平成15年4月18日・初版

続ワンダーウーマンvs奴隷商人・第3章/AtoZ・著

続奴隷商人 カザフ・ローザ編3 カザフに連れ去られたワンダーウーマン そこは逃げ場の無い孤島だった。 --------------------------------------- 第三章 奴隷島 --------------------------------------- 【ようこそ 我がカザフ島へ 歓迎するよワンダーウーマン】 【私を どうする積もりなの?】 【決まっているでしょう ここで たっぷり調教して立派な奴隷にしてあげるわ】 【嫌よ! 貴方達に屈服なんてしないわ!】 【そうかしら? 最初ここに来た娘達は 皆そう言ったわ。 でも オークションに出る頃は 皆素直な奴隷になっていたわよ】 【どんなに 痛めつけられても 私は…私の心迄は縛れないわ】 【ふっふっふ 楽しみだよ ワンダーウーマン君のその気高さがいつ迄続くか見せてもらおう】 【私のラッソーとベルトを返して!】 【残念ね ベルトは ギルマンが持って行ったわベルトも彼も行方不明よ】 【そっ! そんな! 彼は何処! 何処へ行ったの!?】 【さぁ 多分IADCに追われて アルバニアに逃げ帰っただろうね。 ここから 逃げ出せたら アルバニアまで追いかけて行くのだな。】 【ほっほっほっほっほ でもベルトが無ければここからは逃げられないわね。 そのレプリカのベルトで 我慢するのね。 それとも … アルバニアまで逃げて見る? どうするの?】 【…そっ…そんな…】 ローザの嘲笑に ワンダーウーマンは全身の力が抜けていくようだった。 後ろ手錠のままでは カザフとローザを倒しても泳いで逃げる事は出来ないだろう 手錠の鍵は カザフが持っているとしても 簡単に見つかる所には置いていないだろう。 【…チャンス…チャンスを待つのよ…その時まで…彼等の仕打ちに耐えるしかないわ…】 【何を立っているの! この雌犬! 御主人様に挨拶するのよ!】 いきなり ローザに鎖を引かれ 床に転がされたワンダーウーマンに罵声が浴びせられた。 【さぁ! 挨拶ができないの この愚図!】 【くっ! …くぅっ…】 【自分の立場が解っていない様だな。 ローザ構わん 躾をしてやれ!】 【畏まりましたカザフ様 … さぁ 御主人様に挨拶をするのよ!】 ローザは 首輪を外すと ハイヒールの踵で ワンダーウーマンの背中をぐりぐり押しつけた。 【あぅっ! くぅっぅぅ… あぅう…】 【強情な雌犬のようだな ローザ あの薬…媚薬を…使ってやれ】 【そうですわね 鞭で打つより 悶えさせるほうが面白いですわね】 そう言うと ローザは 棚から薬ビンを取り出しワンダーウーマンの後ろに回った。 その瞬間 ワンダーウーマンは ローザの腹を蹴り上げると、 起き上がって身体ごとカザフに体当たりした。 カザフとローザが怯んだ隙に ワンダーウーマンは部屋から飛び出していた。 館から逃げ出したワンダーウーマンは 森をさ迷っていたが、丘の上に上がって愕然とした。 【だっ! 駄目だわ! 下は絶壁だわ! 戻るしかないわ】 ワンダーウーマンは仕方なく 別の道を探して森に入っていった。 夕方 半日以上もさ迷って やっと海岸に出たワンダーウーマンは ここでも 絶望を味わうことになった。 【船が! 船がないわ!】 カザフは 自分達が下船すると船を 帰してしまっていたのだ。 縛られたままで 当ても無く 海を泳ぐ事など出来なかった。 近くには 島影さえ見当たらなかった 波は荒く泳いでも引き戻されてしまうだろう。 【だめ…ここから…ここから逃げ出す事は…出来ないの…】 --------------------- ウーマン・ハンティング --------------------- ワンダーウーマンが逃げ出して もう8時間を経過していた。 【そろそろ 行くかね ローザ】 【はい もう諦めて戻る頃でしょう そろそろハンティングを開始しましょう】 【部下達も 痺れを切らしているだろう 始めよう】 カザフは 部下を集めると ワンダーウーマン狩りを命じた。 【武器は 鞭と電気棒だけにしろ! 最初に捕らえたも者には最初の権利をやろう。 油断するなよ 相手は縛られていても ワンダーウーマンだ。 首輪と足枷を忘れるな。 行くぞ!】 カザフ・ローザを先頭に8人の男達が 犬と共に狩りに出発した。 獲物は ワンダーウーマンだった。 逃げ出した娘を探し出し、捕らえたものが最初に娘を犯す権利が得られる という ゲームだった。 後ろ手錠で拘束された相手を追うのだ、 反撃される恐れはない もし反撃されても 取り囲んで押え込める。 だが 若く美しい娘を狩るというスリルは 追う者の気持ちを高ぶらせていた。 しかも 相手は スーパーヒロインのワンダーウーマンだ。 追っ手の気分はいやが上にも興奮していた。 その頃ワンダーウーマンは 森を抜け 廃坑に入っていった。 【どこかに 手錠を外せる道具が有ればいいのだけれど… この廃坑は何処まで続いているのかしら… このまま 逃げていても いずれ捕まってしまうわ…】 縄ならば、 岩で擦れば切れたかも知れないが鎖ではヤスリでもなければ 切断できないだろう。 両手が自由になれば まだ闘うことも出来るが 今は 逃げるしか方法はなかった。 【カザフとローザが追って来る前に この手錠を外さないと…もっと奥まで行って見ましょう…】 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 【何処まで続いているのかしら?】 … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … … 廃坑の奥へ奥へと進んでいたワンダーウーマンだったが、 金網に行く手を塞がれてしまった。 【ここは? 倉庫だわ!】 身体をネットにぶつけて見たが 撓むだけで破る事は出来なかった。 ネットの奥 薄暗い片隅に 箱が置かれていた。 【くっ! もう一度! … ふぅうう…駄目…あの箱には道具が有るかもしれないわ もう一度! …駄目だわ 他に何か無いかしら…】 ワンダーウーマンが 何度も体当たりしたが…やはりネットは破れなかった。 【何か…何か開ける方法は…ないかしら…】 【どうしたのかね ワンダーウーマン】 その声に 驚いて振り替えると そこには カザフとローザその部下達が立っていた。 【ほっほっほっほ 馬鹿な女ね ここへ来る事は最初から解っていたのよ】 【残念だったな 時間切れだ もっと頑張ってくれると期待していたのだが】 【カザフ様 もう捕まえて宜しいですか?】 【いいだろ 足枷を付けてやれ!】 【…全て仕組まれた罠だったのね…首輪を外したのも…逃げる隙を見せたのも… 一度は逃がし 逃げられないと解らせる…そして追い詰め…捕らえ…罰を与える… それが カザフのやり方…】 もう逃げるのに疲れたワンダーウーマンは、部下達が足枷を付ける間も 抵抗せずされるがままにしたがった。 館に連れ戻されるワンダーウーマンの足取りは重かった。 短い鎖で繋がれた足枷をされ、もう走る事も出来なかった。 館に戻れば 罰が 逃亡の罰が待っているだろう … しかし もう逃げる気力も体力も無くなっていた。 だが 心の奥でもう一人の自分が 呼びかけていた。 【…負けない…どんなことをされても…私は負けない…私はワンダーウーマンなのよ】 ***つづく  この作品は、ハードカバー版(画像付き小説)がダウンロードできます。 入手される方は、下記のリンクをクリックしてください。

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