平成13年10月26日・初版

バットガール最大の危機・第10章/A(S)・著

キャットウーマンズ ワールド (中編)  バットガールはその瞬間、唇の端を引きつらせて白目を剥いた。吊るされた身体がガクンっと ひくついてから全身の筋肉を硬直させる。艶やかなボディースーツを光沢が走る。声にならない声をあげ、 そしてバットガールはガクンっと力を抜いた。重力に抗するのを止め再び吊るされるままになる。 このままでは自らの気が違ってしまうかも知れない。身体中を不気味に蠢く満たされぬ快楽の残滓。 終わりのない快感のもどかしさ。後ろ手に拘束する縄の感触。胸を締め上げる縄の拘束感 --すべてが意識される。正義のヒロインが全身を拘束され、逆さに吊るされたまま悪の手で終わりの無い 快楽の罠に突き落とされている……バットガールは身体をもどかしげに動かしてみる。 身体中の縄が彼女自身のボディーを締め付けるのを感じた。身体中が性感帯になりつつある。 「ニャーオウッ……さてご褒美はこれでお終い」 キャットウーマンが淫靡に微笑みながら、もがくスーパーヒロインの元へと歩を進める。 パシンッ--乾いた音。 「次は……約束を破ったお仕置きよ」 パシンッ--乾いた音。 そして、鞭を振り上げるキャットウーマン。 パシィイイイイインッ!!! 「ああアッ!!!!」  声をあげて、大きく吊るされた身体が揺れた。紫紺のボディースーツはごく薄い生地で作られており、 こうした打撃への抵抗力を持たなかった。身軽さを重視した結果の副作用とも言えた。  パシィイイイイインッ!!! 「ぐフゥッ!」  薄闇の中で僅かな光明に照らされた美女の華麗な姿態が振り子状に揺れている。橙の灯を浴びて、 そのスパンデクス地のスーツは艶かしく濡れた光沢を放っている。胸の丸みを帯びたラインに、ヒップの 暴力的な弾性とを同時に強調しながら。  パシィイイイイインッ!!!  「ああッ!!」  短く低い声をあげ、バットガールは仮面の中で目を閉じた。満たされることのない官能が縄の中に 閉じ込められた身体を疼かせるあまりに、鞭の乱暴な手触りにもそのはけ口を求めようとしてしまう。 打たれるたびに、その激しい痛みの中にも疼きを蕩かせる慰撫を見出そうとする。 苦しげに身を捩らせながらも、悪の手のままに拷問を受けつづけている正義のヒロインである自分の 姿のことを思うと、再び全身が性感帯のように敏感になってしまう。  更に数十回。  パシィイイイイインッ!!!   バットガールはがくがくと身体を痙攣させて、全身を弛緩させた。重力にあがらうかのように 引き締められていた顔も、今や、失神寸前のようにぼうとしていた。  キャットウーマンはバットガールへと近づくと、全身を撫で始めた。スーツの下で柔らかな丸みを帯び、 そして、薄明かりの中で真の闇を作り出している尻の双球の中へと手を分け入り、その谷間を片手で 優しく愛撫してやる。既にとろみを帯びたセクシーヒロインの愛液が、手が通過するたびに擦れた音を 立てる。  「……ッくう……んんん」  息絶えたかと思われたバットガールの身体が少しずつ動き始め、腿の筋肉がボデイースーツ越しに 筋張るのが、光沢の動きで分かった。肩で荒い息をつきながら、バットガールの頬に紅が差し、生気が 戻ってくる。しかし、それは終わりなき地獄への旅立ちであった。  「くくく……乙に澄ましたバットガール様が股間を責められて抵抗もできないなんて…… ゴッサムシティーの人たちが知ったらどう思うかしらねぇ」  そういうと、キャットウーマンは尻の谷間を大きく開き、そこへ口付けをしてから音を立てて吸ってあげた。  「くはあ!!……ああ……やめ……て」  最後は消え入りそうな声をあげて、バットガールは縄で吊られた全身をがくがくと揺り動かして、 自分を発狂させようとする快楽の波と闘った。 白いエナメルのロングブーツは足首のところをロープで括られており、そこから、しなやかで長い足が ずっと伸びている……そして、今やキャットウーマンが顔をうずめているバットガールの股、舌先で刺激を 与えてやるたびに、バットガールはだらしなく開いた口の端から切れ切れに喘ぎ声を立てる。 そして、肌触りの良い薄い生地で覆われたヒップの双球をもみ上げてやる。バットガールの背中が くっと反り返ってそこで静止する。  「くぁあああッ……くふう……」  キャットウーマンの舌が執拗に攻め立てているアナルが力が入ってすぼまるのが分かる。 