平成13年2月16日・初版

バットガール最大の危機・第2章/A(S)・著

バットガール 最大の危機 第二話 ノーラ対バットガール  午前二時五〇分。際どい戦いを制したバットガールは、警察が着くのを見守って、 アパートへ帰った。途中小雨が降り始め、彼女のコスチュームは水で濡れ始め、 太もも、胸、そして、尻、股間の線があらわになり始めた。もし、バットガールの輝くサテン地の真紅の マントの下を覗く事ができたなら、スーツが尻の線に沿って食い込み、それがバットガールの動くのに あわせて、右へ左へ動くエロティックなさまを眺めることが出来ただろう。そして、正面からは正義の スーパーヒロイン、バットガールの股間のもりあがりと、中心の線とがくっきりと浮かび、紫紺の ボディスーツが左右に分かれるこれもエロティックなさまを眺めることが出来ただろう。バットガールは 雨がただでさえタイトなボディスーツを一層肌に食い込ませ、歩くたびに生地が擦れるのを感じ、 セクシーな気持ちになっていた。そうなると、先ほどの戦いのピンチのことを思い出さずには いられなかった。粗野な悪党の手に落ち、胸をもみしだかれる正義のセクシーヒロイン……紫紺の ボディースーツは悪党の目の前でイヤらしく動き、その都度光沢が全身の鍛えぬかれた筋肉に沿って動く。 しかし女性らしい体の丸みのところで、生地は限りなく伸張し、その下の肌の突起を光沢とともに 敵の目の前にさらすのである。考えながら、バットガールは乳首が硬くなってくるのを感じた。  「あん……ダメ」 我慢しながらバットガールは足早に家に向かった。股間にこすれるスパンデクスの 滑らかな感触に官能を感じながら。    「オカエリ」 オウムのトミーが言う。 「今、帰ったわ。もうホント今日は大変だったんだから」言うなり、バットガールはコスチュームを 脱ぎ始める。先ずは高いヒール底の黒い皮ブーツ。これはひざのところまでくるので、いったん腰掛けて からでないと脱ぐことは出来ない。次に、真紅のマスクを脱ぐ。バットガールは一転、柔和だが高貴に 美しいバーバラ=ゴードンに戻る。髪を軽く払ってから、ベルトを外す。シュルルルルッと、 ボディースーツと擦れる音がする。思わず、ベルトのコースをゆっくりとグローブでさする。 グローブと、くびれた腰周りにセクシーな感触が残る。そして、肩から真紅のマントを外し、 その光沢をいとおしげに撫でてやる。自分が孤高のスーパーヒロインであることを実感する。 それから、背中のジッパーに手を伸ばしかけて、止める。彼女はパソコンの前に座った。  行きつけのホームページ。そこではスーパーヒロインの写真や創作小説が掲載されている。 有料だが、ずっと以前からバットガールは会員登録をしていた。ギャラクシーガールという創作の ヒロインのMPEGがダウンロードできるようになっている。彼女はダウンロードを選び、その間、新作の 小説を愉しんだ。  「バットガール 最大の危機」というタイトルに一瞬ハッとする。だが、ここ最近、彼女の活躍が広く マスメディアに伝わるにつれ、彼女をタイトルに据えた小説はかなり多くなった。また、バットガールの 活躍を再構成したテレビドラマが始まり、セクシーな女優の演じるバットガールは、アクションは いまいちながら、キックの瞬間だとか、怪人に首を締められもがくシーンだとかが、こうした愛好家の ページに放送直後から掲載されることもあった。一度、睡眠ガスでもがきながら気を失うシーンの 連続写真が掲載されたときは、バットガール本人としてもその悩ましさにセクシーな気持ちになり、 いつしか自分にその姿を重ね合わせ、敵の前で成すがままに横たわるセクシーヒロイン=バットガールを 思い描くのであった。  いつしか、バットガールは最大の危機と題する小説を読み始めた。