平成12年12月23日・初版

続続ワンダーウーマン vs ロン大人・第3章/AtoZ・著

--------------------------------------- 第三章 ナイトスネーク(前編) --------------------------------------- ダイアナが自宅でテレビを見ているとき、 トルコで大地震発生の臨時ニュースが映し出された。 現場で中継するニュースキャスターが 政府発表として、 マグニチュード8.2 の直下型震災は 休火山の噴火が原因と伝えていた。 そのとき、IADCのトレバー大佐から緊急連絡が入った。 【ダイアナ 今すぐ自宅を出るんだ! そして安全な場所へ逃げるんだ!】 【どうして 何があったの大佐?】 【例のイビル領事の部下が…それだけではない外の組織も…君を狙っている!】 【私もIADCも 今は 君にも…ワンダーウーマンにも…協力できなのだ】 【パイロンの圧力なのね】 【その通りだ 君からワンダーウーマンに伝えて欲しい…逃げるんだ】 【彼女に懸賞金が掛けられている。 町のチンピラにも気を付ける様に言ってくれ。】 【解ったわ 伝えるわ。】 【私に出来るのは ここまでだが ワンダーウーマンに伝えてくれ…信じていると】 【…彼女に伝えておくわ…ありがとう…大佐】 ダイアナは髪型を替え 着替えをして部屋を出ようとしたとき 背後からの声で振り向くと そこには 全身黒ずくめの男達が立っていた。 【用件はすんだのか】 【誰! どうやって入ったの!】 警報装置にもかからず 気配を感じさせず進入した男達にダイアナは 驚いた。 【我々は ナイトスネーク パイロン様直属の工作部隊だ!ワンダーウーマンを捕獲に来た】 【生憎ね 彼女は ここに居ないわよ】 【待ってやる 変身したらどうだ ミス ダイアナいや ワンダーウーマン】 【知っているの!】 【パイロンは 今どこに居るの!】 【女王を追って トルコに行かれた】 【トルコに! お母様が!】 【我々の仲間が追跡している 捕まえるのは時間の問題だ!】 【随分 親切に教えてくれるのね】 【なにも知らずに 死んで行くのは 心残りだろう】 【随分自信があるのね ワンダーウーマンを倒せるの?】 【やって見ろ! アマゾネス! そして 我々の恐ろしさを知るがいい】 ダイアナはスピンするとワンダーウーマンに変身した。 狭い場所で複数の男達と闘うのは不利と思ったワンダーウーマンは 表に飛び出した。 それの後を 3つの影が追った。 【貴方達を倒して パイロンを追うわ そしてお母様を守って見せるわ!】 男達の攻撃は 巧みだった。 一人が正面から攻撃しそれを防いだ瞬間 左右から 2人が攻撃して来た。 スピードもパワーも互角だったが 3人の同時攻撃を受け、 ワンダーウーマンは 苦戦していた。 【くぅう! えぇい! うっくぅ! はぅう!】 1人を投げ飛ばせば 2人が、 別の1人の攻撃を防げば倒れていた男が参戦して来た。 追えば引き 引けば押して来る相手に ワンダーウーマンに焦りが見えて来た。 【このままでは 埒があかないわ なんとか一人でも倒さないと】 ワンダーウーマンは 走って 男達を引き離そうとした。 とっさに 木の影に隠れ 男達が バラバラになって捜すのを待った。 男達が 通り過ぎて行くのを待って、その一人を後ろから捕まえようとしたとき、 【あぅっ! ぅっう…】 突然 ワンダーウーマンの影が立ち上がると ワンダーウーマンの首を絞め始めた。 【ぅくぅうっ! どぅ! どうして! 影が!】 影は徐々に 男の姿になっていった。 【逃げられぬと 言った筈だ】 首を絞められた格好で 腰と脚を別の影が捕らえていた。 【くっ! うぐぅ! くぅうっ!】 ワンダーウーマンの肺が空気を求めて 喘ぎ始めた。 振り解こうともがいたが 胴から下は セメントで固められた様に動かせなかった。 4本の腕が ワンダーウーマンを捕らえ 2本の腕が首を絞めていた。 薄れていく意識の中で ワンダーウーマンは叫んでいた。 【駄目! ここで負けたら…ドルシラは …お母様は】 ワンダーウーマンは 渾身の力を振り絞って 男達を振り払おうとした。 そのとき 首を絞めていた手が緩んだ。 【今だわ!】 ワンダーウーマンが 新鮮な空気を吸おうとしたとき男の口から毒煙が吹き出た。 【ごほ! ごほっ! ごほ!】 思わず 咳込んで 無防備になった背中に鋭い痛みが走った。 男の牙(まさしく 歯ではなく牙だった)が 肌に立てられた。 全身の力が抜けていくのを感じながら 意識が薄れていった。 【…だっ…駄目…こんなことで…】 ワンダーウーマンは そう呟きながら 倒れてしまった。 【意外と脆かったな この程度なのかワンダーウーマンの力は?】 【夜の闘いで我々に勝てる者はいない…それに1対3だった】 【仲間と麗華様に連絡を入れるぞ ワンダーウーマンは農場に運ぼう】 --------------------------------------- ワンダーウーマンは納屋の中で 天井からのワイヤーで 両手を束ねた格好で吊られていた。 ベルトは 奪われていなかったが 二人の男が監視していた。 彼等は誰かを待っている様子だった 吊るされたワンダーウーマンに手出しをせず ただ監視しているだけだった。 【…まだ…身体の痺れが残っているわ…でも…彼等の仲間が来る前に逃げないと】 【仲間が来れば 逃げ出すチャンスはなくなるわそれに もしパイロンだったら】 この状態でパイロンを相手に勝てる見込みはなかった。 それに 彼等ナイトスネークの力は まだまだ未知数だった。 影と同化しての攻撃・口からの毒煙・毒を持つ牙・三位一体の攻撃・ それ以外にも 特殊な技がありそうだった。 【…お願い…チャンスを…一人になるチャンスを下さい…女神様】 ワンダーウーマンが 脱出のチャンスを伺っているとき絶望的な結果がやって来た。 【遅いぞ!】 男の一人が言って 暫くすると 納屋の前に車が止まる音がした。 【そんな! 仲間が来てしまったわ】 納屋の扉が開き ナイトスネークの仲間達がやって来た。 入って来たのは4人だったが 見張りを入れれば6人になる。 【…彼等を…6人を相手に 勝てる確率は0だわ闘うより 逃げる術を考えましょう】 【…彼等に何をされようと 脱出するチャンスを見つけよう】 ワンダーウーマンは そう考えた。 【待たせたな ワンダーウーマン】 【汚辱と絶望を与えて殺せ との 麗華様のご指定だ。】 【だが我々は お前に チャンスをやろう】 【6人全員を満足させられれば 見逃してやる】 【お前が 先に失神すれば それが お前の最後だ】 【さぁ 始めようか ワンダーウーマンを降ろせ】 一人が ワイヤーを両手で掴むと いきなり口で噛み切った。 【人間じゃないわ!…ワイヤーを噛切るなんて…人間に出来る筈が無いわ】 床に落とされたワンダーウーマンを 6人の男達が取り囲んだ。 【さぁ 始めようか ワンダーウーマン】 ***つづく  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

ハードカバー版・続続第3章(LZH)・121KB