その硬直の中心へとスーツの上から舌を突きたてる。  「くああ……はあああッ……ダメェッ!!」  全身の硬直がたちまち解けて、バットガールは力なく吊られたままとなる。バットガールは仮面の下で 半ば白い目を剥いて、意識と無意識の境を彷徨っている。  それから、キャットウーマンは屈んでセクシーヒロインの豊満な胸の光沢を集めている突起を執拗に弄り始める。 乳首を押し、撫で上げ、歯で軽く噛んでやり、そして素早く振るわせる。その都度バットガールは、 腰をくねらせて、下半身の疼きを切なげに堪える。眉根が寄って真紅の仮面の下では潤んだ瞳から涙が伝い落ちる。 「も……う……ダメェッ!!!」  甲高く声を放ったスーパーヒロインはまた満たされぬ快楽の中で、無言で痙攣しつづけた。 (……こ……のまま……では……ジェニーも……助けられない……で……死ぬ……だけ……よ…… バット……ガール……くッ)  薄れ行く意識の中でバットガールは、ジェニーを救う作戦を考えつづけた。そして。  キャットウーマンが引き続きヒップの双球を分け入り、その谷間の敏感な部分に舌を突き入れようとしたとき、 バットガールが声をあげた。  「……待って……話があるの」  キャットウーマンはその鋭利な舌先で宿敵の性感帯を一滑りした。バットガールは喘ぎかけたが、即座に 震える押さえた声で繰り返した。  「……は……話がある……の」  キャットウーマンはにやりと笑って、部屋の隅へ行き、ウィンチを降ろし始める。低い機械音が 響いてやがてバットガールは一時間ぶりに地上へ戻ってきた。後ろ手に縛られ、両足も拘束されたまま 床に横たえられた格好になっている。赤いサテン地のマントが床を大きく覆っている。 白く大きなバットベルトで括られたウェスト周りのくびれが強調されるように、バットガールはへの字で 横になっている。荒く息をつきながら、バットガールは話ができる体制になろうとした。  が、そこへキャットウーマンが背後へ回り、背中からバットガールを抱え興して、L字に座らせ、 後ろからその胸をもみしだいた。  「……ッくっ……ふう……」  喋れなくなるバットガール。蓄積した快楽が数百倍にもなって今にも噴き出しそうになる。  「バットガール……なんだい? 命乞いかい?」  背後から耳元へ熱い吐息を吹きかけながら、なおも乳首の突起を中心に弄りつづけるキャットウーマン。 背中をピクンっと引きつらせ、反応するバットガール。  「……くッ……くふん……ひとつ……教え……て」  「……」  手を止めるキャットウーマン。  「あなたの目的はなに?」  「目的?」  キャットウーマンは静かに呟くと、バットガールの耳たぶを柔らかく噛んで、胸を強く揉んだ。  「ッはあ……そ……う……なぜ……わたし……バットガール……を……弄ぶ……の……あんっ!」  キャットウーマンが首筋を舐めあげると、スーパーヒロインの毅然とした調子もたちまち愉悦の波へと かき消された。  「いい質問ね」  そう答えると、キャットウーマンは背後から天井の一角を指差して見せた。バットガールが顔をあげると、 ぼんやりとした視界の隅にキラリと光る金属質のものが見える。  「……あなたの様子は全部カメラで撮ってるの」  「……」   「バットガール……ニャーオウッ……あんたをジェニーに失神させた後で、また解放したのは なぜだと思う?」  キャットウーマンは、胸をスーツ越しに弄り続けている。バットガールはカメラが彼女を捕らえているのを 意識しながらも、切なげな身悶えを辞めることができなかった。 「くふう……ん……なぜ……なの……」 「ニャーオウッ……それはね、私……キャットウーマン様があんたを倒す様をカメラに収める必要が有ったからさ」  キャットウーマンはバットガールの両足を膝から引き離し、その間に長い手を差し入れて、股間を 弄ってやった。バットガールは電流が流れたように背筋を硬直させ、こじ開けられた股を閉じようとするが、 キャットウーマンによって阻まれて、一層の愛撫を受けることになった。 バットガールはカメラレンズが彼女の身悶えを狙い続けているのを目の端で意識しながらも、身を振るわせながら 切なげな喘ぎ声で答えるしかなかった。 「くううんッ……あふ……あはあああん!!」 「可愛いわよ……ゴッサムの守護神……バットガール。良い? なぜそんな面倒くさいことをする必要が あったかを説明してあげるわ」  そう言ってから、キャットウーマンはバットガールのボディースーツの襟首を大きく開くと、そこへ片手を 忍ばせた。