敵はノーラ=クラヴィンス。 戦闘的フェミニストでなぜか、バットガールを目の敵にしているのである。ノーラは実在の人物であり、 かつて、壮絶な死闘の末に彼女を刑務所に送ったのであった。そのときのことをバットガールは今でも 思い出す。  女の子の人質をとられたのである。  「フフフ、バットガール。あんたの活躍もここまででチェックメイト。私は猫姿の誰かさんと違って あんたとまともに遣り合っても勝てっこないからね。悪く思わないでね」と言いながら、ノーラは銀色の 手錠を立ちすくむバットガールの足元に投げてよこした。  「……どうしろというのかしら?」 それでも威厳を保ちながらバットガールは、キッとノーラを 睨み付けつつ言う。  「知れたこと。その手錠を使ってあんたの両手を後ろに縛りなさい」  「…………良いわ……けど」 とバットガールは少し微笑みながら、「私がそうしたら、その子は 離してくれるのかしら?」  「約束する。私の目的はあんただけ。あんたに地獄の苦しみを味合わせること、それだけだから」  「ずいぶん買いかぶられたものね。このバットガールも」 といいながら、バットガールは、 腰をかがめて手錠を拾った。彼女のスパンデクスが腰をかがめた拍子に輝いた。彼女の伸びやかで 筋肉質な身体が前にかがむために、妖しく蠢くのを見て、ノーラはほくそえんだ。  「フフフフ。とうとう、バットガールが私のものになるのね」  「どうかしら?」バットガールは、真紅のグローブで手錠を片手にかけ、それから、両腕を後ろに 回して、手錠を止めた。 カチッ。腕を後ろで交差させつつ、バットガールは胸をピンと伸ばしてまっすぐ立っていた。 ボディースーツの光沢がバットガールの肉体の芳醇さを約束する。そして高慢に結ばれた真紅の口元が、 無限の官能に溺れるさまをノーラは想像した。  「私の拘束姿をお楽しみ中、申し訳ないんだけど、その子はいつ離してくれるのかしら?」 バットガールが言う。  「ええ、もう少し待って頂戴。バットガール、後ろを向きなさい?」  後ろを向くバットガール。ノーラはバットガールが手錠をかけるフリをして、両手が使えてしまう 事態を恐れたのであった。だが、見たとこしっかり両手首は銀の悪魔の罠の中に嵌っている。 真紅のグローブは光沢を帯びている。  しかし、ノーラは確認を忘れ、そのスーパーヒロインのあまりにセクシーな後姿にしばし呆然とした。 凶暴な丸みを帯びた臀部は、スパンデクス生地が尻の割れ目の線に沿って食い込み、後ろ腿は豊満な、 しかし鍛えぬかれた肉体をそのタイトなコスチュームの中に無理やり押し込まれているかのように、 はちきれんばかりであった。ノーラは背中の真紅のマントを剥いだ。タイトなベルトで締め上げられた 括れたウェスト、大きく地肌の覗く背中。ノーラはかくも均整の取れ、肌の基目細かな背中を見たことが なかった。思わず、ノーラは軽い吐息をその首筋に吹きかけた。  「あん……ん」 敏感なのであろう。バットガールは軽く鼻音を立てると、見る間に、首筋から マスクを止めている耳まで赤く染まった。  「も……もう良いでしょ。あなたは私を手に入れた。あの子を離してあげて」  「良いわ」 ノーラは子分を呼んだ。 「いい?よくお聞き。今から三時間、彼女を連れてドライブし、州境にいって降ろす。で、そこから 匿名で警察に電話を入れて、彼女を保護させなさい……良い? 絶対にこの場所が分からないように、 女の子に目隠しでもして連れ出しなさいね。あと、その子に悪戯したらあんたを殺すからね。分かった?」  そして、ノーラは捕われのスーパーヒロインの背中にささやくように言った。 「これで満足かしら?」 「え……ええ」 バットガールは囁くように応えた。  