平成15年2月7日・初版

続ワンダーウーマンvs奴隷商人・第1章/AtoZ・著

続奴隷商人 カザフ・ローザ編 壊滅したはずのヒシュタル教団の残党が 奴隷商人・テロリストと手を組み ワンダーウーマンに新たな罠を仕掛けてきた --------------------------------------- 第i一章 ヒシュタル教団幹部 ギルマン長官 --------------------------------------- 【トレバー長官 各国からのヒシュタル教団壊滅のレポートです。 見て下さい、各国の高官も逮捕されています。奴等も教祖を失って 今度こそ壊滅でしょう。】 【ああ もう組織的な大規模活動は 不可能だろうだが 逃げた者もいる 油断できない。】 【ルーマニアのギルマンが アメリカに潜入した形跡が有ります。 教団の幹部としては(逮捕されなかった内では)最高幹部でしょう 】 【他に 非合法活動をしていた者も アメリカに密入国したと言う報告が有ったが…】 【警察にも手配しています。 それに 銀行も押さえています資金源も失った彼等は再起不能でしょう。 でも長官 彼等の秘密講座のリストが 良く入手できましたね?】 【GITの灘川部長の協力だよ 彼には随分世話になったが…】 【なにか?】 【彼も パイロンと繋がっているようだ…純粋な協力とは言えないだろう】 【GITはパイロンの会社です 彼としてはオーナーに従うでしょう】 【そうかもしれんが マークしておく必要は有るだろう…教団テロのターゲットになる恐れもある】 【解りました。 ガードを付けましょう 彼の監視にもなります。】 【手配しておいてくれ、 それと ダイアナを呼んでくれ彼女も狙われる危険が有る。 組織と資金を失った彼等のことだ 個人テロに走る危険が高い警戒は厳重にしなければ】 【あと…パイロンの件はどうなりました? メキシコ警察は彼を逮捕しなのですか?】 【イシュタル殺害の件か? 尋問さえ無理だろう。 メキシコ政府にとっても パイロンは 重要のスポンサーだ扱いは慎重になるだろう。 報告では、逮捕された者が 誰も 神殿に入るパイロンを目撃していない。 殺害現場の目撃は ワンダーウーマンだけだ。それだけで 彼を拘束できないだろう。 事実としても、武器を持った10数人が彼を襲ったのだ正当防衛と言われても反論できない。 同じ事は 我々にも言える、前任者のギルバートが彼を強制連行した上 暗殺未遂事件を起こしている。 IADCとしても パイロンには 慎重にならなければいかんだろう。】 【麻薬でも武器密輸でも 立件できませんでしたからね…彼は運のいい男ですね】 【結果的に 彼のお陰で ヒシュタル教団の人類浄化作戦は失敗し偶発核戦争は起こらなかったし、 世界各地での ヒシュタル教徒の同時クーデターも未然に防ぐ事が出来た。 その意味では 彼に感謝すべきかも知れないな…複雑な気分だよ。】 ------------------------ カザフ奪回作戦 ------------------------ 各国から集まった教団の非合法活動メンバーは 最後の幹部 ギルマン長官の下、 新たな作戦を計画していた。 【準備は出来たのか?】 【okだ 後は護送車の運転手からの 連絡待ちだ】 【カザフとローザ以外の奴は その場で始末しろいいな】 【ok】 【後1時間だ もう一度武器を点検しておけ!】 ------------------------ IADC 本部 ------------------------ 【ダイアナ! ダイアナ! 来てくれ 緊急事態だ!】 【どうしたの?】 【カザフとローザが 裁判所に向かう途中、護送車ごと奪われたそれに バランも一緒だ】 【緊急手配は?】 【州警察が動いているが もし 彼等が逃亡に成功すれば厄介な事になる】 【何かあったの?】 