キャットウーマンの手は汗ばんだバットガールの胸元を探索した後に、すっとバットガールの乳首へと 達した。 「ああああああアアアあああっ!」  顎を前に突き出して、乳首を中心に放射状に広がる快楽の痛みにバットガールは声をあげた。 ボディースーツの下に敵の手が入ったのは、バットガールの戦歴でも初めてのことだっただけに、 その想像を絶した官能にバットガールは意識を吹き飛ばしかけた。 「くくく……良い? 聞こえてる?」  そういうと、熱い吐息を吹きかけながらキャットウーマンはバットガールの耳たぶを再び甘く噛んだ。 バットガールの艶やかな首筋がたちまち真っ赤に染まる。指は相変わらず、コスチュームの下で硬く 突き立っていたスーパーヒロインの形の良い乳首を弄りつづけていた。 指の腹で擦りつけ、敢えて突き、そして、素早く触れ……カメラレンズにはバットガールが凛々しい真紅の マスクの下で目蓋を閉じ、唇の端から白い涎を流しながら、全身を捕らえる快楽にふけるのを捕らえている。 そして、バットガールは自分のはしたない乱れぶりがカメラに捉えられていることを意識していたが、 それは一層激しい身悶えしか招かなかった。 「ニャーオウッ……意識が残っているかしら?……簡単な経済学のお話よ」 「くううん……はああ……あああん」 「現在の米国経済は強いドルをキープすることで成り立っている。その上で世界中の低金利な国々からの 潤沢な資金を流入させ、一国内でのバブルを作り出すことに成功していると言えるわね。豊富な投資意欲を 創生し、それが株高を招き、刺激されたベンチャーがイノベーションを行う……」  キャットウーマンの愛撫はコスチュームの下から執拗に乳首を弄りつづけている。光沢が乳首を中心に 手の形に浮かんでいる。バットガールは歯を食いしばって震える声で尋ねた。 「だ……けど……そんな新経済も終わろうとしている……わ」 これほどの快楽の下でまだそれだけの意識を保っているとは……キャットウーマンは攻め立てる手を 休めることなく、バットガールの意思の力に驚いた。これは楽しめそうだった。左耳を指で乱暴に 触りながら、再び首筋を音を立てて吸い上げてやる。 「くはあッ……ふう」  スーパーヒロインの切なげな身悶え。 「ニャーオウッ。だけど、終わりそうで終わらない。それは国民が株を買い支えているからよ。 その幻想を打ち砕く決定的な一打が欠けているのよ」 「……」  バットガールには話が見えたような気がした。それを察して、キャットウーマンは話を続けた。 「そう。投資行為と言うのは未来への希望がそれを保証して初めて可能なの。今やアメリカの 象徴とも言える一人の女を倒した――あまつさえ奴隷にしたとすれば――その保証は打ち砕かれる。 流れ込んでいた資金が止まり、循環は逆方向へと動く。 その先はおそらく唯一独自路線を歩んでいるEUでしょうね。EUにバブルが来る。ユーロを買い、 欧州企業の株を買い占めておくこと。それがバットガールを堕とすわたしの作戦と結びついてるの」 (……だとすると……わたし……バットガールを殺すことは……直接的な犯罪と結びついている……わけでは ないのね……それなら……もうわたしには……こうするしか……ないわ) 「……キャットウーマン……提案が……あるわ」  バットガールの言葉の底にある決意を感じてキャットウーマンは手を止め、ボディースーツから抜いた。 「ニャーオウッ、何かしら?」 「あなたがジェニーを解放してくれたら、わたしはあなたに身も心も委ねるわ」 「? どういうことかしら」 「今のままでは、あなたはバットガールにあらゆる責めを試せても、わたしの心は絶対にあなたの 思うとおりにはならない」 「フム」 「もし、あなたがジェニーを離してくれると約束してくれたら、わたし、バットガールは あなたの言う通りになるわ。あなたはバットガールを好きにでき、バットガールは抵抗しない…… あなたのなすがままよ」 「ニャーオウッ」  キャットウーマンは喜悦に満ちた声をあげ、舌舐めずりすると、バットガールの提案について考えてみた。 思いがけない提案だ。 「何をしてくれるんだい……バットガール?」 「ジェニーの解放が先よ!」  バットガールは毅然と言い放った。 ニャーオウ……フフ……普通の人間ならとうに肉人形になってるほどの快楽が彼女を襲っているはずなのに、 何と強靭な精神力かしら。  