やがて、男と少女が姿を消すと、広い部屋にノーラとバットガールだけになった。 「ふふふ、ずっと立ってちゃ疲れるでしょ?」とノーラはゆっくりと囁くと、バットガールを前を向けた。 そしてそのマスクに隠された顔をじっと眺めた。ちょうど、バットガールが瞬きをするところで、 その後、じっとこちらを見つめてくる青い瞳に吸い込まれそうになる。 「あなたモデルかなにかの仕事をしているの?」 「……」 「答えなさいよ!」 ノーラは思い切り、その鳩尾を蹴った。 「うッ!……ううン……はあ……ずいぶん荒っぽいのね。フェミニストさん?」 手を背中に回したまま、苦しげに身を捩るバットガール。普段は高慢に微笑んでいるスーパーヒロインが 眉根を寄せて苦しむさまにノーラは嗜虐心をこの上なく掻き立てられた。  ノーラは思い切りバットガールを突き飛ばした。 「ッ!!」 ドシャーーン!!!  バットガールは後ろざまに倒れ、仰向きになって立ち上がろうと、縛られて窮屈な後ろ手を もぞもぞさせている。ノーラはその横腹を蹴った。 「あアア!」  手を銀色の鋼の手錠に拘束されたまま、バットガールはセクシーに横様へ二三度転がった。 そのたびに、少しもりあがった股と食い込んだ尻とが交互にあらわれ、豊満な肢体が スパンデクス地の下で身悶えているのが分かった。身悶える都度、生地の光沢が部屋の明かりを反射する。 黒皮のブーツは建っては横倒しにされるドミノ板のように、身体の動きのままについて来ていた。 やがて、バットガールはうつ伏せで苦しげに息をついた。腕は背中のままだ。  ノーラから見ると、それはバットガールがこちらに尻を見せて、前後に弾んでいるように見えた。 光沢が尻の丸みに沿って伸び、その真中が身体の線を想像させるように食い込むのを見て、ノーラは 手にした銃口でバットガールの尻の線を撫でた。背中で交差させられた真紅のグローブのすぐ真下の 切れ目の始まりから、ノーラの銃口はゆっくりと、食い込みに沿って走る。アナルのあたり、 そして性器のあたり……そこまで行って、銃口はまた戻る……性器からアナル、尻の切れ目の始まりへ。  「あん……はあはあ……ん……くふぅ」 スーパーヒロインは股の間から切なげに、ノーラの拷問を 見守っている。時折、甲高い鼻音が混じる。  「あん……んッ!……ノーラ……正義の味方を拳銃で……はああ……犯す気な……の?」 その切ない嘆願にも似た声にノーラは殆どエクスタシーに達した。ノーラは三本の指をスパンデクス地に 沿って走らせた。切れ目、アナル、性器、性器、アナル、切れ目。前へ後ろへ、交互に指を生地を 引っかくかのようにさまよわせた。  「あッ!……あアア、ダメ……んッ!!」見ると、バットガールは股の間から、眉根を寄せ、涙を 浮かべながらノーラの指の動きを追っている。時折、マスクの下で眼をつぶりながら、 なにかを堪えるように唇をゆがめている。どうやら、これがスーパーヒロインのよがり癖らしい。  (ダメ。気が遠くなっちゃいそう……ノーラ=クラヴィンス……冷血な女テロリスト……死者21名を 出したゴッサムデパート爆破事件の犯人……ん……はあ……そんな悪の手でこの可憐な正義の味方が…… はあはあ……んッ!……スーパーヒロインのバットガールが絶頂を迎えるなんて……しかもお尻を せめられながら……あん……ダメ!……考えれば考えるほどイっちゃいそう……はあはあ…… 耐えなきゃ……あア!!)  やがてノーラは、バットガールのコスチュームの尻の割れ目の食い込みから、彼女の暖かさとともに、 湿った染みは広がり始めるのに気づいた。切れ目、アナル、性器、性器、アナル、切れ目。 切なげに見守るバットガールと目が合い、彼女はにやりと笑った。  「ッ!!……あアア!」 (私……濡れてる?……そんな、正義の味方、バットガールが?