【護送車を襲った連中が IADCの制服を 着ていたそうだ IADCの身分証を提示して 車両を緊急停止させ襲撃したらしい】 【まさか! IADCの職員が そんなことをする筈がないわ】 【各国から逃れたヒシュタル教団の 残党が アメリカに集まっている、恐らく彼等の仕業だろう。 だが、銃撃された警備員が 救急車の中で 襲ったのはIADCの職員だったと証言している。 この件で、私に調査の依頼が来ている。君はすぐウエスト病院に向かってくれ!】 【解ったわ! ウエスト病院ね … ウエスト病院…紅龍が入院している病院だわ! もし ヒシュタル教団だったら 紅龍も狙われる可能性があるわね】 【もう壊滅したと思ったていたのだが 奴等の狙いは何処に有るのだろう また ワンダーウーマンを狙っているのだろうか?… タシケントやガルモア等の幹部を奪回せず なぜカザフとローザを?】 ------------------------ 陳大人のアジト ------------------------ 【陳大人 なぜ カザフとローザが逃げたことが問題なの?】 【問題は 一緒に脱獄したバランの方だよ 麗華】 【パイロン様を 狙うと言うこと? まさか 逃げるのに必死でしょう】 【奴は狂人だ! 小型核爆弾で ロン大人を狙うほどの狂人だ 何をするか解らん】 【それで パイロン様は?】 【帰国は来週だが それまでに バランを始末し無ければいかんだろう】 【今 動けるのは?】 【君のグループだけだ 私はガルシアとの取り引きでまた シカゴに行く】 【了解! 装甲騎士団を貸してもらえるの?】 【こっちに残っているのは 8人だが それでいいか?】 【十分よ 私の部下を入れれば 20人だわ 早速追跡に掛かるわ】 【IADCも動く様だ トレバー長官が事件を担当するらしい】 【長官が? そんなに大事件なの?】 【ヒシュタル教団が 最後の賭けに出たのだろう…奪回したのは彼等の組織らしい】 【ダイアナとワンダーウーマンも 出て来る訳ねいい機会だわ】 【麗華! あくまで ターゲットはバランだぞ忘れるなよ!】 【解っているわよ】 ------------------------ 【ギルマン様 カザフとローザの奪回に 成功しました今 アジトに向かっています】 【よし! 第一作戦は成功だな 第二作戦の準備にかかれ】 【それが…】 【どうした? トラブルでも有るのか?】 【一緒にバランと言う男も付いて来ています】 【誰だ そのバランとは なぜ始末せん!】 【パイロンを狙っている テロリストです カザフが役に立つ男だと言うので…】 【いいだろう 奴は パイロンは いずれ決着を付けねばならん相手だアジトに連行しておけ】 【畏まりました】 【ヒシュタル様の弔い合戦だ トレバーめ覚悟しておけ】 ヒシュタル教団は 教主を失った上 IADCのトレバーによって 残っていた政府内部の情報部高官も逮捕され 壊滅していた。 各国の残党を集め 組織再編を目指す 最後の幹部ギルマンは トレバーを抹殺する計画を立て その第一段階に成功した。 ------------------------ ウエスト病院 ------------------------ 【待った?】 【…】 【何処へ行くの?】 【…】 【どうしたの アトズ?】 【紅龍? 紅龍なの!】 【そうよ 誰だと思ったの?】 【しっ 信じられないよ 凄く可愛いよ!】 【あ・り・が・と・う ねぇ今日は何処へ行く?】 【遊園地でローラースケートをしようよ】 【行く! 行く!】 ウエスト病院を訪ね 銃撃された警備員の遺体を確認したダイアナは トレバー長官に連絡を入れた。 【ダイアナよ スティーブは? あっ スティーブ、 今 病院を出た所よ 警備員は既に死亡していたわ。 えぇ 状況を聞く事は出来なかったわ。 えぇ ヒシュタル教団が 紅龍を狙っている可能性はあるわね。 