平成12年9月23日・初版

ワンダーウーマン vs ロン大人・第8章/AtoZ・著

--------------------------------------- 第八章 奇襲 --------------------------------------- ワンダーウーマンが浣腸されようとしたとき 見張りの男が 叫びながら 入って来た。 【おい! IADCの襲撃だ! 早く防戦しろ!】 男達は ワンダーウーマンを嬲るのに気を取られ 先ほどから始まった 銃撃戦に気がつかなかったのだ。 【くっそぅ!! これから お楽しみだったのに】 【なんで ここが IADCに解ったんだ!】 【おらぁ 早くしろ! もう洞窟まで来ているぞ!】 【おい! この女は どうするんだ!】 【放っておけ! 早くしないと 全員殺られるぞ!】 男達が 裸のまま銃を取り 応戦に走って行った直後 爆発音と機銃の掃射音がした。 男達は IADCの特殊部隊によって一瞬のうちに掃討されていた。 投降警告など一切なしの奇襲だった、 IADCの中でも 対テロリスト専門の 特殊部隊による掃討作戦だった。 【トレバー大佐に連絡しろ 救出成功 テロリストはせん滅以上】 ワンダーウーマンは かすれていく意識のうちに男達の 断末魔の声を聞いていたが、 そのまま 気絶してしまった。 --------------------------------------- その頃 パイロンと陳は 豪華な別荘で麗華からの連絡を受けていた。 【IADCの特殊部隊がワンダーウーマンの救出に成功しました。】 麗華の報告は まるで 予定通りの様な対応であった。 【次の指令を お待ちします】 【次は ネオナチスとの取り引きだ こちらに合流しろ】 【解りました そちらに向かいます ワンダーガールは如何しましょう】 【コングに 農場に連れて行かせろ】 【解りました】 陳はパイロンと麗華のやり取りを 黙って聞いていたが パイロンが なぜ IADCにアジトを密告したのか知りたかった。 【予定通りの展開ですな…流石は ロン様です】 【ロン大人…1つ質問したいのですが…宜しいでしょうか】 陳は 相手の機嫌を伺いながら 慎重に言葉を選んだ。 【IADCへの密告のことか? ワンダーウーマンを解放するのは女王との約束だったからだ】 何故 部下を犠牲にしたのかを問う勇気は 陳にはなかった。 「部下達が ワンダーウーマンに手を出したからではなく今回の作戦を知る者を減らしただけ」 陳が想像できるのは その範囲だった。 それ以上のことが あるのか 知りたかった がロンの答えからは それは解らなかった。 --------------------------------------- 数日後 IADCのトレバー大佐は病室のワンダーウーマンを見舞っていた。 【だいぶ回復したようだね ワンダーウーマン】 【…ありがとう …トレバー大佐】 【君に報告しておくことがあるんだが…】 【何かしら?】 【現場から回収したビデオなんだが…】 【… …】 【私の権限で すべて 廃棄したんだが …私のほかに数人は見てしまった…】 ワンダーウーマンにとっては 見られたくない内容を 見て欲しくない人に見られたことが 悲しかった。 【だが 私は 忘れることにすると 約束するよ】 【あなたは 優しい人ね … ありがとう】 ワンダーウーマンは トレバー大佐の配慮に 胸が熱くなった。 【トレバー大佐 聞いてもいいかしら? どうしてあの場所が 解ったたのかしら】 【テロリスト達が 細菌テロを計画しているとそして 君が捕まっていることを ダイアナが 連絡してくれたんだ】 【ダイアナが!】 【突然 ダイアナが姿を消して 我々も心配していたんだが、 テロリストの組織に潜入できたので 暫くは 単独行動を許可していたんだ】 【それで 今 ダイアナは?】 【数日中に 香港から帰国すると 連絡があったよ大丈夫 ダイアナも無事のようだ】 【そう よかったわ】 笑顔を作って トレバーを見送ったワンダーウーマンだったが 数々の疑問は 晴れなかった。 --------------------------------------- 【なぜ ダイアナの名前で 私を救出させ 仲間をIADCに殺させたのか? 10トンものフェミナム鉱石を 何に使うのか? パイロンと呼ばれた頭目が なぜ 母のヒポライトを知っているのか】 ティアラ通信で ワンダーウーマンは 更に驚くべき事実 ワンダーガールと ヒポライト女王の失踪を知ることになるのだった。 第一部 完 ---------------------------------------  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

ハードカバー版・第8章(LZH)・52KB