……あのノーラの眼、バットガールが、 その指で感じてそのシンボルのセクシーなコスチュームをぬらしてしまうのを見られるなんて…… あん……恥ずかしい……でも……ノーラも、無敗のスーパーヒロインの乱れるさまに 感じているのかしら?……あン……ダメ、ノーラから見た自分を想像したら気が狂っちゃいそう…… イっちゃうわ……このままでは……んッ)  生地は粘着質の染みで音を立て始め、ノーラはやがて、バットガールの性器に絞って指で責め始めた。 バットガールのボディスーツは大変薄地で出来ており、その指の爪の感触までがバットガールには 届いており、彼女は目を閉じ、唇をかんで絶頂を耐えていた。  「バットガール、そろそろイってもらおうかしら?」 そういうと、バットガールの腰を抱えて、 仰向けにした。バットガールは無抵抗に、潤んだ瞳をノーラに向けたまま、両膝を立たせた。ノーラは その両足の間へ顔をうずめた。暖かな吐息が股間を刺激すると、バットガールは一際甲高い声をあげて、 腰を跳ね上げた。 「アんッ!!」  ノーラは立たせた両膝を両腕で水平に押し広げながら、ボディスーツがますます食い込むようにした。 「はあはあ……アんッ!……ダメッ!」 バットガールは食い込む生地の感触を感じ、脳の溶けるような 官能を感じた。バットガールの快楽はしかし、両腕を拘束されて、悪党の手に落ちてもだえる自分の姿を 想像してしまうところから来ていた。  「このままフィニッシュっていうのも芸がないわね」ノーラはバットガールの耳元でくすぐるように 囁いた。 「な……なにを……アンッ!……する気かしら……ンッ……はあはあ」 「コレを見てよ、簡易マッサージ機。超高速で振動をしてくれるのよ」 「まさか……そんな……ンッ!……やめてッ……はあはあ」 ノーラは淫靡に微笑むと、マッサージ機をバットガールの股に押し当てた。 カチッ グィイイイイイイイイイイン 「あアアアアアアアッ!!!!!……んんんん!……ダメダメダメェ……はあああアアッ!!!」 バットガールはたまらず、全身を硬直させて腰を浮かせた。真紅のマスクの下の眼は殆ど白目を 剥いている。身体の動くのに併せ、全身の筋肉が動き、スパンデクス地の上を光沢が滑るように動く。 殊に、尻を浮かせて、グラインドさせるさまは妖艶なベリーダンサーを思わせるセクシーさであった。 「あアアアアアアアアンンんッ……正義の味方にこんな……アアアアア……ことして……はあはあ…… アアアアア!……済むと思っているの……アアアアアンンン……だ、ダメぇ!!ッ」 「フフフ、セクシーだわ、バットガール。でもまだそんな生意気なクチがきけちゃうのかしら?」 そういうと、ノーラはスイッチを弱から中へ切り替えた。 グィイイイイイイイイイイイイイイイインンンン 「はあアアアアアアアッ!!!!!」  バットガールはもはや何も見えていない状態で、真紅に塗られたくちびるから透明な唾液を首筋にかけて 引きながら、悶えた。脳の中に閃光が爆発し、無限の地獄へ落ちてゆくような失墜感を味わう。 「うふふふ、正義の味方がテロリストのマッサージ機に身悶えるさまというのは、シュールだし、 とんでもなくエロティックだわ……はあ」というとノーラは、マシンを押し当てながらバットガールの 真紅の唇に口付けをした。バットガールは嫌がる分別もすでになく、ノーラの舌が口の中に進入するに 任せた。唾液が口の中に入ってくる。 「……アアアアアアアアアア!……はあああああああッ……んんん!!!!!!!……はああああん!!」 それから、ノーラはバットガールの耳元で囁いた。 「あのセクシーヒロイン、バットガールが私のモノになろうとしているのね……フフフ…… こんなマッサージ機なんて序の口よ……はあ……これが済んだら……あなたのアナルから催淫剤を 注入して、電流を流してあげるわ……はあ……何があっても、あなたに地獄の快楽を味合わせてあげる。 