平成16年12月29日・初版 MonkeyBanana2.Com Free Counter

ティアラヒロインSP「三人の性隷天使・第2部:ラスキア編」第1章「出会い」/妄想博士・著

どんよりと曇った灰色の空、じめじめと湿った空気、気分が滅入るような一日の始まり。 そんな朝にもかかわらず、元気一杯でアクノ企画の扉を開いたのは、星流奈だ。 流奈はアクノ企画でアルバイトをしている体育大の女子大生である。 「おはようございま〜す! …あれっ、誰も居ない?」 今日は流奈の出勤日になっているはずなのだが、事務所には誰も居ない。 不思議に思った流奈は事務所の中を見渡した。 アクノ企画&風下探偵事務所は社員二人の零細企業。 所長の風下は二日酔いのため重役出勤が多いのだが、それでもやっていけるのは、所長の助手であり、優秀な社員であり、 職場の華(この規模の会社には不釣合いなほど美しい)でもある鈴谷聖美の活躍があるからだ。 聖美の場合、その素行や勤務態度からして遅刻するとは思えない。 「う〜ん、こんなときはいつも連絡してくれるのに…忘れてるのかな?」 聖美の机の上を見る限り、資料が置かれたままになっていて、遅刻というより、取材に出かけてしまったようにも思える。 不審に思った流奈は、聖美の机を更に調べた。風下が書いた一枚のメモがある。 「飲み会なので外出。多分直帰する。尚、明日は多分午後より。 所長」 無論、昨日の日付。それも随分早い時間に書かれたもののようで、聖美も確認しているようだった。 「何が多分よっ! もう、聖美先輩ばかり働かせて、これなんだもの! 全く、いい御身分だわ…」 いつものことだが…呆れた流奈は次に風下の机の上を調べた。 風下の机の上には聖美のメモが残っていた 「明日は流奈さんが来るので、今夜の内に誠望大学様の依頼について取材に行きます。 今夜は遅くなるかもしれませんが、必ず戻ります。 聖美」 「おかしいな…メモからすると私が来ることを忘れてはいないのに…? それに聖美先輩、昨夜からまだ戻ってないということ…?  う〜ん、何かおかしいな〜?」  携帯に電話をしてみたが先方圏外で繋がらない。風下に連絡したところで二日酔いで頼りになるはずもない。 ただ聖美のことだから身の上に何か起こったとは考えにくい。 単なる考え過ぎ。ちょっとそこまで離席しているのかも知れない…と流奈は聖美の机に座り、待ってみることにした。  机に置かれた資料は分厚い本で、いくつかのページにインデックスが貼られている。 聖美が貼ったもののようだから、このページの内容を調べる依頼を受けているに違いない。 「へえっ、『日本本土決戦』。聖美先輩、今はこんなことを調べているのか…。このインデックス…特に目立つわね。 どんなことが書いてあるのかな?何々…日本軍は大戦末期、東京防衛の秘密基地として、東京新火山島を透明化…えっ、まさか…聖美さん?」  島の下りを読んだ流奈は、嫌な予感を覚え、聖美の遅刻と大きな関係があるに違いないと直感した。 秘密基地、島という文字の組み合わせは、夜盗鬼族のアジト…鬼ヶ島を連想させるのに十分な響きを持っている。 心配になった流奈は精神を集中し、サイコメトリー(過去再現)を行った。 サイコメトリーは、過去に部屋で起こったことを(例えば、置かれている花瓶の目を通して…)再現する超能力の一種である。 プロ将棋や囲碁は投了時点から逆に棋譜を再現することも出来るから、物の配置、ゴミやメモの位置からの推理とも考えられてはいるが、 サイコメトリー=超能力の是非は今の場合どちらでも良い。  流奈の頭の中には、昨日の晩からの部屋の映像が映し出された。 