えぇ…えぇ…それじゃぁ もう少し 紅龍を追って見るわ】 連絡を終えて ダイアナが AtoZ達の後を追おうとしたとき突然背後から襲われた。 とっさに 反撃しようとしたが 男達はプロだった。 それも 拉致専門の様な素早さで 反撃を許さなかった。 一人が首を絞め 一人が麻酔を嗅がせ もう一人は脚を押さえ倒すように攻撃して来た。 脚を押さえられ身体のバランスが取れず反撃にも力が入らなかった。 首を絞める手を解こうと爪を立てて見たが 男は厚い皮を腕に巻いていて効果はなかった。 首を絞められ肺が酸素を求め悲鳴を上げていた一瞬手が緩んだ隙に 無意識に息を吸った途端 麻酔を嗅いでしまっていた。 全身の力が抜け始め 意識が急速に薄らいでいったが 男達は 押し倒し 力が抜けるまで 攻撃を緩めなかった。 完全に意識を失ったのを確認した男達は ダイアナを後ろ手に縛り猿轡をすると それぞれの分担を手際良くこなしていった。 【ダイアナの拉致に成功した。 バランに連絡してくる】 【動けないように脚も縛っておけよ】 【OKだ 後ろのトランクに入れるぞ 手を貸せ】 ------------------------ ヒシュタル教団のアジト ------------------------ ダイアナが気が付いたとき ソファーの上にグルグル巻にされ転がされていた。 【くっ! こんな格好じゃ スピンしてワンダーウーマンに変身できないわ】 【くぅ! くぅぅぅ! くっ! 駄目だわ解けないわ…】 【ほっほっほっほ 久し振りね ダイアナ】 【ワンダーウーマンは助けに来ないようだねいや 来れないようだね ダイアナ】 嘲る声に振り向いたダイアナは その声の主を睨み付けた。 ローザとカザフ 2人は以前 ワンダーウーマンを罠にかけ調教した奴隷商人だった。 【んっっ! んんぅん! んぅんん!】 【その格好では 変身できないようだねダイアナ】 【あとで ユックリ可愛がってあげるわ トレバーと一緒にね】 ダイアナは トレバーの名前を出され動揺した彼等は長官も狙っていたのだ。 【心配しなくていいよ 私にはトレバーを調教する趣味はない処刑するだけだ】 ダイアナの抗議する眼差しに 2人は嘲笑の言葉を投げつけると また部屋をでていった。 ------------------------ モニター室 ------------------------ 別の部屋でモニターでダイアナを見ていた男が、戻って来たローザとカザフに振り返えって聞いた。 【あの女がIADCのエージェントのダイアナか?】 【そうですわ ギルマン長官】 【ギルマン長官のお陰で 助かりました 我々も長官に協力します。 だが タシュケント将軍やガルモア大僧正ではなく私やローザの救出を先にされたのは?】 【幹部とは言え奴等は無能なだけだ、威張るだけで組織を立て直すなどできん能無しだ。 カザフ君、今我々は資金源を失っている 君の協力が必要なのだ。 それと 奴隷売買のルートで各国の要人ともコネクションを持ちたい。 同盟はお互いの利益になるだろう。 それと あの男バランは役にたつのか?】 【パイロンを倒すには彼の協力も必要です それに彼はテログループのリーダーです。 非合法活動には 適任だと思いますが】 【確かに 病院にメンバーを待機させ、ダイアナを拉致したのは彼のグループだ。 役に立ちそうだな 解った メンバーとして迎えよう。】 【それでは トレバー大佐 いぇ トレバー長官の始末を彼に任せれば?如何かしら?】 【始末ではなく トレバーを拉致して処刑したい。目の前で 奴に命乞いさせてやるのだ】 【では そのように伝えますわ バランの説得は私にお任せ下さいギルマン長官】 【カザフ君 バランが言っていた男 レオンとは連絡が付いたのか?】 【レオンは バランの話しでは 優秀なコマンダーのようですが 数年前アラブのキャンプから失踪したままです連絡は取れませんでした。】 