平成14年7月5日・初版

流星天使ラスキア・「奇々怪々、悪夢のオフ会」/AK−3・著 (ヒロイン原案:悪の司令官)

 ここは都内某所。木野原の主催するサイトのオフ会が開催されている。主催の木野原はもちろん、綿辺、風下も参加している。 その他に常連の夏井つばさ、遠く山形から宇治田真面目も参加していた。風下は仕事を奈緒美に押し付けて参加したので、 後々もめごとにならなければよいのだが…。 「もう、所長ったら、仕事を押し付けて木野原さんのとこへ行っちゃうんだから…」 やはり、奈緒美は泣きが入りながらの仕事になっていた。 1次会が終わり2次会のカラオケ大会へ移動するため店を出た。 ”プルルルル…” 綿辺の携帯が鳴った。 「あ、真理からだ…。もしもし、ん?あぁ、これから2次会のカラオケだよ。あ、そう、じゃあ待ってるからね」 木野原が綿辺の電話の相手を聞いた。 「おい、だれからだい?なんかオンナの声が聞こえたけど…」 「ん?あぁ。真理からさ。いま渋谷まで来てるから、合流するって。野郎ばっかりじゃ、しょうがないから、いいよね?」 「おい、真理ってだれだよ?」 宇治田は女っ気のない綿辺に疑問をいだいた。しかし、木野原が間髪入れずに答えた。 「あ、宇治田には言っていなかったっけ?綿辺のところに従姉妹の女の子が下宿しているの。メッチャかわいいよ」 「あ、じゃあお楽しみだねぇ」 そんな会話が続いているといつのまにか真理が現れていた。 「おにいちゃん!」 「あ、真理。おまえ渋谷にいたんだろ?ずいぶん早いなぁ。空でも飛んできたのか?」 「ウフフフ…。そうかもね。でも、もしそうならどうなの?」 2人のたわいもない会話にまわりはあきれ返っていた。宇治田が思わず綿辺に言う。 「おいおい、お二人さん、こんなところでけんかしないの」 そうこう言いながら、2次会のカラオケボックスに到着した。 綿辺がロビーの張り紙をみてつぶやいた。 「へぇー、ここではワールドカップの日本戦も見られるんだ。そういえば、今日がそうだったな」」 ボックスのロビー張り紙には …本日、全室予約済み満室のため、ロビーに臨時のモニターを設置します。どうぞご観戦ください。ガンバレ!ニッポン!… と書いてあった。 主催者の木野原が受付で名前を告げた。 「予約をした木野原ですが…」 「はい、木野原様ですね。あのう、本館が満室なので別館になってしまいますが、よろしいでしょうか?」 「別館ですか?たしかここのすぐウラですよね?それならOKですが」 別館に通されるオフ会参加者+真理たちは別館に通された。なぜか別館は薄暗いへんな雰囲気であった。 「おにいちゃん、このボックス、雰囲気が変じゃない?なんかいやな予感がするの」 別館を見た真理は不吉な予感に襲われた。 そんなことはおかまいなしに風下、夏井、宇治田、そして主催者の木野原は別館に入っていった。 ここで帰っても仕方がないので綿辺は真理を説得した。真理も渋々別館に入った。 「おい、次、綿辺だろ?999だぞ」 「♪汽車はぁ、闇をぬぅーけて、ひかぁりのうぅみへ〜…」 2次会は紅一点の真理が来たことによっていつものカラオケよりも盛り上がっていた。 「あ、いたたたた…。ごめん。ちょっとトイレ」 そんな最中、綿辺がトイレに出た。綿辺は前日から腹を壊していて、彼はカラオケどころではなかった。 木野原のリクエストした曲がかかるが画面が突然変わった。 「おい、また俺の番で、バグかよ。勘弁してくれよ」 画面には邪鬼の姿が映り、メッセージが流れた。 「ようこそ、邪悪の館へ。あなたが本日最初の訪問者だ。お礼として特別サービスをしよう。ここにいる人はモニターをよくご覧あれ。 きっといいことがおきるぞ。」 モニターから怪しげな光が放たれた。