夕方、帰ってきた聖美は、風下からのメモを確認するとブツブツ文句を言いながら、手にもった資料を開き、 気になる部分にインデックスを貼っている。 鬼ヶ島のページには特に目立つインデックスを…。 一通り作業が済むと、風下の机にメモを残し、準備もそこそこに外出しようとした。 そして、おもむろに苦笑すると…なんとミレイヤに変身して外出していったのだ。 細かい違いはあるのだが、ほぼ完璧に再現された流奈の映像はここで終了した。 「苦笑したということは、戦闘以外の目的でスーパーパワーを使うということだし、変身したと言うことは、 現場までの交通手段が無いということ…。 取材は東京新火山島しかあり得ないし、朝になっても戻らないということは…大変だ!  もしかすると聖美先輩…いえっ、ミレイヤは単身鬼ヶ島に乗り込んだ?!」  島が鬼ヶ島なら、そして夜盗鬼族が絡んでいるのなら、聖美…ミレイヤの身の上は絶対安心とは云えなくなる。 ミレイヤが鬼族との直接戦闘でひけをとるようなことはないが、何せ相手は卑怯者で手段を選ばない。 今までの戦闘経過においても、鬼族の罠にはまりミレイヤがピンチに落ちたことは度々あるのだ。 ましてや、今回の島が本当に鬼ヶ島なら間違いなくアジト…どんな罠が待ち受けていても不思議では無い。  自分に連絡が無かったことも気になる要素である。 秘密基地、島という文字の組み合わせに惹かれたのはティアラヒロインなら当然だが、机の上の状態からも判るように、 ミレイヤの行動は気軽で突発的。つまりは思い付きの行動なのである。 アジトと判っていれば、ラスキアにサポートを頼むのが普通だから、これはミレイヤの目的が、対敵戦闘ではなく、 偵察行動であることを意味する。 卑怯者の巣窟に単身偵察に乗り込み、意に反して深入りするはめになったら…。 鬼族にとって千載一遇のチャンスになるかもしれない。 油断をしてはいないだろうし、鬼族程度の相手に簡単に捕まるミレイヤではないと思うが、未だに戻って来ていないのが現状なのだ。  流奈は罠にはまってもがくミレイヤの姿を想像すると、居ても立ってもいられなくなった。 もしミレイヤが敗北していたら、その後真っ先に行われることは一つ…陵辱しかない。 「はっ、早く助けに行かなくちゃ! でも…島の場所は東京湾の何処?  それに…そう…こんなときこそ冷静に考える必要があるって、風下所長が良く言ってたわね。」  たまには、風下もいいことを言う。 流奈は一度構えた変身ポーズを解いて、冷静に考えた。 もしミレイヤが捕らえられていたら、当然鬼族は妹分の自分…ラスキアが救出に来ると待ち構えているはずだ。 つまり奇襲攻撃の可能性は低い。 しかも、ミレイヤを盾にされてしまうと、下手に手を出せない恐れすらある。 いくらスーパーパワーに自信があっても単身正攻法だけで、どんな罠を仕掛け、人質を取っているかも判らない敵のアジトへ 殴り込んでいくのは短慮過ぎる。 そうかといって、風下を始めとする人間の力を借りることは出来ない。 鬼族が相手では人間の手に負える問題では無いし、そもそも聖美や流奈の正体がバレてしまう。 「とりあえず、風下所長には聖美さんの失踪は秘密にしないと…。でも、その後は…うう〜ん、どうしよう…?」  両手を机について弱り果てていた流奈の真下で、突然、電話が着信を示すメロディを流した。 「もう! こんなときに電話なんて…所長かもしれない…」  受話器から風下の声が聞こえた時のため、聖美失踪の言い訳を考えながら、流奈は電話を取った。 「はい、アクノ企画です。もしもし、所長ですか?」 「もしもし、私は昨日調査を依頼させて頂きました誠望女子大の宇宙物理学研究室ですが…鈴谷さんはいらっしゃいますか?」  