平成13年2月16日・初版

ワンダーウーマンvs玄武/AtoZ・著

玄武編 (パイロン編外伝) --------------------------------------- 遺伝子工学研究所から 大量のサンプルが盗まれた事件を 調査していたIADCダイアナに、 トレバー大佐から連絡が入った。 【はぃ ダイアナ】 【ダイアナ! 至急に郊外のランド牧場に向かってくれ!】 【ランド牧場? あそこは もう使われていないはずよ?】 【給油スタンドから情報が有った! 大型トレラーが4台もそこに向かったらしい】 【大型トレラーが 怪しいと?】 【運転手が ランド牧場の場所を聞いていたが そのとき 積み荷のことで 盗品の話しも していたらしい】 【わかったわ すぐ調べるわ】 【応援が いるときは 連絡してくれ すぐ手配する!】 【大丈夫よ また連絡するわ】 情報から 今は廃屋となっている農場に来たダイアナは、 20数人の男達がトレラーから倉庫に荷物を運んでいるのを見つけた。 【きっと! あの荷物ね!】 ダイアナは スピンして ワンダーウーマンに変身すると、男達の前に立ちはだかった。 【待ちなさい! その荷物を調べさせてもらうわ!】 【へっへっへ ワンダーウーマンだぜ!】 【ひゅぅうー! 本物だぜ!】 【新聞の写真より 美人じゃねぇか!】 【へっへっへ 可愛がってやろうぜ!】 男達は ワンダーウーマンにたじろがず 悠然と向かって来た。 【おい! ねぇちゃん! 良い事をしようぜ!】 【へっへっへ 俺達が 優しくしてやるぜ】 擦り寄って来る男達を捕まえると、ワンダーウーマンは投げ飛ばし始めた。 【くぅそう! 舐めやがって!】 【このアマ! 手加減しねぇぞ!】 叫びながら男達は向かって来たが 次々弾き飛ばされていった。 【この野郎 ひき殺してやる!】 男の一人が車で突進して来た。 ワンダーウーマンは それを押さえ 持ち上げて横転させてしまった。 男達が誰かを呼んでいた。 【旦那! 旦那! 玄武の旦那!】 【来て下さい! 旦那! ワンダーウーマンです!】 男達の呼ぶ声に現れたのは レスラーのような体格をした山男だった。 【どうした? 何を騒いでいる?】 【旦那! ワンダーウーマンに 仲間がやられています!】 【なんだ! 相手は 女じゃないか? それに武器も無いぞ!】 【旦那! その女に もう10人以上やられてるんですぜ!】 山男は ワンダーウーマンの前まで ユックリ歩いてくるとけだるい声で 言った。 【おい! お前! 大人しく帰る気はないか?】 【貴方達が 大人しく捕まるなら 手荒なことはしないわ】 【仕方ないな、 姉ちゃん怪我しない程度に相手してやる。来いよ】 余裕と言うか 馬鹿と言うか 漫然と立っている男が可笑しかった。 【ねぇ! 大人しく警察に行かない? 闘うのは好きじゃないのよ。】 【警察? 警察は弱いから嫌いなんだ! 軍隊の方がいいな。】 埒が開かない会話に ワンダーウーマンはラッソーを取り出した。 それを見た瞬間、巨体が突進して ワンダーウーマンは弾き飛ばされた。 【きゃぁぁぁぁぁああああああ】 いきなりの攻撃と そのスピードに驚いたが、 ワンダーウーマンも 態勢を取り直すと 男に向かって行った。 スピードは ワンダーウーマンの方が上だったが、 パンチをしても キックをしても 厚い脂肪に吸収され余り効果が無かった。 【くっ! なんて身体なの まるで脂肪の固まりだわ!】 そのとき 玄武のパンチがワンダーウーマンの腹に入った。 【ぐぅふっ! ぅっ ぅうっ!】 1発食らっただけで 脚にもダメージがきていた。 【なっ! なんて馬鹿力なの!】 ふらつきながらも ワンダーウーマンは反撃した。 アキレス腱を狙ってのキック 後頭部を狙っての裏拳を繰り出した 【ぐぅ! おぅ!】 さすがの 玄武の巨体も ダメージは受けているようだった。 が ワンダーウーマンも 数発のパンチを浴びてしまった。 【あぅうっ! はぁぅ! ぐはぁっ!】 パンチを浴びる度に ワンダーウーマンの動きが鈍くなっていった。 肩で息をするワンダーウーマンの眉間に 苦戦の色が出ていた。 【くっぅぅ! ダメ…ダメよ…この程度で…負けないわ】 自分にそう言い聞かせ 態勢を立て直すと 相手の足に狙いを定めてキックを連発した。 