平成13年3月9日・初版

バットガール最大の危機・第5章/A(S)・著

第五話 ノーラ=クラヴィンス来襲(後編)  全身を汗まみれにさせ、シンボルのボディースーツは今や紺色となってその肌に張り付いている。 バットガールはアナルから流された電流によるあまりに激しい快感から気を失って、両腕を手錠で 拘束されたままうつ伏せに倒れ、気を失ってしまった。ノーラはバットガールに触れて仰向けにした。 スーパーヒロインは眼をつぶり、静かに呼吸している。呼吸のたびにボディースーツに辛うじて包まれて いる豊満なバストが持ち上がっては下がる。殊に後ろ手に拘束されているために背筋がアーチ状に隆起し、 その胸を更に盛り上げている。今にも乳首がスーツを突き破りそうに見える。  「バットガール……」  宿敵の完全に敗れたさまのあまりの美しさから、ノーラは思わず、バットガールに抱きついた。そして、 その汗と涙、そして涎で美しく濡れたスーパーヒロインの顔を舐めまわす。耳たぶを噛み、整えられた 眉根に舌を沿わせ、閉じられた目蓋の濃いアイシャドウを慈しむように舐めた。やや出た頬に激しく 口付けして、バットガールの汗の味を堪能し、鼻を口に含み、そして、鼻筋を下ってすこし開いた口に 侵入して、気絶したスーパーヒロインの暖かでやわらかい舌を吸い込んで、ノーラ自身の舌と溶け合わせた。 そして、バットガールの完全に白い歯の裏側へ舌を滑らせ、その歯並びの完璧さを舌先で味わった。  「……っ……ううん……」 かすれたうめき声をあげるバットガール。しかし気は失ったままのようだ。 常人ならば既に死んでいる程のショックである、当面は起きないはずだ。  「あなたのすべてが欲しい……」  ノーラはバットガールのボディースーツから突き出そうな乳首を指先でいとおしげに弄びながら、 決心して、バットガールの身体をやや持ち上げて、後ろ手の手錠のカギを外してやった。 カチャン 外された真紅のグローブで包まれた腕は気だるげに投げ出された。ノーラは手を離し、バットガールの 身体は再びあお向けのまま、横たわる。ノーラはバットガールの右の腕を取って眺めた。折り曲げると 自然と筋肉の隆起する鍛え上げられたであろう腕。つややかな真紅のグローブに包まれている。ノーラは 両腕のグローブを外してやる。両腕とも大きさぎりぎりの規格らしく、身体が汗ばんでいることもあって、 なかなか外れなかった。が、外れると、ノーラは右腕のグローブを手にとって、その内側の匂いをかいだ。 汗の香ばしい匂いがした。ノーラはバットガールの右腕を手に取り、手のひらを開かせた。白くしなやかな手。 ノーラは細く長いその指の間にいとおしげに舌を這わせた。バットガールの正体を彼女は全く知らないが、 今この瞬間は、彼女の自然体を味わっている実感があった。ゴッサムの天使のプライベートを手に入れたような 気がしていた。爪先は真紅に塗られていた。こんな見えないところにもメイクを施す彼女の素性を思わずに 入られなかった。それから、ノーラは腕を頭の上に持っていき、脇を露にさせた。  脇元は特に汗をかきやすいところである。それはスーパーヒロインも例外ではないだろう。既に全身は 汗まみれでスーツは肌にくっついているありさまであるが、ノーラは脇を舐めあげてその汗ばんだすっぱい 味わいを心から愉しんだ後に、その香ばしい匂いを愉しんだ。こんなところにも、スーパーヒロインの 隠せない人間としてのさがを感じずにはいられず、ノーラはバットガールを征服したという感情を再び強めて、 その官能を愉しんだ。 そして、ノーラは再びバットガールの腕を取って後ろ手に手錠で拘束した。 ガチャン  ノーラは仰向けのままバットガールの膝を立たせ、膝頭を手にとり、左右へと大きく開くと、 セクシーヒロインの股間が露になる。紺色のスパンデクス地のボディースーツが左右に力を加えられて 伸び、その下の性器の形を明らかにする。