平成13年2月23日・初版

ワンダーウーマン vs ダーク/AtoZ・著/悪の司令官・補

復讐鬼ダーク編(ブランケン外伝) ------------------------- 深夜1時前、廃虚となった劇場に現れるワンダーウーマン。 「ここね、指定の場所は。それにしても、本当かしら?あの電話・・・。」 それは、1本の電話から始まった。 IADCの仕事を終え、ダイアナが帰宅したのを見計らったかの様に電話のベルが鳴った。 「はい、ダイアナ。」 「ダイアナ・プリンスか?1度しか言わないから、良く聞け!」 「ワンダーウーマンに伝えたいことがある、パイロンの情報を知りたければ、 深夜1時に ワンダーウーマン一人で、郊外のアクター劇場に来い ・・・ガチャ!プー・プー・プー・・・・」 「もしもし?もしもし?」 受話器を置き、慌てて時計を観るダイアナ。 「あと1時間しかないのね、迷っている暇はなさそうね。」 そう言うと彼女は、車に飛び乗り、劇場に向かった・・・。 【ダイアナから聞いたわ、パイロンの情報をくれると言うのは貴方なの?】 【そうだ! 俺はダーク.。 パイロンには恨みがある】 【どんな恨み?】 【そんなことは どうでもいい!ワンダーウーマンを捕らえろ!】 突然 6人の男達がワンダーウーマンを 取り囲んだ。 【どうして!? パイロンの仲間だったの?】 【お前を人質に パイロンを誘い出すのだ!】 【彼は敵なのよ! なぜ彼が誘いに乗ると思うの?】 【何も知らないようだな?】 【何を知っているの? 教えて?】 【大人しく 捕まるなら 教えてやるぞ!】 本能的に嫌悪感を感じていたワンダーウーマンはダークを信用できなかった。 【嫌よ! 貴方を捕まえて聞くわ!】 【やれ!】 【へっへっへ俺達が 可愛がってやるぜ ワンダーウーマン】 【その衣装は 男に誘って貰いたい為なんだろ?】 【へっへっへ 何処から触って欲しいんだ?】 男達は ワンダーウーマンの美しさと 挑発的なコスチュームに 好色な目で 迫っていった。 【うわぁーーーー! はぅう! ぐあああぁあ!】 しかし 近寄った男達は そのパワーで 順番に投げ飛ばされ壁に激突していった。 【くそぉ! アマ! 大人しくしろ】 【俺達に逆らったら どうなるか 後悔させてやるぞ!】 【囲め! 一斉にかかるんだ!】 意外なワンダーウーマンのパワーに男達はたじろいだ。 威勢の良い声ばかりで 遠巻きに囲むだけで 近寄る男は居なかった。 【くっそう! スプレーを使え!】 ダークが命令すると 男達は 催涙スプレーをワンダーウーマンに浴びせた。 突然の目潰しで視界を失ったワンダーウーマンに 男達はジワジワ迫っていった。 【くっ! 卑怯よ!】 【くっくっく なんとでも言え 勝てばいいのだ!やれ!】 ダークの命令で男達は 今度は 麻酔弾を打ち込んだ。 【ぁぅっ! くぅう! くっぅ 身体が…痺れて…くる…わ】 【まだ 手を出すな! 動けなくなってからだ】 【卑…卑怯者!…それでも…男…な…の】 痺れて立って居るのが精一杯のワンダーウーマンの様子を見て ダークは 攻撃を命じた。 一人が 背後からワンダーウーマンを羽交い締めにし 二人が左右の足を 押さえに掛かった。 【くっ! 離して! 離しなさい!】 目潰しと麻酔弾で 身動きできないワンダーウーマンに 左右から二人が腹と脇腹にパンチを加えた。 【うぐぅ! あぐぅ!】 そして 気息奄々のワンダーウーマンに ダークがパンチを浴びせた。 【ぅぐぅ!】 2発・3発・4発と 動けないワンダーウーマンの腹にパンチが入った。 崩れ落ちたワンダーウーマンに 周りを取り囲んだ男達がキックを浴びせた。 身体を丸め ガードしていた ワンダーウーマンの呻き声が止むと、 ダークは 部下に命じた。 【後ろ手にして手錠を掛けろ! 縛り上げてから嬲り者にしてやる!】 動かなくなった ワンダーウーマンを引き起こそうとした男が 先ずキックで腹をえぐられ倒れ、 次に 肩を掴んでいた男が 壁に投げ飛ばされた。 【くっ まだ動けるのか! 