まるで 大木の様な足だったが 何発かは効いていた。 終に 片膝を落とした玄武だったが タックルの態勢を取ってまた立ち上がってきた。 【楽しくなって来たぜ ねぇちゃん! 女を相手に始めて本気になりそうだ!】 互いに ダメージを受けていたが 体重差からして体力は玄武が勝っていた。 【はぁ…はぁ…はぁ…】 【なかなか 頑張るな ねぇちゃん!】 攻撃している ワンダーウーマンの方が 息切れしていた。 【腹は駄目ね…あとは…頭しかないわ…でも…捕まったら最後だわ…】 ワンダーウーマンは 蹴りを囮に 後頭部へ狙いを定めた。 ローキックを仕掛けたワンダーウーマンだったがダメージでスピードが 付いて行かなかった。 【あぐぅ!】 顔面にパンチを浴び ワンダーウーマンの片方の目が腫れ視界が狭くなった。 【くっ! 駄目だわ! このままじゃやられるわラッソーを使うしかないわ】 ワンダーウーマンが 再びラッソーに手を掛けたとき、 頭の上まで振り上げられた足により 踵落としを食らった。 【!! ぁ…ぁ……】 後頭部を直撃されたワンダーウーマンは そのまま昏倒してしまった。 【髭縄か それを使われたら 俺でも勝てないからな貰っておくぞ】 そう言うと 山男は、倒れたワンダーウーマンからラッソーを奪ってしまった。 --------------------------------------- ワンダーウーマンを捕まえたと聞いて、男達が集まって来た。 【へっへっへ 俺達に犯らせてくれませんか?】 【やられた お返しをさせて下さいよ!】 【好きにしろ!】 そう言うと 玄武は、ワンダーウーマンを残して出て行ってしまった。 玄武の許しを得た男達は、抵抗する力の無いワンダーウーマンを目で舐めまわした。 【こんな いい女に旦那は 興味がないのか 不思議だぜ!】 【ロリコンなんだとよ!】 【おい! 聞こえたら ぶっ殺されるぞ!】 【俺達には 有難い話しだぜ! こんな いい女を好きに出来るんだぜ!】 【さぁ! さっきの借りを返してやろうぜ!】 【おぅ! ヒイヒイ泣かせてやるぜ!】 男達は ワンダーウーマンを裸にすると、襲いかかった。 【へっへっへ 凄ぇオッパイだぜ!】 【ぃっ…ぃゃぁ…ゃ…ゃめ…て】 【煩せぃ! さっきはよくも やってくれたな!】 【100倍にして 返してやるぜ!】 【前も後ろも塞いでやるぜ! おらぁ!】 【ぅっ! はぁぅ! くっ! くぅぅぅ!】 【生意気な上の口も塞いでやるぜ! おらぁ!】 【うぐぅ! うぅぐ! ううっ! うごぅ!】 【おらぁ! もっと しっかりしゃぶれ!】 三つの口を同時に責められ ワンダーウーマンは鳴咽を始めた。 男達の暴力に無力な自分が 惨めだった。 負けまいと 頑張ったが 終には官能の渦に巻き込まれ、果ててしまった。 しかし 男達の攻撃は 終わらなかった。 【もうユルユルになっているぜ! 2本同時に入れてやろうぜ!】 【無理! 無理よ! 止めて! ぁぐぅうううううう!!!】 【よし! 上の口は3本入れてやるぜ】 【おらぁ! 口を開けろ!】 イヤイヤをするワンダーウーマンの口がこじ開けられ、男根が次々捻じ込まれた。 【ひぃっ! うごうぅ! うぐ! うぅぐっ! うがぅ!】 十人近い男達から 数時間も嬲られ続けたワンダーウーマンには、 もう 立ち上がる力も無かった。 そこに 別の男達がやって来た。 【おい! 俺達にも犯らせろ!】 【へっ! いいぜ! お前達も相手してやれ!】 【おう! 交代だ! 今度は俺達が相手だ!】 【ぁ…ぁ…もぅ…もうだめ…お…お願い…壊れ…てしまう】 【おう! 早く 俺達のモノが欲しいとさ! 一気に入れてやるぜ!】 ワンダーウーマンが解放されたのは、それから更に数時間後だった。 --------------------------------------- 朝の光で ワンダーウーマンが目を覚ますと、 脱がされた衣装やベルトが周りに散乱していた。 急いで 衣装を着、ベルトを付けると 力が漲って来た。 だが ラッソーだけは 何処を捜しても見当ら無かった。 【もう一度! もう一度闘うのよ!】 ダメージが残っているため力があまり入らなかったが、 そう自分に言い聞かせ ワンダーウーマンは 表に飛び出した。 