発狂して死ぬがいいわ、高慢きちなスーパーヒロインさん」 「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!……だめェ!!!」一オクターブ高い声を 跳ね上げて、バットガールはその囁きに身悶えた。ノーラの目の前で、アナルに催淫剤を注入され、 電極を挿入され、体中の体液を垂れ流して、紫紺のボディースーツを全身ぐしょぐしょにしながら、 白眼を剥き、唾液もぬぐえないよがり狂うバットガール自身の姿を思い浮かべると、 そんな正義の味方としての自分の姿の想像に気が遠くなりそうな恐怖と背徳の快楽を感じずには いられなかった。 「あら?そんな想像もなかなかいけるみたいね? ホントいやらしいヒロインだわ。 これでも食らいなさいッ!!!」 そういうと、ノーラはマシンのスイッチを強にした。 ぐぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいんんんんんん! 「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアンンンッ!!!!!!」  バットガールは再び白目を剥き、全身を激しくグラインドさせた。既に全身から流れる汗で、 ボディースーツは紺色になっており、身体にびっしりと張り付き、突き立った乳首だとか、 へその窪みだとかを露にノーラに曝していた。唾液がまた唇の端から流れ、首を伝って襟元のスーツへと 吸い込まれる。  ノーラは改めて身悶えるバットガールの美しさと淫靡さに愕然とした。顔は上気し、眼は白目がちに 顔全体としてはだらんと弛緩していたが、寧ろ普段の隙のない顔つきとのコントラストで、征服感を 刺激した。そして全身の引き締まったボディーとその表面を覆う薄く濡れたスパンデクス。 もはや光沢は浮かんでいなかったが、全身の筋肉の動きが透けて見えた。そして、その巨大なバストから 硬く突き出た乳首。そして押し当てられたマシンの下からは、ヘアーの濃い影と、その下の性器の割れ目と 妖しい突起が周囲のスーツを突っ張らせていた。そして、背中の端から肘だけ覗く真紅の両腕は、 身もだえに併せて窮屈そうに蠢いている。  「ハアアアアアアアアアンッ!!!!!!」  「ふふふ、そろそろイきそうかしら? でもね、ちょっと待って頂戴」 そういうと、ノーラは マシンを止めて、ふいと立ち上がり、部屋を出て行った。  (えッ……どういうことなの?……ノーラ?……私このままじゃ……はああ……ん) 切なげに眉根を寄せたバットガールは、内股を擦り合わせながら快楽を続きを得ようとした。 「あん……ア……はあはあはあはあ」 満たされぬ思いに身を捩りながら、ヒロインは内股をごそごそと 擦り合わせることで代替的な快楽を得ようとしたが、そんな窮屈なオナニーで満たされる情熱ではなかった。 「はあ……あん……んんッ!」 やがてバットガールはぐるぐると身体を回転させて、置いてあった 安楽椅子の脚元へ来ていた。 (ダメ……バットガール。正義の味方がそんなことしちゃ……で、でも身体が…… このままじゃ私狂い死にそう)  バットガールは股を開くと、椅子の脚をまたいで、身体を前後上下に揺さぶった。椅子の脚が彼女に 当たるように。、もう、彼女はとうに冷静な思考を失っていた。焦点の合わない潤んだ目を真紅のマスクの 下から前に向けながら、貪欲に快楽を求め腰を動かしていた。 「はあはあはあ……ダメッ…アアアアアアアアアン…イっちゃうッ!」 「あら、淫乱なスーパーヒロインさんは椅子の脚でオナニー?」 デジカメを手にしたノーラがそのバットガールの痴態を記録している。