平成12年9月20日・初版

ワンダーウーマン vs ブランケン・第1章/AtoZ・著

--------------------------------------- 第一章 装甲騎士団登場 --------------------------------------- ニューヨーク港の倉庫群の1つに男達は集まっていた。 男達は 手に手に武器を持っていた。 【まだか! もう30分も遅れているぞ!】 ボスらしい男が 部下を怒鳴っていたとき、 響き渡る女の声がした。 【待っても無駄よ! マフィアは全員逮捕されたわ】 【ワ! ワンダーウーマン!】 【撃て! 撃て!】 男達は ワンダーウーマンに狂ったように銃弾を浴びせた。 その硝煙が消えたとき 無数の穴の空いた壁の前に、 平然と ワンダーウーマンは立っていた。 【だ! だめだ! 逃げろ!】 男達が 逃げ出そうとしたとき ワンダーウーマンのラッソーが飛んで来た。 【逃げられないわよ! もうすぐ警察も来るわ】 その時、 パトカーのサイレン音が鳴り響いていた表で、爆発音が連続して起こった。 しばらくは 警官隊の発砲する音と警告が聞こえていたが。 それが 悲鳴に変わった後 静寂が訪れた。 【なに! 何があったの!】 驚いて 飛び出した ワンダーウーマンに いきなりパンチが飛んで来た。 その腕を掴んで 相手を見た瞬間 ワンダーウーマンは絶句した。 【なに! 貴方は!】 相手は3メートルを超す巨体を黒マントで覆た男達だった。 【パトカーは始末した! 逃げろ!】 【ワンダーウーマンは 我々が始末する!】 【陳大人に連絡して 後の指示を受けろ!】 黒マントを付けた男達は そう言うと ワンダーウーマンを4人で取り囲んだ。 【何者なの 貴方達!】 問い掛ける ワンダーウーマンに 男の一人が答えた。 【我々は 装甲騎士団。 邪魔物を排除する!】 そう 言い 終わらないうちに 黒マントの巨人達はハンドミサイルを、 至近距離から ワンダーウーマンに打ち込んだ。 爆発音が倉庫に 響きわった。 一瞬 倉庫の上に飛び上がっワンダーウーマンが下を見ると、 男達は 自分達の打ち込んだ ハンドミサイルで床に倒れていた。 【なんて無茶な人達なの! 同士討ちしてるわ】 ワンダーウーマンが下に降りて 男達を介抱しようとしたとき。 むっくり 黒マントは 立ち上がった。 【そっ! そんな! この連中は不死身なの!】 驚く ワンダーウーマンを 再び黒マントの巨人達が取り囲んだ。 【素早いな ワンダーウーマン】 【だが 逃がさんぞ】 【後ろは 壁だ 後は無いぞ】 【我々装甲騎士団に勝てる人間はおらん】 ジワジワ 迫る男達に 壁際まで追いつめられたワンダーウーマンだったが、 【逃げられないのは 貴方達の方よ!】 そう言うと ジャンプして 男達の頭上を超えて位置を逆転した。 【馬鹿め! 同じ事だ】 そう言うと、黒マントが 4人同時に 突進して来た。 瞬間 ワンダーウーマンは 左端の男に 狙いを絞ったキックを 入れた。 だが 倒れた男を無視して 残りが 攻撃して来た。 先頭の男の手を掴んで 投げ飛ばし、男達が絡んで倒れると、 側に有ったコンテナケースを持ち上げ、男達に投げつけた。 だが 黒マントの男達は よろけながらも 立ち上がって来た。 【すごくタフね! でも これからよ!】 今度は ワンダーウーマンが 男に突進して行った。 【うぐぅ!】 男の一人が うめきを上げて 倒れた。 そして 立ち上がりかけた男の首に 手刀を打ち込んだ。 【ぐぁあああ】 3人を倒し 逃げようとした男を 壁際に捕まえたとき、別の男の声がした。 【さすがだな ワンダーウーマン! こいつらを3人も倒すとは】 ワンダーウーマンが振り向くと 倉庫の入り口に男が立っていた。 