トイレに立った綿辺、そして真理以外の全員が邪鬼の催眠術にかかった。 「この部屋にいる、お嬢さん。あなたのお兄さんは、私たちが預かった。無事帰してほしければラスキアを呼んで王位継承のベルトを 持って来い!いいな」 画面の邪鬼は画面に写っている邪鬼はまるで様子がわかるかのように真理を名指しし、綿辺を誘拐したと告げた。 「おにいちゃん、私が行くまで待っていてね」 真理は綿辺を助け出すためにボックスを飛び出した。そして、邪鬼に操られた風下、夏井、宇治田、木野原は真理を追い掛ける。 カラオケボックスの非常階段を駈け上がり屋上に出ようとするが扉には鍵がかかっていた。 「あ、鍵が…。でも、いまなら平気よね。私の正体がばれても。私が本気になれば、こんなドアなんか…」 真理は追い詰められたが、真理は木野原たちが正気ではないことを悟り踊り場の扉を蹴破った。 「よーし、ティアラアップ!チェンジ・ラスキア!」 難を逃れた真理は木野原たちの目の前でラスキアに変身した。邪鬼にあやつられた木野原たちはラスキアに襲いかかるが、 ラスキアは間一髪、ジャンプして難を逃れた。 真理たちとは入れ替わりに奈緒美と紅子がカラオケボックスに入った。 「もう、所長ったら、仕事を放り出して木野原さんのオフ会になんて出かけちゃうんだから…。もう、知らないわよ。 紅子さん、思い切り歌っちゃいましょう!」 「そうね。たまにはハメをはずさないと…。」 真理が歌おうとしたとき、突然モニターの画像が変わった。 「紅子さん、あれ、あれ!ラスキアじゃない?」 奈緒美と紅子はモニターを食い入るように見つめていた。 モニターにはラスキアが邪鬼に襲われている画像が映し出されていた。 「紅子さん、大変。助けに行かないと…」 「奈緒美さん、彼女は大丈夫よ。いまは見ていましょう。彼女には味方になる人がいるわ」 紅子は、飛び出そうとする奈緒美を説得した。 奈緒美、紅子たちのいる部屋以外でもラスキアの姿がモニターに映しだされていた。 「おい、モニターになにかうつっているぞ?」 「なんだ?あれは?新しい戦隊シリーズの宣伝か?」 ボックスのロビーに設置された大型モニターにも黒山の人だかりができていた。 モニターの画面がサッカーの中継から突然、変わってしまった。 「おい、いきなりCMか?」 そこには、邪鬼たちに囲まれ、いたぶられているラスキアの姿が映しだされていた。 「おい、この画像CMじゃないぞ!」 「女が輪姦されているぞ!新しい戦隊ヒロインみたいだ」 「なんか、こっちの方がおもしろそうだな。もう少し見ていくか」 真理が変身をしたラスキアは邪鬼のいるアジトへ。邪鬼に操られた木野原、夏井、宇治田、風下の4人がラスキアに襲いかかる。 邪鬼と化した4人は次々と襲いかかるが、ラスキアの怪力に歯がたたなかった。しかし、邪鬼にあやつられた木野原たち4人は すぐに起き上がり、ラスキアに襲い掛かった。 「なによ。この人たち…ダメージが全然ないわ」 ラスキアは邪鬼に操られているとはいえ、綿辺の親友たちに本気をだすのためらってしまい、パワーが半減しているのであった。 邪鬼たちに阻まれながらもアジトの奥にたどりついたラスキア。 「あ、おにいちゃん!」 ラスキアは綿辺の姿を見つけた。鉄格子の中の綿辺はロープで縛り上げられ、気を失っていた。ラスキアが綿辺を助け出そうと、 鉄格子を掴んだ瞬間、パワーベルトが火を噴き外れてしまった。ラスキアに身体に大電流が流れると、装着者の身を守るため、 パワーベルトから大気中に放電され、ベルトがはずれてしまうのであった。邪鬼たちはすでに、ラスキアのパワーベルトの秘密を つかんでいるのであった。 「あ、いたい!べ、ベルトが…」 パワーを失ったラスキアはその場にしゃがみこんでしまった。