう。) そこからのフォルティアのダンスは、ダンスではなく、オリンピックレベルの体操競技の床運動である。 「あっ、空中回転、一回ひねり・・・凄い!」 「あんなサウナスーツを着ながら・・・あんなに身軽に・・・あの人は一体!」 本当はサウナスーツだけでなく、二人の鬼も同衾しているのに・・・身軽なのだ。 目の当たりに大技を次々に繰り広げると、次第に隣の部屋の嫉妬はあらぬ疑問に変わっていった。 「何・・・あの人、ダイエットに来たのではなく、体操の練習に来たの?」 「だから、特別コースなの? なんなのそれ・・・大体、目的が全然違うじゃない?」 紅子の美への嫉妬はなくなったのだが、今度は能力への嫉妬が芽生えたのかもしれない。 ただ、この種の嫉妬は・・・素質やセンスの問題なので・・・同じ土俵に乗ることが無ければ、 「自分には他に優れた部分がある」と開き直れる。 だから、余り腹は立たないし、表立って文句を言えるものではない。 そこで…抗議出来るとすれば、体操競技の練習と一般のエアロビを混同させたジムの教育方針だけである。 「体操の選手と一緒にトレーニングさせられても、迷惑よ! あれでは筋肉ついちゃうわ。 私達は脂肪を落としたいだけで、筋肉質になるのはごめんよ・・・!」 「全く、このジムは方針がなってないわ! もう私退会します・・・帰るわ!」 ぞろぞろと女性達が帰ろうとしたとき、邪鬼3号が立ち塞がった。 「待て・・・お前達を帰すわけにはいかん! あっ、なっ、なんだ、全員で・・・卑怯だぞ!」 立ち塞がった迄は良いが、1対多数・・・しかも気合の入り方が全然違う。 「何が『帰すわけには・・・』はよ! やっていることが滅茶苦茶だから、止めるのよ!」 「そうよ、滅茶苦茶だわ! 大体、なにが気合のビンタよ・・・冗談じゃないわ!」 「そうだわ・・・さっきはよくも殴ってくれたわね! 倍にして返してあげましょうか?」 「ちょっと来なさいよ! 貴方にも気合を入れてあげるわ・・・お返しよ!」 十数人の女性に囲まれては、邪鬼3号一人ではどうしようもない。 大きな波に飲まれる砂の城のように、たちまち崩され、押し流されてしまった。 「あれっ、私が助けもしないのに・・・邪鬼がみんなに連れられて、着替え室の方に・・・これでは袋叩きになるわね。  さくらさんまであんな怖い顔して・・・。 本当にあの人達は人質だったのかしら・・・まあ、いいわ、これで解決ね♪」 全員が隣の部屋から着替え室に移ったことを確認したフォルティアは、サウナスーツを脱ぎ捨てると、 残った赤鬼達が出られないように、ファスナーでしっかり閉じ込めてしまった。  「一丁上がりね♪ あれっ、音は聞えないけど、邪鬼一人をやっつけるにしては、凄い気配を感じる・・・ 着替え室の方だわ…他に何かあったのかしら?」 無傷の邪鬼はとっくに逃走しているはずでこれ以上の危険は無い…安心したフォルティアは変身を解き、 紅子の姿に戻った。 相変わらずノーパンなので…ミニスカートにはなれないため…慣れないスウエット姿だが…。 「紅子先生! 荷物を持って来たので、着替えは後にして・・・帰りますよ! あっ、着替えてる! とにかく…早くしないと警察が大勢来ちゃうので、面倒ですよ!」 着替えを簡単に済ませたさくらが、ランニングコースから呼びかけた。 人質になっていたことには気付いて無いはずだし、なんで警察沙汰になるのだろうか?・・・と紅子は考えたのだが、 警察の事情聴取も面倒である。  失神している鬼族達をほったらかしていくのは残念だが、警察が来れば問題にするだろう。 スウエット姿のまま、さくらと連れ立って外階段を降りようとしたとき、表に何台ものパトカーが 到着していた。 「さくらさん、なんで警察が来たの? みんな人質に取られたことを知っていたの・・・?  それに先程の殺気は…邪鬼一人やっつけるには凄過ぎたようだけど…?」 紅子の疑問は、階段を駆け上がってくる警官が、さくらに質問することで全て解明した。 「ああっ、お帰りですか? 着替え室に忍び込んだ痴漢は中ですね?」 さくらはかかわりを最小限に留める為、自分は被害が無いことを示しながら警官に説明した。 「はい、私達がエアロビをしているときに、着替え目当てで忍び込んだみたいですよ。 今もみんなに見張られて、着替え室に立てこもっています。 というより、さっき鬼装束の インストラクターと一緒に、女性陣から袋叩きになったから逃げ込んだという方が正しいかな?   あっ、それから男はなんでも、『自分は私立探偵の風下だ・・・これは何かの誤解だ! 僕はこのジムを調査に… 奴隷になった君達を助けに来たのだ!』と言い張っているのですが、嫌らしい顔をしていて、 とても信じられません。」 警官は風下という名前に心当たりがあるらしく、あきれたように首を振った。 「また、アクノ企画の風下所長か・・・。 全く、面倒ばかり起こして・・・ それで、痴漢か下着泥棒の証拠か現場を押さえたのですか?」 「ええ、着替え室に入ろうとしたところを捕まえました。 それで、これがジムから盗んだ証拠品だと言って、 取り出したのが…書いてもいない私達のサインが入った奴隷契約書の束…そう、紅子先生のだけ、 特大の紅いキスマークがベッタリついてましたよ!  大体、私達が奴隷契約なんてジムと 結ぶはずもないから…絶対あの男の偽造ですよ。 きっと超マニアックな変態ですね。  私は被害無いので帰りますけど、ああいう男は捕まえてきちんと取り調べして下さいね。」 「それが・・・風下所長は痴漢の常習者ではないのです。 変態と言えばそうなのかも知れませんが・・・。  契約書の偽造ね…これも何かの間違いでしょう? それに・・・悪くても軽犯罪ですよ。」 「えっ、軽犯罪? それだと、罰金か執行猶予付きの懲役で済むのですか? 甘いですよ・・・ 死刑にする必要はないけれど・・・なんで、『島流し』とか『市中引き回しの上で百叩き』とかないのですか?  これだから、人間・・・とくに男は堕落しちゃうのです。 とにかく、女性の敵は人間の敵ですから、 しっかりやって下さいね! それではよろしくお願いします。」 (名探偵の風下さんもとんだ災難ね! でも・・・地球はまだまだ平和な星なのだ・・・そして、人間全てが 駄目なわけではない。 特にこうした女性の強さや厳しさが男を鍛え、案外…堕落による未来の危機を 阻止することになるのかもしれない・・・) 男の警官を叱咤するさくらの姿に、紅子は苦笑しながら、安堵を覚えた。 そして決意を新たにすると、夜空の月を見上げて心に誓うのだった。 「男も女も・・・全ての人間が真の心の強さを取り戻す日まで、私は・・・紅天使フォルティアは 地球の平和を守り続けるわ!」 今夜も、月はフォルティアの活躍を称えるように夜空に浮かび、その光で紅子を癒すように優しく照らしていた。 ***完