そして その後ろには 黒マントの巨人達が 6人も立っていた。 【おれの名前は ブランケン! 今度は 俺が相手だ】 ブランケンの攻撃をかわし 腕を掴んだワンダーウーマンだったが、 そのパワーに驚愕した。 【くっ! なっ! なんて力なの! 私以上だわ!】 あの ワンダーウーマンが 力負けしていた。 ブランケンの片腕を 掴んだワンダーウーマンの両手が徐々に下がって来ていた。 ブランケンは ワンダーウーマンの胴を両手で掴むとサバ折りの態勢で、 絞め始めた。 【あぅ! うぅうう! くぅう! くっくうっ】 ブランケンの怪力に解くのは無理と判断したワンダーウーマンは 鼻を狙って頭付きを かませた。 【ぐぅう! くそ! この女】 鼻を押さえ よろけたブランケンに ワンダーウーマンのパンチが入った。 【ぐぁぅ! くっそう!】 ワンダーウーマンの反撃に 面食らったブランケンだったが、 タフさでは 黒マントの男以上だった。 ワンダーウーマンの蹴り脚を 捕まえると反撃を開始した。 ブランケンの肘打ちが入り、 前かがみになったワンダーウーマンの顔面に アッパーカットがヒットした。 【あぅっ! くぅうっ!】 今度は ワンダーウーマンが うめきをあげていた。 ワンダーウーマンも 態勢を立て直すと パンチを浴びせ返した。 互いにパンチの応酬だったが、 徐々にワンダーウーマンの動きが鈍くなっていった。 【へっ! もう終りだな ワンダーウーマン!】 【まっ! まだよ! 勝負はこれからよ!】 強気で挑戦する ワンダーウーマンだったが、殴られたダメージは大きかった。 【気に入ったぜ! 俺は勝ち気な女を泣かせるのが好きなんだ】 【いい趣味じゃないわね。 女性に嫌われるわよ】 【誉めてくれるのか? 嬉しいぜ!】 【くっ! なんて性格なの! 負けられないわ】 【ボロボロにしてやるぜ!】 ブランケンが突進して来たのを かわそうとしたワンダーウーマンだったが ダメージは脚にも来ていた。 かわし切れずに モロに体当たりを食らって 吹っ飛んでしまった。 【きゃぁぁぁぁああああああああああ】 壁に激突し後頭部を打ちつけたワンダーウーマンは それでも 立ち上がろうとしていた。 【へっへっへ 楽しませてくれるじゃねぇか】 【うぅぅ… まだ… まだ闘える …わ… … …】 ファイティングポーズをとろうとして よろけながらも立ち上がったワンダーウーマンに ブランケンのボデイブローが入った。 【うぐぅ! ぁぁぁ… ぐっ! あぐぅ!】 更に ブランケンのパンチを2発3発と、ワンダーウーマンは腹に浴びてしまった。 腹を抑えて苦しむワンダーウーマン!! 【へっへっへ 気に入ったぜワンダーウーマン.。久し振りに 本気になったぜ】 ブランケンは拳に力を込めると ワンダーウーマンの顎を強打した。 【!!】 強烈なパンチに ワンダーウーマンは声も出せず崩れるように倒れてしまった。 ブランケンの足元に、大の字になって横たわるワンダーウーマン。 ワンダーウーマンは、ついに力尽きてしまった。 【取り引きは 失敗したが 思わぬ獲物が手には入ったぞ】 【俺は ワンダーウーマンをアジトに連れて行く!お前達はもう消えろ!】 命令された 黒マントの男達は 顔を見合わせていたが、 しぶしぶ ブランケンの指示に従って 闇に消えていった。 【ワンダーウーマンか…くっくっく…楽しませてもらうぞ】 そう言うと ブランケンも ワンダーウーマンを軽々と持ち上げて 闇に消えていった。 ***つづく  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

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