この一流の超人が今、わたしの手の内に落ちようとしているわけか…… よくみるとスーパーヒロインのうなじが赤く染まって細かく震えている。キャットウーマンが優しく 後ろ髪を掻き分けてやると、紫のボディースーツに包まれた丸い肩がびくんと落ちた。良いだろう。 ジェニーとのバーター? 安い取引だ。 キャットウーマンは、背中から小型のトランシーバーを取り出した。 「……ピー……ガッ!! はい?」  無線機から男の声が漏れる。 「わたしよ。ジェニーはいる?」 「はい、まだいます」 「じゃあ、そいつを離しておやり。州境までドライブして解放してやるんだよ。但し、わたしに異常が 有った場合はすぐ殺せるように、小型の爆弾を背中につけておきな。そして、バットガールの死亡が 確認されるか、わたしが良いと言うまでスイッチは破棄しない。オッケー?」 「……ガーガー……ラジャ」  キャットウーマンは背中から前へ回り込みながら、トランシーバーを背中へと戻した。見つめあう二人 ……バットガールは背中を拘束され、座った姿勢でキャットウーマンを見上げる形になる。 キリッとした目つきが赤いマスクの中で、正義の光を称えて輝いている。そして引き締まった 紅の濡れた口元。決意が伺われる。 「……さあ、バットガール。これで満足かい?」 「ええ。バットガールはキャットウーマンのもの……よ」 「心の底から?」 「……ええ」  キャットウーマンの凝視を少し避けるように、目を落として呟く。これで良かったのよ…… これからどんな辱めが待っていようと、ジェニーはきっと無事なのだから。 わたしは喜んでキャットウーマンの陵辱に耐えよう……スーパーヒロインになることにした時、 いつかこんな日が来るような気はしていた。 バットガールは自分のコスチュームに目をやった。青紫に光沢を帯びた薄手のスーツが、 丸みを帯びたボディーをすーっとくるみこんでいる。腿から尻の丸み。ウェストに鮮やかなアクセントを くれる白いバットベルト。そして、胸のふくらみへと光沢は走る。 しかし今や、白いロングブーツの先は荒縄で縛られ、赤いグローブの両腕も後ろ手に縛られている。 きっと、キャットウーマンには至上の貢物のように見えているであろう。 正義のスーパーヒロインは、しかし、その悪の要求を拒めない契約を交わしてしまったのだ。 「ニャーオウ、それじゃあ、証拠を見せてもらおうかしら」 キャットウーマンは背中のポシェットを開くと、注射器を二つ取り出した。橙色の薄い照明の中で 注射器の中の液体が鈍く光る。それから、キャットウーマンはバットガールの脚元の荒縄を解き、 それから、後ろ手の縄も解いてやった。 バットガールは自由になったが、カメラで自分たちを監視している手下がいて、そいつがジェニーを 爆殺する指示を出す恐れが有るので約束を破ることは出来ない。 「バットガール。命令よ。それを自分の乳首に刺しなさい。両方に液体を注ぎこむのよ。 ……濃度32倍の催淫剤よ。とりあえず、軽く気を失ってもらおうかしら 」 そういうと、キャットウーマンはバットガールの前に立ち、じっとスーパーヒロインを見下ろした。 バットガールはしばらく、荒縄で縛られていた赤いグローブに包まれた腕を撫でていたが、 やがて意を決したように前の注射器の一つを手にとった。……これ以上、薬を注ぎ込まれたら わたしどうなるか分からない……けれど、止めるわけにはいかない…… 少しピストンを押して液を出す。それから、バットガールは自分の胸の頂点にある控えめな突起の横側に スーツ越しに針を当てた。赤いグローブに包まれた親指が力をこめると、注射器の中の液体は少しずつ 水位を下げていく。 「うくっ……くう」  バットガールの赤い唇の端がわずかに引きつる。 それから、もう片方の注射器についても自ら胸に刺してやった。 「はあはあ……はあはあ……はあはあ」  既に最後の胸に液体を注入し終える前から、薬が効きはじめているのか、バットガールは目を閉じて 荒い息遣いをし始めた。 「くくく。可愛いわバットガール。これでこそ、ジェニーを手放した甲斐が有ったってものよ。 それじゃあ、辛いでしょうけどちょっと立ってみて」 バットガールは言われると、朦朧とした足つきながら立ち上がった。 「うくっ……うん……あっ」  右手を膝に置き、やや前傾姿勢でヒップを突き出しキャットウーマンを見上げる形になっている。 催淫剤が激しく効き始め、肩で息をする。息するたびに、背中が大きく動き、紫のスーツの上を光沢が スーッと動いていく。 