風下の声を予想していた流奈は、透き通った若い女性の声に唖然としたが、相手は数少ないクライアントだ。 例え、バイトの身とは言え、大事にしないといけない。 「あっ、それは…失礼しました…。そっ、そう、いつもお世話になります。 あいにく聖美さん…いっ、いえ、鈴谷は外出してしまっていて…」 「うふふっ、貴方は新入社員? それともバイトの学生さんですか? そんなにびっくりしなくても大丈夫… いつもの電話応対でいいですよ。鈴谷さんに連絡はつきますか?」 (とても親切な人…同時になぜかとても親近感を感じる…人間にもこんな人がいるなんて…)  流奈は安堵すると共に、聖美に連絡がつかない真の理由を説明したくなっていた。ただ、もちろん口には出せない。 「すいません! 今はどうしても連絡がつきません…あっ、私はバイトなので…」  いくら大事なクライアントでも、今は相手をしている余裕がない。流奈は早々に電話を切ろうとした…が。 「取れないですか…残念です。ところで、貴方はもしかして…。私…誠望女子大の萩原紅子と云います… 人間とは違う何かを感じませんか?」 「えっ、紅子さん…。人間とは違う何か…感じます…凄く…。私と似た…いえっ、同じ宇宙の正義…」 「うふっ、聖美さんと同じだわ…良かった! 昨日聖美さんとゆっくりお話出来なくて、また電話したのだけれど、 不在ならば仕方ないわ。ただ、貴方とも是非お会いしたいわ。近くまで来ているので、もしよかったら、これからどこかで会いませんか?  少し込み入った話になるかも知れないけど、ケーキくらいならご馳走しますよ…あれっ、まだ午前中ね」  紅子がもしもティアラヒロインなら、風下の何万倍も頼りになる。 流奈は電話の相手が風下所長で無かったことを心の底から神に感謝していた。 「もっ、もちろん、すぐに行きます! 私の名前は流奈…星流奈です! こちらからも相談したいことが…あっ、何処に行けば?  それに人間の姿で会うのだから、判らないといけないので…どんな格好をしてますか?」 「良かった。それでは、駅前ホテルのコーヒーショップで待ってます。きっとオーラで初対面でも判ると思うけど… ウエイトレスに名前を言って貰えればいいですよ。それでは後で…」  挨拶もそこそこに受話器を置いた流奈は、資料を持つと脱兎のごとく事務所を後にした。 誰も居なくなった事務所には風下宛のメモが一枚残されている。 「急な取材が入ったようで、聖美さんを手伝いに出かけます。何日か留守にするかもしれないし、 連絡が取れなくなりますが、二人一緒なので心配しないで下さいね。それより、溜まった仕事をよろしくお願いします。 たまには…しっかり仕事しろっ! バイトの星流奈」  こうした場合、必ず風下所長は除者にされてしまう。…哀れな男である。 *************************************************  平日の午前中にもかかわらず、ホテルのコーヒーショップは案外賑わっていた。 ウエイトレスに案内を頼むつもりで、店内を見回して見ると、真紅のスーツに身を包んだ一人の女性が流奈に手を振っている。 よく見ると、明らかに他の客とは違う。 神々しいというか、貴賓が人間離れしているというか、凄まじいオーラを発しているのが流奈には判った。  流奈は紅子の席に近寄り、ぺこりと挨拶した。 「はじめまして! 星流奈です。」  紅子はカップについた真紅のルージュを拭いながら、微笑んで軽く頭を下げた。 美しいだけでなく微笑むと愛らしくなる紅子の笑顔は男性でなくとも癒される。 ただ、癒しの笑顔の底には、とてつもない正義のパワーが秘められていることを流奈は瞬時に感じ取っていた。 「始めまして、萩原紅子です。聞えるかしら?」  