爆音で気が付いた木野原邪鬼がラスキアに襲いかかる。 「へっへっへ。相変わらずカワイイ顔の割りにはムチムチのボディーをしているな。きょうは4人がかりでたっぷり味合わせてもらうぞ」 「4人がかりだなんて卑怯なのね。いいわ、かかってらっしゃい!」 「あいかわらず、気の強いお嬢さんだな。しょうがない、みんなでヤッテしまうか。そうだ、一つだけいいことを教えてやるぞ。 おまえの今の姿は、さっきのカラオケボックスに全館リアルタイム中継をしているぞ。さあ、恥ずかしい姿を皆に見せるがいいさ!」 「な、なんですって!」 自分の姿が邪鬼以外の人々にも見られている事実を知り、思わず動きが止まってしまったラスキア。 その間に木野原邪鬼は残りの風下、夏井、宇治田邪鬼に指示を出しラスキアに襲い掛かった。3人がかりでラスキアの手足を押さえ込んだ。 そこへ木野原邪鬼が襲い掛かる。 パワーを失ったラスキアは木野原邪鬼になすがままにされていた。 木野原邪鬼はラスキアのコスチュームに手を掛けた。コスチュームは破れ豊かな胸元があらわになる。 「へっへっへっへ。なんてハリのあるオッパイだ。寝ていても上を向いているぞ」 木野原邪鬼、宇治田邪鬼はラスキアの胸をもみだした。 「すげぇ。こんな弾力のあるオッパイははじめてだぜ」 「ミレイヤと違って若いから弾力があるなぁ指で押すと弾き返してくるぜ!」 ラスキアは2人の邪鬼に胸をもまれ、思わず声を出してしまった。 「い、いやぁん。や、やめて。木野原さん、宇治田さん!なにをするの!」 「いいねぇ。その困惑した顔。まるで、フカ○○ンみたいだぜ!おっと、そういえば、きょうはW杯の日本戦があるから、 あそこのボックスに大型モニターが設置してあるんだったな。いまごろはおまえの、そのキレイな裸体も画面に大写しになっているさ。 おおぉぉー!それだけでも興奮してきたぜ!」 木野原邪鬼はパンツを脱ぎ、そそりたつ肉棒をラスキアの顔に押し付けた。 「へっへっへ。どうだ、俺様の息子は。こんなものは、なかなかお目にかかれないぞ!」 「い、いやぁ!木野原さんやめて!」 ラスキアの悲鳴も快感に聞こえるのかさらに肉棒を押し付けていた。 「さあ、こいつをしゃぶるんだよ!ほら、くわえるんだ!」 ラスキアは木野原邪鬼のそそりたつ肉棒に顔をそむけた。 「この野郎!おれさまの息子がいやだと?ほら、なめるんだよ!」 「い、いやぁ!木野原さん!や、やめて!」 「てめぇ、やさしく扱っていれば、いい気になりやがって。こうしてやる!」 木野原邪鬼はさらにコスチュームを破り、ラスキアは全裸になってしまった。 「へっへっへっへっへ…。この童顔に熟しきった裸体は反則だぜ。もう我慢できねえよ!」 ラスキアの若々しい成熟した裸体を見て、宇治田、夏井が化けた邪鬼がラスキアの胸に手を出そうとしたとき、木野原邪鬼は なにやら宇宙語でどなっていた。 「φζτ%$#**※σψÅ&%##+?Ψёфюй!!!」 すると、宇治田邪鬼が突然暴れ出し、近くにあったドラム缶を木野原邪鬼に投げつけた。 さらに、風下が化けている邪鬼が木野原邪鬼に殴りかかった。さらに夏井、宇治田の化けた邪鬼は風下邪鬼に襲い掛かっていった。 邪鬼たちの仲間割れである。 ちなみに木野原邪鬼の言った宇宙語を約せば 「風下と宇治田はラスキアを押さえていろ!そのあいだに俺たちは、ラスキアのあそこに挿入するぞ」 …ということである。 この邪鬼たちの大騒ぎで綿辺が気をとりもどした。 「…ん?な、なんだ?この大騒ぎは?」 まず綿辺の目に入った光景は木野原邪気がいまにもラスキアに肉棒を挿入しようとしているときであった。 「あ、あぁぁ〜!ラスキアが!き、木野原ぁ〜!てめぇ、なにやってるんだぁぁぁ!」 