「ずっと立ってるのよ」 キャットウーマンは背中に回った。バットガールの背中姿をゆっくりと見るのはこれがはじめてだっただろうか?  尻の豊満な肉が紫のスーツに括られ、そこから腿へとすらりと伸びる体の線に沿ってスーツの生地も 引き伸ばされている。 そして、そのセクシーさに彩りを添えているのが、双球の丸みを強調するようなヒップの切れ目のクリアさである。 すっと真中に入った切れ目は綺麗に女神の下半身を二分しながら前へと消えていく。 フェミニンさを失わないでいながら、なおかつ人間的な身体の完成を実現しているスーパーヒロインの 鍛え上げられたバランスにキャットウーマンは感嘆のうめきを漏らした。 今度のキャットウーマンはストレートだった。跪くと、バットガールのもっとも繊細な部位を生地ごしに 撫でてやる。既に熱を帯びとろみを引いて、バットガールの性器はキャットウーマンの手が触れるのを 待ちかねていた。 「ふわあああんんんんんッ!!!」  バットガールはブーツの先で爪先立ちになり、背中をぐいんと仰け反らせ、恐るべき快楽に声をあげた。 伸び上がると、バットガールのスーツは全身で引き伸ばされ、女神の身体の起伏を強調する。 「ふぁあああッ!!!」  気を失いそうになりながら、バットガールは紅の口の端から透明の涎を垂らしながら、座り込まないように がんばった。全身に筋肉が硬直し、スーツを更に引き伸ばす。光沢が突起から突起へと踊り狂う。 がんばるとアナルに力が入るのが、キャットウーマンの視線からは分かる。キャットウーマンは指を スーツ越しに、アナルの窄まりに走らせてやる。 ビクンッ!! 「ああああああああああああああああんんんんっ!!!」  とうとう、耐え切れなくなりバットガールはそのままへたり込んでしまう。それから、身体を横にし、 切なげに身悶える。右腿と左腿が疼きを抑えるかのように激しく擦れ合い、スーツが摩擦音を立てている。 「あらあら言うことが聞けないのかしら? 悪い娘(バッド・ガール)ねえ」  キャットウーマンは爪先でスーツを切り裂いていく。 パシャーパシャーッ  バットガールも様々な危機を体験してきたが、スーツを失うことになるのは初めてだった。 見る見る間にバットガールは、白いエナメル質のロングブーツと、白い皮製のバットベルト。 それから、赤いグローブに、赤いサテン地のマント、そして、赤いマスクのみとなってしまった。 バットガールの身体は今や、キャットウーマンの視線に露わにさらされていた。  「ニャーオウッ……わたしだけじゃないのよ。スーパーヒロインのストリップショーを堪能しているのは。 あのカメラからあなたの醜態はいつか世界中に公開されてよ。楽しみねえ、バットガール」  「い……いや……あふう……うんんん」  切なげに身悶えるバットガール。それにしても全裸を見るのは初めてだったが、やはりそのボディーは 脚の長さ・形から、ウェストの括れ、胸の大きさに至るまでパーフェクトな均整を保っている精巧な 芸術品のようであった。キャットウーマンはたまらず、腿の間に控えめに息づいている宿敵の中心に顔を 寄せて、わざと淫猥な音を立ててその果汁を飲み干した。  「くふううんんんッ!!!い……いやああッ!!!!……ああああああああああああああんんんッ!!!」  ふくらみを舌先で丹念に刺激し、突いては転がしてやる。その都度、女神は達することを封じられて 蓄積した官能と、幾度も注入された催淫剤の効果で暗闇に落ちそうなほどの激しい快楽に苛まれることになる。  「ふぁああ……あああアアアああッ!!!!!ダ……だめぇっ!! ……ッあああああああああアアアアアアアアアアアアアアあああああッ!!!!!!!」  バットガールは顎を突き上げ、全身を浮かせながら自らを襲う快楽の悪魔の激しさと闘っていた。 キャットウーマンは更に舌先をその周囲に遊ばせながら、同時に指先をスーパーヒロインの中心へと 滑り込ませた。 くちゅっ 指が入ると同時に、スーパーヒロインのとろみを帯びた液体が溢れ出してきて、キャットウーマンの 指先から地面へと糸を引きながら降りていく。キャットウーマンがにやりと笑みを浮かべながら素早く指を めぐらせると、淫猥な音をたてながら、液体が地面へと滴り落ちていく。 「くふうううううう!!!はあああああああああああああんんんんんッ!!!! いや……ああああああアアアアアアアアアアアアアあああんんんんッ!!!!!」  