平成12年9月28日・初版

ワンダーウーマン vs ブランケン・第3章/AtoZ・著

--------------------------------------- 第三章 廃坑大爆発 --------------------------------------- ワンダーウーマンが意識を取り戻したとき、首輪を付けられていたが 手足は縛られていなかった。 あわてて 脱がされたコスチュームを着て 部屋を見渡すと、 そこは 鉄格子のはまった牢屋だった。 そして 部屋の隅には ベルトが放り出されていた。 ブランケン達は ワンダーウーマンの力の源がベルトに有る事を知らなかったのだ。 【よかった! これで脱出できるわ。】 ワンダーウーマンは ベルトを付けると 首輪の鎖を外し、 鉄格子の扉をこじ開けた。 【もし…ブランケンに見つかったら…】 一抹の不安が横切ったが ここから逃げなければ、あの男のSEX奴隷になってしまう。 そう思ったワンダーウーマンは、一旦逃げ出す決心をした。 あの怪力には勝てる自信はなかった 闘うにしても相手の弱点を知らなければ、 また 捕まってしまうだろう。 ワンダーウーマンは 牢獄を抜け出すと 慎重にアジトの中を進んでいった。 通路の奥は岩の壁だった、そして その部屋には、 ダイナマイトや麻薬や重火器が揃っていた。 【ここは?…武器庫のようね…出口と反対に来てしまったようだわ】 ワンダーウーマンが荷物を調べているとき、背後から声がした。 【どうやって 抜け出したか知らねえが もう観念しな!】 【可愛がってやるぜ! 大人しくしな】 振り向くと 昨日の男達だった。 【へっへっへ 俺達が可愛がってやるぜ!】 男達は 相手がスーパーヒロインであることを忘れ用心もせず近づいて来た。 ワンダーウーマンは 男達を見て 怒りが込み上げて来た。 【こんな男達に 嬲り者にされたなんて! 自分に腹が立つわ!】 ワンダーウーマンは 自分から男達に近づくと一人を掴んで投げ飛ばした。 唖然とする男達を次々捕まえると 壁にぶつけていった。 最後の一人を捕まえると 質問した。 【貴方達は 何者? この武器は何に使うの?言うのよ!】 ワンダーウーマンの剣幕に 男は簡単に喋ってしまった。 【俺達は 中華マフィアの 陳大人の部下だ】 【この武器は 抗争のときの ものだなんだ】 【な! なんでも! 喋るよ だから助けてくれよ!】 【ブランケンは 何者なの!】 【俺達とは別組織の人間だ! 大きい取引のときだけ来る】 【ブランケンについて教えて! 彼はサイボーグなの?】 【知らない! 本当だ! 知らないんだ!】 【もう いいわ 眠っていて!】 男は ワンダーウーマンにボデイパンチを食らうと床に倒れてしまった。 【ここを出て 警察に連絡しましょう …】 ワンダーウーマンが出て行こうと したとき 背後から銃声がした。 とっさに ブレスレットで弾丸を弾き返したが、 弾丸は 薬品のビンを貫通し 花火の箱に命中し、爆発音がして周囲が火の海になった。 ワンダーウーマンは 倒れている男達を助けようとしたが、 火は次々火薬の箱に燃え移っていった。 警報機が鳴り響き 入り口で男達の叫ぶ声がした。 ワンダーウーマンは 入ってくる男達に警告しようと飛び出したが、 その姿を見た男達は いきなり 発砲してきた。 【止めなさい! 倉庫が火の海よ! 早く逃げて!】 ワンダーウーマンの叫ぶ声に耳を貸さず、男達は発砲を続けた。 【解らない人達ね! 逃げるのよ! 爆発するわよ!】 弾丸を弾き返しながら叫ぶ声に やっと 意味が分かった男達は逃げ始めた。 【早く! 早く逃げるのよ!】 男達の後ろ姿を見送った ワンダーウーマンが、 倉庫に倒れている男達を救出に向かおうとしたとき、ブランケンが現れた。 【よくも やってくれたな ワンダーウーマン!】 【待って! まだ! 中に人がいるの! 助けないと!】 【逃がさんぞ! この責任はお前の身体で償って貰う!】 ワンダーウーマンの声に耳を貸さず ブランケンは突進してきた。 【待って! 話しを! 話しを聞いて!】 半身で回避しながら ブランケンを説得しようとしたとき、 最初の爆発が起こった。 【貴方も逃げるのよ! もう倉庫は火の海なのよ!】 【止めなさい! 天井も崩れかけているわよ!】 ブランケンのパンチで吹っ飛ばされながら、 ワンダーウーマンは 必死で説得していた。 2回目の爆発が起こったとき、 爆風で ブランケンが吹っ飛び 周りに火が燃え移り始めた。 ワンダーウーマンも救出を諦め 通路を全力で駆け抜けた。 出口から出た後 間一髪で爆発が起こり、 ワンダーウーマンも 背後からの爆風で 吹っ飛び斜面を転がっていった。 その後も 落盤による地響きが連続して起こっていた。 ワンダーウーマンが周囲を見回すと そこは廃坑の跡だった。 彼等はここに アジトを建設中だったのだ。 【この爆発では ブランケンでも助からないかも…救助隊を呼ばないと私一人では…】 そう呟くと、ワンダーウーマンは救助隊に連絡する為に駆け出していった。 --------------------------------------- 瓦礫の中から熊が、 熊ではなく全身灰に塗れたブランケンが 出て来た。 その背後から 女の声がした。 【どうしたのさ あんな小娘にやられるなんて!】 ブランケンが 怒りの形相で振り向くと、 ギャルぽい衣装にロングブーツの娘が笑って立っていた。 年は、まだ10代後半の あどけない顔立ちの少女だった。 【けっ! 紅龍か! 何の用だ!】 【荷物を運んで来たのよ でもこれじゃ収納できないわね】 【持って帰れ! 俺はワンダーウーマンを追う!】 【溜まっているなら 私が相手をしてあげるわよ】 【馬鹿を言うな! お前のアソコに俺の大事な息子を絞め殺されて堪るか】 【そうなの 残念ね。でも、ワンダーウーマンの相手はお預けよ】 【お前の指図は受けん! 俺は義理堅い男だ!借りは返してやる!】 【じゃぁ パイロン様に そう伝えておくわ】 【そっ! それを先に言え! パイロン様の指令なのか?】 【作戦会議よ! あんたも出るのよ】 【あんたでも パイロン様は苦手なのね。 恐いの?】 【馬鹿を言うな! 俺には 大事な スポンサーだからな。 俺にとってスポンサーは神様なんだ!】 【今度の相手は 誰だ!】 【アマゾネスよ! さぁ! 行くわよ!】 走り去るワンダーウーマンを見ながら ブランケンは呟いた。 【また会おう ワンダーウーマン! 決着はその時つけてやる。】 *** 完  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

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