なんと流奈の頭の中に紅子の声が聞えて来る・・・テレパシーだ。 「いきなり、テレパシーでごめんなさい。でも、私達、すごく目立つみたいなので、会話を盗み聞きされたら困るから・・・。 ほら、後ろの男性なんか耳を澄ましているわ。あっ、どうぞ、座って!」  なるほど…。 いわれてみれば、周囲の男性からは興味の視線を、女性からは嫉妬の視線を、痛いほど感じる。    自分でいうのもおこがましいが、流奈はそん所そこらのタレントには負けないほど愛くるしく可愛らしい。 女子大生でありながら、女子高、ともすれば中学生に間違われるほどのロリ系アイドル顔をしているのだ。 なにしろ繁華街を歩こうものなら、スカウトやナンパが流奈の周りに集まって来てしまう。 わずらわしさを避けるため、流奈は努めてキャップを被ったり、髪型をボーイッシュにまとめたりしているが、 それはそれで、かなり決まっているらしく、大した解決にはなってはいないところが悩みの種である。  また、流奈のチャームポイントは顔だけではない。 そん所そこらのグラビアアイドルが色褪せるほどの弩迫力ボディも兼ね備えている。 こちらの方もダボッとしたファッションで誤魔化したいところだが、もとからロケット型の巨乳と 張りのあるヒップを押さえ切る洋服などあるはずも無い。 だから最近は逆に大胆なファッション…今日は巨乳を強調した薄手のセーターに、生太ももを晒したタイトなホットパンツ。 男達が恥ずかしがって自然に視線を伏せるので、寧ろこの方が注目されないしわずらわしさが減る。  結局、流奈の魅力はアンバランスさと意外性にある。 体育会系の雰囲気なのに、親しみ易い超アイドルフェイス。 遠目から見ると小柄なイメージなのに、実際は(モデル並みに大柄な)聖美と比較しても身長、体格に大差はない。 ムッチリしているようで、案外、華奢でスレンダー。 ただ出るとこは出ていてF以上の巨乳を備えるダイナマイトボディー。 声のかけ易いロリ系美少女なのに、攻撃的な大人の肉体を持つアンバランスさと、遠目で見た場合のイメージを 遥かに超越する形で裏切る意外性。 これが流奈の真骨頂なのだ。 アイドル以上に愛らしい美少女、流奈と、癒し系の知的なお嬢様、紅子。 特別なことをしなくても、二人とも絶世の美女なのだ。 その会話に興味がそそられるのは当然かも知れない。 そんなわけで、声を出す言葉の上ではアルバイトの面接を装いながら、二人はテレパシーで全く別の会話を始めた。 以後はテレパシーによる内容である。 「自己紹介しますね。私は星流奈…ティアラヒロイン流星天使ラスキアです」 「うふっ、『はじめまして流奈ちゃん』かしら? 地球年齢は上みたいだけど・・・宇宙年齢はきっと同じ位だから、 テレパシーでの敬語は止めてね。地球での私は萩原紅子…本当の名はティアラヒロイン紅天使フォルティア。 銀河連邦から来ている秘密諜報部員なの。 実は昨日、聖美さんに偶然会ったのだけど、時間が無かったのでティアラヒロインのお話が出来なくて…。 それで電話をしたら…流奈ちゃんに繋がったの…」 「ティアラヒロインで銀河連邦のエージェント。それで鬼族を…なるほど。私は鬼族に盗まれた『王位継承の証』を取り返しに地球へ来たの。 実は私…天女星の王家の一族でもあるの」  紅子は表面上、無言のまま大きく頷いた。 「『王位継承の証』が盗まれた事件は聞いた事があるわ。貴方がそのお姫様ね! それでは、あの鈴谷聖美さんとは主従関係?」 「いいえ、彼女の正体は聖天使ミレイヤ。地球に来た目的は、私とは違うわ。確かに奪回を手伝ってもらっていたのだけど… 問題が起こって…」 流奈は聖美失踪のあらましを説明しながら、資料である島のページを紅子に見せた。 