淫靡に微笑んだノーラがその神秘的な割れ目に沿って舌を 這わせた。既に水分を吸いきれなくなったコスチュームからは彼女の愛液がとろみを帯びて糸を引き床へ と零れ落ちる。ノーラは音を立ててバットガールの淫らな体液を吸い上げる。  「……ッ」  ビクンッと身体が硬直し、僅かに腰を浮かせ、腿の筋肉が一瞬躍動した後に、ノーラの舌の動きに併せて、 淫らに尻をグラインドさせるバットガール。  「……目が醒めた……?」  「……あああん……あん……はあ」  切なげな喘ぎ声を混ぜながら荒い息をつくばかりのセクシーヒロイン。  「……答えなさい?……あなたは……」  ノーラはそれからまた割れ目に併せて舌を沿わせ、それから濡れて光沢を放つボディースーツを 突っ張らせている彼女の中心の突起をこまやかに歯を立て噛んだ。  「誰なの?」   「ッアアアアアアアアアアアアああああああアんッ!!」  ノーラから見ると、バットガールは顎を宙に突き上げ、腰を極限まで突き上げ、尻から腿の筋肉を汗を 吸ったボディースーツの下で引きつらせて絶頂の声をあげた。  「……あん……ああん」  それからバットガールは恥ずかしそうに顔を横に向け、絶頂の余韻を被虐の屈辱の中で噛み締め、 エロティックな鼻音を立てていた。  ノーラは再び舌を糸引く股間の割れ目に入れ、丹念に刺激してやる。  「……ッあああああアんっ!……もう……もう……あああアあ!」  再び堪らず腰を浮かせ、悩ましげにくねらせるセクシーヒロイン。しかし、そこでノーラはぴたりと 舌を止めて、上目遣いにバットガールを見た。  「答えなさい?……誰なの」  「……バットガールよ」  それから、ノーラ=クラヴィンスは再び舌をバットガールの敏感な部分に沿わせた。それに併せて、 再びバットガールは腰を浮かせてしまう。  「……本当の名前は?」  ノーラは割れ目をこまやかに刺激し、中心をスーツ越しに軽くかんでやり、舌を硬く突き立てると セクシーヒロインの内側へ軽く滑り込もうとさえした。  「ッあああああああアん……はあ……バット……ガール……よ……ノーラ……ああああアん!!」  金髪のショートヘアを振り乱しながら、気絶しそうな快楽の淵でそれでも精一杯格好をつけながら バットガールは答えた。そのとき、真紅の唇の端から唾液がきらりと光って糸を引きながら耳の先から 床へとこぼれた。  「本名もバットガールだなんて……うふ……エイリアンかなにかのつもりかしら……銀河の治安を守る 宇宙刑事かなにかなの……バットガール……あはははははは」  「あん……」 バットガールはノーラの嘲笑に、正義のスーパーヒロインが落ちてゆくという倒錯した 官能を感じ、その身をくねらせた。  「年齢は……?」  「……」  必死で唇を食いしばって、セクシーヒロインは答えを拒んだ。漏れそこなった吐息が鼻から次の瞬間 こぼれ、バットガールは心もちその顎を少し持ち上げた。  「……うん……んっ」  「職業は……?」  ノーラは指を尻の切れ目に沿って走らせると、アナルのところで深く衝き立ててやった……と、 同時にその舌先で糸引く紺のボディースーツ越しにバットガールの中心を転がした。バットガールは 突き上げるような快楽が背筋を光の速さで伝わるのを感じ、それに併せて腰を浮かせたが、その瞬間、 閃光は脳へと溶け込みバットガールの理性を吹き飛ばしてしまう。彼女は淫ら声をあげ、自制心を失った。  「うううんっ……あああアん……わ、わたしは……ああああアあんん!!」  「……ええ、あなたの仕事は?」  「……っあああああアん……わ……わたしのし、……仕事……は……あああああアん!」  「……」  ノーラは更に深く指を薄いコスチューム越しにアナルに突き入れた。  「ひゃあああああああアアああんッ……し、仕事……は……正義のみ……方……よ……ああああああアアアんッ!」  バットガールの股間から粘着質の液体が更に糸を引いて零れ落ちた。