平成12年11月25日・初版

続ワンダーウーマン vs ロン大人・第8章/AtoZ・著

--------------------------------- 第八章 逆襲ワンダーウーマン(前編) --------------------------------- 【ワンダーウーマンが侵入しました 現在位置は1FR2です】 【R4のガス室に誘導しろ! そこが失敗したときは2FR1へ】 【了解!】 モニターを見ていた ガードマン達が飛び出していった。 領事の異常な猜疑心から 館の中には 色々な罠が仕掛けられていた。 ワンダーウーマンは 怒りに燃えていた 普段なら手加減して 倒した相手はラッソで抵抗不能にするのだが、 今は 手加減なしの突撃だった。 スピード・パワーともに 常人では闘える相手ではなかった。 既に 10人以上のガードマンが倒され 気絶していた。 【1FR4に誘導しました! 部屋の閉鎖とガスの注入を!】 ワンダーウーマンを閉じ込めた部屋の壁が 両側から迫っていた。 そして バルブが開かれガスが噴出した。 次の瞬間 壁が轟音と共に崩れ ワンダーウーマンが飛び出して来た。 【失敗です! 壁を壊されました!】 【2FR1へ その後は3F1Rへ】 【駄目です! 突破されました!】 ガードマン達の絶叫は悲鳴になっていた。 途中 ガードマンや狙撃隊が 行く手を阻もうとしたが 所詮 彼女の敵ではなかった。 ワンダーウーマンは一直線に領事室に向かっていった。 【駄目です! 阻止できません!】 既に 部下の半数以上 20人近いガードマンが負傷・行動不能になっていた。 【何をしている! 相手は女一人だぞ! 阻止しろ!】 【無理です! 銃もライフルも効きません! 対戦車ミサイルの使用を許可して下さい!】 【馬鹿を言うな! ここは建物の中だぞ! ビルを破壊する気か!】 【戦車か装甲車でなければ 阻止できません!使用許可を!】 警備隊の隊長が悲鳴に近い声で絶叫していた。 側近たちもワンダーウーマンのパワーに驚愕していた。 レスラー達に嬲られ 男心をそそる声で喘いでいたあの姿からは 想像できない現実だった。 側近の一人を捕らえたワンダーウーマンは、領事の居場所を聞出していた。 【さぁ 言いなさい! 領事はどこに居るの!】 【地下! 地下の! 地下の金庫の中です!】 ワンダーウーマンの気迫に 側近は隠れ場所を喋ってしまった。 【そこに! 案内しなさい! さぁ!】 【駄目です! 金庫は中からロックされれば 核シェルターと同じです】 【いいから! 案内しなさい!】 領事の病的な警戒心は 建物の中に核シェルターまで造らせていた。 男に案内されたワンダーウーマンは 金庫の前に立つと 力を込めてハンドルを回し始めた。 【わっはっは 無駄だ!ワンダーウーマン! お前の力でも…】 金庫の中で モニターを見ながら笑っていた 領事の声が止まった。 ゴトン という音がして 金庫のハンドルが回り始めていた。 【そんな! 馬鹿な! 止めろ! 金庫を壊す気か!】 領事の絶叫の甲斐も無く 金庫の重い扉が徐々に開き始めた。 そして ゆっくり ワンダーウーマンが入ってきた。 【ま! 待て! 私に危害を加えれば 国際問題になるぞ!】 【そっ! そうだ! ワンダーウーマン! 交渉しよう!】 【金を払おう! 君がプロレスで稼いだ分を払おう!】 領事の声は 上ずって震え声になっていた。 【いっ! 今! 小切手を書く! 50万ドルの小切手だ!】 そう言って 領事は小切手を出し 机からペンを出そうとした。 その瞬間 床が開きワンダーウーマンは 穴に落ちた 【わっはっはっは! 馬鹿め! 罠にはまったな】 穴に落ちたワンダーウーマンの耳に 領事の勝ち誇った高笑いが地下金庫の壁に反響していた。 【ふぁっふぁっふぁ ワンダーウーマンを捕らえたぞ】 【ワシだ! 金庫室に警備員を呼べ! ガス弾をもって来い!】 ***つづく  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

ハードカバー版・続第8章(LZH)・99KB