網を持って来い!】 声の方向に 転がったワンダーウーマンは、 止まったところで 起き上がると 回転キックを男に浴びせた。 【ぐげぇ!】 短い悲鳴を上げ また一人が倒れた。 だが ワンダーウーマンの反撃も ここまでだった。 目が見えないワンダーウーマンに 投網が被さった。 【捕まえたぞ! 撃て! 弾を撃ち尽くせ!】 ダークの掛け声とともに ワンダーウーマンの腕や脚・腿・腹・背中に麻酔弾が打ち込まれた。 【あぅっ! うくぅ! はぅっ! くぁぁ! はぅ!】 【このアマ! よくもやってくれたな! おらぁ!】 一斉射撃を浴び崩れるように倒れてしまったワンダーウーマンを なおも 網の上から 蹴り上げる男達。 【手間をかけさせやがって!】 【パイロンに連絡しろ!ワンダーウーマンを預かっているとな!】 【一人で来いと言うんだぞ!】 【お前達は 爆弾とトラップを仕掛けろ! ビルごとあいつを吹き飛ばしてやる!】 【…うっ…あっ…うぅつ…】 ワンダーウーマンは 下半身が熱く疼く感覚に意識を取り戻した。 【へっへっへ 気がついたようだぜ! おら おら】 【ぁぅ! くっぅ! はぁぁぁっ!】 両手はバンザイをした形で2人の男に押さえられていた。 振り解こうとしたが 身体は痺れていて力が入らなかった。 【へっへっへ 暴れても無駄だぜ! おら おらおらあ!】 跳ね除けようと足に力を入れたが 腰を激しく動かされ 思わず 喘いでしまった。 【ぁ! ぁ! はぁぅ! くぅ! くぅぅっ!】 【感じているようだな もっと やってやれ!】 ダークの言葉に 男は腰を激しく動かし 突き上げてきた。 【ぅ! くぁぁぅ! や! やめ! やめて! ぁぅ!はぁぁぅ! くぅぁぅ!】 【おらぁ 交代だ! 今度は俺が勝負だ!】 【ぁ…ぁ… あぅ! くっ! あぅぅっ! はぁぅ!】 一人が終わると 次の男が その男が射精するとその次が 5人の男達が 次々と ワンダーウーマンを襲った。 【へっへっへ 楽しませて貰ったぜ ワンダーウーマン】 【こんな いい女を抱けるとは 思わなかったぜ】 【へっへ アソコの締まりも良かったぜ】 【随分 感じていた様だぜ! 何回逝ったんだワンダーウーマン】 後ろ手に手錠を掛けられ 床に転がされているワンダーウーマンに 男達は好き勝手な事を言っていた。 男達の嘲笑を浴びながら ワンダーウーマンも虚脱感に浸っていた。 腰が抜けたように下半身に力が入らなかった、 それでも 身体を捩って起き上がろうとしたときダークが 銃弾を打ち込んだ。 パン! パン! と軽い音が 数発続き ワンダーウーマンの 太股に激痛が走った。 【あぅ! くっっ! あぅぅ!】 【これで! 逃げられないだろう 奴が来るまでまだまだ楽しませてやるぜ】 【俺はパイロンにもう一度連絡を入れてくる!もっと可愛がってやれ!】 そう 言うと ダークは 部屋から出て行いた。 【さぁ! リターンマッチだぜ ワンダーウーマン】 【今度は 上の口で楽しませてやるぜ!】 【へっへっへ 今度は俺が一番だぜ!】 【その前に ハンマーで歯を折ってやろうぜ!】 【ペンチにしようぜ! 一本一本 じわじわ抜いてやる!】 残った男達は 足を引き摺りながら這いずるワンダーウーマンを 再び 取り囲んだ。 男達は 美しい獲物を前に 残忍な加虐心に狂いはじめていた。 ワンダーウーマンは 激痛に歯を食いしばり 反撃のチャンスを狙っていたが 未だ 麻酔の痺れは残っていた。 【…くっ!…まだ…力が入らないわ…でも…なんとか…なんとかしないと…】 【どうだ! このペンチでいいか?】 【おい! 本当に抜くのか?】 【当たり前だ! 息子を噛み切られたいのか!】 【ワンダーウーマンの 泣き叫ぶ声も 堪らないぜ!】 【やるぞ! ワンダーウーマンを 縛り上げろ!】 【やっ! 止めて! 嫌! 嫌よ! 離して!】 男達は 3人掛かりで ワンダーウーマンを押え込むと椅子に固定してしまった。 【さぁ 前の歯から 始めようぜ! 口を開けさせろ!】 【いっ! 嫌ぁっ! あがぁ!】 【おら! おら! 