「あっ、これは…私の依頼した資料…」 説明が進むに連れ、紅子の表情がドンドン曇っていく。紅子にしてみれば、自分が蒔いた種でもあるから、責任を感じてしまっているようだ。 「う〜ん、時空で消えた島…これは…最悪の展開かも…私も資料に少しは目を通して置けば良かったわ。 聖美さんに丸投げしてしまったから…。とにかく、鬼ヶ島の可能性は否定出来ないわ。すぐに確かめに行かないと…。 もし、敵の手に堕ちていたら…処刑されるようなことは無いと思うけど…、駄目、ろくなことにはならないわ!」  処刑は無い。 これについては流奈も同感だが、処刑以上の恥辱を与えられていることは間違いない。 流奈は、周りを囲まれ次々に白濁液を浴びている聖美の姿を想像すると、背筋が寒くなり鳥肌がたった。 もし、これが自分なら…処刑される方がはるかにマシかもしれない。 「私もすぐに島へ行こうと思ったのだけど…捕まったかどうかも定かでは無いし、なにしろ島の場所すら全く不明だから…。 そこに紅子さんから電話があったので、相談しようと思って…」  自分の判断を少し後悔しながら、流奈はうな垂れた。自信を失いかけた流奈を励ますように、紅子は協力を誓った。 「そう…本当に捕まっていれば、鬼族のことだからミレイヤを囮にして、私達を誘き寄せるはず…もちろんたくさんの罠を用意してからね。 でも、大丈夫! もちろん私も一緒に行くから…二人で力を合わせれば、ミレイヤを助けられるわ!  ついでに鬼族達の罠、ズタズタにしてやりましょう!」 「良かった! 紅天使フォルティアと流星天使ラスキアが一緒なら…怖いものなど無いわ!」  紅子の手を固く握り締めたその時、店中の至る所から一斉にメール着信音が流れた。 流奈と紅子の携帯はもちろん…どうやら若い女性に限られて着信しているようだ。 「同時着信…まさか!」 二人が各々の携帯を覗き込むと、そこには動画メールが…。 開くと予期した内で最悪の…赤鬼の姿があった。 ************************************************* 「流星天使ラスキア、紅天使フォルティア…元気かな…夜盗鬼族の赤鬼だ。  今日、我々のアジトへ君達の友達が遊びに来たのだが、大変楽しんで貰っているようなのだ… さあ、ミレイヤ、一回昇天する姿を見せてあげなさい」 ミレイヤは白目を剥きながら木馬に犯されて…なんと失禁しながら昇天させられている。 「ふっふっふ、こんな具合なのだが、折角なので、ミレイヤだけでなく君達にも、一緒に楽しんでもらいたいと考えているのだ 。楽しみに待っているよ。最後に場所はミレイヤから報告させよう…さあ、ミレイヤ…ここの場所を昇天しながら教えてやるのだ!」 「うはあ〜ん! だっ、ダメよ…罠…誘いに乗ったら…ああっ、うっふ〜ん! 東京湾の鬼ヶ島には近づかないで…ああっ、来ないで!  お願いい〜ん、止めてえ〜、助けてえ〜! また逝っちゃう! 今度は潮を吹いちゃう!  助けてえ〜ん、逝く、逝く、逝く…いや〜ん、逝くう〜(ブッシュウ!)」 ************************************************* 「なっ、何…このエロメール? わけ判んないわ!」 「イタメール拒否してるのに…超サイテー!」  何人かの女性客が口々に騒ぎ始めたが、そんな声など聞いている余裕はなかった。  想像以上の陵辱画像。 流奈は荒々しく携帯を閉じると席を立った。 いくら予想していたとは言え、これほどまでに恥辱を与えるとは…許せない。 (絶対に鬼族達を叩きのめしてやる!)  もちろん後を追って来た紅子も同じ気持ち…二人はホテルの階段を駆け上がり、屋上に出た。 午前中なので、屋上には誰も居ない。 