それをノーラは指で掬い上げ、 バットガールの目の前に突き出す。指は相変わらず、セクシーヒロインのアナルを内側から刺激しつづける。 深く入り込んだ指は、タイトなボディースーツを更に身体の平面に沿って伸ばし、更にぴったりと肌へと 張り合わせた。  「ねえバットガールさん、あなたの仕事はなんだったっけ?」  ノーラは突き出した指先でバットガールの愛液を伸ばしたり縮めたりして弄んだ。バットガールは 自らの愛液が糸を引いては閉じるさまを見て、たまらず目を逸らそうとしたが、それがノーラの嗜虐心を くすぐるだけに終わることに気づくと、それを見つめながら、答えた。  「あん……はあ……あああん……正義の……み、味方……よ、ノー……ラ……。アアアアあああん…… ゴッサムの……街を悪の手から……はあ……あああアん……守るの……あああああああアアアアあああんッ!!」  バットガールが一際甲高い声をあげ、アナルの刺激から絶叫に達しようとした瞬間、ノーラはその愛液で べとついた指をその口へと差し入れ、バットガールの舌に触れさせた。  「ううううん……いや……」  眉根を寄せていやいやをするバットガール。舌先から彼女自身の味が広がるのを感じ、その屈辱に バットガールはノーラを正視できずに顔を横に向けた。唾液でべとついた床の水溜りに横顔を漬け、 焦点を失ったとろんとした眼を前に向けている。ノーラはその顎を手に取り、彼女の目の前に突き出させた。 真紅のマスクの中で切なげな瞳の中にノーラ自身の淫靡な笑みが映るのを確認して、ノーラは言った。  「宇宙刑事?……その愛液のどこが宇宙刑事なのかしら?……あなたなんて……ただの淫乱なコスプレ女じゃない……ふふふ」  顎を捕まれたセクシーヒロインは逃げ道も無く、ノーラの瞳を見上げる形で上目使いで見つめた。 その瞳の中に、苦しげに眉根を寄せている上目遣いの真紅のマスクを嵌めた美女が映っている。 両腕を窮屈に後ろで縛られながら、胸の乳首は濡れたコスチューム越しにつっぱっている。顔は涙と汗と 涎とで、光沢を帯びてつやつやとしているのが分かる。堪らずバットガールが唇を僅かに開くと、 瞳の中の女も唇を薄く開いた。 (これがノーラから見たわたし……の姿……淫乱な……コスプレ女……あああアん……そうたしかに…… 今のわたしは……淫乱な……ただの……コスプレ……女……だわ。正義のシンボルのボディースーツは…… わたしの全身の体液を吸って身体中に張り付いて……悪党の目にぶざまな姿をさらして……いる…… あああアん……乳首とか、……クリ……トリ……うんっ…とか、アナル……とか……わたしの…… 身体が……淫らに……責めに反応するのを……すべて……ノーラに……あああアっ……見られ…… ている……のね……あああアアああっ!……もうダメ……気が狂っちゃいそう……よ)  「ああああああアアアああああああああんんっ!!」  自分の倒錯した快感からバットガールは再び腰を突き上げ、ノーラの目の前でよがり狂った。 浮かせた尻を激しく揺さぶる。 (ああわたしの淫らなよがりぶりを、ノーラは見ているのに……) そう思うと、バットガールはますます突き上げてくる官能にさらに激しく腰が動いた。 ボディースーツの下で全身の鍛え上げられた筋肉が大きく隆起する……殊に、ノーラは そのセクシーヒロインの腹筋の蠢くさまに魅入られた。  「わたしの見たところ、あなたは27-8歳ね、目鼻立ちの輪郭のくっきりとしたところから分かるわ。 女盛りね。きっと、そのマスクの下には美しい顔が隠されているのでしょうね」  それからノーラは立ち上がり、バットガールの顔を踏みつけた。少しずつ力を加えていく。 それに併せて、バットガールの顔は横を向き、涎の海へと漬かりこむ。  