口を開けるんだよ!】 ------------------------- その頃 ダークはパイロンに連絡を入れていた。 【そうだ! お前一人で来いと言ってるんだ!】 【聞いているのか! ワンダーウーマンを預かっているんだぞ!】 【なんだと! 好きにしろとはどう言うことだ!】 【おい! パイロンてめぇ! ワンダーウーマンがどうなってもいいのか!】 【おい! こら! キサマ! 待て! … くっそう!切りやがった!】 【兄貴! ダークの兄貴! どうしたんです?】 【くっそう! 切りやがった! 好きにしろと言いやがった。】 【どうします?】 【もう一度 談判してやる! くっそう! 舐めやがって!】 ダークが 戻ろうとしたとき 背後に巨大な 熊が立っていた。 【うがぁ! ぐぇえ! あぐぅ!】 階下で 銃声と 男達の怒声が していた。 異常に気が付いた男達も ワンダーウーマンを嬲るのを中断し 部屋の外へ飛び出した。 【貴様! 誰だ! この野郎!】 【うがぁ! ぐぇえ! あぐぅ!】 男達の絶叫が止むと 一人の男が入って来た。 【あっ あなたは!】 ワンダーウーマンには 見覚えの有る顔だった。 そして 新たな敵に 身を固くした。 【久し振りだな ワンダーウーマン】 男はワンダーウーマンの側に座り込むと、縄を解き始めた。 【ブランケン! 貴方がなぜ? 助けてくれるの?】 【パイロンに コイツ等の始末を頼まれた。 助けに来たんじゃねぇよ】 【貴方! パイロンの手下だったの!?】 【手下じゃねぇ! 俺は傭兵だ! パイロンは俺のスポンサーだ!】 【なぜ? パイロンの傭兵などに】 【金払いが良いのと アイツの側にいるとトラブルに事欠かないからな】 【…】 【心配するな 今日はお前と闘う気はないぜ!ほらベルトだ!】 【…ありがとう…お礼は言っておくわ…彼らは?】 二人が会話をしているとき 肩と足をへし折られたダークがヨロヨロと ハンドミサイルを杖にして 部屋に入って来た。 【キ! キサマ! よくもやってくれたな! 生きては返さんぞ!】 ダークが 銃口を二人に向け引き金を引いた。 部屋中に轟音が響き 反動でダークは壁に激突していた。 爆煙が 晴れた後には ワンダーウーマンを抱き庇ったブランケンの背中が ブスブスと音を立て 肉の焦げる臭いがしていた。 【ブランケン! ブランケン!】 ワンダーウーマンは 自分を庇ってくれた男の名を呼んでいた。 【へっへっへ ざまあ見ろ! 今度はお前だ ワンダーウーマン!】 ダークは 肩で息をしながら 照準をワンダーウーマンに定めようとしていた。 そのとき ブランケンは ワンダーウーマンを庇っていた手を離し立ち上がった。 【この野郎! 俺を 本気で怒らせたな!】 もの凄い形相で ブランケンは ダークに向かって走っていった。 【あ…あぁ…ば…ばけ…化け】 ブランケンは ダークに最後の言葉を言わせなかった。 ゴギッ! と言う音がして ダークの首がへし折られた。 【けっ! 俺の女に手を出した罰だ! 地獄で待ってろ!】 捨てぜりふを吐き ブランケンはワンダーウーマンに近寄ると抱きあげた。 【何! 何をするの!】 ブランケンに抱きかかえられ 狼狽するワンダーウーマン。 【心配するな! 送ってやるだけだ!】 【あ…ありがとう…助けてくれて…でも…大丈夫なの?】 【当たり前だ! 俺は不死身のブランケンだ!】 【さっき ダークに何と言ったの? よく聞こえなかったの】 ワンダーウーマンの質問に ブランケンは ブッキラボウに答えた。 【気にするな! 独り言だ!】 ***完 -------------------------------------------------- この短編をブランケン氏に捧げます。 --------------------------------------------------  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

ワンダーウーマンvsダーク(LZH)・228KB