流奈と紅子はこめかみに指を当て、眼を閉じて叫んだ。 「ティアラアップ!」 すると彼女達の額にヒロインの象徴…黄金のティアラが現れた。 「チェンジ! ラスキア!」 流奈は両手を下で交差すると身体が光に包まれ…流星天使ラスキアに変身した。 紅子は両手を胸の前でクロスし、右手を上に、左手を下に延ばした。 「チェンジ! フォルティア!」 真紅の光と純白の光が交差し、強化コスチュームが生成され…紅天使フォルティアに変身した。 二人のティアラヒロインはすさまじいスピードで空に舞い上がると、全速で南に飛んだ。 向かうはもちろん東京湾の沖合いの透明な島…邪悪な鬼族の待つ鬼ヶ島だ。 *************************************************  一方、鬼ヶ島看視センターではヒロイン迎撃の布陣をバンテッド公爵とステラ伯爵が調整していた。 作戦担当のステラは立案した布陣を自信満々に説明している。 「アンヴァン子爵をもう少し北に寄せて…よし、これで布陣は完璧だ! ひっひっひ、如何かな、バンテッド公爵、ご意見があれば…」 一味の首領であるバンテッドは薄ら笑いを浮かべ、深く頷いた。 ステラの作戦は口を挟む余地もないほど綿密で完璧だ。 「よろしい! さすがはステラ、見事なものだな! それにしても…おい、タイラント、もう少し静かにやれないのか?  ピチャピチャとうるさいぞ!」  後ろのベットでは、後ろ手M字開脚に縛られているミレイヤをタイラントが舐めまわしている。 昨夜からバンテッド一味の四本の肉棒を、絶え間なく突き刺されているミレイヤは、半失神になりながら首輪のジュエルを輝かせていた。 プレジャージュエルはミレイヤの感度に応じて発光し、絶頂に至ったときより鮮やかに輝く。 メテオクリスタルとの相乗効果で、スーパーパワーを吸い取り、性感エネルギーに変換すると、 再びミレイヤの肉体に送り込む作業を繰り返していたジュエルだったが、エネルギーが無くなった今では、 自らが輝くためにオーラを発してミレイヤの肉体に昇天を促していた。 そのためミレイヤは昇天してもすぐに肉体を火照らせ、自ら肉棒を追い求めてしまうのだ。 「乳揉みが出来ないので、つい下半身を責めてしまって…」  タイラントの言い訳には理由がある。 パラレルワールドに移った時点で、ミレイヤをはじめとするティアラヒロインには、幾つかの肉体的変化の特徴が追加されている。 基本的には(以前のフォルティアと同様に)巨乳が戦闘用強壮エネルギーのタンクとなったことと、 エネルギーの元になるイオンをパンティやコスチュームを通して取り込むことの二つが挙げられる。 つまりエネルギーにはバストサイズという枠があり、全裸では供給に時間がかかってしまうようになったのだ。  もちろん巨乳ゆえにティアラヒロインのエネルギー貯蔵量は半端な量ではない。 犯された後、巨乳を吸われ回復されてまた犯される。こんなピンチも少なくはなかったが、鬼族相手ならせいぜい二、三回程度の繰り返し。 それくらいで尽きてしまう量ではないのだ。 実際、今までのピンチにおいて、巨乳責めによるエネルギーのショートはあっても、真のエネルギー切れは起こしてはいない。  ただ、今回の輪姦は規模が違った。ミレイヤの巨乳の枠を超えたのだ。 犯された回数も、交わった相手の数も、中に出された精子の量も、無論、吸われたエネルギーも過去最高。 逝った回数も、昇天の深さも、絶頂の高さも、ミレイヤ自身消費したエネルギーも過去最大。 それゆえ初めてタンクが空となり、ミレイヤ自慢の美巨乳がAカップ程度までサイズダウンしてしまったのだ。  また今回の度を越えた連続中出し昇天により、もう一つの肉体的な変化が起こった。 