指の動きに合わせながら、バットガールは知らず自らの腰が妖艶にくねるのを抑えることが出来なかった。 腰の動きに合わせて、地に着いた赤いマントがひらひらと舞う。 くちゅくちゅくちゅ 「どう、この音? ふふふ。責められて感じるなんてやっぱりあなたは真性のマゾヒストなのかしら?  正義のスーパーヒロインのこんな姿を見て、世界の人々はどう感じることかしらねぇ」 「お……願い……いじ……めない……で……ああああアアんんッ!!!!!!!」 切なげに眉根を寄せ目を潤ませながらスーパーヒロインが懇願する。全身を強張らせながら腰を浮かせて、 キャットウーマンの指使いに応じていく。脳内はマグネシウムを燃やした如く閃光が散って考えが纏まらない ……動物のように刺激を吸い寄せようと全身が働いている。 「くくく……この程度で終わると思ったら大間違いだよ」 キャットウーマンは他方の指先をすぼまるアナルに充て、ぐっと力をこめた。多少の抵抗はあったものの、 やがてすんなりと指がその先へと消えていく。 「ッくはあああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアあああああああああああッッ!!!!!!!!!!!!」 バットガールは赤い仮面の中で涙を流しながら白目を剥く。想像を絶する官能が背骨を走って脳の中で 飛び散る。 「くふううんんッ」  控えめなよがり声と同時にスーパーヒロインの口の端から白い唾液が止め処もなく流れて、地に垂れる。 やがて、黒目に戻ったが、かつてのスーパーヒロイン然としたきりりとした鋭さはとうに失われ、 潤んで焦点の定まらない目で自らの運命を受け入れているようにも見える。 ……バットガールの自我は崩れつつあった。 (あんんんん……わた……し……は……バットガール。何人もの……悪党を……倒してきた…… 正義の……セクシー……ヒロイン……でも……今は……アナルに……指を……入れられて…… 気絶しそうに……なってる……あん……だめッ……ダメよッ……でも……なにも……考え……られな……い ……イきたい……あああああアアんんん……イきた……いの!……) キャットウーマンは更に指の数を増やして、バットガールのアナルを執拗に攻めつづけた。 その瞬間、バットガールは腰をギリギリまで浮かせて、顎を突き出して未曾有の喘ぎ声をあげた。 「ッあああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ああああああッ!!!!!!!だッだめええええええええッ!!!!!!!」 内股の筋が硬直して浮きでて、白いロングブーツの中では指先が切なげに引きつっている。 バットガールはだらしなく涎を流しつづけて、スーパーヒロインらしさを失っている。 「くくく……バットガール。忘れてないかい? あんたのその姿はいずれ世界中に公開されるんだからね……」  キャットウーマンが意地悪くつけ加えて、更にアナルと膣とを同時に指でかき回す。 「いッいやあああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアア ああああああああああああああああああああああああんんんんんんん!!!!!!!」 全身を痙攣させて突き上げる快楽に答える。しかし、達することを封じられたバットガールは それをさらに内側に溜め込むしかない。バットガールは涙と涎とで顔をぐちゃぐちゃにさせ 歯を食いしばりながら、切なそうに宿敵の悪の化身を見つめた。 「……どうしたんだい? ゴッサムシティーの救世主、無数の悪を華麗な美技で打ち倒してきた、 仮面の天使にして絶世の美女の正義の味方バットガール様?」  いやらしく舌なめずりをしながらキャットウーマンが訊く。 「……」  荒い息で言葉が出そうにないバットガールだが、それでも懇願するような表情でキャットウーマンを見つめた。 「バットガール……これは契約だったはずよ……あんたはわたしに心のうちを曝さないといけないわ」 「……」  小声で話すが荒い息に紛れて聞こえない。 「バットガール。もっと大きな声で喋りなさい」 「……いきたいの……お願い……わたしをいかせて……」 消え入りそうに恥ずかしげにいうバットガール。 「誰にお願いしているのかしら? そして誰がお願いしているのかしら」 「わたし……バットガールは……キャットウーマンの助けを貰ってオルガズムに達したい……です……ああんんッ」  言葉にしながらバットガールは自分を見つめているカメラに目がいった。