冷水を浴びせ掛けられたかのように、 動きを止めてデジカメを見つめるバットガール。無機質なレンズに、ごく微かに全身をタイトな紺の スーツで覆われたセクシーな仮面の女の姿が映った。  「アアアアアん……止めてノーラ……それだけは……お願い……はああはああ」と言いながら、 バットガールは先ほどのレンズの自らの痴態に、自分でも驚くほど胸が疼くのを感じた。 (あん、あんな姿を見られるなんて……屈辱だわ……でも、私……)  ノーラは黙って、バットガールを椅子から離し、その股間にマシンを強で押し当てた。 「ハアアアアアアアアアアアアんんんんんんんッッ!!!!!!!」 びくんッと身体の跳ね上がるバットガール。跳ね上がると、ヘアーの影が透け、食い込んだ彼女の 身体の中心がカメラにより近づくことになる。唇を上の歯でかんでいるバットガールは顎を突き出して、 顔は向こうに隠れた。 「ステキだわ、スーパーヒロイン。ゴッサムシティーの正義のエンジェル。そのバットガールの絶頂を 記録に残せるなんてなんて幸せなのかしら」 「ダメよ……ノーラ……はあ……ハアアアアアアアアアアアアんんんんんんんッッ!!!!!!」 「まだ、そんなことを言ってるのかしら? そろそろ達しても良いころね。これでフィニッシュだわッ!!」 ノーラはスイッチをマックスにした。 ぐぃいいいいいいいいいいいいいいんんんんっ!!!!!! 「ぎゃアアアアアアアアアアアアンンンンンン……ハアアアアアアアアアアアアんんんんッ!!!!!」 バットガールはその瞬間、腰を浮かせたまま身体を硬直につっぱらせ、苦悶にも似た表情を浮かべた。 顎を真上に突き上げ、絶叫を上げた。  ノーラがカメラを横に置き、絶頂に達し息も絶えだえのバットガールに近づくと、突然、彼女の足が 大きく円を描き、ノーラの首に絡みついた。 「えッ?」 思うまもなく、ノーラはそのままぐいぐいと首を締められ、激しくむせていたが、その間バットガールは 後ろに交差された腕を動かしながら、ベルトからカギを取り出していた。それから手錠を外すと、 ノーラの首筋に鮮烈なチョップを食らわせた。 「あら、ごめんなさい。でもね、拳銃を身体から離しちゃダメよ。それからスーパーヒロインは脚も 武器なんだから、今度からは脚も拘束しなさいね☆」 薄れ行く意識の中でノーラはバットガールが 真紅のグローブを腰に当て、ポーズを決めるのを見た。さっきまで、自分の手の内で白目を剥いて よがっていたヒロインとも思えない凛々しさを感じずにはいられなかった。  そこでバットガールはモニターの前で彼女がいつしか自分の身体を触りながら、オナニーをしていた ことに気づいた。  「でも、おかしなことが残ってるわ」  そう、バットガールには腑に落ちないことが残っていた。警察に連絡をした後、自分を撮っていた ビデオを持ち帰ったのだが撮影記録が残っていないのだ。スティックを抜かれていたらしい。 しばらくは悪人の手に落ちたのではないかと不安だったが、ノーラが撮影後、どこかにしまうか、 撮れてなくて捨てるかしてしまったのだろうと気にするのを止めてしまったのである。  「最大の危機」と題する小説を最後まで読み終わったとき、作者のメッセージであろうか、文末に こんなことが書いてあった。 「バットガールへ。あなたにした約束を覚えているかしら? そう催淫剤に電極……近いうちにあなたの 元へ窺う予定よ          ゴッサム市立刑務所より愛を込めて ノーラ=クラヴィンス」   そのころ、黒いビニール地のコスチュームを身につけた女は、モニターで唾液を垂らしながら喘ぐ 真紅の仮面の美女の映像を眺めていた。彼女はその全身を欲望していた。 「もう少しだわ、バットガール。あなたの味わう地獄はこんなのではなくてよ」 ***つづく