「どう……バットガール……あなたがどんなに美しいセクシーヒロインだろうとも……今はわたしの 思うがままの……淫らなコスプレ女に過ぎない……分かるわね」  バットガールは手錠で縛られた後ろ手を窮屈に動かしながら、悪党の脚を逃れようともがくが、 ノーラの足先はしっかりと宿敵の高貴な頬骨を抑えて更に力を加えていく。 「……っ……ううううん」  捻じ伏せられて自らの涎の水溜りの中でうめくスーパーヒロイン。それからノーラは横腹の下に足を 入れ掬いあげる。 「……っああん」  腕を拘束されたセクシーヒロインはゆったりと転がってうつ伏せになる。濡れて光沢を放つ尻の エロティックな隆起がノーラの目に飛び込んでくる。後ろ手の窮屈そうな拘束も見逃すことは出来ない。  それから腰を持ち上げて膝をつかせると、ノーラの眼には尻の隆起と股の間から見えるその先の横顔を ついたスーパーヒロインの姿が見える。そこでノーラは思いついて席を外した。 「ちょっと待ってなさいよ」  二分後、ノーラは簡易マッサージ機を持って戻ってきた。 「さて、すごいわよ。これから」 ノーラは先ず、先ほどの注射針を採りあげ、バットガールのアナルへ慎重に刺した。 「……っ!!……お願いっやめてノーラ!!」 「あら、命乞いなの? スーパーヒロイン? まさか、そんなことないわよねえ」  そういうと、ノーラは静かにピストンに力を加えた。注射器の中の水位が下がる。針が抜かれた。 「安心して、バットガール。これはさっきとは違う薬で、さっきの薬と相乗して働くだけのサプリメントよ。 まあ、さっきの快楽のレベルを少し上回るくらいにしかならないわ……もっともゾウも死ぬレベルなんだけどね」  少しずつバットガールの息遣いが荒くなり、背中が激しくゆれるようになってきた。尻が少しずつ動き始め、 バットガールの顔が見る見る上気しはじめ、赤くなった。首筋に汗の玉が浮かぶ。 「……っ……うん……はあっ!」 息をするのも苦しそうなバットガール。辛うじて正気を保っている ぎりぎりのレベルでふんばっているように見える。右脚の先では指がピンッと伸び上がっている。 ますますバットガールの腰使いが激しくなってきた。尻の筋肉が隆起した。その尻をスーツ越しに爪を立てて なで上げる。 ッツツー 「っああああああああああアアアアあああああああああああああアアハアアアアんんん!!!」  これ以上ないほどに口を大きく広げ、バットガールは絶叫して果てた。だが、潤んだ瞳で前をぼんやりと 見つめているところを見るとまだ気絶してはいない。ノーラはマッサージ機を取り上げ、その尻の切れ目を 手で押し広げ、そこへ当てた。 「っああああああアアん……だめェ!!!!」  真紅のマスクの下で白目を剥いてよがるセクシーヒロイン。その耳元に熱い吐息を吹きかけるように 囁くノーラ=クラヴィンス。 「あのね、バットガール。これはね、一年前のマッサージ機を改造した特注品なの。 マックスで秒速一千回回転できるのよ」 「……うん……はあ……ああ……あん」  バットガールは息も絶え絶えに、拘束された両腕を捩らせていた。ついた膝で前へ逃れるように 歩みだそうとするが、ノーラが更に強くその股間へマシンを押し当てると、 「っああああああアアああああん!!」  声をあげ前へとへなへなと崩れ落ちてしまう。顔を自らの涎で濡れた床の中へ漬け、激しく呼吸を するのにあわせて肩が上下に動くセクシーヒロイン。 「絶体絶命ってわけね……覚悟はいいかしら?」  ノーラは指先に力を入れ、準備する。 「……質問よ、バットガール……あなたの本名は?」 「……ああん……あん……はあ……バット……ガー……」 カチッ ウィイイイイイイイイイイイイイイイインンンンン 「っはああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアああああんッ!!!」  その瞬間、バットガールの肢体はしなやかに後ろへと反り返り、その胸は大きく揺れた……が、 それと同じくらいの勢いで、バットガールは前へと沈み込み、その顔は唾液の海へと沈み込んだ。 