【待ちなさい! 逃がさないわ!】 ワンダーウーマンの声に男達は 驚いたが 昨日の光景を思い出し 笑いながら 近づいて来た。 【へっへっへ 昨日の続きを ヤッテ欲しいらしぜ!】 【また 泣かされたいのかよ!】 【いいぜ! また ズボズボにしてやるぜ!】 嘲笑する男達に向かって ワンダーウーマンが突っ込んでいった。 たちまち数人が投げ飛ばされ パンチを食らった男は吹っ飛んでしまった。 最初のときのパワーを取り戻したと 男達が知った時には、 もう 半数以上の仲間が 倒されていた。 【旦那! 旦那を呼んでこい!】 男達が 悲鳴を上げ 玄武の名を呼んでいると小屋から男が ユックリ現れた。 【旦那! 旦那! ワンダーウーマンです! 助けて下さい!】 男の指差す方向に ワンダーウーマンを見つけた玄武は、 【又 暴れているのか? 諦めて大人しく帰ったらどうだ!】 【出来ないわ! 貴方達を捕まえるわ!】 【無駄だな お前は 俺には勝てん! また怪我をするぞ!】 【見逃す訳にはいかないわ! 貴方こそ諦めなさい!】 勝ち気に言ったワンダーウーマンだったが 昨日のダメージは未だ残っていた。 【…長期戦は無為だわ…短期勝負に賭けないと…】 【仕方ない…お前達は積み荷を運び出せ! 俺は、この女を始末する。】 ワンダーウーマンは 力勝負をすれば負けると考え頭と脚を狙う攻撃を採った。 ワンダーウーマンは回り込むと キックを玄武の膝に打ち込んだ。 2発3発と強打を打ち込んだが やはり びくともしなかった。 やはり 前に殴られたダメージで ワンダーウーマンは力があま入らなかった。 【くっ! なんて男なの ゴリラ以上だわ!】 ワンダーウーマンは 今度は 鼻を狙って顔面にパンチを打ち込んだ。 その瞬間 玄武は ワンダーウーマンを抱き込んでサバ折りの態勢にした。 パワーだけでなく スピードも 落ちてしまっていた。 【くっ! しまった!】 身動きを封じられたワンダーウーマンは 振りほどこうと必死で暴れたが、 玄武は 微動だにしなかった。 【うっくぅぅぅぅっ…くぁぁああ…くっぅう…】 背骨がギシギシと音を立て悲鳴を上げ 胸が押しつぶされていた。 ワンダーウーマンの脳裏に 男達にレイプされた恐怖が蘇みがえった。 冷静さを無くしたワンダーウーマンは 目茶苦茶に暴れもがいた。 【離し! 離して! くっ! 離しなさい!】 ワンダーウーマンがもがいているとき 少女の声がした。 【そんな小娘と遊んでないで 私と来てよ!】 ワンダーウーマンを小娘と呼んだ 少女の方が若く見えた。 【どうした 紅龍! 何か用か?】 紅龍と呼ばれた少女と玄武が話しをしている間もワンダーウーマンは、 玄武から逃れようと 足掻いて 脚でキックしていたが、 まるで 子供がレスラーにじゃれている様に 効いていなかった。 【用が有るから迎えにきたの!】 【解った! 今 片付ける。】 そう言うと 玄武は ワンダーウーマンの頭に頭突きをかませた。 【あぅつ!!】 2発・3発・4発 【あう! ぁうぅっ! ぁ…っ…】 ぐたっりして ワンダーウーマンは その場に崩れてしまった。 【用件は?】 【パイロン様が呼んでいるわよ! 来てくれないと私が叱られるの!】 【お前でも 叱られるのが恐いのか?】 【相手によるわ! 早く来てよ!】 【解った 解った】 玄武は 倒れたワンダーウーマンに見向きもせず紅龍と呼ばれた少女と その場を去っていった。 ワンダーウーマンが意識を取り戻したとき、もう玄武も男達の姿も 無かった。 だが 奪われたラッソーは 側に落ちていた。 倉庫は すっかり空になって 集められていた積み荷は、無くなっていた。 ワンダーウーマンは 敗北感を噛み締めていたが 【だめよ! 負けない! 負けを認めたときが本当の敗北なのよ!】 【悪を…悪を許しては…いけないのよ…たとえどんなに強い悪でも…負けてはいけないの…】 ワンダーウーマンは、自分にそう 言い聞かせ立ち上がった。 ***完  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

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