人間の場合、経験を積めば積むほど肉体は円熟味を帯びていく。 ところがティアラヒロインの場合、性的な経験を一度に積め込むと、肉体の成長が逆転してしまう…幼少化する特質がある。 もちろん幼女にまで戻ることはないが、一般的に女として認められる最年少の世代…初体験の頃を限度として若返ってしまうのだ。 これはティアラの力が肢体の保護を優先させた結果だと思われる。  だから今のミレイヤは、豊満で豪華な肉体を持つ元のミレイヤではない。 バストサイズはAカップ、身長は150そこそこ、体脂肪のバランスもお尻とか太ももへ集中。 これから成熟過程に入ろうとする、身体の線に丸みを帯びたばかりのロリータ美少女となっているのだ。 エネルギーの供給が追いつけば、元の肉体に戻るのだが、パンティは剥ぎ取られているから急速な回復は望めない。 全裸のままの自然供給では(今また弄ばれエネルギーを消費しているわけで)とても追いつくことが出来ないのだ。  薄く小さな肉体でバンテッド達の厳しい責めを受けるのは辛い。 相対的に肉棒のサイズが太く長くなるし、当たりも直で激しくなる。 巨乳が失われたために、責められるポイントがお尻と股間…下半身に限定されてしまう。 何より身体が出来ていないが為に、昇天の衝撃が倍くらいに感じられてしまうのだ。  以上がタイラントの言い訳の理由。 静かに巨乳を責められず、ミレイヤの股間に舌を這わせ、淫らな音を立てている理由だ。 ある意味仕方の無い流れだから、タイラントは悪びれてはいない。 逆にニヤニヤと淫らな含み笑いをしながら、話題を変えた。 「ぐふっふっ、ところでステラ伯爵、迎撃作戦では俺様の怪力は必要ですかな?」 「いいや、タイラント抜きでも十分だろう。まずは鬼族が近づくティアラヒロインを迎撃する。これはある意味捨て駒…覚悟の上の迎撃だ。 鬼族を撃退し油断したところで、アンヴァン子爵が指揮する新生物兵器をぶつける。 それで駄目なら私がバンテッド公爵自慢のペットを連れて…。ひっひっひ、空からでも、海からでも、何処から来ようと捕まえてやるぞ!  さて、それでは私もミレイヤの肉体を楽しませてもらおうか? ロリータになっても飽きない味だ…これで何度目になる?」  満足そうに取り出された肉棒を、ミレイヤは咽喉の奥まで飲み込んだ。 余りに、長く太過ぎる…。 ミレイヤは閉じていた瞳をカッと見開くと、美しい表情を淫らに歪め、激しくむせた。 「はあはあ…うっむっ! ぐっ、ぐう…うぐう! ごほっ、ごほっ、うむう〜ん! んっむっ…むぐう〜う!」 「ふっふっふ、タイラントといい、ステラといい…呆れるほどの好き者振りだな。まあ良い、ここは貴様達に任せるとしよう。 何かあったら報告をするように…。無論、次のヒロインを捕まえたという報告が最も望ましいがな…ふっふっふ、ふ〜ふっふ…」  楽しくて仕方が無いような笑い声を響かせながら、バンテッドが隣室に消えていく。 最大の敵が目の前から消えてくれた事には、ミレイヤにとっては、ありがたかった。 だが、その埋め合わせをするかのごとく、いきなりズブリとタイラントが挿入して来た。 「…んっふっ! んっはっ…はいっ、入ったああ〜あっ! んむむっ…むふっ…んんん〜んっ!」  ステラを咥えているためにミレイヤの悲鳴は言葉にならない。 それを良いことに四本の手がミレイヤのアナル、太もも、そして小振りになったバストでまだ誇りを捨てずに ピンと反り返る左右の乳首に襲い掛かる。 一味相手の3Pはバンテッド抜きでもこの上なく厳しいのだ。 ステラに調子を合わせ動くタイラントは、ちらりとモニターに目をやった。 「俺様の出番なくして完璧な布陣を敷くとは…さすがは天才戦略家ステラ伯爵。 