ノーラはその金髪を引っ張りあげ、再びバットガールを後ろ側へ引っ張りあげる。 「まさか、気を失ってないでしょうね? 正義のスーパーヒロインさん? 最期まで演じてわたしを愉しませて頂戴ね」  ノーラはバットガールの眼が辛うじて開かれ、その紅の唇が僅かに開くのを見て、髪にかけた手を離した。 セクシーヒロインは再び急速な勢いで前へと倒れこんだ。 「……ッうぐっ!……はあはあ……うん」 「オッケー。質問を続けるわよ……バットガール、あなたの仕事は?」 「はあはあ……うん……はあ……あん……な……何度言……ったら……わ……あん……かるの…… はあはあ……バットガー……あん……ル……は……正義……の……みか……」 カチッ ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンンン 「ッ!!……はあああああああアアアアアアアアアアアアアアアんんん……だめェ…… アアアアアアアアアああああああああああああん!!!」  再び後ろざまに反り返ったバットガールはその頂点のところで、ぐるんと黒目が反転し、白目を剥いた。 唇の端から透明の糸が垂れる。そして、再び地の底へと落ちた。 バットガールの肺は今にも燃え上がるかのように激しく動き、瀕死のスーパーヒロインへと酸素を 供給しつづけていたがそれも限界であろうか、バットガールの頭には酸欠からか宙に浮いているかのような 浮遊感が有った。 「最後の質問よ」 「はあはあはあはあ……も……もう……はあはあ……あああん」 「正義のスーパーヒロイン、華麗なセクシーヒロイン、連戦無敗の鍛え上げられたボディーをもった バットガールさん……あなたは今、この殺人者ノーラ=クラヴィンスの手で何をさせられてるの?」 「……はあはあ……い……いや……あん」 「答えなさい?」  そういうと、ノーラはまたバットガールのショートの金髪をつかんで後ろへ引っ張りあげた。 バットガールは激しく背中を逸らせて息も出来ず、思考力を完全に失った。 「イかされ……て……いま……す」 「ふうん、そうなんだ、セクシーヒロインさん。そして気持ちいいの?」  言うなり、ノーラは髪を持つ手を強め、更に後ろへと引っ張った。 「っあああ!……気持ち……い……いで……す」  紅のマスクの下で白目を剥いたスーパーヒロインが唇を開くと、その瞬間ツーッと涎がその端から ゆっくりと地へと落ちた。 カチッ ウィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイインン! 「っひあ……あああああああああああああああああああああああああアアアアアア あああああああああんんんん!!!……ひアアアアアアアアあああああああああアアアアああああああ アアあんん!!!!」  絶頂と同時に、ノーラはその手を離したがしばらくはその無理な姿勢のままバットガールは 悲鳴ともつかぬよがり声を上げ、慈悲を乞う天使のように顔を真上に向け、全身の筋肉を硬直させた。 殊に、そのような無理な姿勢のため、腹部の筋肉は激しくコスチュームの下で動いた……そして声の 途切れた瞬間、全てを失ったかのごとく、激しく前へと倒れた。 ずしゃああッ 「……ん」  今やバットガールは濃いアイシャドウを見せ、静かに息をするのみである。 「気を失ったみたいね」  ノーラは立ち上がると、休息のために隣の部屋へと消えた。  水を飲んで戻ったノーラは少し驚いた。バットガールが手錠を外し、四つんばいのまま少しずつ部屋の 出口へ向かって這い出ようとしている。紺色のコスチュームは汗と体液でぺったりと身体に張り付き、 交互に膝を進めるたびに、スパンデクス地のボディースーツが尻の割れ目を出たり入ったりしている。 殊に股間のところは粘性の液で光沢を帯びており、その尻の動作に合わせて光が動いた。ノーラは淫靡に 微笑むと、四つんばいのバットガールの背後を抑え、腰に刺していた黒い鞭でその首を後ろから締め上げた。 