綿辺は鉄格子に顔を突っ込み大声を張り上げた。綿辺は目の前の鉄格子を良く見ると歪んで身体が出られる隙間になっていた。 「あ、このぐらいならなんとか通れるかな?最近、血糖値が上がり気味だから、メシをセーブして体重を減らしたからな…。 こんなところで役に立つとはな…」 ラスキアの怪力で鉄格子が歪んだあと、パワーベルトが外れていたので、綿辺は鉄格子から脱出をすることができた。 「風下!このやろう!なにやってんだ!」 鉄格子から出た綿辺は近くにいる風下邪鬼に頭突きをかました。風下邪鬼はもんどりうって倒れたが、すぐに起き上がった。 「くそ!邪鬼に化けてやがるから、ダメージがないみたいだな。木野原!おまえもだ!」 綿辺は木野原邪鬼に体当たりをしたが全く通じていなかった。木野原邪鬼は綿辺をつかみあげ放り投げた。 「うわぁ、いてぇ!なにしやがる!」 綿辺は木野原ミレイヤをいたぶっていた光景を思い出し嫉妬心を抱き始めていた。さらに木野原にされたい放題のラスキアの姿を見て 綿辺に怒りがこみあげてきた。 「このやろう、ミレイヤに続いてラスキアまで手篭めにするとは…。やきもちが焼けるぜ!この野郎!てめえだけ いい思いするんじゃねぇ!」 綿辺はそう、怒鳴りながら木野原に体当たりをする。しかし、木野原邪鬼は身をかわし、綿辺はもんどりうってしまった。 「うわぁ!」 しかし、うまいことに綿辺が倒れた場所ににラスキアのパワーベルトが転がってた。邪鬼たちは仲間割れをしているうちに、 パワーベルトのことなど頭から消えて、放り出していたのであった。 「あ、これは…。ラスキアのパワーベルト。こいつをラスキアに渡さないと…」 綿辺は起き上がりパワーベルトを蹴った。邪鬼たちが乱闘の乱闘で身体が自由になったラスキアがベルトをキャッチした。 「ラスキア、パワーベルトだ。早く身に付けて!」 綿辺が叫ぶとと同時に背後から宇治田邪鬼がつかみかかってきた。 「うわぁぁぁぁぁぁ!」 宇治田邪鬼につかみあげられた綿辺は、放り投げられ壁に激突してしまった。 「う、いてぇ…」 綿場はその場で気を失ってしまった。 綿辺からパワーベルトを受取り、身に付けたラスキアのパワーがみるみるうちに復活した。 「あなたたち!知り合いだと思って手加減をしたら、いい気になって!知り合いでも、邪鬼に化ければもう、手加減なんかしないわよ!」 パワーが復活したラスキアにとっては4人の邪鬼をたおすのに時間は必要なかった。 最後にラスキアは木野原邪鬼をつかみあげ、思い切り壁に叩きつけた。 「私だけならともかく、ミレイヤにまで手を出す木野原さんなんて、最低!」 ラスキアは壁に頭を打ち付け気を失った木野原に「アッカンベー」をした。 ”ドン!” ラスキアたちのいる部屋の奥から木野原たちを操っていた邪鬼がでてきた。 「はっはっは。相変わらず元気のいいお嬢さんだな」 そういうと邪鬼はラスキアに飛び掛ってきた。 しかし、パワーベルトを取り戻し、復活をした彼女にとって、邪鬼を倒すのは赤ん坊をあやすのに等しいぐらいのことだった。 「あなたね。木野原さんたちを操っていたのは。それに、お兄ちゃんをこんな目にあわせて!絶対許せない!」 ラスキアは、そう叫びながら、邪鬼の角をつかみ、投げ飛ばした。 邪鬼は部屋の奥のブースに激突した。 「くそ!退散だ。覚えてろ。必ず借りは返すからな!」 邪鬼はそう捨てゼリフを残すと消えてしまった。木野原、風下、夏井、宇治田の4人はもとの人間の姿にもどっていた。 邪鬼が出てきたブースの中には音響設備や、多くのモニターが並んでいた。邪鬼はここから、ボックスへ映像を送っていたのだ。 「これね。私たちの映像を送っていたのは。こんなもの壊してやるわ」 音響設備の制御盤にパンチを入れたラスキア。