【ヒシュタル様を倒したのは ワンダーウーマンだと言う噂だが本当なのか?】 【ワンダーウーマンは人を殺す事は有りません。自分に危害を加えた相手でも です。 恐らくは パイロンでしょう 彼は私設軍隊をもっています。】 【ワンダーウーマンを拉致して、拷問に掛けて吐かせて見るか】 【ワンダーウーマンは 拷問に屈する相手ではありません。 ギルマン長官 私にお任せ下さい このカザフが名誉にかけて落として見せます。】 【方法は任せよう ヒシュタル様を倒した犯人を吐かせるのだ!】 【畏まりました。】 別室に戻ったローザとカザフは 抱き合いながら密かに会話していた。 【ギルマンは 同盟と言うが 奴の本心は分かっている私達を利用するだけだろう】 【そのようですわ …あっ! ぁぁあっ! …バランもそう言っていましたわ】 【隙を見てダイアナは奪い返す。 そして バランにギルマンを始末させよう。】 【悪い人ですねカザフ様は …ぁぁあっ …そっ…そこ…あぁぁぁっ…いっ…いいわ】 絡み合う2人をモニターで見ていたギルマンは 【ブタ共め! 檻から出してやったら早速 SEXかお前達など何れ処刑してやる。 だが 当分は利用できる奴等だ 違うかバラン】 【あいつらを信用する程 俺は甘くは無い 俺を篭絡できると思ったのが間違いだ】 【くっくっく お前は頼もしい男だバラン 俺の片腕になってくれ報酬は望み通りだぞ】 【俺の望みは パイロンとワンダーウーマンの命だ切り刻んでから殺してやる】 【私と同じ望みだ 協力を約束しよう】 【なんだ! あれは!】 バランがモニターを指差す方を見たギルマンも驚いていた。 【ワンダーウーマン!! ダイアナがワンダーウーマンなのか!】 ------------------------ 捕われたワンダーウーマン ------------------------ ダイアナは なんとか ソファーの上に身体を載せると 今度は ソファーから転がり落ちる形でスピンしてワンダーウーマンに変身した。 だが その様子は モニターで バランとギルマンに目撃されてしまっていた。 【さぁ 反撃開始よ!】 そう言って部屋を出た途端 バランに背後から襲われてしまった。 【くっ! しまったわ! …んっんん…んんぅ…んぅっん…】 不意打ちを食らってワンダーウーマンは再び捕まってしまった。 【わはっはっはっは ワンダーウーマンを捕らえたぞ!これで弟の仕返しが出来るぜ】 【待てバラン! こいつには聞きたい事が有る。処刑はその後だ!】 【いいだろう 直ぐには殺す気はない。 嬲り殺しにしてやる。】 【おい! ローザとカザフを呼んで来い! ワンダーウーマンの秘密を聞だすのだ!】 SEXの最中に呼び出されたローザとカザフは下着のまま飛んできていた。 倒れているワンダーウーマンがダイアナの変身と気が付いていた2人だったが、 カザフは目配でローザに合図し、ギルマンとバランの手前知らない事で通す事にした。 【ワっ! ワンダーウーマン! どうして!】 【お前達 ダイアナがワンダーウーマンとは 知らなかったのか?】 【知っ…知らなかったわ…】 【だが 捕まえる手間が省けましたなギルマン長官。ワンダーウーマンのパワーの秘密はベルトです。 ベルトを奪ってしまえば、ワンダーウーマンもただの巨乳女です。】 カザフに言われたギルマンは ベルトを奪うと部下に命じ ワンダーウーマンを後ろ手錠に拘束させ、拷問部屋に連行させた。 【ワンダーウーマンを起こせ! 尋問を開始するのだ!】 【どけ! 俺がやる! 死ぬほうが楽だと思い知らせてやるぜ!】 バランは 刺の付いた鞭を握り締め ワンダーウーマンに迫った。 ***つづく  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

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