「っうぐううううう……んんん!」  ちょうど正座をする格好になり、両手で首にかけられた鞭を外そうともがくバットガール。 眉根を寄せ、歯を食いしばり、顔を左右させながらきつく縛り上げられる鞭の罠から逃れようとするが、 抵抗すればするほどきつく締め上げられる。 「っうううううううんんん」 「フフフ、バットガール。あなた……あれだけの催淫剤を接種されて私から逃れられると思ってたわけ? ……あなたが手錠を外そうとするくらいとうに分かってたわ……けれど、見つけたらすぐに捕まえる自信が わたしには有った……ところで」 「っんんんんんん!」  更にきつく締め上げられる鞭。鞭を引き剥がそうとするバットガールの両腕の力が徐々に失われていく。 「首をしめられた状態での快楽は、通常の何倍もするって知ってたかしら? スーパーヒロインさん」  がくん……バットガールの左手がぶらりと落ちた。辛うじて右手が鞭に引っかかっているに過ぎない。 「んんん……あ……ああ」  膝を突いて尻を浮かせた格好のバットガール……全身を引きつらせその伸びやかな肢体が光を浴びて輝く。 胸の突起は首を締め付けられて以来、ますます膨張し、全身のボディースーツを一点へと引き寄せていた。 ノーラは鞭にこめる力をやや弱め、その背を前へと押した。倒れこむように再び尻を向けて前かがみになる セクシーヒロイン。 「処刑を始めます……バットガール。この首をしめた状態でアナルから電流を流したらどうなるのかしら」  鞭にこめる力をほどほどにしつつ、ノーラは脚元の電極を片手で引き寄せ、それをバットガールの アナルへとゆっくりと挿した。そして、両手で鞭を締め上げた。 「っううんんんんんん!……んあ……んん!」  バットガールは頭をやや後ろに逸らし、苦しげに目をつむる。頭がじんじんしぼーっとするのに併せ、 尻の異物感が異常に敏感に感じられ、催淫剤の効果であろうか……バットガールは首をしめられながら 絶頂に達しようとしていた。頭を振りながら、唇の端からまた白い糸がつーっと垂れた。 (だめ……さっきより敏感に……なってる……苦しいの……に……んん……セクシーヒロインが 首をしめられてよがり狂うなん……て……あん……身体中のボディースーツを……汗まみれ……にし……て ……悪党……の……手で……よがり……狂……う……なん……て……あん……ダメ……バットガール…… 考え……れば……考えるほ……ど……ノーラ……の思う……ツボ……よ……で……でも……あん) 「さて、バットガール。言い残す言葉はない?」 「……んん!」 「あら、ごめんなさい。少し緩めるわね」 「はあ……はあ……例えバットガールが死んで……も……あなたのような……悪党には……制裁が…… 下るハズ……よ……んんんんん!!」  言葉を言い終わるより先にノーラは更に力をこめてバットガールの首を締めた。 やがて、バットガールの両手が再び鞭から離れ、だらんと垂れた。だが、辛うじてバットガールが 気を失わずにいるらしいことは苦しそうな顔つきからも分かる。真紅のマスクのしたの閉じられた目、 高い鼻、控え目だがセクシーな頬骨、高貴な真紅の唇……だが、もう少しでも長引けばやがて、 バットガールの首はがくんと前へとおちるだろう。ノーラは電極のスイッチを片手の指で探り充てた。 「死になさい、バットガール!!」 カチッ 「はあああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアああああああああっ!!!!!!」 ガクツ 部屋は静まり返った。バットガールはゆっくりと前へと倒れた……そして、首を抑えて咳き込んだ。 「ごほ……ごほ」  身体を床の上でくねらせながら激しくむせるバットガール。 その横ではノーラ=クラヴィンスが電極を握ったまま気を失って白目を剥いていた。 