制御盤から火が噴出した。 「これで、終わりよ。さあ、お兄ちゃんを助けないと…」 ラスキアは気を失っている綿辺にかけより、ロープをほどいた。 「お兄ちゃん、だいじょうぶ!私のために、こんなにケガをして…」 ラスキアは綿辺をギュッと抱きしめた。ラスキアの豊かな胸が綿辺の顔を押し付けたとき、綿辺は気をとりもどした。 綿辺の目の前にはラスキアの巨大な胸の膨らみがあった。 「あ、ラスキア。なんで君がここに?そんなことより、真理!真理はどうした?」 「綿辺さん。真理さんは無事ですよ。もう、みんなのところへ戻っていますよ」 「な、なんで君が真理のことを知っているの?」 「え?ま、真理さんとは親友なんです。私。それより、綿辺さん。さっきからどこをじっと見ているんですか?」 綿辺はラスキアの胸のふくらみに目がクギ付けになっていたのであった。 「え?あ、あの…」 綿辺は返事に困っていた。 「しかし、なんてデカイ胸だ…」 綿場は心の中でつぶやいていた。しかし、それがラスキアにわかってしまったようだ。 「もう!綿辺さんって、ヘンタイですか?」 ”パシッ!” ラスキアは綿辺に平手打ちを浴びせた。 「い、いて!…」 ラスキアの平手打ちのあまりの痛さに綿辺は、気を失ってしまった。 「あ、お兄ちゃん、ごめんね。でも、しょうがないかな。さぁ、早くここを出ないと…」 ラスキアは綿辺を抱きかかえた。 「エイ!」 ラスキアが部屋の壁を蹴破り、外へ飛び出した。 「ここは…。ボックスの屋上なのね」 ラスキアは綿辺を抱え、地上に飛び降りた。日の暮れた公園の木陰である。 「さぁ、もとにもどらないと…。お兄ちゃんが目を覚ますわ」 ラスキアが真理の姿に戻ったとき、綿辺が目を覚ました。 「…ん?ここは…。あ、真理。おれ、どうしたんだ?」 「あ、お兄ちゃん。よかった。無事で…」 「無事?おれなにかエライ目に遭ったのか?」 「…うん。でも、だいじょうぶだからよかった。お兄ちゃんって、やるときは、やるのね。見直しちゃった」 「やるときは、やるって?そういえば、便所に行ったときに大きな男に首を締められて…。それから、ラスキアが木野原にヤラレそうに…。 あ、そういえば、木野原たちは、どこに行ったんだ?」 「木野原さんたちはどこへ行ったのかしら?私がここを通ったらお兄ちゃんが倒れていたのよ」」 「あ、ラスキアがピンチになったとき、おれが助けたんだ!でも、なんでそれをおまえが知っているの? まるで、そばで見ていたみたいだな」 そのときである。木野原たちが綿辺と真理の姿を見つけ、駆け寄ってきた。 「お〜い!綿辺〜!真理ちゃ〜ん!」 4人は顔にアオアザができ、服はボロボロ、風下は足を引きずっていた。 「おい、おまえら、なんだ?その格好は?」 綿辺が木野原を指差し、笑っていた。 「いやぁ、気がついたら、ボックスの中がメチャクチャになっていて、おれたちはこんなになっていたんだ」 お互いを指差して大笑いしているところに、奈緒美と紅子が通りかかった。 「あ、奈緒美さんと、紅子先輩!」 真理が二人を見つけた。 「あ、いたいた。真理ちゃん、かっこいいお兄ちゃんがいて、うらやましいわね。それに比べて、うちの所長は仕事を放り出して 遊びにいっちゃうんだから…。いい気味よ!」 奈緒美はそう言うと、風下の腕をつねった。 「うわぁ、痛ってぇー!」 「この、ヘンタイ野郎!」 紅子は初対面の木野原にいきなり平手打ちを浴びせた。 「痛ってぇ!な、なんでおれが初対面の女性に殴られなきゃいけないんだ?」 訳が分からないまま、頬をさする木野原。 木野原にお仕置きをした奈緒美と紅子は振り返りながら、真理にウインクをした。 彼女たちの真意を知り、思わず笑みをこぼす真理であった。 ***完