このままでいけば、これから数時間後には別のヒロインを味わえることになる…。楽しみですが、少々、うれしい悲鳴ですな。 ミレイヤの肉体だけでも、飽きるどころか犯せば犯すほど良い味に…ほらっ、奥まで入れると、入り口がキュッと締まって…おおう、いいぞ!  うむ〜うっ、この締め…濃いのを搾られるようだ…! くううっ〜!(ドピュ!)」 「むぐうう〜、もぐう〜う! んっ、はああ〜、なっ、中に出されて…逝く、逝っ…くっくうう〜! はあはあ、はむっ、む〜ん…」  昇天と同時にタイラントの中出しを浴びたミレイヤは、ステラの肉棒を咥えながらうめき声をあげた。 しかし首輪のジュエルを何度でも輝かせるためには、昇天しながらでも肉棒の愛撫を続けなければならない。 「はあはあ…むっ、むっむ〜ん! もはあ〜あ! 一杯…口一杯、むん、むぐう!」 大量の精液で汚れたバストを撫でるように揉みながら、ステラはミレイヤの何処に射精するのか考えていた。 「ふっふっふ、もう出したのかタイラント? 後からご馳走が続くのだぞ!  まあ、取って置くのは難しいが…私の肉棒も、綺麗なお口に入りきれないくらい大きくなって来た… そらそら、もっと舌を使えミレイヤ!」 「むぐう、むう〜! はぐう、うっはあ! いやあん、あっはあ! むごっ…むん、むぐう!」 「ふっふっふ、ミレイヤ! 何度も何度も犯されてすっかり牝獣になったなものだな。精液を溢れさせながらピクピクしているぞ!  よしよし、もう一度逝かせてやるから安心しろ!」  ステラはタイラントが抜くのを待って、ミレイヤの股間に顔を埋めると、M字開脚で無防備になっている股間を指と舌で弄り始めた。 どうやらミレイヤへの射精は、得意の69のまま口内へ出されることに決まったようだ。 ミレイヤの首では眩い光りを発したばかりのジュエルが再び輝きを早めている。 ミレイヤ自身、どうにもならないくらい感じまくっている。 「はうう、はぐう…ああっ! 弄られて、舐められて…はぐう、んぐんぐ、んっぐう、むはっ!  いっ、逝くう、こっ、今度は吹いちゃう! むぐう、むぐう〜んっ、んんっ…逝くう、逝きながら吹くう〜うっ!  むくくくっ…んほっ、んっほおおお〜おっ!(ビシュウ!)(ドピュウ!)んぐう、ごくっ! はあはあ、ああん…はぐう…」  激しく震えながらミレイヤは昇天し、勢い良く潮をステラの顔面めがけて吹き出した。 お返しとばかりに、咥えている肉棒からドロドロした精液が吐き出され、口中に広がっていく。 ただミレイヤは生臭い精液を吐き出すことも出来ず、一滴残らず飲み干した。 「ふうっ! どうだ牝獣ミレイヤ…おいしいか? おっと、失神する前にお仕事が残っているぞ!  私の肉棒から残らず精子を吸い取り、ペロペロ舐めて、綺麗に掃除しておくのだ!」 「はあはあ…いっ、いやよ…。だっ、誰が…もぐう、ずっ、ずずうっ!(ペロペロ)はあはあ…。 なっ、何で…いやなのに…むぐっ、ずずうっ!(レロレロ)舌が…はあはあ…動くう!」  昇天のオーラでギラギラと輝くジュエルは、最大の磁気を発してミレイヤを性の虜にしている。 意識はどうあれ、今のミレイヤの肉体はジュエルの思うがままなのだ。どんなに恥ずかしいことでも、決して避けることは出来ない。 (でも、もしかしたら…もう少し…もう少し辛抱すれば…)  こんな仕打ちは自分一人で十分なのに、ミレイヤはそう願わずにはいられなかった。 誰も助けに来ないことを祈りつつも、助けに来て欲しいと心の底では願っていたのだ。 その願いは十分過ぎるほどの強さで、ラスキアとフォルティアに届いている。 そして今…綿密に練り上げられた罠の待つ鬼ヶ島上空に到着しようとしていたのだった。 ***つづく