「はあ……はあ」  荒い息遣いながらようやく落ち着くと、四つんばいでノーラのところへ行き、その様子を見た。 「……しばらく眠っているでしょうね……ノーラ……あなたの敗因はわたしをおいてマッサージ機を とりにいったこと……その間に、グローブに忍ばせておいて、外されると同時に手の内に隠しておいた カギで手錠を外し、バットベルトの道具で電極をショートさせて、スイッチの箱に接続しておいた…… 箱は私の唾液で濡れていたから、スイッチを捻ると同時にあなたに電流が流れる仕組みになっていた…… こうでもしないと催淫剤を打たれていたわたしに……勝ち目はなかった……」  バットガールはそれからよろめきつつも立ち上がり、柱にもたれかかりながら、バットベルトから 携帯電話を取り出して警察を呼んだ。  やがて、赤いランプが山荘の窓からさした。 「着いたみたいね」  バットガールは山荘の裏口から抜け出し、冬の夜の雪道を歩き始めた……が、しばらく歩くとふらりと よろめき、がくんっと右で立てひざをつき、そのまま前のめりに倒れた。 「……う……うううん」  ちょうど人気のない森の中の斜面であった。倒れこんだバットガールはそのまま斜面を転がり 落ちていった。明るい月に照らされて、バットガールの濡れた身体は転がりながら光沢を集めた…… 表のときは豊満なバストと、突っ張った乳首、そして、やや膨らんだ股間が体液に濡れて月の光の中で 輝いた。そして背を向けた時は豊かな尻のスーツを引っ張り込んだその切れ目に沿って光沢が滑る。 バットガールの身体は無限の速度で回転しながら山の斜面を転がり落ちていき、やがて、大きな木の根元の ところで最後にゆっくりと転がって止まった。 「……ううん……ん」  そしてそのままセクシーヒロインは気を失った。目を閉じ、その胸は安らかな呼吸に合わせて 上下していた。  ノーラは目を覚ました。窓の外の赤いサイレン灯を見て歯噛みする。 「ちっ……また刑務所か……バットガールめ……だが、彼女は一つ過ちを犯したね……あいつの淫らな よがりっぷりはちゃんと隠しカメラで録画しておいたのさ。また適当な時期に脱走でもしてそのビデオで バットガールを罠に落として愉しめばいいわ」 ガチャッ  扉が開き、制服姿の警官が三人入ってきた。制帽を深くかぶった背の高い警官と、同じ高さの警官と、 背の低い太った警官だ。  ノーラは不敵に笑い、降参のしるしに手を上げた。 「ノーラ=クラヴィンスだな……逮捕する前に少し聞きたいことがある」 「……」 「隠しカメラはどこだ」 「……なんでそれを知ってるんだい……そうか、バットガールか!……畜生……」 「有るんだな……どこだ」 「……しょうがない……取引しないかい……あんたはカメラを手に入れる……だがそれをそのままボスに 渡してしまえば、あんたみたいな平警官、一生その画像を拝むこともないだろう……バットガールが安全に 手に入れて処分しちまうだけさ……どうだい……あんたも男だろ……このカメラを一旦見逃してくれれば、 後で必ずあんたの手に渉るようにするから……さ」 「……」 「……分かったよ。じゃ、あんたがカメラを持っていきな。後でコピーをいただきに上がるよ…… もちろん金は弾むから……ね」 「……いいだろう。カメラはどこだ」 「そうこなくちゃ……カメラはあの植木の後ろさ」  背の高い警官はもう一人の太った警官に目で合図すると、それをとってこさせた。 「ふむ……画像もよさそうだな」 「ああ……最高さ……だから、後で伺うからそれまで保管しておいてよ」 「……悪いが、その約束は出来そうにない……」  そういうと、警官は制帽の底でにやりと笑い、素早く腰の拳銃を抜いた。 閃光。乾いた破裂音。  警官は制帽を脱ぎ捨て宙に放った。 「くくくく……バットガール……また罠の準備が整った……次の地獄には出口はなくてよ……ニャーオウ」 しばらく宙を舞っていた制帽は、その額の穴を隠すようにノーラ=クラヴィンスのうつろな顔の上に落ちた。 続く。