わたし……バットガールの こんな姿が……世界中に……い……いやだわ……そう思いながらも、バットガールはその羞恥心が自らを 熱くするのも感じずにはいられなかった。 キャットウーマンは無言で立ち上がると部屋の隅へ行き、見覚えのあるマシンを持って戻ってきた。 そしてそれをバットガールの前へ放り投げた。 「ノーラが開発した高速マッサージ機よ」 「……そ……そんな」 「くくく。あんたを解放するのはまだずっと先のことになるわ。そして、これ」  そう言うと、キャットウーマンは小型の箱型マシンをポシェットから取り出した。マシンからは 電極らしきコードが延びている。 「い……いや……おね…が……い」 バットガールが怯えたように首を振っていやいやをする。キャットウーマンはそんな正義の味方の顎を つかんで、顔を近づけた。顎を捕まれると、バットガールは切なげに眉根を寄せ、苦しげな声を立てた。 「ああん」 「ふふ……あんたにはわたしの計画を幾つか妨害されたし、わたしの仲間も何人か牢獄に送られた。 そう、二年前からかしら。青紫のタイトなボディースーツに身を包んで、赤いマントに赤い仮面をした 正義気取りの女がわたしの目の前に現れだしたのは……ふん……ただの勘違い女だったらすぐに殺せばよかった ……だが、そのバットガールと名乗る女はやたら強かった上に、おそろしく美しかった。 ひらひらと宙を舞う俊敏さと鍛え上げられたボディー。そう、その姿を見たときから、わたしはあんたを 捕まえて地獄を味合わせることだけを考えてきた。 そう……大好きな金勘定も忘れてあんたを陥れるトラップと、拷問とを考えてきたんだ……あんたも、 そのコスチュームを着て正義の味方をきどることにした時から、こうなる恐れにも気づいていたんだろ? ……気づいててそのスーツを着つづけていたんだ……待ってたんじゃないかい? この日を密かに?」  言いながら、キャットウーマンはバットガールの愛液で濡れた他方の手で、バットガールの顔を 塗りたくるように撫でまわした。そのたびに、バットガールは顎を捕まれたまま切なく苦しげな声を立てた。 「ああんん……ううんん」  その声がキャットウーマンの嗜虐心をなお燃え立たせるのであった。 「バットガール。マシンを使ってオナニーしてごらん……ほら、あれをごらん。あそこにもカメラが あるだろ? あれを意識するんだ。あの先にいるお客さんのことを考えてサービスするんだよ……ククク」 赤いグローブに包まれた手がすっと伸びてマシンを手にとる。白い光沢を帯びたエナメルのブーツが前に 投げ出され、カメラにその中心を見せるように開く。わたしが言うことを聞かなければジェニーは 殺されてしまうのだ。選択肢はなかった。 「くふん」  マシンの先を充て、スイッチを入れる。 カチッ ブぃーーーーーーーーーーーーン  低いモーター音が部屋を満たすと同時に、バットガールは早くも腰を突き上げて、ブリッヂの姿勢で快楽に喘いだ。 「ほら、カメラを意識するんだよ」  バットガールの金髪を手でなでながら、冷たい声をかけるキャットウーマン。 バットガールは、赤い仮面の下の目をゆっくりと開きながらカメラを見つめた。無機質なレンズの光 ……切なく眉を寄せたスーパーヒロインが、それを媚びるように見上げる。 「はううう……だ、ダメェッ!!!!」  唇の端からまた唾液が零れ落ち、半ば白目をむいた28歳の成熟したヒロインの顔がカメラの真中にくる。 仮面が官能をさらに強調する。  「バットガール……あなたの仕事はなんだったかしら?」  カメラを見つめながら快楽にもだえるスーパーヒロインである自分の姿を見せつづけていたバットガールに、 背中から声がかけられる。 「あふん……あん……わたしは……正義の……味方……いや……感じすぎて……なにも…… かんがえられな……いの」  背中がピリピリするような失墜する背徳の官能を味わいながら、バットガールは自分を汚す言葉を ためらうことなく続けた。 「はあ……はあ……わたしは……バットガール……あん……悪のトラップに……おちた……の…… トラップに……おちた……正義の……くふん……スーパーヒロイン……な……の……あふう ……ッいくううううう!!!!!!!!!」 絶頂を感じたいあまり、自らマシンのコントロールをマックスにして、カメラ目線でよがり狂うスーパーヒロイン。 地肌に直接巻きつけられた大きくて白いバットベルトが、身もだえとともに大きく揺れて金属部の光が点滅する。 そして、正義のしるしであった、赤いマントが床の上を転がるたびに、バットガールの身体を包んでは離れる。 (……わたしは……一年前にキャットウーマンに……拷問にかけられたときから……いつかこうなることを ……気づいていた……青紫のタイトなスーツを選んで悪党どもを倒すことにしたときから……自分のセクシーさに 酔って……いつか誰かの手で汚されるときの自分の身悶える姿を想像しながら……格好いい自分を演じていた ……だからこれは……報いなの?……バットガール?) いつしかバットガールはカメラの前で、淫乱なスーパーヒロインとしての自分を見せることに快楽を 感じ始めていた。仮面の下からカメラ目線で切なげな喘ぎ声を出す。股を開いてマシンの下のアナルが 見えるようにしたかと思うと、さっと身体を捻って白いエナメルのブーツのつま先で身体を支えつつ、 全身を張り詰めて快楽をこらえる自分の全身が見えるようにした。そして最後は赤い唇の端から涎を たらしながら、恐ろしくセクシーな鼻声でつぶやいた…… 「あたし……悪の手におちた……バットガールは……イき……そうな……の……くうううんッ」 そして、その声と同時に仮面の下で白目をむいた顔を見せながら、スーパーヒロインの全身がガクガクと 痙攣し、そのまま気を失ったのだった。 キャットウーマンはすばやく、バットガールの気を失った身体をうつ伏せにさせて、四つんばいの姿勢を とらせ、カメラをアナルの方向と、顔の方向に向けた。それから、電極の伸びたボックスを持ってきて、 アナルにゆっくりとコードを刺してやった。 キャットウーマンはバットガールの耳元を淫猥な音を立てつつ噛んでやる。 「ほら……起きな。無敵のスーパーヒロインはあの程度じゃ、くたばらないはずだよ」  そう言いながら、首筋から顎へと舌を滑らせてやる。ビクンッと肩が震えて、バットガールは そっと顔を起こした。 「……まだ……わたし……生きてる……のね」  ゴッサムの守護神のうつろな眼差しが目の前のカメラを捕らえるところが映像に残る。 気だるげなスーパーヒロインの姿。 キャットウーマンが、バットガールの四肢を支えている赤いグローブの横に、黒いスイッチを置いてやった。 「フフ……自分でスイッチを押しな……」 バットガールはやはりくたびれたような表情を見せながら、手元のスイッチを引き寄せた。 これで死んでしまうなら、その方が楽だわ。そう思いながら、赤いスイッチを押した。 「ッああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア あああああああああああ……だめええええエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!!!!!」  ガクガクと全身が痙攣するのに併せてバットガールの腰にじかに巻きつけられたベルトが金属質の音を立てる。 カメラはスーパーヒロインが仮面の下で白目をむきながら涎を止め処なく流しているさまをモニタしつづけている。 それから、ビクンッ、と大きくスーパーヒロインの身体が跳ねると、そのまま前のめりに沈み込んでいった。 電極をアナルに刺したまま、白い背中と赤いマントを見せて床に倒れこむヒロイン。 キャットウーマンはにりと笑うと、黒いヒールでバットガールを仰向けにし、尖るように突き出た バットガールの乳首周りや、鍛え上げられた腹筋、バットベルトの周りや、太ももを足先で突いたり、 踏んだりしてやった。そのたびに、バットガールの身体は微弱に震えるのであった。 次にバットガールが気絶から目覚めたとき、バットガールは自分が周囲3メートルほどの鏡張りの立方体の 部屋に自分ひとりだけがいて、バットガールのシンボルである青紫のタイトなコスチュームを着せられていること。 そして、ディルドーが股間にコスチュームの上から装着させられていることを知った。 辺りを当惑げに見回していると、目の前の鏡が突然にスクリーンに変わり、見たことのある映像が 展開され始めた。……ペンギンにつかまって、股間に縄を当てられてもがくバットガール。 場面が変わって、首に縄をかけられてコスチュームの上から乳首をいじられてもがくバットガール。 深夜のデパートで巨漢の男にピストルで股間を愛撫されるバットガール…… そして、キャットウーマンの声。 「バットガール。映像を見ながらそのディルドーを使ってオナニーするんだよ。男がするようにね……ククク」 ***つづく